『Surface Book 2 (15インチモデル)』レビュー クリエイティブな作業も快適にこなせる完成度の高い 15インチノート(後編)

 

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マイクロソフト『Surface Book 2 (15インチ)』実機レビュー 後編です。

後編は、各種ベンチマークのほか、RAWデータ現像・動画エンコード処理時間計測、起動・シャットダウン時間計測などの性能レビューです。

Surface Book 2 (15インチ) 背面側(その3)

【 目 次 】
(前編)
外観について
スペックについて
ディスプレイ
キーボード&タッチパッド
Surface ペン
Surface Dial
(後編)
ベンチマーク
RAWデータ現像・動画エンコード処理時間計測
駆動音・表面温度
サウンド チェック
Windows の起動・再起動時間計測
まとめ

レビュー内容は 2018年10月3日時点のものになります。

レビュー機のスペック構成については「スペックについて」の章をご覧ください。

 

ベンチマーク

『Surface Book 2 (15インチ)』の基本性能や総合的なパフォーマンスのほか、CPU、グラフィック、ストレージ、バッテリーの性能を測定します。

基本性能

Windowsに搭載されているシステム評価ツール「WinSATコマンド」と、パソコンの各性能レベルを客観的に評価する「PASS MARK PerformanceTest 9.0」を使用して、パソコンの基本性能を測定します。

WinSAT

WinSAT スコア

「WinSAT」による測定は、PCの性能を相対的に数値化して表現したもので、各項目の説明は次のとおりです。

CPUScore CPU のスコア
D3DScore ゲーム用グラフィックスのスコア
ただし、従来のゲーム用グラフィックスのスコアのため Windows 10では計測対象外(9.9というスコアは無視)
DiskScore プライマリハードディスクのスコア
GraphicsScore グラフィックスのスコア
MemoryScore メモリのスコア
TimeTaken 前回の評価(「MostRecentAssessment」は直近の評価を表します)
WinSATAssessmentState 評価の状態を表す値(1:評価済み、2:要再評価)
WinSPRLevel 基本スコア(SPR:System Performance Rating)

CPU性能

「CINEBENCH」を使って、CPU性能を測定します。

CINEBENCH 測定結果

『Surface Book 2 (15インチ)』の CPU には 第8世代インテル Core i7-8650U プロセッサーが搭載されています。

一般的なノートPC のハイスペックモデルに搭載されている同じ世代のインテル Core i7-8550U プロセッサーの CPU スコアが 500cb前後に対し、『Surface Book 2 (15インチ)』に搭載されている CPU は 675cb。

ベンチマークのスコアを見る限りでは性能比が 約 1.35倍ということになります。

PASS MARK PerformanceTest 9.0

PASS MARK PerformanceTest 9.0 スコア(クリックで拡大表示できます)

「PASS MARK PerformanceTest 9.0」で計測されたスコアは、全世界のパソコンがアップロードしたスコアと比較、Percentile(パーセンタイル)の数値から自分のパソコンの性能レベルを客観的に把握することができます。

上記の測定結果を例にすると、トータル性能を示す「PassMark Rating」のスコア「4368.0」のパーセンタイルは「86th Percentile」で、計測を行った他のパソコン 86% よりも上位のスコアという意味です。

別な言い方をすると、「PASS MARK PerformanceTest 9.0」で計測しスコアをアップロードした全世界のパソコンのなかで、上位のスコアから 14%(100% - 86%)に位置するスコアということです。

ゲーミングPC やクリエイティブな作業に使うPC などハイレベルなパソコンも混在するなかでも上位クラスにランクするスコアです。

2D Graphics 以外はスコアレベルも高く、写真・動画編集のほか 3Dレンダリングでも快適に使える性能を備えているといって良いでしょう。

グラフィック性能

グラフィック性能は以下のゲーム系ベンチマークソフトを使って測定します。

■3DMark
■ドラゴンクエストX
■ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター
■ファイナルファンタジーXV
■SteamVR パフォーマンステスト
■VRMark

3DMark

3DMark は、「ICE STORM」「CLOUD GATE」「SKY DIVER」「FIRE STRIKE」「TIME SPY」、各シーンについてグラフィック性能を測定します。

結果は以下のとおり。

3DMark

ドラゴンクエストX

ドラゴンクエストX ベンチマークの結果です。

ドラクエベンチマーク(最高品質、解像度 1280×720)
最高品質、解像度 1280×720

ドラクエベンチマーク(最高品質、解像度 1920×1080)
最高品質、解像度 1920×1080

ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター

ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマークの結果です。

ファイナルファンタジー 紅蓮のリベレーター 高品質(ノートPC) 解像度 1280×720
高品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11

ファイナルファンタジー 紅蓮のリベレーター 最高品質 解像度 1280×720
最高品質、解像度 1280×720、DirectX 11

ファイナルファンタジー 紅蓮のリベレーター 高品質(ノートPC) 解像度 1920×1080
高品質(ノートPC)、解像度 1920×1080、DirectX 11

ファイナルファンタジー 紅蓮のリベレーター 最高品質 解像度 1920×1080
最高品質、解像度 1920×1080、DirectX 11

ファイナルファンタジーXV

ファイナルファンタジーXV ベンチマークの結果です。

ファイナルファンタジーXV 軽量品質 解像度 1280×720
軽量品質、解像度 1280×720

ファイナルファンタジーXV 標準品質 解像度 1280×720
標準品質、解像度 1280×720

SteamVR パフォーマンステスト

SteamVR パフォーマンステスト結果です。

SteamVR パフォーマンステスト
SteamVR パフォーマンステスト

VRMark

VRMark を使用して、VR性能を測定します。
(テスト結果はクリックで拡大表示できます)

Orange Room

Orange Room は VRアプリケーションを快適に楽しめるか標準的な負荷でのテストです。

VRMark Orange Room スコア

VRMark Orange Room スコア比較VRMark Orange Room

Blue Room

Blue Room は VRアプリケーションで利用される典型的なグラフィックス処理を高クオリティで処理させる高負荷なテストです。

VRMark Blue Room スコア

VRMark Blue Room スコア比較VRMark Blue Room

Cyan Room

Cyan Room は Orange Room と Blue Room の中間的な負荷のテストで、DirectX 12 でどの程度の VRパフォーマンスを発揮できるかを判定するテストです。

VRMark Cyan Room スコア

VRMark Cyan Room スコア比較VRMark Cyan Room

 

上記のベンチマークソフトを使ったグラフィック性能の測定結果をみると、『Surface Book 2 (15インチ)』のグラフィック性能レベルは意外に高いレベルです。

写真・動画編集はもちろんのこと 3Dレンダリングや、ゲーム、VR コンテンツまで快適に楽しめる性能レベルです。

ストレージ

ストレージのベンチマークです。

レビュー機に搭載されているストレージは SAMSUNG製の SSD で、容量は 512GB、接続規格 M.2 / インターフェイス PCIe / 転送モード NVMe です。

ストレージ情報
ストレージ情報

ドライブ構成は次のようになります。

ストレージのドライブ構成ドライブ構成
(クリックで拡大表示できます)

デモ用アプリが多くインストールされていたため、Cドライブの空き容量は参考程度としてください。

ストレージのデータ転送速度の測定結果です。

データ転送速度
データ転送速度

SSD が搭載されていると、測定結果が示す通り Windows や アプリの起動も高速です。

とくに、搭載されている SSD は、対応規格 PCIe / 転送モード NVMe なので、Windows やアプリの起動などストレージへのアクセスは、体感的にも爆速です。

NVMe は、SATA接続の SSD よりも 高速なデータアクセスが可能なので、Windows や アプリもより高速に起動できます。

総合的なパフォーマンス

「PCMark 8」および「PCMark 10」を使用して、PCのアプリケーション実行における総合的なパフォーマンスを測定します。

PCMark 8(Home Test)

家庭での利用を想定したテストです。

PCMark 8 Home Test スコア

PCMark 8 Home Test スコア比較PCMark 8(Home Test) OpenCL対応の Accelerated にて測定
(テスト結果はクリックで拡大表示できます)

PCMark 8(Creative Test)

クリエイティブな利用を想定したテストです。

PCMark 8 Creative Test スコア

PCMark 8 Creative Test スコア比較PCMark 8(Creative Test) OpenCL対応の Accelerated にて測定
(テスト結果はクリックで拡大表示できます)

PCMark 10 Extended

PCMark 10 Extended は、以下の 4つの Test Group のテストを実施します。
(テスト結果はクリックで拡大表示できます)

■Essentials(普段の作業を想定した基本的なテスト)
■Productivity(ビジネスソフトの使用を想定したテスト)
■Digital Contents Creation(写真・動画編集を想定したテスト)
■Gaming(ゲーミングソフトの使用を想定したテスト)

PCMark 10 Extended スコア

PCMark 10 Extended スコア比較PCMark 10 Extended

 

総合的なパフォーマンスとしては、高いレベルでバランスよいスコアです。

とくに、PCMark 10 Extended では、すべてのテストグループでとても良好なスコアが出ており、あらゆるシーンで快適なパフォーマンスで使えるレベルです。

バッテリー

『Surface Book 2 (15インチ)』に搭載されているバッテリーの性能(駆動時間と充電時間)を測定します。

『Surface Book 2』には、キーボードとタブレット(ディスプレイ)の両方にバッテリーが搭載されており、今回の測定ではタブレットをキーボードに装着したラップトップモードで行います。

■駆動時間
バッテリーでの駆動は、次の条件でバッテリーによる駆動時間を計測します。
・無線LANでインターネットに接続
・YouTubeを全画面で連続再生
・画面の明るさ:最大レベル
・音量:最大レベル

■充電時間
バッテリー充電時間の計測は以下の条件で行います。
・測定開始はバッテリー残量がほぼゼロの状態
・電源アダプターを接続し Windows を起動
・スクリーンセーバー(ラインアート)でパソコンはアイドル状態
※スクリーンタイムアウトや PCスリープは設定しない。

バッテリーの駆動時間と充電時間の測定結果は以下のようになります。

バッテリー残量グラフ

バッテリーによる駆動は 9時間44分経過後、Windows がバッテリー不足を検知し、パソコンはシャットダウンしました。

バッテリーを多く消費する条件でもバッテリー駆動時間が 10時間近く持続できることは、15インチサイズのノートパソコンとしては充分といえるでしょう。

とくに、『Surface Book 2 (15インチ)』には、高性能グラフィックスも搭載して、この駆動時間ですからバッテリー性能としては高いレベルです。

バッテリー充電については、50%まで充電するのにかかった時間は キーボード側バッテリーが 1時間 1分、タブレット側バッテリーが 1時間 5分でした。

なお、実際の使用にあたっては、環境や条件などによりバッテリーの駆動時間は変動するので、参考値としてください。

 

RAWデータ現像・動画エンコード処理時間計測

RAWデータ現像と動画エンコードの処理時間を計測します。

RAWデータ現像

RAWデータ現像に使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。

■使用ソフトウェア
CyberLink PhotoDirector 7
(筆者所有のソフトウェア)

■条件等
・RAWデータ 50ファイルを一括書き出し
・プリセット等 編集は適用しない
・撮影カメラ SONY NEX-5

■処理時間

処理時間 メモリ使用量
1分1秒9 5.3GB

※メモリ使用量は処理中の「コミット済みメモリ」(最大値)。
 (パソコンがシステム全体で実際に使用しているメモリの使用量)

動画エンコード

動画エンコードに使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。

■使用ソフトウェア
CyberLink PowerDirector 15
(筆者所有のソフトウェア)

■条件等
・AVCHD動画(1920×1080)を mp4 形式で出力
(m2ts→mp4、720p、1280×720/30p 16Mbps)
・動画再生時間 10分間

■処理時間

処理時間 メモリ使用量
4分8秒2 4.6GB

※メモリ使用量は処理中の「コミット済みメモリ」(最大値)。
 (パソコンがシステム全体で実際に使用しているメモリの使用量)

 

性能相応の処理時間で、まあまあ満足できる結果です。

 

駆動音・表面温度

負荷のかかる処理中は、排熱のため「サーッ」という排気音が少し大きくなります。音の大きさはそれほど大きくはならないので、耳ざわりに感じることはないでしょう。

負荷が低減し本体内部の熱が冷めてくると、排気音も静かになります。

平常時の駆動音が静かであることや、パソコンを使っている間終始負荷がかかる状態が続くわけではないのであまり気にすることはないと思います。

本体の表面温度については、負荷のかかる処理になると、ディスプレイ背面側(とくに上部のほう)が少し熱くなります。

キーボード表面は熱の影響はほとんどありません。

 

ディスプレイ背面側の表面温度(単位:℃)

ディスプレイ背面側の表面温度
左側の画像:平常時(Windows起動後10分放置)
右側の画像:動画エンコード時(10分間の動画エンコード終了直前)

 

キーボードの表面温度(単位:℃)

キーボードの表面温度
左側の画像:平常時(Windows起動後10分放置)
右側の画像:動画エンコード時(10分間の動画エンコード終了直前)

 

サウンド チェック

『Surface Book 2 (15インチ)』は、音質などをチューニングできるユーティリティソフトはインストールされていませんが、意外にも高音質です。

実際にサウンドを聴いてみた印象です。

■スピーカー
低音域が若干弱い感じもするが広い音域をカバーしている。
音質も良好でカジュアルに高音質サウンドを楽しめる。

■ヘッドホン
低音域が強調され、サウンドに厚みが増し、より高音質なサウンドを楽しめる。

 

Windows の起動・再起動 時間計測

Windows の起動時間、再起動時間を それぞれ 5回ずつ計測しました。

起動 再起動
1回目 11.6秒 34.9秒
2回目 16.2秒 34.3秒
3回目 11.7秒 33.3秒
4回目 11.3秒 32.9秒
5回目 11.9秒 32.8秒
平均 12.5秒 33.6秒

起動、再起動とも、感覚的にも「早い」です。

 

まとめ

以上、『Surface Book 2 (15インチ)』のレビュー記事をお届けしました。

Surface Book 2 (15インチ) は、ベンチマークの結果が示すとおり高い性能レベルでパフォーマンスも快適です。

デザイン面でも Surface Book 2 らしいスマートな印象の強いデザインでスタイリッシュで、性能・デザイン・使いやすさなど完成度の高さを感じました。

評価のポイントをまとめると・・・

高評価のポイント
・性能レベルが高く動作も軽快
・15インチサイズでも意外と重くない
・スタジオモードでは 15インチサイズのメリットをかなり活かせる
・スタイル自在に場所や時間にとらわれない使い方ができる
・オプションのSurfaceペンはバツグンの描き心地
・Surface Dial はデザイン系の作業ではかなり有効なアイテム

チョット残念なところ
・高負荷になるとディスプレイ背面が熱くなる
・値段が高い

『Surface Book 2 (15インチ)』の価格は 306,504円(税込) ~。

価格は高いですがオフィスソフトも入っていて、快適パフォーマンスにくわえ使いやすく、とくにデザイン系の作業では Surface Dial や Surface ペンと一緒に使うことでクリエイティブな作業もかなり効率アップします。

テレワークなど場所や時間にとらわれない柔軟な働き方にも活用できるモデルといえます。

 


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⇒『Surface Book 2 (15インチ)』製品ページ
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たとえば、Surface Book 2 を使ってみて自分の使い方にマッチしないスペックのときはスペックの異なるモデルに交換することもできます。

 

Surface Book 2 (15インチ) 正面側

 

 

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