日本HPが販売する HP EliteBook Ultra G1q AI PC は、Qualcomm Snapdragon X Elite プロセッサーを搭載した高性能で高品質な 14型ノートパソコンです。
洗練されたスタイリッシュなデザインの筐体にパワフルな性能を搭載。軽快な動作でベンチマークによる性能評価も優秀です。パフォーマンスと超省電力を両立しているところもポイント。
本体は軽くて堅牢性にもすぐれているので自宅や外出先などさまざまな場所で快適に活用することができます。
■HP EliteBook Ultra G1q AI PC の特徴
- Snapdragon X Elite プロセッサーを搭載
- 新色のアトモスフィアブルーを採用したスタイリッシュなデザイン
- 軽さと堅牢性を兼ね備えた CNCマグネシウムボディ
- 2.2K (2240×1400) タッチ対応ディスプレイ(アスペクト比 16:10)
- 高精細 5MPカメラと Windows Hello対応 IRカメラ搭載
- 存在検知機能(プレゼンスセンシング)で画面を自動ロック/解除できる
- Poly Camera Pro と AIノイズキャンセラーで快適なオンラインコミュニケーションが可能
- Poly Studio デュアルスピーカー搭載
- HP Sure Sense や HP Wolf Pro Security などセキュリティ機能を搭載
- バッテリー駆動で長時間使用できる
レビューでは、メーカーからお借りした実機を試用して前半で外観デザイン/ディスプレイ/キーボードなどをチェック、後半では各種ベンチマークを使った性能評価を行います。
【 目 次 】
レビューは 2025年1月9日時点の内容です。
スペック構成
HP EliteBook Ultra G1q AI PC のおもなスペック構成は以下のとおり。
本体カラー | アトモスフィアブルー | OS | Windows 11 Pro(日本語) |
プロセッサー | Qualcomm Snapdragon X Elite X1E-78-100 |
メモリ | 16GB オンボード LPDDR5X |
ストレージ | 512GB M.2 SSD (PCIe NVMe) |
ディスプレイ | 14型ワイド(16:10) 2.2K 液晶タッチディスプレイ(光沢、2240×1400ドット、300cd/m2、UWVA)、WLEDバックライト、Low Blue Light |
グラフィックス | Qualcomm Adreno GPU (プロセッサーに内蔵) |
無線LAN/ Bluetooth | Qualcomm FastConnect 7800 Wi-Fi 7 (アンテナ数:送信2、受信2)+ Bluetooth 5.4 |
カメラ | HPプライバシーカメラ(5MP、視野角 88度 、開閉式スライドカバー)、IRカメラ(Windows Hello対応) |
オーディオ | Audio by Poly Studio 内蔵デュアルステレオスピーカー 、内蔵デュアルアレイマイク |
バッテリー駆動時間 | 最大 約26時間59分 (MobileMark 25) |
本体サイズ(W×D×H) | 約 312.9×223.5×14.4 (最薄部) mm |
本体質量 | 約 1.349 kg |
詳しいスペックや価格、キャンペーンなど最新情報は日本HP公式サイトをご確認ください。
HP EliteBook Ultra G1q AI PC
税込 25万円台から
※HP EliteBook Ultra G1q AI PC は法人向けモデルですが、個人ユーザーや SOHO、フリーランスのユーザーも購入できます。
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外観チェック
スタイリッシュでアクティブなイメージのデザイン
HP EliteBook Ultra G1q AI PC のデザインはスタイリッシュ。
本体のカラーはアトモスフィアブルー。藍色に近く、スタイリッシュでアクティブなイメージのある色合いです。
スタイリッシュなフォルム
天面のスラッシュロゴにくわえ背面には EliteBook ブランドロゴや AIロゴが さりげないアクセントとしてデザインされています。
なお、表面には汚れが付きにくい PVD(物理蒸着)コーティングが施されています。手で触れた感触はサラサラしており質感は良好で、濃い目のカラーながら指紋や皮脂の跡が目立ちにくいところも好印象です。
また、本機はサスティナブルに対応している PC として EPEAT Climate+ Gold に認定されています。本体素材にはリサイクルメタルやリサイクルプラスチックが使用されていますが、リサイクル素材が使用されていることをまったく感じさせない高級感あるイメージに仕上げられています。
本体はとてもスリムです。
本体はスリム
底面カバーは「ユニボディ」の構造。シンプルながら剛性を重視したデザインです。
ゴム足は前面側左右に2箇所と背面側左右にまたがるゴム足の合計3箇所に実装。しっかりとしたゴム足で本体の安定感は良好です。
なお、排気口はヒンジのあいだに実装されています。
排気口(ヒンジのあいだ)
ちなみに、背面側のゴム足は排気口から排熱された空気が再び吸気口に入り込むことを遮断する役割も兼ねています。これにより本体内部を効果的に冷却できるメリットがあります。
吸気口(底面カバー側)と排気口
インターフェースは必要最低限
HP EliteBook Ultra G1q AI PC に実装されているインターフェースは必要最低限です。
右側面
①3.5mm オーディオマイクコンボ
②SuperSpeed USB Type-A (USB 3.2 Gen 1, HP Sleep & Chargingサポート)
左側面
③SuperSpeed USB Type-C (Power delivery, DisplayPort 1.4) ×2
LANケーブルの接続や HDMIポートを使った外部モニターへの映像出力などポートを拡張するときは USB ハブを用意するといでしょう。
以下、インターフェースについての補足情報です。
USB Type-C ポートの映像出力/ PD充電器の対応結果は以下のとおり。
■USB Type-C 対応表(2ポート共通:当サイトの検証結果)
映像出力 | 〇(4K出力可能) |
---|---|
PD充電器(30W) | ○ |
PD充電器(45W) | ○ |
PD充電器(65W) | 〇 |
電源ボタンはキーボード上にレイアウト
電源ボタンはキーの一部としてキーボード右上にレイアウトしています。
電源ボタンは LED内蔵
電源ボタンは右端に色分けされて配置しているので押し間違えることはないと思います。ちなみに、電源ボタンを押したときは「カチッ」という音がして、キーを押したときの感覚とは明らかに異なります。
なお、使用中に間違って電源ボタンを押しても短押し(1秒未満くらい)なら無反応です。ただし、1,2秒程度ならスリープへ移行し、5秒くらい長押しすると強制的に電源オフされます。
便利なオンラインアシスト機能
HP EliteBook Ultra G1q AI PC のカメラは、5MPカメラ(約500万画素)にくわえ、Poly Camera Pro によるオンラインアシスト機能を搭載しています。
Poly Camera Pro には、フレーミング機能や背景の明るさを調整できる機能、背景ぼかし/画像埋め込み機能などオンラインコミュニケーションをアシストしてくれる便利な機能が組み込まれています。
Poly Camera Pro は Windows スタジオ エフェクト機能が強化されており、とくに自動フレーミングの反応がすこぶる優秀です。
顔認証カメラを搭載
HP EliteBook Ultra G1q AI PC は、顔認証カメラを標準搭載しています。
顔認証でサインイン
認証精度は良好です。
また、カメラには「プライバシーシャッター」が付いています。
上の画像:シャッターを開いてカメラ有効
下の画像:シャッターを閉じてカメラを遮断
シャッターはスライド式(手動)ですがスムーズなスライドが可能。オンライン会議などで こちらの光景を見られたくないときもスムーズに操作できます(切替スイッチはカメラの上側)。
ちなみに、プライバシーシャッターでカメラを閉じていると顔認証機能は使えません。サインインするときはプライバシーシャッターを開くか PINコードやパスワードを入力してください。
存在検知機能を搭載
HP EliteBook Ultra G1q AI PC は、存在検知機能(プレゼンスセンシング)を搭載しています。
存在検知機能
設定するだけで離着席時にパソコン画面を自動でロック/解除できる便利な機能です。なお、顔認証情報を登録しておけば着席時に自動で顔認証機能が起動しそのままサインインできます。
スピーカーは底面の前面側左右搭載
HP EliteBook Ultra G1q AI PC のスピーカーは底面の前面側左右に搭載しています。
Poly のオーディオ・チューニングにより低音域から高音域まで広い音域を再現し高音質です。
スリムで軽量なので持ち歩きがラク
本体の大きさのイメージです。本体の上に A4コピー用紙と B5版ノートを載せています。
本体のサイズ感
本体は A4コピー用紙より一回り大きいくらいのサイズ感でコンパクトです。
本体を閉じたときの高さのイメージは以下のとおり。
本体の高さを CD ケース(通常サイズ)2枚と比較
(通常サイズの CDケースの厚さは 10mm)
ゴム足を含めた本体の高さは実測で 17mm(最厚部)。CDケース 2枚より薄くて とてもスリムです。
本体や電源アダプターなど質量の実測値は以下のとおり。
・本体:1,320g
・電源アダプター:197g
・電源コード:106g
・ウォールマウントプラグ:41g
本体は 14インチノートながら 1kg ちょっとの軽さです。この軽さなら持ち歩きもラクにできます。
本体は持ち歩きがラクにできる軽さ
電源アダプターは最大出力が 65W。その大きさは手のひらに収まるくらいのサイズです。
電源アダプターのコードは巻き付けられるので、持ち歩く際はバッグへスムーズに収納できます。
また、ウォールマウントプラグを電源アダプターに装着すればコンセントへ直付けできるので、持ち歩く際は電源コード不要でOKです。
ディスプレイのチェック
自然な色合いで描画できるディスプレイ
レビュー機の液晶パネルは BOE製[型番:BOE0C93]。描画される映像は自然な色合いでキレイです。
画像の表示例(その1)
画像の表示例(その2)
テキストの表示例
テキストの表示例(拡大)
筆者が使用しているモニターキャリブレーションツール「i1Profiler」が Arm版 Windows では動作しなかったためトーンカーブや色域の計測はできませんでしたが、上記写真を見てのとおり色再現性は良好で描画できる色域が広いことがわかります。
狭額縁ベゼル
ベゼルは狭額縁です。
とくに左右のベゼルは鉛筆の太さよりも幅が狭く、画面周りは全体的にスッキリとしています。
映り込みは少し感じるかも
ディスプレイの映り込み具合をチェックします。
レビュー機のディスプレイは光沢液晶です。上記写真のとおり映像によっては映り込みが気になる場合があるかもしれません。ただ、筆者が試用していたなかでは映り込みが気になることはありませんでした。
広い視野角
視野角をチェックします。
正面
右側 ディスプレイ面から30度の角度
上側 ディスプレイ面から30度の角度
水平方向、垂直方向ともに視野角は広く、斜めからも映像をはっきり確認できます。
ディスプレイを開く角度は十分な範囲をカバー
ディスプレイを開くことができる最大角度は 約135度。
クラムシェルタイプとして十分な範囲をカバーしています。
キーボード&タッチパッドのチェック
英語配列キーボード
HP EliteBook Ultra G1q AI PC のキーボードレイアウトは英語配列のみです。
日本語配列のキーボードを使っているユーザーは多少の違和感があるかもしれません(慣れてくれば使いにくさは軽減すると思います)。
キーピッチは実測で 約19mm(仕様も 19mm)。フルサイズキーボードと同等のピッチで窮屈な感じはありません。
キートップの形状はフラット。サラサラした感触でキーのタッチ感は良好です。
キーストロークの仕様は 約 1.0mm と少し浅め。ただ、数字ほどの浅さは感じません。
タイプ音は「タクタク」という音だが、音の大きさはフツウ
深めのストロークが好みのユーザーは初めのうち違和感があるかもしれませんが、キーを押し込む強さや押し込んだあとの跳ね返りの感覚は良好です。
キーストロークは少し浅いながらタイピングしやすいキーボードです。
Copilotキー搭載
HP EliteBook Ultra G1q AI PC には「Copilotキー」が搭載されています。
矢印の指すキーが Copilotキー
Copilotキーを押すと Microsoft の AIアシスタントをすばやく起動することができます。
Copilotキーを押すだけで AIアシスタントが起動
Copilot はとても便利な機能で、ユーザーの質問に対して適切な回答を返してくれます。回答は即時表示されるのでビジネスシーンでもしっかり活用できます。
キーボードにはバックライトを搭載
キーボードにはバックライトが搭載されています。
キーボード・バックライトの明るさは、2段階で切り替えできます。
[F5]キー押下:点灯(明)→点灯(暗)→オフ
質感のよいパームレスト
パームレストはサラサラとした感触で質感も良好です。
濃い目のカラーでも指紋や皮脂の跡は目立ちません。
なめらかなスベリで操作しやすいタッチパッド
タッチパッドはツルツルした感触でスベリはなめらかです。
タッチパッドのサイズ感
大きめサイズで扱いやすいタッチパッドです。
ベンチマークによる性能評価
ベンチマークソフトを使用してレビュー機の CPU・グラフィック・ストレージ性能のほかバッテリー性能や総合的なパフォーマンスを評価します。
レビュー機の基本スペック
CPU | Qualcomm Snapdragon X Elite X1E-78-100 |
---|---|
メモリ | 16GB オンボード LPDDR5X |
ストレージ | 512GB M.2 SSD (PCIe NVMe) |
グラフィックス | Qualcomm Adreno X1-85 GPU |
評価に使用したベンチマークは以下のとおり。
評価項目 | 使用するベンチマーク |
---|---|
CPU性能 | CINEBENCH R23[CPUのレンダリング性能評価] |
CPU Mark (PassMark PerformanceTest)[CPU性能の総合評価] | |
グラフィック性能 | 3DMark Night Raid |
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ[中量級のゲーム] | |
ファイナルファンタジーXV[重量級のゲーム] | |
ストレージ性能 | CrystalDiskMark |
総合的なパフォーマンス | PCMark 10[Arm版Windowsでは動作不可] |
バッテリー | BatteryInfoView(バッテリー残量測定用) |
なお、ベンチマークの実行にあたっては電源オプションの電源プランを「バランス」に設定し、電源とバッテリーの電源モードを「バランス」と「最適なパフォーマンス」の2モードそれぞれで実施しています。
電源プランの設定
電源モードの設定
CPU性能
CPU性能は CINEBENCH R23(マルチコア/シングルコア) と CPU Mark(PassMark PerformanceTest) のベンチマークスコアで評価します。
評価にあたっては、性能レベルを把握するため下記 CPU のスコアと比較します。
・Qualcomm Snapdragon X Elite X1E-80-100
・Qualcomm Snapdragon X Plus X1P-64-100
・インテル Core Ultra 7 プロセッサー 155H
・インテル Core Ultra 5 プロセッサー 125H
・インテル Core Ultra 7 プロセッサー 155U
・インテル Core Ultra 5 プロセッサー 125U
・インテル Core i7-1360P プロセッサー
・インテル Core i5-1340P プロセッサー
・インテル Core i7-1355U プロセッサー
・インテル Core i5-1335U プロセッサー
・AMD Ryzen 7 7730U プロセッサー
・AMD Ryzen 5 7530U プロセッサー
・AMD Ryzen 7 5825U プロセッサー
・AMD Ryzen 5 5625U プロセッサー
※当サイトで計測したスコアの平均値
CINEBENCH R23[CPUのレンダリング性能評価]
CINEBENCH R23 (マルチコア) | |
---|---|
Core Ultra 7 155H |
12915 pts
|
Snapdragon X Elite X1E-78(レビュー機/バランス) |
11048 pts
|
Snapdragon X Elite X1E-78(レビュー機/パフォーマンス) |
10787 pts
|
Snapdragon X Elite X1E-80 |
10729 pts
|
Snapdragon X Plus X1P-64 |
10263 pts
|
Ryzen 7 5825U |
10237 pts
|
Core i7-1360P |
10095 pts
|
Core Ultra 5 125H |
9920 pts
|
Ryzen 7 7730U |
9117 pts
|
Core Ultra 7 155U |
8991 pts
|
Core i5-1340P |
8551 pts
|
Ryzen 5 7530U |
7627 pts
|
Ryzen 5 5625U |
7555 pts
|
Core i7-1355U |
7342 pts
|
Core i5-1335U |
6875 pts
|
Core Ultra 5 125U |
6508 pts
|
CINEBENCH R23 (シングルコア) | |
---|---|
Core i7-1355U |
1750 pts
|
Core i7-1360P |
1732 pts
|
Core Ultra 7 155U |
1714 pts
|
Core Ultra 7 155H |
1695 pts
|
Core Ultra 5 125H |
1661 pts
|
Core Ultra 5 125U |
1564 pts
|
Core i5-1335U |
1546 pts
|
Core i5-1340P |
1534 pts
|
Ryzen 7 5825U |
1435 pts
|
Ryzen 7 7730U |
1431 pts
|
Ryzen 5 7530U |
1419 pts
|
Ryzen 5 5625U |
1365 pts
|
Snapdragon X Elite X1E-80 |
1249 pts
|
Snapdragon X Elite X1E-78(レビュー機/バランス) |
1122 pts
|
Snapdragon X Plus X1P-64 |
1109 pts
|
Snapdragon X Elite X1E-78(レビュー機/パフォーマンス) |
1103 pts
|
CPU Mark (PassMark PerformanceTest)[CPU性能の総合評価]
CPU Mark | |
---|---|
Core Ultra 7 155H |
26117
|
Core Ultra 5 125H |
21632
|
Core i7-1360P |
20651
|
Ryzen 7 5825U |
20320
|
Snapdragon X Elite X1E-78(レビュー機/バランス) |
19659
|
Snapdragon X Elite X1E-78(レビュー機/パフォーマンス) |
19620
|
Core Ultra 7 155U |
19132
|
Snapdragon X Elite X1E-80 |
18866
|
Ryzen 7 7730U |
18677
|
Snapdragon X Plus X1P-64 |
17672
|
Core i5-1340P |
16650
|
Core i7-1355U |
16487
|
Ryzen 5 5625U |
16291
|
Ryzen 5 7530U |
15930
|
Core Ultra 5 125U |
15296
|
Core i5-1335U |
14508
|
レビュー機の CPU スコアは良好です。
Snapdragon X シリーズプロセッサーはシングルコアの動作は苦手ですが、マルチコアのパフォーマンスは優秀です。
一般的な使いかた(オフィスソフト・メール・ネット検索・オンライン会議など)はもちろんのこと、負荷の高い処理でも快適なパフォーマンスで使うことができるでしょう。
ちなみに、Snapdragon X シリーズプロセッサーで動作する Windows は Armベースです。インテルや AMD プロセッサーを搭載している一般的な Windows(64ビット版)向けに開発されたアプリケーションを動作させる場合、エミュレーション機能を使用しています。レビュー機はエミュレーション機能でパフォーマンスが多少ひかえめであったとしても快適に使える性能レベルです。もちろん、アプリが Windows Arm ベースに再構築されていれば、非常にパワフルなパフォーマンスで動作できるはずです。
グラフィック性能
グラフィック性能はゲーム系のベンチマークで性能評価を行います。
評価にあたっては、グラフィックス性能レベルを把握するため当サイトでレビューした下記グラフィックスのスコアと比較します。
・Qualcomm Adreno X1-85 GPU(Snapdragon X Elite X1E-80-100搭載機)
・Qualcomm Adreno X1-85 GPU(Snapdragon X Plus X1P-64-100搭載機)
・インテル Arc グラフィックス(Ultra 7 155H搭載機)
・インテル Arc グラフィックス(Ultra 5 125H搭載機)
・インテル グラフィックス(Ultra 7 155U搭載機)
・インテル グラフィックス(Ultra 5 125U搭載機)
・インテル Iris Xe グラフィックス(Core i7-1360P搭載機)
・インテル Iris Xe グラフィックス(Core i5-1340P搭載機)
・インテル Iris Xe グラフィックス(Core i7-1355U搭載機)
・インテル Iris Xe グラフィックス(Core i5-1335U搭載機)
・AMD Radeon グラフィックス(Ryzen 7 7730U搭載機)
・AMD Radeon グラフィックス(Ryzen 5 7530U搭載機)
・AMD Radeon グラフィックス(Ryzen 7 5825U搭載機)
・AMD Radeon グラフィックス(Ryzen 5 5625U搭載機)
※当サイトで計測したスコアの平均値
3DMark Night Raid
Night Raid は CPU内蔵グラフィックを搭載しているPC を対象とした DirectX 12 のグラフィックス性能テストです。
3DMark Night Raid | |
---|---|
Qualcomm Adreno(Snapdragon X Plus X1P-64) |
26991
|
Qualcomm Adreno(レビュー機/バランス) |
26965
|
Qualcomm Adreno(レビュー機/パフォーマンス) |
26942
|
Qualcomm Adreno(Snapdragon X Elite X1E-80) |
26738
|
インテル Arc(Core Ultra 7 155H) |
25179
|
インテル Arc(Core Ultra 5 125H) |
24007
|
インテル Iris Xe(Core i7-1360P) |
18403
|
インテルグラフィックス(Core Ultra 7 155U) |
17051
|
インテル Iris Xe(Core i7-1355U) |
15990
|
インテルグラフィックス(Core Ultra 5 125U) |
15935
|
AMD Radeon(Ryzen 7 5825U) |
15171
|
AMD Radeon(Ryzen 7 7730U) |
15104
|
インテル Iris Xe(Core i5-1340P) |
14792
|
AMD Radeon(Ryzen 5 7530U) |
13287
|
AMD Radeon(Ryzen 5 5625U) |
13077
|
インテル Iris Xe(Core i5-1335U) |
11792
|
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ[中量級のゲーム]
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ | |
---|---|
インテル Arc(Core Ultra 7 155H) |
8283
|
Qualcomm Adreno(Snapdragon X Elite X1E-80) |
7771
|
Qualcomm Adreno(レビュー機/バランス) |
7746
|
Qualcomm Adreno(レビュー機/パフォーマンス) |
7731
|
Qualcomm Adreno(Snapdragon X Plus X1P-64) |
7425
|
インテル Arc(Core Ultra 5 125H) |
7216
|
インテル Iris Xe(Core i7-1360P) |
6051
|
インテル Iris Xe(Core i7-1355U) |
5316
|
インテルグラフィックス(Core Ultra 7 155U) |
5216
|
インテル Iris Xe(Core i5-1340P) |
5072
|
インテルグラフィックス(Core Ultra 5 125U) |
4505
|
AMD Radeon(Ryzen 7 7730U) |
4204
|
AMD Radeon(Ryzen 7 5825U) |
4123
|
インテル Iris Xe(Core i5-1335U) |
3831
|
AMD Radeon(Ryzen 5 5625U) |
3714
|
AMD Radeon(Ryzen 5 7530U) |
3662
|
※高品質(ノートPC)/解像度 1920×1080 で実施
ファイナルファンタジーXV[重量級のゲーム]
ファイナルファンタジーXV | |
---|---|
Qualcomm Adreno(レビュー機/パフォーマンス) |
5830
|
Qualcomm Adreno(Snapdragon X Elite X1E-80) |
5798
|
Qualcomm Adreno(Snapdragon X Plus X1P-64) |
5761
|
Qualcomm Adreno(レビュー機/バランス) |
5749
|
インテル Arc(Core Ultra 7 155H) |
5636
|
インテル Arc(Core Ultra 5 125H) |
5176
|
インテル Iris Xe(Core i7-1360P) |
4225
|
インテル Iris Xe(Core i7-1355U) |
3848
|
インテルグラフィックス(Core Ultra 7 155U) |
3820
|
AMD Radeon(Ryzen 7 7730U) |
3608
|
インテル Iris Xe(Core i5-1340P) |
3451
|
AMD Radeon(Ryzen 7 5825U) |
3340
|
インテルグラフィックス(Core Ultra 5 125U) |
3282
|
AMD Radeon(Ryzen 5 5625U) |
3141
|
AMD Radeon(Ryzen 5 7530U) |
3103
|
インテル Iris Xe(Core i5-1335U) |
2930
|
※軽量品質/解像度 1280×720 で実施
レビュー機のグラフィックス性能は優秀です。
オンライン会議はもちろんのこと、写真・動画編集など高負荷なグラフィックス処理でも快適なパフォーマンスが期待できます。
なお、上記のベンチマークソフトは一般的な Windows(64ビット版)向けのため、スコアはエミュレーション機能を使用した上での結果です。Windows Arm ベース向けに再構築(最適化)されたアプリケーションなら、パフォーマンスはさらに向上します。
ストレージ性能
レビュー機に搭載されている SSD は 容量 512GB で PCIe Gen4 NVMe 対応です。ストレージ情報は以下のとおり。
ストレージ情報
(シリアルナンバーは隠しています)
ストレージ性能は、CrystalDiskMark を使用しデータ転送速度を計測・評価します。
データ転送速度
※電源モードを「バランス」に設定して計測した結果。「最適なパフォーマンス」での計測結果も同等です。
計測結果は優秀です。
PCIe Gen4 NVMe 対応の SSD は、体感的にも高速なアクセスでファイルの読み書きがとてもスムーズです。
総合的なパフォーマンス
PCMark 10 は Armベースで動作不可のため、総合的なパフォーマンスの検証は実施できませんでした。
バッテリー
バッテリー性能については、レビュー機のバッテリー駆動時間と充電時間を計測・評価します。
※電源モードを「バランス」に設定して測定
■駆動時間の測定条件
・無線LANでインターネットに接続
・YouTubeを全画面で連続再生
・画面の明るさ:最大レベル
・音量:最大レベル
■充電時間の測定条件
・測定開始はバッテリー残量がほぼゼロの状態
・電源アダプターを接続し Windows を起動
・スクリーンセーバー(ラインアート)でパソコンはアイドル状態
※スクリーンタイムアウトや PCスリープは設定しない。
バッテリーの駆動時間と充電時間の測定結果は以下のとおり。
バッテリー駆動時間 | 16時間 42分 |
---|---|
バッテリー充電時間 (50%までの充電時間) |
52分 |
バッテリー充電時間 (80%までの充電時間) |
1時間 25分 |
バッテリー充電時間 (100%までの充電時間) |
2時間 34分 |
検証結果はスペック「最大 約26時間59分」の 62%くらいですが、バッテリーを多く消費する条件のなかで 16時間以上バッテリー駆動できれば十分です。
実際、筆者がバッテリー駆動時間を検証したなかではダントツで最長の駆動時間です。
画面の明るさを下げてバッテリー消費量を抑える使いかたをすれば、バッテリー駆動時間をさらに延ばすこともできます。
また、バッテリーの充電時間は平均的ですが、少しの充電でも それなりに長い時間使うことができます。バッテリー残量が少ないときでも状況に応じた充電ができれば、よりアクティブに使えるメリットがあります。
なお、実際の使用にあたっては、環境や使い方などによりバッテリーの駆動時間は変動するため参考値としてください。
クリエイティブ性能の評価
クリエイティブ性能は RAWデータ現像(JPEGファイル書き出し)と動画エンコードの処理時間で評価します。
評価にあたっては、性能レベルの程度を把握するため当サイトでレビューした下記機種の処理時間と比較します。
・HP OmniBook X 14-fe
・Inspiron 14 Plus (7441)
・XPS 13 (9345)
・HP OmniBook Ultra Flip 14-fh
・HP Envy x360 14-fa
※当サイトで計測した処理時間(パフォーマンスモードに相当した設定で計測)
おもなスペックは以下のとおり。
スペック | EliteBook Ultra G1q (レビュー機) |
OmniBook X 14 | Inspiron 14 | XPS 13 | OmniBook Ultra Flip 14 | Envy x360 14 |
---|---|---|---|---|---|---|
CPU | Snapdragon X Elite X1E-78-100 | Snapdragon X Plus X1P-42-100 | Snapdragon X Plus X1P-64-100 | Snapdragon X Elite X1E-80-100 | インテル Core Ultra 7 258V | AMD Ryzen 7 8840HS |
メモリ | 16GBメモリ | 16GBメモリ | 16GBメモリ | 16GBメモリ | 32GBメモリ | 32GBメモリ |
ストレージ | 512GB SSD (NVMe) | 512GB SSD (NVMe) | 512GB SSD (NVMe) | 512GB SSD (NVMe) | 1TB SSD (NVMe) | 1TB SSD (NVMe) |
グラフィックス | Qualcomm Adreno X1-85 GPU | Qualcomm Adreno X1-45 GPU | Qualcomm Adreno X1-85 GPU | Qualcomm Adreno X1-85 GPU | Intel Arc Graphics 140V | AMD Radeon 780M |
RAWデータ現像
RAWデータ現像に使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。
■使用ソフトウェア
Adobe Photoshop Lightroom
※Lightroom Classic は Armベースに対応していないため未実施。
■条件等
・RAWデータ 50ファイルをJPEG形式で一括書き出し
・RAWデータサイズ 4,592×3,056(約14MB)
・プリセット等 編集は適用しない
・ほかのアプリは起動しない(常駐アプリは除く)
■処理結果
Lightroom | |
---|---|
EliteBook Ultra G1q(バランス) |
14秒6
|
EliteBook Ultra G1q(パf-マンス) |
14秒3
|
OmniBook X 14 |
17秒8
|
Inspiron 14 Plus |
13秒7
|
XPS 13 |
12秒6
|
OmniBook Ultra Flip 14 |
20秒5
|
Envy x360 14 |
21秒4
|
動画エンコード
動画エンコードに使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。
■使用ソフトウェア
CyberLink PowerDirector
■条件等
・AVCHD動画(1920×1080)を mp4 形式で出力(m2ts→mp4、720p、1280×720/30p 16Mbps)
・動画再生時間 10分間
・ほかのアプリは起動しない(常駐アプリは除く)
■処理結果
PowerDirector | |
---|---|
EliteBook Ultra G1q(バランス) |
1分24秒6
|
EliteBook Ultra G1q(パf-マンス) |
1分23秒5
|
OmniBook X 14 |
1分46秒9
|
Inspiron 14 Plus |
1分56秒6
|
XPS 13 |
1分44秒1
|
OmniBook Ultra Flip 14 |
1分15秒5
|
Envy x360 14 |
1分14秒6
|
レビュー機の検証結果は優秀です。
Lightroom Classic は Armベースに未対応のため検証できませんでしたが、クリエイティブ作業に使うアプリが Windows Arm ベースに対応していれば とても快適なパフォーマンスで活用することができるでしょう。
関連記事
※HP OmniBook Ultra Flip 14-fh のレビュー記事は近日公開します。
駆動音・表面温度のチェック
駆動音のチェック
駆動音は、下記処理中の音量(デシベル)を測定し、評価します。
・CPU ベンチマーク「CINEBENCH R23 /マルチ Core」実行中
・10分間動画のエンコード処理中
※一般住宅で周囲の音ができるだけ入らないようにして測定(室温:25℃)
音量計測イメージ
(使用測定器:Meterk SLM01)
■測定結果
温度管理 | アイドル状態 (最小音量) |
最大音量 下段はピーク時の音量推移 |
|
---|---|---|---|
ベンチマーク中 | 動画エンコード中 | ||
バランス | 34.8db | 40.7db (40db前後) |
40.3db (39~40db) |
最適な パフォーマンス |
34.8db | 40.4db (39~40db) |
39.8db (39db台) |
■騒音の目安
騒音の大きさ | 騒音の具体例 |
---|---|
60 デシベル | 走行中の自動車内 普通の会話 デパート店内 |
50 デシベル | 家庭用エアコンの室外機 静かな事務所の中 |
40 デシベル | 閑静な住宅地の昼 図書館内 |
30 デシベル | 深夜の郊外 鉛筆での執筆音 |
20 デシベル | 木の葉の触れ合う音 雪の降る音 |
参考:埼玉県深谷市ホームページ「騒音・振動の規制について」
アイドル状態ではかすかにファン音が聞こえますが、耳を近づけてわかる程度なので ほぼ無音といってもよいくらいです。また、高負荷な状態では「サーッ」という排気音が少し大きくなりますが うるさくありません。
負荷状況にかかわらず駆動音が気になることはないでしょう。
なお、負荷低減後、アイドル時の状態に戻るまでの時間は、いずれのモードも 1~2分くらいです。
※駆動音の音量は、使用環境やパソコンの状態によって変動します。
表面温度のチェック
表面温度については、下記を実施したときの表面温度を測定し評価します。
・アイドル状態で10分放置後
・Youtube 動画 30分間視聴後
・10分間動画のエンコード実行後
※単位:℃、測定時の室温:25℃
※電源モードを「バランス」に設定して実施
※写真の左がキーボード表面、右が底面側の計測結果
■アイドル状態で10分間放置
■Youtube 動画 30分間視聴後
■10分間動画エンコード実行後
高負荷な状態ではキーボード左から中央寄りの表面温度が上昇しますが、少し温かさを感じる程度でタイピングに影響はありません。
また、パームレストの表面温度は負荷状況にかかわらず本体内部の熱の影響が少ないので不快に感じることはないでしょう。
サウンド チェック
HP EliteBook Ultra G1q AI PC は Poly Studio デュアルスピーカーを搭載しています。
サウンドユーティリティソフトは付属のソフトウェア「myHP」にオーディオコントロール機能が組み込まれていますが、スピーカー/マイクのノイズ除去機能のみです。
オーディオコントロール
サウンドコンテンツに最適化されたプリセットやイコライジング機能はありませんが、音質はなかなか優秀です。
以下は、実際にサウンドを試聴した印象です。
■スピーカー
・低音域から高音域まで広い音域を再現し高音質
・音声もはっきり聴き取れる
・音量最大でも音割れしにくい(ただし、コンテンツによる)
■ヘッドホン
・スピーカー同様に高音質
Windows の起動・再起動・シャットダウン時間計測
Windows の起動、再起動、シャットダウン時間の計測結果は以下のとおり(それぞれ 5回ずつ実施)。
回 | 起動 | 再起動 | シャットダウン |
---|---|---|---|
1回目 | 19.7秒 | 46.3秒 | 15.7秒 |
2回目 | 19.6秒 | 43.7秒 | 15.7秒 |
3回目 | 19.5秒 | 45.0秒 | 15.6秒 |
4回目 | 19.7秒 | 44.5秒 | 16.0秒 |
5回目 | 19.7秒 | 44.7秒 | 15.6秒 |
平均 | 19.6秒 | 44.8秒 | 15.7秒 |
実際の使用にあたってはインストールしているアプリや Windows Update など状態により変動するため参考値としてください。
同梱品
HP EliteBook Ultra G1q AI PC の本体ほか同梱品一式です。
同梱品
・HP EliteBook Ultra G1q AI PC 本体
・電源アダプター
・電源コード
・ウォールマウントプラグ
・ドキュメント類
まとめ
以上、HP EliteBook Ultra G1q AI PC のレビュー記事をお届けしました。
Arm ベースの Windows はエミュレーション機能の改良が進み、一般的な Windows(64ビット版)向けに開発されたアプリでも動作できるアプリがかなり増えています。
本機の性能レベルはベンチマークのとおり非常に高くパワフルです。今後、Arm ベースの Windows に再構築されたアプリが増えていけば快適度はさらに大きく向上するはずです。
また、軽くて堅牢性にすぐれバッテリー駆動で長時間使用できるなど、使う場所を選ばないところも本機の大きな特徴のひとつです。
HP Sure Sense や HP Wolf Pro Security などセキュリティ機能も搭載しています。外出先へのモバイルワークのほか自宅やオフィスでのハイブリッドワークなど、さまざまなビジネスシーンで活用できるデバイスといえるでしょう。
高評価のポイント
- パフォーマンスと超省電力が両立し非常に快適に使える
- 洗練されたスタイリッシュなデザイン
- 新色のアトモスフィアブルーはアクティブなイメージ(皮脂汚れも付きにくい)
- 高解像度・広色域ディスプレイ
- 5MPカメラ・IRカメラ・Poly Camera Pro・プレゼンスセンシングなど実用的な機能が豊富
- 高音質スピーカー
- 長時間バッテリー駆動できる
気をつけておきたい点
- 64ビット版 Windows 向けに開発されたアプリの一部は動作できない可能性がある
- キーボードは英語配列のみ
価格やキャンペーンなど最新情報は日本HP直販サイト「HP Directplus」をご確認ください。
HP EliteBook Ultra G1q AI PC
税込 25万円台から
※HP EliteBook Ultra G1q AI PC は法人向けモデルですが、個人ユーザーや SOHO、フリーランスのユーザーも購入できます。
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