デルが販売する XPS 13 (9345) はシンプルで革新的なデザインンが印象的な 13.4型モバイルノートパソコンです。
ギミックも効いたアイコニックなデザインに Qualcomm Snapdragon X Elite プロセッサーを搭載し高い性能レベルと超省電力を両立。ベンチマークによる性能評価も良好です。
Arm版 Windows の弱点でもある 64ビット版 Windows 向けに開発されたアプリが動作しない問題がかなり解消されているところもポイント。
■XPS 13 (9345) の特徴
- Qualcomm Snapdragon X Elite プロセッサーを搭載
- ギミックの効いたアイコニックなデザイン
- アルミ削り出しの頑丈ボディ(CNC加工)
- スリム&コンパクト&軽量
- メモリ最大64GB/ストレージ最大 2TB SSD を搭載可能
- 色鮮やかに描画できる高輝度ディスプレイ(タッチ対応も選択可)
- シームレスなガラス製タッチパッド
- タッチ式のファンクション キー
- Copilotキーで AIコンパニオンをすばやく起動できる
- 顔認証カメラと指紋認証センサーを内蔵
- Dolby Atmos と 8Wクワッドスピーカーを搭載
- 長時間駆動できるバッテリー
本記事では、メーカーからお借りした実機を試用し、前半で外観デザイン/ディスプレイ/キーボードなどをチェック、後半では各種ベンチマークを使った性能評価を行います。
【 目 次 】
レビューは 2024年11月20日時点の内容です。
スペック構成
XPS 13 (9345) のおもなスペック構成は以下のとおり。
※記事執筆時点で選択できるスペックを掲載。
本体カラー | ■プラチナシルバー ■グラファイト |
OS | ■Windows 11 Home (Arm版OS) ■Windows 11 Pro (Arm版OS) |
CPU | Qualcomm Snapdragon X Elite X1E-80-100 |
メモリ | ■16GB, LPDDR5X, 8448MT/s, オンボード ■32GB, LPDDR5X, 8448MT/s, オンボード ■64GB, LPDDR5X, 8448MT/s, オンボード |
ストレージ | ■512GB SSD (M.2, PCIe NVMe) ■1TB SSD (M.2, PCIe NVMe) ■2TB SSD (M.2, PCIe NVMe) |
ディスプレイ | ■13.4インチ, タッチ, QHD+ 2560×1600, 反射防止, 防汚加工, 500 nit, フレームレス,Eyesafe ディスプレイ ■13.4インチ, タッチ, 3K 2880×1800, 60Hz, OLED, 反射防止, 400 nit, フレームレス,Eyesafe ディスプレイ ■13.4インチ, 非タッチ, FHD+ 1920×1200, 30-120Hz, 非光沢, 500 nit, フレームレス,Eyesafe ディスプレイ |
グラフィックス | Qualcomm Adreno GPU |
ワイヤレス | Qualcomm FastConnect 7800 Wi-Fi 7 2×2 + Bluetooth 5.4 ワイヤレス カード |
カメラ、マイク | 1080p (30 fps)フルHD RGBカメラ, 360p (15 fps) IRカメラ, デュアルアレイ マイクロフォン |
センサー | 指紋認証リーダー(電源ボタンに内蔵) |
バッテリー駆動時間 | 最長27時間 (ストリーミングをフルHD+で視聴) |
本体サイズ(W×D×H) | ■295.30×199.10×14.80 mm (OLEDディスプレイ選択時) ■295.30×199.10×15.30 mm (FHD+、QHD+ ディスプレイ選択時) |
本体質量 | ■約 1.17 kg (OLEDディスプレイ選択時) ■約 1.19 kg (FHD+、QHD+ ディスプレイ選択時) |
詳しいスペックや構成の選択、価格などの最新情報はデル直販サイト(デルオンラインストア)をご確認ください。
XPS 13 (9345 : Snapdragon)
税込 22万円台から
外観チェック
シンプルで革新的なデザイン
XPS 13 (9345) は、シンプルながら革新的なイメージのデザイン!
ギミックの効いたスリムでスタイリッシュなデザインはインテル Core Ultra プロセッサー搭載モデルと共通化されています。
レビュー機のカラーは「グラファイト」。ブラックに近い色合いで高級感と落ち着いた雰囲気を合わせ持つイメージです。
天面はサラサラした感触で質感は良好です。グラファイトのカラーは指紋や皮脂の跡が目立ちやすいところが難点。ただ、汚れが気になるときは柔らかいクロスでかんたんに拭き取ることができます。
XPS 13 (9345) のカラーは「グラファイト」のほか「プラチナシルバー」を選べます。プラチナシルバーのカラーイメージは以下のとおり。
プラチナシルバー
また、本機種の筐体は、サステナブルな設計により リサイクルアルミニウムが採用されていますが、高級感を損なうことなく上質なイメージに仕上げられています。
天面中央の DELL ロゴがアクセント
本体はとてもスリムでバッグへの出し入れもスムーズです。
本体はスリム
底面カバーは「ユニボディ」の構造。シンプルながら剛性を重視したデザインです。
ゴム足は前面側と背面側に平行して実装。幅の細いゴム足ですが本体の安定感は良好です。
排気口はヒンジのあいだに実装されています。
排気口(ヒンジのあいだ)
また、背面側のゴム足は排気口から出された温かい空気が再び吸気口に入り込むのを防ぐ役割も兼ねています。これにより本体内部の効果的な冷却が期待できます。
インターフェースは少ない
XPS 13 (9345) のデザイン性の高さを損なわないようにするためか、インターフェースは USB Type-C が左右側面に1ポートずつ実装されているだけです。
右側面
①USB Type-C フル機能ポート(40Gbps、Power Delivery、DisplayPort)
左側面
②USB4 40Gbps USB Type-C(DisplayPort および Power Delivery対応)
ちなみに、インテル Core Ultra プロセッサー搭載モデルでは、左右のポートともに Thunderbolt 4 が実装されています。
本機種は Thunderbolt 4 ではありませんが、映像出力や PD充電器に対応しています。対応状況は以下のとおり。
■USB Type-C ポート対応表(当サイトの検証結果、2ポート共通)
映像出力 | 〇(4K出力可能) |
---|---|
PD充電器(30W) | △(低速) |
PD充電器(45W) | △(低速) |
PD充電器(65W) | 〇 |
なお、ポートが足りないときは USB 対応ハブを用意すればかんたんにポートを増設できます。
ポートは USB 対応ハブで増設できる
電源ボタンはキーボード上にレイアウト
電源ボタンはキーの一部としてキーボード右上にレイアウトしています。
電源ボタンは右端に配置されているので押し間違えることはほとんどないと思います。もし、使用中に間違って電源ボタンを押しても短押し(1秒未満くらい)なら無反応です。ただし、1,2秒程度ならスリープへ移行し、さらに長押しすると強制的に電源オフされます。
顔認証カメラと指紋センサーを搭載
XPS 13 (9345) は、顔認証カメラと指紋センサーを標準搭載しています。
顔認証でサインイン
指紋認証でサインイン(指紋認証センサーは電源ボタンに内蔵)
顔認証と指紋認証は併用が可能です。
指紋センサーは電源オンと同時に指紋を読み込むことができないのは残念なところ。生体認証でサインインするときはサインイン画面で再度指紋センサーにタッチするか顔認証を利用してください。
なお、本機種にはカバーオープンセンサーが搭載されています。天面を開くと自動的に電源オンするため、指紋センサーは電源オンと同時に指紋を読み込まない仕様なのかもしれません。
存在検知機能を搭載
XPS 13 (9345) は、存在検知機能(プレゼンスセンシング)を搭載しています。
存在検知機能
設定するだけで離着席時にパソコン画面を自動でロック/解除できる便利な機能です。なお、顔認証を登録しておけば着席時に自動で顔認証機能が起動しそのままサインインできます。
Windows スタジオ エフェクト機能を搭載
XPS 13 (9345) のカメラは、フルHD の高画質にくわえ Windows スタジオ エフェクト機能を搭載しています。
Windows スタジオ エフェクト機能
Windows スタジオ エフェクトは、背景の明るさを調整できる機能や背景ぼかしのほか自動フレーミング機能など、オンライン会議をアシストしてくれる便利な機能です。
また、マイクは液晶上面に実装されています。液晶上面に実装することで 360度の集音が可能、一人から複数メンバーのオンライン会議にも対応できそうです。
マイクの実装位置
クアッドスピーカー搭載
スピーカーはキーボード面に2基(ツイーター)、底面左右に2基(ウーファー)、計4基のクアッドスピーカーが搭載されています。
ツイーターはキーボード面に実装
ウーファーは底面左右に実装
出力ワット数は各スピーカー2Wで合計8W。再現できる音域が広く高音質です。
コンパクト&スリム&軽量
本体の大きさのイメージです。本体の下に A4コピー用紙(黄色)を置き、本体の上には B5版ノートを載せています。
本体のサイズ感
本体の大きさは A4 より小さくコンパクトです。
本体を閉じたときの高さのイメージは以下のとおり。
本体の高さを CD ケース(通常サイズ)2枚と比較
(通常サイズの CDケースの厚さは 10mm)
ゴム足を含めた本体の高さは実測で 16.5mm(最厚部)。CDケース 2枚より薄くてとてもスリムです。
本体や電源アダプターなどの重量を実測します。
・本体:1,225g
・電源アダプター:93g
・電源コード:94g
・USB Type-C コード:58g
本体は持ち歩きがラクにできる軽さです。
本体は持ち歩きがラクにできる軽さ
電源アダプターは最大出力が 60W。コードが取り外せるセパレートタイプで一般的な電源アダプターにくらべ とてもコンパクトです。
なお、電源アダプターにコードをつないだイメージは以下のとおり。
ディスプレイのチェック
色鮮やかに描画できる高輝度ディスプレイ
レビュー機のディスプレイは FHD+ (解像度 1920×1200)。Sharp製 液晶パネルが採用されています[型番:SHP1593 LQ134N1]。
描画される映像は色鮮やかでキレイです。描画イメージは以下のとおり。
画像の表示例(その1)
画像の表示例(その2)
テキストの表示例
テキストの表示例(拡大)
筆者が使用しているモニターキャリブレーションツール「i1Profiler」が Arm版 Windows では動作しなかったためトーンカーブや色域の計測はできませんでしたが、上記写真を見てのとおり高輝度で色鮮やかなのがわかると思います。
ちなみに、液晶パネルの型番はインテル Core Ultra プロセッサー搭載モデル(FHD+ ディスプレイ)と同じです。参考までに、インテル搭載モデルで計測した色域を以下に掲載します。
規格 | カバー率 | 比 |
---|---|---|
sRGB | 98.3% | 103.3% |
Adobe RGB | 76.3% | 76.6% |
DCI-P3 | 76.1% | 76.2% |
狭額縁ベゼル
ベゼルは狭額縁です。
鉛筆の太さとくらべるとベゼルはとても狭く まさにフレームレス。画面周りは本当にスッキリとしています。
映り込みは低減されている
ディスプレイの映り込み具合をチェックします。
レビュー機は非光沢液晶です。映り込みは低減されていますが、映像の色味によっては映り込みが気になるかもしれません。
広い視野角
視野角をチェックします。
正面
右側 ディスプレイ面から30度の角度
上側 ディスプレイ面から30度の角度
水平方向、垂直方向ともに視野角は広く、斜めからも描画されている映像をはっきり確認できます。
ディスプレイの最大角度は十分な範囲をカバー
ディスプレイを開くことができる最大角度は 約134度。
クラムシェルタイプとして十分な範囲をカバーしています。
キーボード&タッチパッドのチェック
タイピングしやすいキーボード
XPS 13 (9345) のキーボードはレイアウトは標準的です。
キーとキーのあいだの隙間がほとんどなくレイアウトされているところが特徴的。
キーピッチは実測で 約19mm(仕様は 19.05 mm)。キーとキーの隙間が狭いぶんキーサイズが大きく見えます。コンパクトなモバイルノートながら窮屈な感じはありません。
キートップの形状は中央部分が指先にあわせて少しへこんでいます。少しツルツルした感触で指先のフィット感は良好です。
キーストロークは(感覚的に)ノートパソコンの平均的なストローク幅 1.5mm に近く、シッカリとした打鍵感でタイピングできます。
タイプ音は「タクタク」という音。音の大きさは普通
タイピングしやすいかといわれると(ぶっちゃけ)好みが分かれるところです。筆者もはじめはタイピングしにくいと感じましたが、キーボードは使いにくくても慣れれば使いにくさは軽減するものです。筆者の場合、このキーボードに触れる機会が多かったためか、今回のモデルでは使いにくいという印象は軽減したように思います。
ファンクションキーはタッチ式
ファンクションキーはタッチ式で、静電容量方式のタッチファンクションメディアキーが搭載されています。
ファンクションキーはタッチ式
通常はメディア機能のキーが表示されていますが、[fn]キーを押すとキー表示がファンクション機能に切り替わります。
[fn]キーを押して機能切り替え
こちらの機能も好みが分かれるところです。個人的には慣れたこともあって使いやすさはまずまずの印象です。
Copilotキー搭載
XPS 13 (9345) には「Copilotキー」が搭載されています。
矢印の指すところが Copilotキー
Copilotキーを押すと Microsoft の AIアシスタントをすばやく起動することができます。
Copilotキーを押すだけで AIアシスタントが起動
Copilot はとても便利な機能で、ユーザーの質問に対して適切な回答を返してくれます。
※Copilot は会話形式の質問のほかキーワードを羅列する質問にもそこそこ適切な回答を返してくれます。
キーボードにはバックライトを搭載
キーボードにはバックライトが搭載されています。
バックライトの明るさを切り替えることはできませんが、点灯時は 10秒くらい放置すると自動オフします。
タッチパッドとパームレストはシームレス
XPS 13 のもう一つの特徴がタッチパッドの位置を示すボーダーがないこと。
実際に使用してみると、たしかにタッチパッドのボーダーラインがなくても、クリックやジェスチャー等の操作に違和感はありません。感触もシームレスでツルツルしていて心地良さを感じます。ガラス素材のためグラファイトのカラーでも指紋や皮脂の跡は目立ちません。
なお、タッチパッドとして反応する範囲は以下のとおりです。
タッチパッドのサイズ感
ベンチマークによる性能評価
ベンチマークでは、レビュー機の CPU・グラフィックス・ストレージ性能のほかバッテリー性能や総合的なパフォーマンスを評価します。
レビュー機の基本スペック
CPU | Qualcomm Snapdragon X Elite X1E-80-100 |
---|---|
メモリ | 16GB, LPDDR5X, 8448MT/s |
ストレージ | 512GB SSD (M.2, PCIe NVMe) |
グラフィックス | Qualcomm Adreno GPU |
評価に使用したベンチマークは以下のとおり。
評価項目 | 使用するベンチマーク |
---|---|
CPU性能 | CINEBENCH R23[CPUのレンダリング性能評価] |
CPU Mark (PassMark PerformanceTest)[CPU性能の総合評価] | |
グラフィック性能 | 3DMark Time Spy |
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ[中量級のゲーム] | |
ファイナルファンタジーXV[重量級のゲーム] | |
ストレージ性能 | CrystalDiskMark |
総合的なパフォーマンス | PCMark 10[Arm版Windowsでは動作不可] |
バッテリー | BatteryInfoView(バッテリー残量測定用) |
なお、ベンチマークの実行にあたっては、付属のソフトウェア「My Dell」の[電源]-[温度管理]を「最適化済み」と「ウルトラ パフォーマンス」の2モードそれぞれに設定して実施しています。
※コントロールパネル[電源オプション]の電源プランや、Windows 標準設定の[電源とバッテリー]-[電源モード]は、いずれも「バランス」に設定(デフォルト値)。
My Dell の温度管理
なお、温度管理で設定可能な項目説明は以下のとおり。
モード | 説明 |
---|---|
最適化 | 冷却ファンとプロセッサーの熱管理の標準設定。パフォーマンス・騒音・温度のバランスを保つ。 |
低温 | パソコンの表面温度を低めに維持するようプロセッサーのパフォーマンスと冷却ファンの速度を調整する。パフォーマンスが低く騒音が大きくなる場合がある。 |
静音 | ファンの騒音を抑えるようプロセッサーのパフォーマンスと冷却ファンの速度を調整する。パソコンの表面温度が上昇しパフォーマンスが低くなる場合がある。 |
超高パフォーマンス | パフォーマンスを向上させるためプロセッサーと冷却ファンの速度を上げる設定。パソコンの表面温度が上昇し騒音が大きくなる場合がある。 |
CPU性能
CPU性能は CINEBENCH R23(マルチコア/シングルコア)と CPU Mark(PassMark PerformanceTest) のベンチマークスコアで評価します。
評価にあたっては、性能レベルを把握するため下記 CPU のスコアと比較します。
・Qualcomm Snapdragon X Plus X1P-64-100
・インテル Core Ultra 7 プロセッサー 155H
・インテル Core Ultra 5 プロセッサー 125H
・インテル Core Ultra 7 プロセッサー 155U
・インテル Core Ultra 5 プロセッサー 125U
・インテル Core i7-1360P プロセッサー
・インテル Core i5-1340P プロセッサー
・インテル Core i7-1355U プロセッサー
・インテル Core i5-1335U プロセッサー
・AMD Ryzen 7 7730U プロセッサー
・AMD Ryzen 5 7530U プロセッサー
・AMD Ryzen 7 5825U プロセッサー
・AMD Ryzen 5 5625U プロセッサー
※当サイトで計測したスコアの平均値
CINEBENCH R23[CPUのレンダリング性能評価]
CINEBENCH R23 (マルチコア) | |
---|---|
Core Ultra 7 155H |
12346 pts
|
Snapdragon X Elite(レビュー機/最適化) |
10739 pts
|
Snapdragon X Elite(レビュー機/パフォーマンス) |
10719 pts
|
Snapdragon X Plus |
10263 pts
|
Ryzen 7 5825U |
10237 pts
|
Core i7-1360P |
10095 pts
|
Core Ultra 5 125H |
9920 pts
|
Ryzen 7 7730U |
8997 pts
|
Core Ultra 7 155U |
8886 pts
|
Core i5-1340P |
8551 pts
|
Ryzen 5 7530U |
7627 pts
|
Ryzen 5 5625U |
7555 pts
|
Core i7-1355U |
7342 pts
|
Core i5-1335U |
6875 pts
|
Core Ultra 5 125U |
6508 pts
|
CINEBENCH R23 (シングルコア) | |
---|---|
Core i7-1355U |
1750 pts
|
Core i7-1360P |
1732 pts
|
Core Ultra 7 155U |
1727 pts
|
Core Ultra 7 155H |
1687 pts
|
Core Ultra 5 125H |
1661 pts
|
Core Ultra 5 125U |
1564 pts
|
Core i5-1335U |
1546 pts
|
Core i5-1340P |
1534 pts
|
Ryzen 7 7730U |
1428 pts
|
Ryzen 7 5825U |
1435 pts
|
Ryzen 5 7530U |
1419 pts
|
Ryzen 5 5625U |
1365 pts
|
Snapdragon X Elite(レビュー機/パフォーマンス) |
1251 pts
|
Snapdragon X Elite(レビュー機/最適化) |
1246 pts
|
Snapdragon X Plus |
1109 pts
|
CPU Mark (PassMark PerformanceTest)[CPU性能の総合評価]
CPU Mark | |
---|---|
Core Ultra 7 155H |
25686
|
Core Ultra 5 125H |
21632
|
Core i7-1360P |
20651
|
Ryzen 7 5825U |
20320
|
Snapdragon X Elite(レビュー機/最適化) |
19255
|
Core Ultra 7 155U |
19049
|
Ryzen 7 7730U |
18677
|
Snapdragon X Elite(レビュー機/パフォーマンス) |
18476
|
Snapdragon X Plus |
17672
|
Core i5-1340P |
16650
|
Core i7-1355U |
16487
|
Ryzen 5 5625U |
16291
|
Ryzen 5 7530U |
15930
|
Core Ultra 5 125U |
15296
|
Core i5-1335U |
14508
|
レビュー機の CPU スコアは良好です。
Snapdragon X シリーズプロセッサーはシングルコアの動作は苦手なようですが、マルチコアのパフォーマンスは良好です。
Snapdragon X シリーズプロセッサーで動作する Windows は Armベースです。インテルや AMD プロセッサーを搭載している一般的な Windows(64ビット版)向けに開発されたアプリを動作させるためにエミュレーション機能を使用しています。
レビュー機はエミュレーション機能でパフォーマンスが多少ひかえめであったとしても十分快適に使える性能レベルです。
動作可能なアプリケーションなら、一般的な使いかた(オフィスソフト・メール・ネット検索・オンライン会議など)はもちろんのこと負荷の高い作業でも快適なパフォーマンスが期待できるでしょう。
グラフィック性能
グラフィック性能はゲーム系のベンチマークで性能評価を行います。
評価にあたっては、グラフィックス性能レベルを把握するため当サイトでレビューした下記グラフィックスのスコアと比較します。
・Qualcomm Adreno X1-85 GPU(Snapdragon X Plus X1P-64-100搭載機)
・インテル Arc グラフィックス(Ultra 7 155H搭載機)
・インテル Arc グラフィックス(Ultra 5 125H搭載機)
・インテル グラフィックス(Ultra 7 155U搭載機)
・インテル グラフィックス(Ultra 5 125U搭載機)
・インテル Iris Xe グラフィックス(Core i7-1360P搭載機)
・インテル Iris Xe グラフィックス(Core i5-1340P搭載機)
・インテル Iris Xe グラフィックス(Core i7-1355U搭載機)
・インテル Iris Xe グラフィックス(Core i5-1335U搭載機)
・AMD Radeon グラフィックス(Ryzen 7 7730U搭載機)
・AMD Radeon グラフィックス(Ryzen 5 7530U搭載機)
・AMD Radeon グラフィックス(Ryzen 7 5825U搭載機)
・AMD Radeon グラフィックス(Ryzen 5 5625U搭載機)
※当サイトで計測したスコアの平均値
3DMark Time Spy
Time Spy は DirectX 12 を使用したハイパフォーマンスゲーミングPC向けのグラフィックス性能テストです。
3DMark Time Spy | |
---|---|
インテル Arc(Core Ultra 7 155H) |
3455
|
インテル Arc(Core Ultra 5 125H) |
3273
|
インテルグラフィックス(Core Ultra 7 155U) |
2115
|
インテルグラフィックス(Core Ultra 5 125U) |
2049
|
インテル Iris Xe(Core i7-1360P) |
1911
|
Qualcomm Adreno(レビュー機/パフォーマンス) |
1879
|
Qualcomm Adreno(レビュー機/最適化) |
1877
|
Qualcomm Adreno(Snapdragon X Plus) |
1864
|
インテル Iris Xe(Core i7-1355U) |
1691
|
インテル Iris Xe(Core i5-1340P) |
1545
|
AMD Radeon(Ryzen 7 5825U) |
1381
|
AMD Radeon(Ryzen 7 7730U) |
1342
|
インテル Iris Xe(Core i5-1335U) |
1312
|
AMD Radeon(Ryzen 5 7530U) |
1255
|
AMD Radeon(Ryzen 5 5625U) |
1189
|
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ[中量級のゲーム]
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ | |
---|---|
インテル Arc(Core Ultra 7 155H) |
8283
|
Qualcomm Adreno(レビュー機/最適化) |
7794
|
Qualcomm Adreno(レビュー機/パフォーマンス) |
7747
|
インテル Arc(Core Ultra 5 125H) |
7495
|
Qualcomm Adreno(Snapdragon X Plus) |
7425
|
インテル Iris Xe(Core i7-1360P) |
6051
|
インテル Iris Xe(Core i7-1355U) |
5316
|
インテル Iris Xe(Core i5-1340P) |
5072
|
インテルグラフィックス(Core Ultra 7 155U) |
5048
|
インテルグラフィックス(Core Ultra 5 125U) |
4505
|
AMD Radeon(Ryzen 7 7730U) |
4184
|
AMD Radeon(Ryzen 7 5825U) |
4123
|
インテル Iris Xe(Core i5-1335U) |
3831
|
AMD Radeon(Ryzen 5 5625U) |
3714
|
AMD Radeon(Ryzen 5 7530U) |
3662
|
※高品質(ノートPC)/解像度 1920×1080 で実施
ファイナルファンタジーXV[重量級のゲーム]
ファイナルファンタジーXV | |
---|---|
Qualcomm Adreno(レビュー機/パフォーマンス) |
5826
|
Qualcomm Adreno(レビュー機/最適化) |
5769
|
Qualcomm Adreno(Snapdragon X Plus) |
5761
|
インテル Arc(Core Ultra 7 155H) |
5602
|
インテル Arc(Core Ultra 5 125H) |
5048
|
インテル Iris Xe(Core i7-1360P) |
4225
|
インテル Iris Xe(Core i7-1355U) |
3848
|
インテルグラフィックス(Core Ultra 7 155U) |
3656
|
AMD Radeon(Ryzen 7 7730U) |
3572
|
インテル Iris Xe(Core i5-1340P) |
3451
|
AMD Radeon(Ryzen 7 5825U) |
3340
|
インテルグラフィックス(Core Ultra 5 125U) |
3282
|
AMD Radeon(Ryzen 5 5625U) |
3141
|
AMD Radeon(Ryzen 5 7530U) |
3103
|
インテル Iris Xe(Core i5-1335U) |
2930
|
※軽量品質/解像度 1280×720 で実施
レビュー機のグラフィックス性能は優秀です。
オンライン会議はもちろんのこと、写真・動画編集など高負荷なグラフィックス処理でも快適なパフォーマンスが期待できます。
なお、Windows Arm ベースに再構築(最適化)されたアプリケーションなら、パフォーマンスはさらにパワフルになるはずです。
ストレージ性能
レビュー機のストレージは PCIe4.0 NVMe 対応の SSD(容量 512GB)を搭載しています。
ストレージ情報
ストレージ性能は、CrystalDiskMark を使用しデータ転送速度を計測・評価します。
データ転送速度
※My Dell の電源-温度管理を「最適化済み」に設定して計測した結果。「ウルトラ パフォーマンス」での計測結果も同等です。
計測結果は優秀です。体感的にも高速なアクセスでファイルの読み書きもスムーズです。
総合的なパフォーマンス
PCMark 10 は Armベースで動作不可のため、総合的なパフォーマンスの検証は実施できませんでした。
バッテリー
バッテリー性能については、レビュー機のバッテリー駆動時間と充電時間を計測・評価します。
※My Dell の温度管理を「最適化済み」に設定して計測
■駆動時間の測定条件
・無線LANでインターネットに接続
・YouTubeを全画面で連続再生
・画面の明るさ:最大レベル
・音量:最大レベル
■充電時間の測定条件
・測定開始はバッテリー残量がほぼゼロの状態
・電源アダプターを接続し Windows を起動
・スクリーンセーバー(ラインアート)でパソコンはアイドル状態
※スクリーンタイムアウトや PCスリープは設定しない。
バッテリーの駆動時間と充電時間の測定結果は以下のとおり。
バッテリー駆動時間 | 7時間 54分 |
バッテリー充電時間 (50%までの充電時間) |
33分 |
バッテリー充電時間 (80%までの充電時間) |
55分 |
バッテリー充電時間 (100%までの充電時間) |
2時間 1分 |
検証結果は、公式サイトで公開している「最長27時間 (ストリーミングをフルHD+で視聴)」にくらべると物足りなさを感じます。
とはいえ、検証はバッテリーを多く消費する条件です。バッテリー駆動で使用するときは画面の明るさを調整するなどバッテリー消費を抑える使いかたが良いでしょう。バッテリー駆動時間をさらに伸ばすことができます。
また、バッテリーは急速充電に対応しています。急速充電に対応していれば、バッテリー残量が少ないときでも短時間で充電することができ、よりアクティブに使えるメリットがあります。
なお、実際の使用にあたっては、環境や使い方などによりバッテリーの駆動時間は変動するため参考値としてください。
クリエイティブ性能の評価
クリエイティブ性能は RAWデータ現像(JPEGファイル書き出し)と動画エンコードの処理時間で評価します。
評価にあたっては、性能レベルの程度を把握するため当サイトでレビューした下記機種の処理時間と比較します。
・Inspiron 14 Plus (7441)
・Inspiron 13 (5330)
・XPS 13 (9340 Intel)
・Inspiron 14 (5445)
※当サイトで計測した処理時間(パフォーマンスモードに相当した設定で計測)
おもなスペックは以下のとおり。
スペック | XPS 13 (9345) (レビュー機) |
Inspiron 14 Plus | Inspiron 13 | XPS 13 (Intel) | Inspiron 14 |
---|---|---|---|---|---|
CPU | Snapdragon X Elite X1E-80-100 | Snapdragon X Plus X1P-64-100 | インテル Core Ultra 5 125H | インテル Core Ultra 7 155H | AMD Ryzen 7 8840U |
メモリ | 16GBメモリ | 16GBメモリ | 16GBメモリ | 16GBメモリ | 16GBメモリ |
ストレージ | 512GB SSD (NVMe) | 512GB SSD (NVMe) | 512GB SSD (NVMe) | 512GB SSD (NVMe) | 512GB SSD (NVMe) |
グラフィックス | Qualcomm Adreno X1-85 | Qualcomm Adreno X1-85 | Intel Arc Graphics | Intel Arc Graphics | AMD Radeon 780M |
RAWデータ現像
RAWデータ現像に使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。
■使用ソフトウェア
Adobe Photoshop Lightroom
※Lightroom Classic は Armベースに対応していないため未実施。
■条件等
・RAWデータ 50ファイルをJPEG形式で一括書き出し
・RAWデータサイズ 4,592×3,056(約14MB)
・プリセット等 編集は適用しない
・ほかのアプリは起動しない(常駐アプリは除く)
■処理結果
Lightroom | |
---|---|
XPS 13(最適化) |
12秒8
|
XPS 13(パフォーマンス) |
12秒6
|
Inspiron 14 Plus |
13秒7
|
Inspiron 13 |
15秒7
|
XPS 13 (Intel) |
13秒5
|
Inspiron 14 |
17秒9
|
動画エンコード
動画エンコードに使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。
■使用ソフトウェア
CyberLink PowerDirector
■条件等
・AVCHD動画(1920×1080)を mp4 形式で出力(m2ts→mp4、720p、1280×720/30p 16Mbps)
・動画再生時間 10分間
・ほかのアプリは起動しない(常駐アプリは除く)
■処理結果
PowerDirector | |
---|---|
XPS 13(最適化) |
1分45秒7
|
XPS 13(パフォーマンス) |
1分44秒1
|
Inspiron 14 Plus |
1分56秒6
|
Inspiron 13 |
1分29秒9
|
XPS 13 (Intel) |
1分20秒4
|
Inspiron 14 |
1分41秒5
|
実際のソフトウェアを使用した検証結果は良好です。
Lightroom Classic のように、ほかにも Armベースに未対応のソフトウェアがあるかもしれませんが、対応していればクリエイティブ作業にも快適なパフォーマンスで活用することができるでしょう。
なお、マイクロソフト公式サイト「Windows Arm ベースの PC に関する FAQ」によると、
【上位の Windows アプリの多くは、既に Windows Arm ベースの PC 用に再構築されており、さらに多くのアプリが進行中です。】
とのこと。詳しくはマイクロソフト公式サイトをご確認ください。
関連記事
駆動音・表面温度のチェック
駆動音のチェック
駆動音は、下記処理中の音量(デシベル)を測定し、評価します
・CPU ベンチマーク「CINEBENCH R23 /マルチ Core」実行中
・10分間動画のエンコード処理中
※一般住宅で周囲の音ができるだけ入らないようにして測定(室温:25℃)
音量計測イメージ
(使用測定器:Meterk SLM01)
■測定結果
モード | アイドル状態 (最小音量) |
最大音量 下段はピーク時の音量推移 |
|
---|---|---|---|
CPU ベンチ実行中 | 動画エンコード中 | ||
最適化済み | 33.5db | 43.8db (43db台) |
43.5db (42~43db) |
ウルトラ パフォーマンス |
33.5db | 45.3db (44~45db) |
47.4db (47db前後) |
■騒音の目安
騒音の大きさ | 騒音の具体例 |
---|---|
60 デシベル | 走行中の自動車内 普通の会話 デパート店内 |
50 デシベル | 家庭用エアコンの室外機 静かな事務所の中 |
40 デシベル | 閑静な住宅地の昼 図書館内 |
30 デシベル | 深夜の郊外 鉛筆での執筆音 |
20 デシベル | 木の葉の触れ合う音 雪の降る音 |
参考:埼玉県深谷市ホームページ「騒音・振動の規制について」
アイドル時は無音で静かです。
高負荷な状態では「サーッ」という排気音が大きくなります。個人差はありますが、うるさく感じるかもしれません。
なお、負荷低減後、アイドル時の状態に戻るまでの時間は、いずれのモードも 1~2分くらいです。
※駆動音の音量は、使用環境やパソコンの状態によって変動します。
表面温度のチェック
表面温度については、下記を実施したときの表面温度を測定し評価します。
・アイドル状態で10分放置後
・Youtube 動画 30分間視聴後
・10分間動画のエンコード実行後
※単位:℃、測定時の室温:25℃
※My Dell の温度管理を「最適化済み」に設定して実施
※写真の左がキーボード表面、右が底面側の計測結果
■アイドル状態で10分間放置
■Youtube 動画 30分間視聴後
■10分間動画エンコード実行後
高負荷な状態ではキーボード奥の表面温度が上昇しますが、少し温かさを感じる程度でタイピングに影響はありません。
また、パームレストの表面温度は負荷状況にかかわらず本体内部の熱の影響が少なく、高負荷な状態でタイピングしても不快に感じることはないでしょう。
サウンド チェック
XPS 13 (9345) は、ウーハー2W×2基/ツイーター2W×2基、合計4基のスピーカーにくわえ Dolby Atmos を搭載しています。
サウンドを試聴した印象は以下のとおり。
■スピーカー
・低音域から高音域まで広い音域を再現し高音質
・音声もはっきり聴き取れる
・音量最大でも音割れしない(ただし、コンテンツによる)
■ヘッドホン
・スピーカー同様に高音質
・周りの音が聞こえないぶん臨場感のあるサウンドを楽しめる
※ヘッドフォンジャックがないためワイヤレス ヘッドホンで検証。
Windows の起動・再起動・シャットダウン時間計測
Windows の起動、再起動、シャットダウン時間を それぞれ 5回ずつ計測しました。
※電源ランプ非搭載のため、シャットダウン終了のタイミングは駆動音で判断。
回 | 起動 | 再起動 | シャットダウン |
---|---|---|---|
1回目 | 18.8秒 | 51.3秒 | 11.6秒 |
2回目 | 19.7秒 | 46.4秒 | 11.6秒 |
3回目 | 20.0秒 | 45.0秒 | 12.1秒 |
4回目 | 20.2秒 | 50.7秒 | 11.8秒 |
5回目 | 19.0秒 | 54.6秒 | 11.6秒 |
平均 | 19.5秒 | 49.6秒 | 11.7秒 |
実際の使用にあたってはインストールしているアプリや Windows Update など状態により変動するため参考値としてください。
同梱品
XPS 13 (9345) の本体ほか同梱品一式です。
同梱品
・XPS 13 (9345) 本体
・電源アダプター
・電源コード
・USB Type-C コード
・ドキュメント類
まとめ
以上、XPS 13 (9345) のレビュー記事をお届けしました。
XPS 13 (9345) は革新的なデザインに高い処理性能を搭載したモバイルノートです。高い所有満足度を得られるモデルに仕上げられており、その印象は「さすが」の一言。
また、Arm版 Windows の弱点でもある 64ビット版 Windows 向けに開発されたアプリが動作しない問題もかなり解消されているように感じます。レビューでも一部動作しないアプリがありましたが、動作できないアプリの問題は今後の対応に期待したいところです。
昨今のインテルの状況や各メーカーから Snapdragon 搭載モデルが多く投入されていることなどを鑑みると、パフォーマンスと超省電力に優位性のある Snapdragon 搭載モデルの選択も十分アリではないでしょうか。
高評価のポイント
- 高い処理性能で快適に使える
- シンプルで革新的なデザインとアルミ削り出しの頑丈ボディ
- 色鮮やかな高輝度・広色域ディスプレイ
- 高音質スピーカー
気をつけておきたい点
- 64ビット版 Windows 向けに開発されたアプリの一部は動作できない可能性がある
詳しいスペックや構成の選択、価格などの最新情報はデル直販サイト(デルオンラインストア)をご確認ください。
XPS 13 (9345 : Snapdragon)
税込 22万円台から