レノボが販売する ThinkPad E14 Gen 6 は、インテル Core Ultra プロセッサーを搭載した 14型ノートパソコンです。
ThinkPad シリーズのなかではエントリークラスながら、インテル Core Ultra プロセッサーの搭載により性能レベルは高く、パフォーマンスは快適、ベンチマークによる性能評価も良好です。
14インチサイズとしては少し重量感はあるもののモバイルも十分可能。米国防総省が制定したMIL規格「MIL-STD-810H」12項目をクリアしており、堅牢性にすぐれているところもポイント。
■ThinkPad E14 Gen 6 (Intel Core Ultra) の特徴
- インテル Core Ultra プロセッサーを搭載
- 天面と底面のカバーにアルミニウム素材を採用した堅牢ボディ(MIL-STD-810H の12項目をクリア)
- 少し重量感はあるがモバイルも可能
- WUXGA IPS液晶 (1920 x 1200) ディスプレイ(2.2K IPS液晶の選択も可能)
- タイピングしやすいキーボード
- 指紋認証センサーと顔認証カメラを搭載可能
- Dolby Atmos対応オーディオ機能による快適なオンラインコミュニケーションが可能
- 使いかたや予算に合わせた柔軟なカスタマイズが可能
本記事では、メーカーからお借りした実機を試用し、前半で外観デザイン/ディスプレイ/キーボードなどをチェック、後半では各種ベンチマークを使った性能評価を行います。
【 目 次 】
レビューは 2024年10月31日時点の内容です。
スペック構成
ThinkPad E14 Gen 6 のおもなスペック構成は以下のとおり。
OS | ■Windows 11 Home 64bit ■Windows 11 Pro 64bit |
CPU | ■インテル Core Ultra 5 プロセッサー 125U ■インテル Core Ultra 7 プロセッサー 155U ■インテル Core Ultra 5 プロセッサー 125H ■インテル Core Ultra 7 プロセッサー 155H |
メモリ | ■8GB DDR5-5600MHz (SODIMM) ■16GB DDR5-5600MHz (SODIMM) ■32GB DDR5-5600MHz (SODIMM) |
ストレージ | ■256GB SSD M.2 2242 PCIe-NVMe Gen4 TLC OPAL対応 ■512GB SSD M.2 2242 PCIe-NVMe Gen4 TLC OPAL対応 ■1TB SSD M.2 2242 PCIe-NVMe Gen4 TLC OPAL対応 ※256GB SSD または 512GB SSD 搭載時、2ndストレージ 1TB SSD 選択可能 |
ディスプレイ | ■14型 WUXGA液晶 (1920 x 1200) IPS, 光沢なし, マルチタッチ非対応, 45%NTSC, 300 nit, 60Hz ■14型 WUXGA液晶 (1920 x 1200) IPS, 光沢なし, マルチタッチパネル, 45%NTSC, 300 nit, 60Hz ■14型 2.2K液晶 (2240 x 1400) IPS, 光沢なし, マルチタッチ非対応, 100%sRGB, 300 nit, 60Hz |
グラフィックス | ■インテル グラフィックス(Core Ultra 5 125U または Core Ultra 7 155U 内蔵) ■インテル グラフィックス(Core Ultra 5 125H または Core Ultra 7 155H 内蔵) |
LAN | 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T |
無線LAN/ Bluetooth | ■インテル Wi-Fi 6 AX201 2×2 & Bluetooth v5.3 ■インテル Wi-Fi 6E AX211 2×2 & Bluetooth v5.3 |
カメラ | ■720p HDカメラ ■1080p FHDカメラ ■IR&1080p FHDカメラ |
バッテリー駆動時間 | 約11.7時間(動画再生時)/ 約20.時間(アイドル時) ※JEITAバッテリ動作時間測定法Ver.3.0 |
本体サイズ(W×D×H) | 約 313 ×219.3×17.99mm |
本体質量 | 約 1.44kg~ |
ラインナップしているモデルの詳しいスペックや価格など最新情報はレノボ直販サイト「レノボショッピング」をご確認ください。
ThinkPad E14 Gen 6
(Intel Core Ultra)
税込 10万円台から
関連リンク
外観チェック
ビジネス向けらしい落ち着いたデザイン
ThinkPad E14 Gen 6 はビジネス向けノートらしい落ち着いたデザインです。
本体のカラーは「ブラック」。マットなブラックで落ち着いた雰囲気をさりげなく演出してくれる色合いです。
ただ、ブラックのカラーは指紋や皮脂の跡が目立ちやすいところが難点。とはいえ、汚れが気になるときは柔らかいクロスなどでかんたんにふき取ることができます。
なお、手で触れた感触はサラサラとしていて、質感は良好です。
天面を開きやすいデザインも好印象。天面の開きやすさは使いやすさにつながります。
天面を開きやすいデザイン
本体は、いまどきの 14インチノートとしては少し厚みがあるものの、そこそこスリムでバッグへの出し入れもスムーズにできます。
本体はそこそこスリム
底面カバーは「ユニボディ」の構造。見ためはシンプルですが剛性にもすぐれています。
ゴム足は前面側左右に2箇所と背面側左右にまたがるゴム足の合計3箇所に実装。本体の安定感は良好です。
排気口はヒンジのあいだに実装されています。
排気口(ヒンジのあいだ)
ちなみに、背面側のゴム足は排気口から出された温かい空気が再び吸気口に入り込むのを防ぐ役割も兼ねています。これにより本体内部の効果的な冷却が期待できます。
吸気口(底面カバー側)と排気口
なお、吸気口の面積が意外に広い点は着目しておきたいところ。旧モデルよりも吸気口が広いため、さらに効果的な冷却が期待できます。
必要十分なインターフェース
ThinkPad E14 Gen 6 は必要十分なインターフェースを実装しています。
右側面
①USB 3.2 Gen 1
②イーサネット・コネクター(RJ-45)
③ケーブルロックスロット
左側面
④USB 3.2 Gen2x2 Type-C(Video-out 対応)
⑤USB4 (Thunderbolt4 対応)
⑥USB 3.2 Gen 2(Powered USB)
⑦HDMI
⑧マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック
以下、インターフェースについての補足です。
USB Type-C ポートの映像出力/PD充電器対応の検証結果は以下のとおり。
■USB Type-C 対応表(2ポート共通:当サイトの検証結果)
映像出力 | 〇(4K出力可能) |
---|---|
PD充電器(30W) | △(低速充電) |
PD充電器(45W) | 〇 |
PD充電器(65W) | 〇 |
なお、HDMI は 4K出力に対応していました。
顔認証カメラと指紋センサーを搭載可能
ThinkPad E14 Gen 6 は、顔認証カメラと指紋センサーをカスタマイズで搭載することができます。
指紋センサーは電源ボタンに内蔵。
指紋センサーは電源オンと同時に指紋を読み込むことができます。サインイン画面で再度指紋センサーにタッチする必要はなく、そのまま Windows にサインインできます。
指紋認証でサインイン
なお、指紋登録されていない指で電源オンしたときはサインイン画面での認証が必要です。
また、カメラには「プライバシーシャッター」が付いています。
上の画像:シャッターを開いてカメラ有効
下の画像:シャッターを閉じてカメラを遮断
シャッターはスライド式(手動)ですがスムーズなスライドが可能。オンライン会議などで こちらの光景を見られたくないときもスムーズに操作できます(切替スイッチはカメラの上側)。
スピーカーは底面側左右に搭載
スピーカーは底面側左右に搭載されています。
スピーカーは底面側左右に搭載
スピーカーの拡大写真
スピーカーから出力されるサウンドは、低音域から高音域まで再現される音域が広く高音質です。
A4 より一回り大きいくらいのサイズ感
本体の大きさのイメージです。本体の上に A4コピー用紙と B5版ノートを載せています。
本体のサイズ感
本体のフットプリントは A4 より一回り大きいくらいのサイズ感で、そこそこコンパクトです。
本体を閉じたときの高さのイメージは以下のとおり。
本体の高さを CD ケース(通常サイズ)2枚と比較
(通常サイズの CDケースの厚さは 10mm)
ゴム足を含めた本体の高さは実測で 約25.5mm(最厚部)。いまどきの 14インチノートのなかでは厚みがあるほうです。
また、本体や電源アダプターなど質量の実測値は以下のとおり。
・本体:1,515g
・電源アダプター:195g
・電源コード:60g
本体は、14インチノートとしては少しズッシリとした感じありますが持ち歩きも十分可能な重量感です。
電源アダプターの最大出力は 65W。その大きさは手のひらに収まるくらいのサイズです。
ディスプレイのチェック
自然な色合いの液晶ディスプレイ
レビュー機のディスプレイは Lenovo製 液晶パネル[型番:LEN403D B140UAN03.2]。
描画される映像は自然な色合いです。描画イメージは以下のとおり。
画像の表示例(その1)
画像の表示例(その2)
テキストの表示例
テキスト表示を拡大
トーンカーブは RGB ともに理想的な45度の直線に近い形状で色調バランスは良好です。
トーンカーブ
(キャリブレーションツール「i1Display Pro」で計測)
輝度の計測結果はディスプレイの明るさ設定 100 のとき「339 nit」。まずまずの輝度で室内で使うぶんには十分な明るさです。屋外のように周囲が明るい環境で使っても画面が見えにくくなることはほとんどないと思います。
色域の計測結果は以下のとおり。
色域
(色度図作成ソフト「ColorAC」にて作成)
規格 | カバー率 | 比 |
---|---|---|
sRGB | 64.1% | 64.6% |
Adobe RGB | 47.9% | 47.9% |
DCI-P3 | 47.6% | 47.6% |
色域は標準クラスです。写真編集などシビアな色再現が必要な作業には不向きですが、オンライン会議や動画鑑賞など一般的な映像描画には十分な色域です。
※本機種はカスタマイズで広色域の「2.2K液晶 (100% sRGB) ディスプレイ」を搭載することも可能です。
狭額縁ベゼル
ベゼルは狭額縁です。
上部ベゼルは少し厚みがありますが、左右のベゼルは鉛筆の太さと同じくらいの狭さです。画面周りは全体的にスッキリとしています。
映り込みは気にならない
ディスプレイの映り込み具合をチェックします。
レビュー機は非光沢液晶です。上記写真のとおり映り込みはかなり低減されています。画面への映り込みが気になることはなく、眼への負担も軽減できます。
広い視野角
視野角をチェックします。
正面
右側 ディスプレイ面から30度の角度
上側 ディスプレイ面から30度の角度
水平方向、垂直方向ともに視野角は広く、斜めからも描画されている映像をはっきり確認できます。
天面は ほぼフラットまで開くことができる
天面はほぼフラットまで開くことができます。
ディスプレイがフラットになれば、打ち合わせなどで画面共有に便利です。
キーボード&タッチパッドのチェック
タイピングしやすいキーボード
ThinkPad E14 Gen 6 のキーボードはレイアウトは ほぼ標準的です。
キー配列で留意しておきたいのが、左[Ctrl]と[Fn]キーが一般的な配列と逆になっている点。使いなれれば違和感は軽減すると思いますが、どうしてもムリな場合は付属ソフト「Lenovo Vantage」で左[Ctrl]キーと[Fn]キーの配置を変更することができます。
Lenovo Vantage 「Fn キーと Ctrl キーの入れ替え」
キーピッチは実測で 約19mm。フルサイズキーボードと同等のキーピッチで窮屈な感じはありません。
キートップ表面は少しツルツルした感触。形状は中央部分がへこんでおり指先のタッチ感は良好です。
キーストロークは(感覚的には)ノートパソコンの平均的なストローク幅 1.5mm くらい。シッカリとした打鍵感でタイピングできます。
タイプ音は「タクタク」という音。音の大きさは静か
キーを押し込む強さや跳ね返りもちょうど良い感じです。しっかりとした打鍵感があってタイピングしやすいキーボードです。
Copilotキー搭載
ThinkPad E14 Gen 6 には「Copilotキー」が搭載されています。
矢印の指すところが Copilotキー
Copilotキーを押すと Microsoft の AIアシスタントをすばやく起動することができます。
Copilotキーを押すだけで AIアシスタントが起動
Copilot はとても便利な機能で、ユーザーの質問に対して適切な回答を返してくれます。回答は即時表示されるのでビジネスシーンでもしっかり活用できます。
※Copilot は会話形式の質問のほかキーワードを羅列する質問にも適切な回答を返してくれます。
キーボードバックライトを搭載
キーボードにはバックライトが搭載されています。
キーボード・バックライトの明るさは切り替え可能です。
[Fn]+[Space]キー押下:点灯(暗)→点灯(明)→オフ
※Lenovo Vantage でも設定可能。
質感のよいパームレスト
パームレストはサラサラとした感触で質感も良好です。
指紋や皮脂の跡は目立ちやすいですが、汚れが気になったときは柔らかいクロスなどでかんたんにふき取れます。
なめらかなスベリのタッチパッド
タッチパッドはツルツルとした感触でスベリもなめらかです。
タッチパッドのサイズ感
ちょうどよいサイズ感で扱いやすさも良好です。
ベンチマークによる性能評価
ベンチマークでは、レビュー機の CPU・グラフィックス・ストレージ性能のほかバッテリー性能や総合的なパフォーマンスを評価します。
レビュー機の基本スペック
CPU | インテル Core Ultra 5 プロセッサー 125H |
---|---|
メモリ | 16GB DDR5-5600MHz (SODIMM) |
ストレージ | 512GB SSD PCIe-NVMe |
グラフィックス | インテル Arc グラフィックス |
評価に使用したベンチマークは以下のとおり。
評価項目 | 使用するベンチマーク |
---|---|
CPU性能 | CINEBENCH R23[CPUのレンダリング性能評価] |
CPU Mark (PassMark PerformanceTest)[CPU性能の総合評価] | |
グラフィック性能 | 3DMark Time Spy |
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ[中量級のゲーム] | |
ファイナルファンタジーXV[重量級のゲーム] | |
ストレージ性能 | CrystalDiskMark |
総合的なパフォーマンス | PCMark 10 |
バッテリー | BatteryInfoView(バッテリー残量測定用) |
なお、ベンチマークの実行にあたっては電源オプションの電源プランを「バランス」に設定し、電源とバッテリーの電源モードを「バランス」と「最適なパフォーマンス」2つのモードそれぞれで実施しています。
電源プランの設定
電源モードの設定
CPU性能
CPU性能は CINEBENCH R23(マルチコア/シングルコア)と CPU Mark(PassMark PerformanceTest) のベンチマークスコアで評価します。
評価にあたっては、性能レベルを把握するため下記 CPU のスコアと比較します。
・インテル Core Ultra 7 プロセッサー 155H
・インテル Core Ultra 5 プロセッサー 125H
・インテル Core Ultra 7 プロセッサー 155U
・インテル Core Ultra 5 プロセッサー 125U
・インテル Core i7-1360P プロセッサー
・インテル Core i5-1340P プロセッサー
・インテル Core i7-1355U プロセッサー
・インテル Core i5-1335U プロセッサー
・AMD Ryzen 7 7730U プロセッサー
・AMD Ryzen 5 7530U プロセッサー
・AMD Ryzen 7 5825U プロセッサー
・AMD Ryzen 5 5625U プロセッサー
※当サイトで計測したスコアの平均値
CINEBENCH R23[CPUのレンダリング性能評価]
CINEBENCH R23 (マルチコア) | |
---|---|
Core Ultra 7 155H |
12346 pts
|
Core Ultra 5 125H(レビュー機/最適なパフォーマンス) |
11921 pts
|
Ryzen 7 5825U |
10237 pts
|
Core i7-1360P |
10095 pts
|
Core Ultra 5 125H |
9920 pts
|
Ryzen 7 7730U |
8997 pts
|
Core Ultra 7 155U |
8886 pts
|
Core i5-1340P |
8551 pts
|
Core Ultra 5 125H(レビュー機/バランス) |
7690 pts
|
Ryzen 5 7530U |
7627 pts
|
Ryzen 5 5625U |
7555 pts
|
Core i7-1355U |
7342 pts
|
Core i5-1335U |
6875 pts
|
Core Ultra 5 125U |
6508 pts
|
CINEBENCH R23 (シングルコア) | |
---|---|
Core i7-1355U |
1750 pts
|
Core i7-1360P |
1732 pts
|
Core Ultra 7 155U |
1727 pts
|
Core Ultra 5 125H(レビュー機/バランス) |
1700 pts
|
Core Ultra 5 125H(レビュー機/最適なパフォーマンス) |
1689 pts
|
Core Ultra 7 155H |
1687 pts
|
Core Ultra 5 125H |
1661 pts
|
Core Ultra 5 125U |
1564 pts
|
Core i5-1335U |
1546 pts
|
Core i5-1340P |
1534 pts
|
Ryzen 7 5825U |
1435 pts
|
Ryzen 7 7730U |
1428 pts
|
Ryzen 5 7530U |
1419 pts
|
Ryzen 5 5625U |
1365 pts
|
CPU Mark (PassMark PerformanceTest)[CPU性能の総合評価]
CPU Mark | |
---|---|
Core Ultra 7 155H |
25686
|
Core Ultra 5 125H(レビュー機/最適なパフォーマンス) |
23699
|
Core Ultra 5 125H |
21632
|
Core i7-1360P |
20651
|
Ryzen 7 5825U |
20320
|
Core Ultra 7 155U |
19049
|
Core Ultra 5 125H(レビュー機/バランス) |
18728
|
Ryzen 7 7730U |
18677
|
Core i5-1340P |
16650
|
Core i7-1355U |
16487
|
Ryzen 5 5625U |
16291
|
Ryzen 5 7530U |
15930
|
Core Ultra 5 125U |
15296
|
Core i5-1335U |
14508
|
レビュー機のスコアは優秀です。
一般的な使いかた(オフィスソフト・メール・ネット検索・オンライン会議など)はもちろんのこと、負荷の高い作業でもしっかりとしたパフォーマンスが期待できます。
なお、消費電力を考慮するなら、ふだんはバランスモードで使用し負荷の高い作業ではパフォーマンスモードに切り替える使いかたが良いでしょう。
グラフィック性能
グラフィック性能はゲーム系のベンチマークで性能評価を行います。
評価にあたっては、グラフィックス性能レベルを把握するため当サイトでレビューした下記グラフィックスのスコアと比較します。
・インテル Arc グラフィックス(Ultra 7 155H搭載機)
・インテル Arc グラフィックス(Ultra 5 125H搭載機)
・インテル グラフィックス(Ultra 7 155U搭載機)
・インテル グラフィックス(Ultra 5 125U搭載機)
・インテル Iris Xe グラフィックス(Core i7-1360P搭載機)
・インテル Iris Xe グラフィックス(Core i5-1340P搭載機)
・インテル Iris Xe グラフィックス(Core i7-1355U搭載機)
・インテル Iris Xe グラフィックス(Core i5-1335U搭載機)
・AMD Radeon グラフィックス(Ryzen 7 7730U搭載機)
・AMD Radeon グラフィックス(Ryzen 5 7530U搭載機)
・AMD Radeon グラフィックス(Ryzen 7 5825U搭載機)
・AMD Radeon グラフィックス(Ryzen 5 5625U搭載機)
※当サイトで計測したスコアの平均値
3DMark Time Spy
Time Spy は DirectX 12 を使用したハイパフォーマンスゲーミングPC向けのグラフィックス性能テストです。
3DMark Time Spy | |
---|---|
インテル Arc(Core Ultra 7 155H) |
3455
|
インテル Arc(Core Ultra 5 125H) |
3273
|
インテル Arc(レビュー機/最適なパフォーマンス) |
2853
|
インテル Arc(レビュー機/バランス) |
2543
|
インテルグラフィックス(Core Ultra 7 155U) |
2115
|
インテルグラフィックス(Core Ultra 5 125U) |
2049
|
インテル Iris Xe(Core i7-1360P) |
1911
|
インテル Iris Xe(Core i7-1355U) |
1691
|
インテル Iris Xe(Core i5-1340P) |
1545
|
AMD Radeon(Ryzen 7 5825U) |
1381
|
AMD Radeon(Ryzen 7 7730U) |
1342
|
インテル Iris Xe(Core i5-1335U) |
1312
|
AMD Radeon(Ryzen 5 7530U) |
1255
|
AMD Radeon(Ryzen 5 5625U) |
1189
|
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ[中量級のゲーム]
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ | |
---|---|
インテル Arc(Core Ultra 7 155H) |
8283
|
インテル Arc(Core Ultra 5 125H) |
7495
|
インテル Arc(レビュー機/最適なパフォーマンス) |
6334
|
インテル Iris Xe(Core i7-1360P) |
6051
|
インテル Arc(レビュー機/バランス) |
5521
|
インテル Iris Xe(Core i7-1355U) |
5316
|
インテル Iris Xe(Core i5-1340P) |
5072
|
インテルグラフィックス(Core Ultra 7 155U) |
5048
|
インテルグラフィックス(Core Ultra 5 125U) |
4505
|
AMD Radeon(Ryzen 7 7730U) |
4184
|
AMD Radeon(Ryzen 7 5825U) |
4123
|
インテル Iris Xe(Core i5-1335U) |
3831
|
AMD Radeon(Ryzen 5 7530U) |
3662
|
AMD Radeon(Ryzen 5 5625U) |
3714
|
※高品質(ノートPC)/解像度 1920×1080 で実施
ファイナルファンタジーXV[重量級のゲーム]
ファイナルファンタジーXV | |
---|---|
インテル Arc(Core Ultra 7 155H) |
5602
|
インテル Arc(Core Ultra 5 125H) |
5048
|
インテル Arc(レビュー機/バランス) |
4672
|
インテル Arc(レビュー機/最適なパフォーマンス) |
4667
|
インテル Iris Xe(Core i7-1360P) |
4225
|
インテル Iris Xe(Core i7-1355U) |
3848
|
インテルグラフィックス(Core Ultra 7 155U) |
3656
|
AMD Radeon(Ryzen 7 7730U) |
3572
|
インテル Iris Xe(Core i5-1340P) |
3451
|
AMD Radeon(Ryzen 7 5825U) |
3340
|
インテルグラフィックス(Core Ultra 5 125U) |
3282
|
AMD Radeon(Ryzen 5 5625U) |
3141
|
AMD Radeon(Ryzen 5 7530U) |
3103
|
インテル Iris Xe(Core i5-1335U) |
2930
|
※軽量品質/解像度 1280×720 で実施
レビュー機のグラフィックス・パフォーマンスは少しひかえめです。
とはいえ、一般的な用途(メール・ネット閲覧・オフィスソフト・動画鑑賞など)のほか、複数のアプリを動かしながらオンライン会議を行っても十分快適なパフォーマンスが期待できます。
ちなみに、CPU内蔵グラフィックスは、CPU性能のほかに搭載されているメモリ容量や構成チャネル(シングル/デュアル)に依存します。メモリ容量が同じでもデュアルチャネル構成にすることでグラフィックス・パフォーマンスは大幅に向上します。メモリをカスタマイズする際の参考にしてください。
ストレージ性能
レビュー機のストレージは PCIe Gen4 NVMe 対応の SSD(容量 512GB)を搭載しています。
ストレージ情報
ストレージ性能は、CrystalDiskMark を使用しデータ転送速度を計測・評価します。
データ転送速度
※電源モードを「バランス」に設定して計測した結果。「最適なパフォーマンス」での計測結果も同等です。
計測結果は優秀です。PCIe Gen4 NVMe 対応の SSD は、体感的にも高速なアクセスでファイルの読み書きがとてもスムーズです。
総合的なパフォーマンス
PCMark 10 で実際の使用を想定した性能評価を行います。
評価にあたっては、性能レベルの程度を把握するため当サイトでレビューした下記機種のスコアと比較します。
・ThinkPad X13 Gen 5
・ThinkBook 13x Gen4
・HP EliteBook 630 G11
・dynabook RZ/HX
・HP EliteBook 635 Aero G11
※当サイトで計測したスコア(パフォーマンスモードに相当した設定で計測したスコア)
おもなスペックは以下のとおり。
スペック | ThinkPad E14 (レビュー機) |
ThinkPad X13 | ThinkBook 13x | EliteBook 630 | dynabook RZ | EliteBook 635 Aero |
---|---|---|---|---|---|---|
CPU | インテル Core Ultra 5 125H | インテル Core Ultra 5 125U | インテル Core Ultra 5 125H | インテル Core Ultra 7 155U | インテル Core Ultra 7 155H | AMD Ryzen 7 8840U |
メモリ | 16GBメモリ | 16GBメモリ | 16GBメモリ | 32GBメモリ | 32GBメモリ | 16GBメモリ |
ストレージ | 512GB SSD (NVMe) | 256GB SSD (NVMe) | 512GB SSD (NVMe) | 1TB SSD (NVMe) | 1TB SSD (NVMe) | 512GB SSD (NVMe) |
グラフィックス | Intel Arc Graphics | Intel Graphics | Intel Arc Graphics | Intel Graphics | Intel Arc Graphics | AMD Radeon 780M |
ベンチマーク結果は以下のとおり。
Essentials | |
---|---|
ThinkPad E14(バランス) |
9242
|
ThinkPad E14(最適なパフォーマンス) |
9362
|
ThinkPad X13 |
9363
|
ThinkBook 13x |
10061
|
EliteBook 630 |
9320
|
dynabook RZ |
9599
|
EliteBook 635 Aero |
10075
|
目標値 |
4100
|
Productivity | |
ThinkPad E14(バランス) |
8666
|
ThinkPad E14(最適なパフォーマンス) |
8253
|
ThinkPad X13 |
7998
|
ThinkBook 13x |
7972
|
EliteBook 630 |
8227
|
dynabook RZ |
9800
|
EliteBook 635 Aero |
10321
|
目標値 |
4500
|
Digital Contents Creation | |
ThinkPad E14(バランス) |
7130
|
ThinkPad E14(最適なパフォーマンス) |
7863
|
ThinkPad X13 |
6318
|
ThinkBook 13x |
8662
|
EliteBook 630 |
6926
|
dynabook RZ |
7814
|
EliteBook 635 Aero |
8307
|
目標値 |
3450
|
※テスト項目説明
・Essentials(普段の作業を想定した基本的なテスト)
・Productivity(ビジネスソフトの使用を想定したテスト)
・Digital Contents Creation(写真・動画編集を想定したテスト)
※目標値はベンチマークソフト開発メーカーの推奨スコア
レビュー機のスコアは良好です。
グラフィックスのベンチマークがひかえめでしたが、比較対象機のスコアとくらべてもパフォーマンス的な問題はなさそうです。オフィスソフトや動画鑑賞のほか、ちょっとした写真・動画編集にも十分活用できる処理性能です。
ちなみに、比較対象機のスペックは本機種でカスタマイズで可能な構成です。カスタマイズする際の参考にしてください。
関連記事
バッテリー
バッテリー性能については、レビュー機のバッテリー駆動時間と充電時間を計測・評価します。
※電源モードを「バランス」に設定して実施。
■駆動時間の測定条件
・無線LANでインターネットに接続
・YouTubeを全画面で連続再生
・画面の明るさ:最大レベル
・音量:最大レベル
■充電時間の測定条件
・測定開始はバッテリー残量がほぼゼロの状態
・電源アダプターを接続し Windows を起動
・スクリーンセーバー(ラインアート)でパソコンはアイドル状態
※スクリーンタイムアウトや PCスリープは設定しない。
バッテリーの駆動時間と充電時間の計測結果は以下のとおり。
バッテリー駆動時間 | 5時間 49分 |
バッテリー充電時間 (50%までの充電時間) |
33分 |
バッテリー充電時間 (80%までの充電時間) |
57分 |
バッテリー充電時間 (100%までの充電時間) |
1時間 47分 |
バッテリー駆動時間の検証結果はスペックの「約11.7時間(動画再生時)」の 49%で物足りなさを感じます。
検証ではバッテリーを多く消費する条件で実施していますが、バッテリー駆動で長時間使用するときは画面の明るさを調整するなどバッテリー消費を抑える使いかたがよさそうです。バッテリー駆動時間を伸ばすことができます。
また、急速充電に対応している点は好印象です。バッテリー残量が少ないときでも短時間で充電することができれば、よりアクティブに使えるメリットがあります。
なお、実際の使用にあたっては、環境や使い方などによりバッテリーの駆動時間は変動するため参考値としてください。
クリエイティブ性能の評価
クリエイティブ性能は RAWデータ現像(JPEGファイル書き出し)と動画エンコードの処理時間で評価します。
評価にあたっては、上記の総合的なパフォーマンスで使用した機種の処理時間と比較します。
・ThinkPad X13 Gen 5
・ThinkBook 13x Gen4
・HP EliteBook 630 G11
・dynabook RZ/HX
・HP EliteBook 635 Aero G11
※当サイトで計測した処理時間(パフォーマンスモードに相当した設定で計測)
RAWデータ現像
RAWデータ現像に使用したソフトウェアや条件、処理結果は以下のとおりです。
■使用ソフトウェア
Adobe Lightroom
Adobe Lightroom Classic
■条件等
・RAWデータ 50ファイルをJPEG形式で一括書き出し
・RAWデータサイズ 4,592×3,056(約14MB)
・プリセット等 編集は適用しない
・ほかのアプリは起動しない(常駐アプリは除く)
■処理結果
Lightroom | |
---|---|
ThinkPad E14(バランス) |
16秒6
|
ThinkPad E14(最適なパフォーマンス) |
16秒4
|
ThinkPad X13 |
19秒8
|
ThinkBook 13x |
14秒6
|
EliteBook 630 |
23秒5
|
dynabook RZ |
23秒9
|
EliteBook 635 Aero |
18秒5
|
Lightroom Classic | |
ThinkPad E14(バランス) |
17秒0
|
ThinkPad E14(最適なパフォーマンス) |
15秒9
|
ThinkPad X13 |
20秒2
|
ThinkBook 13x |
19秒2
|
EliteBook 630 |
20秒5
|
dynabook RZ |
27秒3
|
EliteBook 635 Aero |
23秒0
|
動画エンコード
動画エンコードに使用したソフトウェアや条件、処理結果は以下のとおりです。
■使用ソフトウェア
CyberLink PowerDirector
■条件等
・AVCHD動画(1920×1080)を mp4 形式で出力(m2ts→mp4、720p、1280×720/30p 16Mbps)
・動画再生時間 10分間
・ほかのアプリは起動しない(常駐アプリは除く)
■処理結果
PowerDirector | |
---|---|
ThinkPad E14(バランス) |
1分55秒8
|
ThinkPad E14(最適なパフォーマンス) |
1分15秒5
|
ThinkPad X13 |
1分22秒8
|
ThinkBook 13x |
1分5秒0
|
EliteBook 630 |
1分35秒2
|
dynabook RZ |
1分24秒2
|
EliteBook 635 Aero |
1分16秒5
|
実際のソフトウェアを使ったクリエイティブ性能評価も良好です。
写真編集や動画編集にも十分快適なパフォーマンスで活用できますが、クリエイティブ作業に活用するなら、ディスプレイは色域の広い「2.2K液晶 (100% sRGB)」へのカスタマイズをおすすめします。本機種の場合、2.2K液晶以外は色域が標準クラスのため、シビアな色再現には不向きです。
駆動音・表面温度のチェック
駆動音のチェック
駆動音は、下記処理中の音量(デシベル)を測定し、評価します
・CPU ベンチマーク「CINEBENCH R23 /マルチ Core」実行中
・10分間動画のエンコード処理中
※一般住宅で周囲の音ができるだけ入らないようにして測定(室温:25℃)
音量計測イメージ
(使用測定器:Meterk SLM01)
■測定結果
モード | アイドル状態 (最小音量) |
最大音量 下段はピーク時の音量推移 |
|
---|---|---|---|
ベンチマーク中 | 動画エンコード中 | ||
バランス | 33.4db | 38.6db (37~38db) |
39.0db (38~39db) |
最適なパフォーマンス | 33.4db | 43.4db (42~43db) |
43.4db (42~43db) |
■騒音の目安
騒音の大きさ | 騒音の具体例 |
---|---|
60 デシベル | 走行中の自動車内 普通の会話 デパート店内 |
50 デシベル | 家庭用エアコンの室外機 静かな事務所の中 |
40 デシベル | 閑静な住宅地の昼 図書館内 |
30 デシベル | 深夜の郊外 鉛筆での執筆音 |
20 デシベル | 木の葉の触れ合う音 雪の降る音 |
参考:埼玉県深谷市ホームページ「騒音・振動の規制について」
アイドル時は無音で静かです。
高負荷な状態では「サーッ」という排気音が少し大きくなります。とくにパフォーマンスモードのときは音が大きく、うるさく感じるかもしれません。
なお、負荷低減後に排気音が静かになるまでの時間は 1~2分くらいです。(バランスモード、最適なパフォーマンスモードともに同じくらい)
※使用環境やパソコンの状態により変動します。
表面温度のチェック
表面温度については、下記を実施したときの表面温度を測定し評価します。
・アイドル状態で10分放置後
・Youtube 動画 30分間視聴後
・10分間動画のエンコード実行後
※単位:℃、測定時の室温:25℃
※電源モードを「バランス」に設定して実施
※写真の左がキーボード表面、右が底面側の計測結果
■アイドル状態で10分間放置
■Youtube 動画 30分間視聴後
■10分間動画エンコード実行後
負荷状況にかかわらず、キーボード奥の中央寄りの表面温度が高く、少し温かさを感じます。ただ、パームレストは表面温度に大きな変化がないため、高負荷時のタイピングでも不快に感じることはありませんでした。
サウンド チェック
ThinkPad E14 Gen 6 にはサウンドユーティリティソフト「Dolby Access」がインストールされています。
Dolby Access
「Dolby Access」は、コンテンツに合わせたプリセットが用意されているほかカスタム機能を使ってお好みのサウンドにチューニングすることもできます。
以下は、実際にサウンドを試聴した印象です。
※プリセット「ミュージック」で試聴
■スピーカー
・低音域から高音域まで広い音域をカバーし高音質
・音声もはっきり明瞭に聴き取れる
・音量最大でも音割れしない(コンテンツによる)
■ヘッドホン
・スピーカー同様に高音質
また、ノイズキャンセル機能として Lenovo Smart Noise Cancellation がインストールされています。
Lenovo Smart Noise Cancellation
Lenovo Smart Noise Cancellation は、プライベートモードや共有モードなど、オンライン会議のスタイルに合わせた柔軟な設定が可能です。もちろん、周囲の環境ノイズ(電話の着信音、電車、救急車のサイレンなど)の除去も可能です。
Windows の起動・再起動・シャットダウン時間計測
Windows の起動、再起動、シャットダウン時間を それぞれ 5回ずつ計測しました。
回 | 起動 | 再起動 | シャットダウン |
---|---|---|---|
1回目 | 13.8秒 | 37.2秒 | 8.8秒 |
2回目 | 13.8秒 | 37.7秒 | 8.0秒 |
3回目 | 14.0秒 | 56.2秒 | 8.7秒 |
4回目 | 13.9秒 | 43.2秒 | 8.4秒 |
5回目 | 13.9秒 | 40.9秒 | 8.7秒 |
平均 | 13.9秒 | 43.0秒 | 8.5秒 |
起動とシャットダウンは体感的にも早いです。
再起動についてはバラツキがあり時間がかかる場合もありますが、頻繁に行う操作ではないので処理待ちのストレスを感じることはないと思います。
なお、実際の使用にあたってはインストールしているアプリや Windows の更新など使用状況により時間は変動するので参考値としてください。
同梱品
ThinkPad E14 Gen 6 の本体ほか同梱品一式です。
同梱品リスト
・ThinkPad E14 Gen 6 本体
・電源アダプター
・電源コード
・ドキュメント類
まとめ
以上、ThinkPad E14 Gen 6 のレビュー記事をお届けしました。
ThinkPad E14 Gen 6 はビジネス向けのノートPC としてエントリークラスの位置づけですが、一般的なビジネスシーンにはちょうどよい処理性能でしっかり使えます。
グラフィックス・ベンチマークでスコアが少しひかえめでしたが、総合的なパフォーマンスでは十分満足できる結果を残しているところは「さすが ThinkPad」です。
タイピングしやすいキーボードやセキュリティ機能など実用性にすぐれているところも好印象。ビジネス向けノートを検討しているなら、ぜひチェックしておきたいモデルです。
高評価のポイント
- ビジネス向けのノートPC として良好な処理性能
- 実用性にもすぐれている
- 定評のあるタイピングしやすいキーボード
- スピーカーが意外に高音質
- 価格以上に高性能で高コスパ
気をつけておきたい点
- 14インチノートとしては少し重量感がある
ラインナップしているモデルの詳しいスペックや価格など最新情報はレノボ直販サイト「レノボショッピング」をご確認ください。
ThinkPad E14 Gen 6
(Intel Core Ultra)
税込 10万円台から
関連リンク