デル『Inspiron 13 7000 2-in-1』実機レビュー 後編です。
後編では、各種ベンチマーク、Windows 起動・シャットダウン時間計測などのレビューを行います。
(後編) ベンチマーク サウンド チェック Windows の起動・シャットダウン時間計測(動画に収録) 搭載ソフトウェア 付属品 まとめ |
レビュー内容は 2018年2月1日時点のものになります。
レビュー機のスペック構成については「スペックについて」の章をご覧ください。
ベンチマーク
『Inspiron 13 7000 2-in-1』の基本性能や総合的なパフォーマンスのほか、CPU、グラフィック、ストレージ、バッテリーの性能を測定します。
基本性能
Windowsに搭載されているシステム評価ツール「WinSATコマンド」によるパソコン性能の測定です。
「WinSAT」による測定は、PCの性能を相対的に数値化して表現したもので、各項目の説明は次のとおりです。
CPUScore | CPU のスコア |
D3DScore | ゲーム用グラフィックスのスコア ただし、従来のゲーム用グラフィックスのスコアのため Windows 10では計測対象外(9.9というスコアは無視) |
DiskScore | プライマリハードディスクのスコア |
GraphicsScore | グラフィックスのスコア |
MemoryScore | メモリのスコア |
TimeTaken | 前回の評価(「MostRecentAssessment」は直近の評価を表します) |
WinSATAssessmentState | 評価の状態を表す値(1:評価済み、2:要再評価) |
WinSPRLevel | 基本スコア(SPR:System Performance Rating) |
WinSAT のスコアの上限は 9.9です。
高いレベルでおおむねバランスの良いスコアです。
とくに CPUScore と MemoryScore は上限に近いスコアで、『Inspiron 13 7000 2-in-1』に搭載された CPU性能レベルの高さが分かります。
(レビュー機の CPU は 第8世代インテル Core i7-8550U プロセッサー)
総合的なパフォーマンス
「PCMark 8」を使用して、PCのアプリケーション実行における総合的なパフォーマンスを測定します。
Home Test
家庭での利用を想定したテスト内容です。
OpenCL対応の Accelerated にて測定
Creative Test
クリエイティブな利用を想定したテスト内容です。
OpenCL対応の Accelerated にて測定
総合的なパフォーマンスとしては、モバイルノートながら高いレベルのスコアです。
一般的なノートPC にくらべ格段に性能レベルが高く、自宅や外出先など、いろいろなシーンで快適に使える、高いレベルの性能を備えている印象です。
CPU性能
「CINEBENCH」を使って、CPU性能を測定します。
レビュー機『Inspiron 13 7000 2-in-1』の CPU には、第8世代 インテル Core i7-8550U プロセッサーが搭載されています。
前世代(第7世代)のインテル Core i7-7500U プロセッサーの CPU スコアは 350cb くらいですので、ベンチマークのスコアを見る限り、CPU性能は およそ 57% アップしていることが分かります。
グラフィック性能
「3DMark」「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」、4つのベンチマークソフトを使ってグラフィック性能を測定します。
まず「3DMark」での測定です。
3DMark では「Ice Storm」「Cloud Gate」「Sky Diver」「Fire Strike」「Time Spy」、各シーンの描画の滑らかさをもとにグラフィック性能を測定します。
スコアの高さは描画の快適性を表しています。
測定前に流されるデモ映像を見たイメージとしては、次のような印象でした。
Ice Storm | なめらか描画 |
Cloud Gate | なめらか描画 |
Sky Diver | おおむねなめらか描画。ときどきカクついたシーンもあったが問題ないレベル。 |
Fire Strike | カクカクした描画 |
Time Spy | カクカクした描画 |
次が、「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」の測定結果。
標準品質、解像度 1280×720
最高品質、解像度 1280×720
標準品質、解像度 1920×1080
「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」の測定結果。
標準品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
高品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
さいごに、「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」の測定結果。
標準品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
高品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
4つのベンチマークソフトを使ったグラフィック性能の測定結果をみると、『Inspiron 13 7000 2-in-1』のグラフィック性能レベルは、CPU内蔵グラフィックスとしては高いレベルです。
モバイルノートしての快適性は充分で、ビジネスシーンでのビデオチャットやテレビ会議のほか、プライベートでも動画視聴や写真・動画の編集、ライトなゲームも、気軽に楽しむことができそうです。
動作音については、負荷のかかる処理中は排熱のためファンがフル回転し「サーッ」という音が聞こえます。さほど大きな音でもなく、負荷のかかる状態が終始続いているわけでもないので、とくに気にならないと思います。
また、本体内部の熱については、負荷のかかる処理中は本体の奥 排気口周辺が温かくなります。キーボードの奥側も若干温かく感じます。パームレストはヒンヤリとしたままでした。
ストレージ
ストレージのベンチマークです。
レビュー機の『Inspiron 13 7000 2-in-1』スプレマシーモデルのストレージは、Micron製の SSD(容量 512GB、SATA接続)です。
ストレージ情報
ストレージのドライブ構成は次のようになります。
SSD のデータ転送速度です。
ストレージのデータ転送速度
SSD が搭載されていると、数字が示す通り Windows や アプリの起動も高速です。
バッテリー
『Inspiron 13 7000 2-in-1』に搭載されているバッテリーの性能(駆動時間と充電時間)を測定します。
■駆動時間
バッテリーでの駆動は、次の条件でバッテリーによる駆動時間を計測します。
・無線LANでインターネットに接続
・YouTubeを全画面で連続再生
・画面の明るさ:最大レベル
・音量:最大レベル
■充電時間
バッテリー充電時間の計測は以下の条件で行います。
・測定開始はバッテリー不足でWindowsがスリープしたときの残量
・電源アダプターを接続し Windows を起動
・スクリーンセーバー(ラインアート)でパソコンはアイドル状態
※スクリーンタイムアウトや PCスリープは設定しない。
バッテリーの駆動時間と充電時間の測定結果は以下のようになります。
バッテリーによる駆動は 3時間 31分経過後、Windows がバッテリー不足を検知し、パソコンはスリープ状態になりました。
通常よりもバッテリーを多く消費する使用条件というのもありますが、モバイルPC としては少し短い気がします。
とはいえ、ディスプレイの明るさや音量を適度に設定するなど、節電モードでの使用ならバッテリー駆動時間はもっと長くなるはずです。
また、バッテリー充電については、50%まで充電するのに 1時間4分、充電完了までの所要時間は 2時間55分でした。
なお、実際の使用にあたっては、環境や条件などによりバッテリーの駆動時間は変動するので、参考値としてください。
サウンド チェック
『Inspiron 13 7000 2-in-1』には、サウンドユーティリティソフト「Waves MaxxAudio Pro」が搭載されています。
Waves MaxxAudio Pro には、サウンドに合わせたプリセットがあらかじめ設定されているほか、スピーカーやヘッドフォンなどサウンドを再生する機器に合わせて、お好みのサウンドにチューニングすることもできます。
ちなみに、サウンドユーティリティソフトを開発した Waves MaxxAudio はイスラエルのデジタル音声&音響技術メーカーで、そのサウンドは パソコンやタブレット、スマートフォンなど幅広く採用されています。
Waves MaxxAudio Pro サウンド ユーティリティソフト
実際にサウンドを聴いてみた印象です。
■スピーカー
低音域から高音域まで音域が広く高音質。
臨場感もあり、パソコンながら迫力のあるサウンドを楽しめる。
ボリュームを最大にしても音割れはしない。(サウンドにもよるが)
■ヘッドフォン
低音域から中音域が増幅され、サウンド全体に厚みが増す。
サウンドに没頭できそうなくらいに高音質。
Windows の起動・シャットダウン時間計測(動画に収録)
『Inspiron 13 7000 2-in-1』の Windows起動時間とシャットダウン時間は、次のとおりです。
・起動 : 14.5秒
・シャットダウン : 7.3秒
Windowsの起動とシャットダウンの様子を動画に収録しています。起動・シャットダウン時間を感覚でイメージできるので参考にどうぞ!
搭載ソフトウェア
『Inspiron 13 7000 2-in-1』に搭載されている主なソフトウェアです。
Windows標準のソフトのほか、Dell サポート関連ソフト、セキュリティソフト「マカフィー リブセーブ」などがインストールされています。
「Dell Help & Support」には、Windows 10 の操作方法、ワイヤレスや周辺機器への接続方法などを参照することができ、はじめて Windows 10 を使うときでもあんしんです。
なお、動画再生ソフトや写真・動画編集ソフトはインストールされていませんでした。
付属品
『Inspiron 13 7000 2-in-1』の本体ほか同梱品一式(電源アダプター、電源コード、ドキュメント類)です。
付属しているドキュメントは、「クイックスタートガイド」と「安全および認可機関に関する情報」でマルチ言語対応版です。
いずれも、かんたんな内容が記載されている程度ですが、製品の使い方や取り扱いに関する詳細な情報は、デル公式サイトで公開しており、ブラウザで閲覧できるほか、PDF ファイルとしてダウンロードすることもできます。
まとめ
『Inspiron 13 7000 2-in-1』は軽快な動作でパフォーマンスも快適な 2in1 モバイルPC です。
SDカードスロットや USB、HDMI など必要なインターフェースも実装されており、いろいろなシーンで使うモバイルPC だけに利便性は高まります。
キーボードのタイプ感が筆者にとっては今ひとつでしたが、慣れることで解消されるものと思います。
価格面でみると 129,578円(税込・配送料込) ~ という価格は、性能レベルが高いながらもリーズナブルな印象で、コストパフォーマンスに優れた 2in1 PC といえそうです。
ラインナップしているモデルの詳細や価格などの最新情報は、デル直販サイト「デルオンラインストア」でチェックしてください。
デル直販「デルオンラインストア」公式サイト ⇒ New_Inspiron_13_7000_2in1_7373(2017/9/29発売) |