デル Inspiron 13 7000 (7306) 2-in-1 (以下、Inspiron 13 7306 2in1)は、第11世代インテル Core プロセッサーを搭載した 13.3型 2in1 ノートPC です。
アルミニウム素材の筐体は上質で高級感のある仕上がり。堅牢性にもすぐれています。
13.3インチモデルとしては若干の重量感はあるものの持ち歩きも十分可能。
本体に収納して充電できるアクティブペンも付属しており、いつでもどこでも思いついたアイディアをメモしたり活用の幅が広がります。
- 第11世代インテル Core プロセッサーを搭載
- フルHD液晶と 4K液晶ディスプレイを選択可能
- スリムでスタイリッシュなデザイン
- バックライト付きキーボード
- プライバシーシャッター付きWebカメラ
- 顔認証センサー&指紋センサー搭載
- 本体のペンガレージに収納可能な充電式アクティブペンが付属
- スタイル自在に使えるから活用の幅が広がる
レビューではメーカーからお借りした実機を試用し、前半で外観デザイン/ディスプレイ/キーボードなどをチェック、後半では各種ベンチマークを使った性能評価を行います。
【 目 次 】
レビューは 2021年8月6日時点の内容です。
スペック構成
Inspiron 13 7306 2in1 のおもなスペックです。
OS | Windows 10 Home (64ビット) 日本語 |
CPU | ■インテル Core i5-1135G7 プロセッサー ■インテル Core i7-1165G7 プロセッサー |
メモリ | ■8GB, オンボード, LPDDR4x, 4267MHz ■16GB, オンボード, LPDDR4x, 4267MHz |
ストレージ | 512GB M.2 PCIe NVMe SSD |
ディスプレイ | ■13.3インチ FHD (1920 x 1080) Truelife スリムベゼル 300nits 100% sRGB広視野角 タッチディスプレイ ■13.3インチ UHD (3840 x 2160) Truelife スリムベゼル 300nits 100% sRGB広視野角 タッチディスプレイ |
グラフィックス | インテル Iris Xe グラフィックス |
ワイヤレス | インテル Wi-Fi 6 2×2 (Gig+)、Bluetooth |
カメラ、マイク | 720p HD RGB-IRカメラ、デュアルアレイ マイクロフォン |
指紋センサー | 電源ボタン内蔵 |
本体カラー | エレメントブラック |
本体サイズ(W×D×H) | 約 305.19×206.40×15.94~16.74(最厚部) mm |
本体質量 | 約1.274 kg |
ランナップしているモデルのスペック構成や価格など最新情報はデル直販「デルオンラインストア」公式サイトをご確認ください。
Inspiron 13 7000 (7306) 2-in-1
税込 10万円台から
※クーポン適用価格
外観チェック
スリムでスタイリッシュなデザイン
Inspiron 13 7306 2in1 の外観の印象はスリムでスタイリッシュ!
筐体の素材はアルミニウム。サラサラとした感触で上質感もあります。
「DELL」ロゴがアクセント
本体のカラー「エレメントブラック」は落ち着いた雰囲気でシックな印象のカラーです。指紋や皮脂の跡が目立ちやすいので、柔らかいクロスなどで こまめなお手入れがおすすめです。
スリムで精かんなフォルム
底面は剛性を重視した「ユニボディ」の構造で、見た目もスッキリしています。
ゴム足は四隅に実装されています。細長いタイプのゴム足ですが安定感は良好です。
排気口はヒンジ近くに実装されています。
矢印の指すところが排気口
間口が小さい排気口なので、本体内部の排熱に不安が残ります。
なお、ヒンジは本体奥側を持ち上げる「リフト ヒンジ」です。
スタイル自在に使える
Inspiron 13 7306 2in1 は天面を回転させることでスタイル自在に使えます。
ノートパソコン
スタンド
テント
タブレット
フラット(画面共有に便利)
必要最低限のインターフェースを実装
Inspiron 13 7306 2in1 のインターフェースをチェックします。
左側面のインターフェースなど各部名称です。
①HDMI ポート
②Thunderbolt 4 USB Type-Cポート(Power Delivery対応)
USB Type-C ポートは PD充電器に対応しています。
■USB 3.0 Type-C ポート対応表(当サイトの検証結果)
映像出力 | 〇 |
---|---|
PD充電器(30W) | 〇(低速) |
PD充電器(45W) | 〇 |
PD充電器(65W) | 〇 |
右側面のインターフェースなど各部名称です。
③microSD カード スロット
④ヘッドセット ポート
⑤USB 3.2 Gen 1ポート
microSD カード スロットはプッシュロック式です。
microSDカードをシッカリと挿し込んだ状態
カードを押し込んでロックさせ、取り出すときは再度押し込むことでカードが飛び出す仕組みです。
Inspiron 13 7306 2in1 に実装されているインターフェースは必要最低限ですが、実用的に足りないといったケースはないと思います。
スピーカーはサイズが大きめ
スピーカーは底面部左右に実装されています。
スピーカーグリルのサイズは大きめで高音質サウンドを体感できます。
シャッターでカメラを遮断できる
Inspiron 13 7306 2in1 にはカメラを遮断できる「プライバシーシャッター」が付いています。
上の画像:シャッターを開いてカメラ有効
下の画像:シャッターを閉じてカメラを遮断している
カメラの上側に切り替えスイッチがある
シャッターはスライド式(手動)です。オンライン会議などでこちらの光景を見られたくないときはシャッターでカメラをふさぐことができます。
顔認証や指紋認証でかんたんサインイン
Inspiron 13 7306 2in1 は 顔認証センサーと指紋センサーを搭載しています。
顔認証と指紋認証は併用が可能で、認証精度はいずれも良好です。
顔認証でサインイン
指紋認証でサインイン
(指紋センサーは電源ボタンに内蔵)
顔認証ならパソコンの前にすわるだけで Windows にサインインできますし、マスクを着用しているときは指紋センサーにタッチするだけでかんたんに Windows にサインインできます。
プライバシーシャッターでカメラを遮断しているときは顔認証は使えません。
スリムでコンパクト
本体の大きさのイメージです。本体の下に A4コピー用紙(ピンク色)を置き、本体上に B5版ノートを載せています。
本体を閉じたときの高さのイメージです。
本体の高さを CD ケース(通常サイズ)2枚と比較
(通常サイズの CDケースの厚さは 10mm)
本体の高さは実測で 18~18.5 (最厚部) mm。最厚部でも CDケース 2枚より薄くでとてもスリムです。
本体や電源アダプターなどの重量を実測します。
・本体:1,316g
・電源アダプター:195g
・電源コード:101g
13.3インチとしては若干重量感はありますが、持ち歩きも十分可能です。
電源アダプターの最大出力は 65W、その大きさは手のひらに収まるサイズです。
ディスプレイのチェック
自然な色合いのディスプレイ
レビュー機の液晶パネルは AU Optronics製(BenQグループの液晶パネル製造会社)の 4K 液晶パネルです。
高精細で描画される映像は自然な色合いでキレイ、文字もクッキリと表示されています。
画像の表示例
文字の表示例
トーンカーブは RGB ともに理想的な45度の角度です。
トーンカーブ
(キャリブレーションツール「i1Display Pro」で計測)
色域の計測結果です。
色域
(色度図作成ソフト「ColorAC」にて作成)
sRGBカバー率 | 95.6% |
---|---|
Adobe RGBカバー率 | 72.6% |
色調バランス、色域ともに優秀で、忠実な色再現が可能です。
狭額縁ベゼルで画面周りスッキリ
上左右のベゼルは狭額縁です。
とくに、左右のベゼルは鉛筆の太さよりもせまくて画面周りがスッキリしています。
映り込みがそれなりにある
Inspiron 13 7306 2in1 の液晶パネルは光沢です。
映り込みはそれなりにある
光沢液晶は映像がキレイに見える反面、映像によっては映り込みを感じるかもしれません。
広い視野角
視野角をチェックします。
正面
右側 ディスプレイ面から30度の角度
上側 ディスプレイ面から30度の角度
水平方向、垂直方向ともに視野角は広く、斜めからもハッキリとした映像を観ることができます。
キーボード&タッチパッドのチェック
タイピングしやすいキーボード
Inspiron 13 7306 2in1 のキーボードレイアウトはほぼ標準的です。
気になるところは[Enter]キー周辺の一部キーが隣接している点。とくに[¥]と[backspace]キーは横幅が小さく打ちにくさを感じるかもしれません。
キーピッチ(キートップの中心から隣りのキートップの中心までの距離)は実測で およそ19mm(スペックは 18.7mm)。
キートップの形状は中央部分が少しへこんでいます。サラサラとした感触でフィット感も良好です。
キーストロークの感覚はノートパソコンとして平均的な 1.5mm くらいです。
タイプ音は「タッタッ」という静かな音
キーを押し込む強さや、押し込んだあとの跳ね返りはちょうど良い感じで、タイピングしやすいキーボードです。
キーボードにはバックライトを搭載
キーボードにはバックライトが搭載されています。
キーボード・バックライトは明るさを 2段階で調整できます。
[F5]キー押下:
点灯(暗)→点灯(明)→消灯
上質感のあるパームレスト
パームレストの素材は(おそらく)樹脂製。サラサラとした感触で上質感があります。
指紋や皮脂の跡が目立ちにくいですが、柔らかいクロスなどでこまめに手入れすれば気持ちよく使えます。
スベリもなめらかで反応の良いタッチパッド
タッチパッドはクリックボタンが一体化したタイプです。
タッチパッドのサイズ感
操作しやすいサイズ感で、で手触り感も良好、なめらかなスベリで指2本あるいは3本を使ってのジェスチャー操作もスムーズです。
アクティブペンのチェック
Inspiron 13 7306 2-in-1 に付属しているアクティブペンをチェックします。
アクティブペンは 4,096段階の筆圧検知や傾き検知に対応しており、なめらかなタッチで書き心地も良好です。
気軽にメモをとったりかんたんなデッサンやイラストも書けますし、アクティブペンがあれば活用の幅が広がります。
アクティブペンは充電式で、本体のペンガレージに収納しておけば充電できますし、紛失防止にもつながります。
ベンチマークによる性能評価
ベンチマークでは Inspiron 13 7306 2in1 の CPU・グラフィック・ストレージ性能のほかバッテリー性能や総合的なパフォーマンスを評価します。
レビュー機の基本スペック
CPU | インテル Core i7-1165G7 プロセッサー |
---|---|
メモリ | 16GB, オンボード, LPDDR4x, 4267MHz |
ストレージ | 512GB M.2 PCIe NVMe SSD |
グラフィックス | インテル Iris Xe グラフィックス |
評価に使用したベンチマークは以下のとおりです。
評価項目 | 使用するベンチマーク |
---|---|
CPU性能 | CINEBENCH R20[CPUのレンダリング性能評価] |
CPU Mark (PassMark PerformanceTest)[CPU性能の総合評価] | |
グラフィック性能 | 3DMark FireStrike |
ドラゴンクエストX[軽量級のゲーム] | |
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ[中量級のゲーム] | |
ファイナルファンタジーXV[重量級のゲーム] | |
ストレージ性能 | CrystalDiskMark |
総合的なパフォーマンス | PCMark 10 |
バッテリー | BatteryInfoView(バッテリー残量測定用) |
CPU性能
CPU性能は CINEBENCH R20 と CPU Mark(PassMark PerformanceTest) のベンチマークスコアで評価します。
性能レベルを把握するため下記 CPU のスコアと比較します。
・インテル Core i7-1165G7 プロセッサー
・インテル Core i5-1135G7 プロセッサー
・インテル Core i3-1115G4 プロセッサー
・インテル Core i7-10510U プロセッサー
・インテル Core i5-10210U プロセッサー
・インテル Core i3-10110U プロセッサー
・AMD Ryzen 5 5500U プロセッサー
・AMD Ryzen 7 4700U プロセッサー
・AMD Ryzen 5 4500U プロセッサー
※当サイトで計測したスコアの平均値
■CINEBENCH R20
CPU | |
---|---|
Ryzen 5 5500U |
2960 pts
|
Ryzen 7 4700U |
2750 pts
|
Ryzen 5 4500U |
2042 pts
|
Core i7-1165G7 |
1950 pts
|
Core i5-1135G7 |
1796 pts
|
Core i7-1165G7(レビュー機) |
1635 pts
|
Core i7-10510U |
1500 pts
|
Core i5-10210U |
1413 pts
|
Core i3-1115G4 |
1224 pts
|
Core i3-10110U |
894.5 pts
|
■CPU Mark (PassMark PerformanceTest)
CPU Mark | |
---|---|
Ryzen 7 4700U |
14790
|
Ryzen 5 5500U |
13281
|
Core i7-1165G7 |
11596
|
Ryzen 5 4500U |
11071
|
Core i5-1135G7 |
10715
|
Core i7-1165G7(レビュー機) |
10234
|
Core i7-10510U |
8122
|
Core i5-10210U |
7710
|
Core i3-1115G4 |
6702
|
Core i3-10110U |
5533
|
レビュー機に搭載されている CPU はパフォーマンスがひかえめです。
Core i5-1135G7 の平均値よりもスコアが低いのは残念なところ。おそらく本体内部の排熱が影響しているのかと思います。
グラフィック性能
グラフィック性能はゲーム系のベンチマークで性能評価を行います。
評価にあたっては、グラフィックス性能レベルを把握するため当サイトでレビューした下記グラフィックスのスコアと比較します。
・インテル Iris Xe グラフィックス(Core i7-1165G7搭載機)
・インテル Iris Xe グラフィックス(Core i5-1135G7搭載機)
・インテル UHD グラフィックス(Core i3-1115G4搭載機)
・AMD Radeon グラフィックス(Ryzen 7 4700U搭載機)
・AMD Radeon グラフィックス(Ryzen 5 4500U搭載機)
※当サイトで計測したスコアの平均値
3DMark FireStrike
3DMark FireStrike のベンチマーク結果です。
Fire Strike は DirectX 11 を使用したハイパフォーマンスゲーミングPC向けのグラフィックス性能テストです。
3DMark Fire Strike | |
---|---|
インテル Iris Xe(レビュー機) |
4169
|
インテル Iris Xe(Core i7-1165G7) |
3956
|
AMD Radeon(Ryzen 7 4700U) |
2992
|
インテル Iris Xe(Core i5-1135G7) |
2924
|
インテル UHD(Core i3-1115G4) |
2333
|
AMD Radeon(Ryzen 5 4500U) |
2294
|
ドラゴンクエストX[軽量級のゲーム]
ドラゴンクエストX のベンチマーク結果です。
ドラゴンクエストX | |
---|---|
インテル Iris Xe(Core i7-1165G7) |
10959
|
インテル Iris Xe(レビュー機) |
10536
|
インテル Iris Xe(Core i5-1135G7) |
9124
|
AMD Radeon(Ryzen 7 4700U) |
8576
|
インテル UHD(Core i3-1115G4) |
7706
|
AMD Radeon(Ryzen 5 4500U) |
7002
|
※最高品質/解像度 1920×1080 で実施
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ[中量級のゲーム]
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズのベンチマーク結果です。
漆黒のヴィランズ | |
---|---|
インテル Iris Xe(レビュー機) |
4458
|
インテル Iris Xe(Core i7-1165G7) |
4203
|
インテル Iris Xe(Core i5-1135G7) |
3548
|
AMD Radeon(Ryzen 7 4700U) |
3546
|
AMD Radeon(Ryzen 5 4500U) |
2775
|
インテル UHD(Core i3-1115G4) |
2661
|
※高品質(ノートPC)/解像度 1920×1080 で実施
ファイナルファンタジーXV[重量級のゲーム]
ファイナルファンタジーXV のベンチマーク結果です。
ファイナルファンタジーXV | |
---|---|
インテル Iris Xe(Core i7-1165G7) |
3297
|
AMD Radeon(Ryzen 7 4700U) |
3129
|
インテル Iris Xe(レビュー機) |
2895
|
インテル Iris Xe(Core i5-1135G7) |
2688
|
AMD Radeon(Ryzen 5 4500U) |
2440
|
インテル UHD(Core i3-1115G4) |
2389
|
※軽量品質/解像度 1280×720 で実施
CPU内蔵のグラフィックスは、CPU性能のほかにも搭載されているメモリ容量や構成チャネル(シングル/デュアル/クアッド)に依存します。
レビュー機のメモリは 16GB・クアッドチャネル構成のため、グラフィックスパフォーマンスは優秀で、保有している性能を最大限に発揮しています。
メモリ容量・構成
ストレージ性能
レビュー機のストレージは NVMe対応の SSD(容量:512GB)を搭載しています。
データ転送速度(CrystalDiskMark で計測)
データアクセスも超高速にできて、Windows やアプリの起動も早いです。
総合的なパフォーマンス
PCMark 10 Extended を使って、実際の使用を想定した性能評価を行います。
評価にあたっては、性能レベルの程度を把握するため当サイトでレビューした下記機種のスコアと比較します。
・Core i7-1165G7搭載機
・Core i5-1135G7搭載機
※当サイトで計測したスコアの平均値
スペック | Inspiron 13 7306 2in1 (レビュー機) |
Core i7-1165G7 搭載機 |
Core i5-1135G7 搭載機 |
---|---|---|---|
CPU | インテル Core i7-1165G7 | インテル Core i7-1165G7 | インテル Core i5-1135G7 |
メモリ | 16GBメモリ | 16GBメモリ | 8GBメモリ |
ストレージ | 1TB SSD (NVMe) | 512GB/1TB SSD (NVMe) | 256GB/512GB SSD (NVMe) |
グラフィックス | インテル Iris Xe | インテル Iris Xe | インテル Iris Xe |
ベンチマーク結果は以下のとおり。
Total Score | |
---|---|
レビュー機 |
3699
|
Core i7-1165G7搭載機 |
4250
|
Core i5-1135G7搭載機 |
3861
|
基準値 |
|
Essentials | |
レビュー機 |
9011
|
Core i7-1165G7搭載機 |
9213
|
Core i5-1135G7搭載機 |
8811
|
基準値 |
4100
|
Productivity | |
レビュー機 |
6513
|
Core i7-1165G7搭載機 |
6454
|
Core i5-1135G7搭載機 |
5994
|
基準値 |
4500
|
Digital Contents Creation | |
レビュー機 |
3622
|
Core i7-1165G7搭載機 |
4512
|
Core i5-1135G7搭載機 |
4282
|
基準値 |
3450
|
Gaming | |
レビュー機 |
2381
|
Core i7-1165G7搭載機 |
3323
|
Core i5-1135G7搭載機 |
2720
|
※テスト項目説明
・Total Score(総合的な評価)
・Essentials(普段の作業を想定した基本的なテスト)
・Productivity(ビジネスソフトの使用を想定したテスト)
・Digital Contents Creation(写真・動画編集を想定したテスト)
・Gaming(ゲーミングソフトの使用を想定したテスト)
※基準値はベンチマークソフト開発メーカーの推奨スコア
レビュー機のスコアはひかえめです。
ふだん使いとしてやビジネスソフトを中心とした使いかたなら本来の性能を発揮できていますが、負荷の高い Digital Contents Creation や Gaming テストでは平均値を下回るスコアです。
本体内部の排熱が要因と考えられます。高負荷な状態が長時間続く処理ではパフォーマンスがひかえめになるかもしれません。
バッテリー
バッテリー性能については、レビュー機のバッテリー駆動時間と充電時間を計測・評価します。
■駆動時間の測定条件
・無線LANでインターネットに接続
・YouTubeを全画面で連続再生
・画面の明るさ:最大レベル
・音量:最大レベル
■充電時間の測定条件
・測定開始はバッテリー残量がほぼゼロの状態
・電源アダプターを接続し Windows を起動
・スクリーンセーバー(ラインアート)でパソコンはアイドル状態
※スクリーンタイムアウトや PCスリープは設定しない。
バッテリーの駆動時間と充電時間の測定結果は以下のとおり。
バッテリー駆動時間 | 6時間 4分 |
---|---|
バッテリー充電時間 (50%までの充電時間) |
59分 |
バッテリー充電時間 (80%までの充電時間) |
1時間 36分 |
バッテリー充電時間 (100%までの充電時間) |
2時間 44分 |
バッテリーを多く消費する条件ながら 6時間程度の持続時間は物足りなさを感じます。
バッテリー駆動で使用するときは、使うシーンに合わせて画面の明るさや音量を適正レベルに調整するような使いかたが良いかもしれません。
実際の使用にあたっては、環境や使い方などによりバッテリーの駆動時間は変動するので参考値としてください。
クリエイティブ性能の評価
クリエイティブ性能は RAWデータ現像(JPEGファイル書き出し)と動画エンコードの処理時間で評価します。
評価にあたっては、上記の総合的なパフォーマンスで比較に使用した機種の処理時間と比較します。
・Core i7-1165G7搭載機
・Core i5-1135G7搭載機
※当サイトで計測した処理時間の平均値
RAWデータ現像
RAWデータ現像に使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。
■使用ソフトウェア
CyberLink PhotoDirector
Adobe Photoshop Lightroom
Adobe Photoshop Lightroom Classic
■条件等
・RAWデータ 50ファイルをJPEG形式で一括書き出し
・RAWデータサイズ 4,592×3,056(約14MB)
・プリセット等 編集は適用しない
・ほかのアプリは起動しない(常駐アプリは除く)
PhotoDirector | |
---|---|
レビュー機 |
57秒3
|
Core i7-1165G7搭載機 |
49秒2
|
Core i5-1135G7搭載機 |
56秒2
|
Photoshop Lightroom | |
レビュー機 |
26秒1
|
Core i7-1165G7搭載機 |
24秒5
|
Core i5-1135G7搭載機 |
33秒6
|
Lightroom Classic | |
レビュー機 |
37秒9
|
Core i7-1165G7搭載機 |
32秒0
|
Core i5-1135G7搭載機 |
38秒1
|
動画エンコード
動画エンコードに使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。
■使用ソフトウェア
CyberLink PowerDirector
■条件等
・AVCHD動画(1920×1080)を mp4 形式で出力(m2ts→mp4、720p、1280×720/30p 16Mbps)
・動画再生時間 10分間
・ほかのアプリは起動しない(常駐アプリは除く)
PowerDirector | |
---|---|
レビュー機 |
3分55秒0
|
Core i7-1165G7搭載機 |
3分11秒9
|
Core i5-1135G7搭載機 |
3分24秒7
|
実際のソフトウェアと使ったクリエイティブ性能もひかえめです。
なお、レンダリング(編集内容の画面への反映)は なめらかな描画で処理もスムーズでした。
RAWデータ現像(JPEGファイル書き出し)の処理時間は平均時間より少しかかる程度なので、写真編集ではそこそこ快適に使えそうです。
駆動音・表面温度のチェック
駆動音のチェック
ベンチマーク(CINEBENCH R20 でマルチ Core を計測)実行中と動画エンコード中の最大音量(デシベル)の計測結果です。
使用測定器:Meterk SLM01
■測定結果
最大音量 下段はピーク時の音量推移 |
|
---|---|
アイドル時 | 34.2 db |
CINEBENCH R20 | 42.8 db (39~42dbで推移) |
動画エンコード | 40.3 db (36~40dbで推移) |
※防音室での測定ではありませんが、周囲の音ができるだけ入らないようにして測定しています。
■騒音の目安
騒音の大きさ | 騒音の具体例 |
---|---|
60 デシベル | 走行中の自動車内 普通の会話 デパート店内 |
50 デシベル | 家庭用エアコンの室外機 静かな事務所の中 |
40 デシベル | 閑静な住宅地の昼 図書館内 |
30 デシベル | 深夜の郊外 鉛筆での執筆音 |
20 デシベル | 木の葉の触れ合う音 雪の降る音 |
参考:埼玉県深谷市ホームページ「騒音・振動の規制について」
平常時は静かですが、高負荷時は「サーッ」という排熱のときの気流音が大きくなります。個人差はありますが耳ざわりに感じるかもしれません。
表面温度のチェック
平常時と動画エンコード時の表面温度の測定結果です。
※単位:℃、測定時の室温:25℃
※動画エンコード時に温度が下がっている箇所はエアフローによるもの
キーボードの表面温度
左側の画像:平常時(Windows起動後10分放置)
右側の画像:動画エンコード時(10分間の動画エンコード終了直前)
底面部の表面温度
左側の画像:平常時(Windows起動後10分放置)
右側の画像:動画エンコード時(10分間の動画エンコード終了直前)
高負荷な状態になるとキーボード奥の中央寄りや左側の温度が上がりやすく少し温かさを感じます。
平常時でも全体的に表面温度が高めなところは少し残念なところですが、使いにくさを感じるほどではないと思います。
サウンド チェック
Inspiron 13 7306 2in1 には、サウンドユーティリティソフト「MaxxAudio Pro」がプリインストールされています。
サウンド ユーティリティソフト
サウンドに合わせたプリセットが数多く設定されているほか、スピーカーやヘッドフォンなどサウンドを再生する機器に合わせて、お好みのサウンドにチューニングすることができます。
試聴した感想は以下のとおりです。
※イコライザープロファイル:フルリセットで試聴
■スピーカー
低音域から高音域まで広い音域を再現。音の広がりもあって高音質。
カジュアルに高音質サウンドを楽しめる。
■ヘッドホン
低音域から高音域まで増幅&クリアになって、さらに高音質なサウンドを楽しめる。
Windows の起動・再起動 時間計測
Windows の起動、再起動時間を それぞれ 5回ずつ計測しました。
起動 | 再起動 | |
---|---|---|
1回目 | 12.5秒 | 32.7秒 |
2回目 | 13.2秒 | 33.0秒 |
3回目 | 12.4秒 | 33.2秒 |
4回目 | 12.8秒 | 31.9秒 |
5回目 | 12.7秒 | 33.1秒 |
平均 | 12.7秒 | 32.8秒 |
起動は体感的にも早いですが、再起動はやや時間がかかるようです。とはいえ30秒チョットなので「起動が遅い」と感じることはないでしょう。
なお、実際の使用にあたってはインストールしているアプリや使い方などにより起動時間は変動するので参考値としてください。
同梱品
Inspiron 13 7306 2in1 の本体ほか同梱品一式です。
同梱品リスト
・Inspiron 13 7000 (7306) 2-in-1 本体
・電源アダプター
・電源コード
・アクティブペン
・ドキュメント類
まとめ
以上、Inspiron 13 7000 (7306) 2-in-1 のレビュー記事をお届けしました。
Inspiron 13 7000 (7306) 2-in-1 は高いレベルのスペックを搭載していますが、高負荷な処理が長時間継続する場合パフォーマンスがひかえめになるようです。
ただし、ふだん使いはもちろんのこと高負荷な処理でも短時間で完了できる作業ならとても快適に使えます。
価格は割引クーポン適用で税込10万円台から。
充電式アクティブペンが付属し、プライバシーシャッターや顔認証/指紋認証センサーの搭載など、使いやすさにもすぐれた高コスパな 2in1 デバイスです。
高評価のポイント
- スタイリッシュで上質感のあるデザイン
- 高輝度で高精細な液晶ディスプレイ
- サウンドは意外に高音質
- 顔認証/指紋認証センサーやプライバシーシャッターなどのセキュリティ機能も搭載している
- 本体に収納可能なアクティブペンはなめらかで自然な書き心地
気になる点
- 高負荷な処理を長時間継続させる使いかたは苦手
- 13.3インチとしては若干重量感がある
ラインナップしているモデルや価格、クーポン割引率などの最新情報は、デル直販「デルオンラインストア」公式サイトをご確認ください。
Inspiron 13 7000 (7306) 2-in-1
税込 10万円台から
※クーポン適用価格