HP ENVY x360 13-ar0000(2019年モデル)レビュー 使いやすくて高性能&高品質!高コスパな 13.3型 2in1 モバイルノートPC

 

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真正面(壁紙)

日本HP『HP ENVY x360 13-ar0000』(2019年モデル)の実機レビューです。

『HP ENVY x360 13』(以下「HP ENVY x360 13」)は最新世代(コードネーム:Picasso)Ryzen mobile 3000シリーズを搭載した 13.3型 2in1 モバイルノートPC です。

新モデルでは Ryzen 7 搭載モデルもあらたにラインナップし、WEBカメラを物理的に遮断できるプライバシースイッチの搭載や、省電力パネルの採用によって長時間のバッテリー駆動が可能になるなど、使いやすさもアップしています。

性能面では本体内部の発熱対策のためか、夏場のような周囲の気温が高めのときは高負荷時のパフォーマンスがひかえめになるときもありますが、エアコンをかけて室温を下げればハイ・パフォーマンスで軽快に動作してくれます。(レビューではパフォーマンスを引き出すために室温 23~25度で実施しています)

関連記事

後継モデル(2020年モデル)の実機レビューです。

■HP ENVY x360 13 の特徴

  • 高級感のあるデザイン
  • 最新世代 Ryzen mobile 3000シリーズを搭載
  • モバイルノートとして快適に使える性能&パフォーマンス
  • 長時間のバッテリー駆動が可能
  • リーズナブルな価格
  • 価格以上に使いやすくて高性能&高品質

レビューでは、前半で外観デザインにくわえ、ディスプレイ、キーボード、アクティブペンなどをチェック、後半では各種ベンチマークを使った性能レビューを行います。

天面斜め(壁紙)

レビュー内容は 2019年8月8日時点のものです。

 

スペック構成

2019年モデルの『HP ENVY x360 13』には、CPU、メモリ、ストレージのスペック構成により、次のモデルがラインナップしています。

■ベーシックモデル(13-ar0001AU)
AMD Ryzen 3 3300U
8GBメモリ
256GB SSD
13.3インチ・フルHDディスプレイ

■スタンダードモデル(13-ar0002AU / 13-ar0074AU)
AMD Ryzen 5 3500U
8GBメモリ
256GB SSD / 512GB SSD
13.3インチ・フルHDディスプレイ

■パフォーマンスモデル(13-ar0003AU)
AMD Ryzen 7 3700U
16GBメモリ
512GB SSD
13.3インチ・フルHDディスプレイ

それぞれのモデルのスペック構成は以下のとおり。

モデル ベーシックモデル スタンダードモデル パフォーマンスモデル
OS Windows 10 Home (64bit)
CPU AMD Ryzen 3 3300U AMD Ryzen 5 3500U AMD Ryzen 7 3700U
メモリ 8GB (4GB×2) DDR4-2400MHz 16GB (8GB×2) DDR4-2400MHz
ストレージ 256GB SSD (PCIe NVMe M.2) ■256GB SSD (PCIe NVMe M.2)
■512GB SSD (PCIe NVMe M.2)
512GB SSD (PCIe NVMe M.2)
ディスプレイ 13.3インチワイド・フルHDブライトビュー・IPSタッチディスプレイ
グラフィックス AMD Radeon Vega 6 グラフィックス(CPUに内蔵) AMD Radeon Vega 8 グラフィックス(CPUに内蔵) AMD Radeon RX Vega 10 グラフィックス(CPUに内蔵)
ワイヤレス IEEE802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.2
Webカメラ HP Wide Vision HD Webcam (約92万画素)、内蔵デュアルマイク
バッテリー駆動時間 最大 14時間30分 (MobileMark 2014にて計測)
本体サイズ(W×D×H) 約306×212×14.5(最薄部) – 16(最厚部)mm
本体質量 約 1.28 kg
本体カラー ナイトフォールブラック
価格(税込) 7万円台なかほど 8万円台前半 10万円台前半

販売価格は記事作成時点の価格です。最新の価格やキャンペーンなど最新情報は日本HP公式サイトでチェックできます。

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外観チェック

落ち着いた雰囲気と高級感のあるデザインがステキ

『HP ENVY x360 13』は落ち着いた雰囲気ながら高級感のあるステキなデザインです。

正面側 右側

背面側 右側

天面を見てみます。

天面(真上)

天面(斜め)

本体の素材はアルミニウム。サラサラとした感触で質感も上品です。指紋や皮脂の跡が若干目立ちやすいですが、柔らかいクロスなどでこまめにふき取ることで気持ちよく使うことができます。

「シュッ!」としたフォルムはカッコよく、ナイトフォールブラックのカラーは落ち着いた大人の雰囲気のあるカラーです。

画面を閉じて斜め

底面部です。

底面側(真上)

底面側(斜め)

底面部もアルミ素材で「ユニボディ」といわれる一つのユニットで構成されています。パーツの継ぎ目を極力排除し剛性を重視した構造で、たわみにも強く、見た目もスッキリしています。

底面部のゴム足は前後に平行して実装されています。本体の安定性は良好です。

底面側ゴム足(その1)
矢印の指すところがゴム足

ヒンジのトルクはちょうど良い感じ天面の開け閉めもしやすいです。天面の回転もやりやすく、もちろんタイピング中の画面のグラつきもありません。

ヒンジ

天面とキーボード面のエッジが鋭角なデザインで、天面が開けやすくなっているのも好感が持てます。

天面のエッジが鋭角なデザイン

スタイル自在に使える

『HP ENVY x360 13』は天面を回転させることでスタイル自在に使えます。

ノートパソコン
ノートパソコン

スタンド
スタンド

テント
テント

タブレット
タブレット

また、ノートパソコンスタイルから天面をフラットになるまで開けば、打ち合わせなどでの画面共有もかんたんにできます。

フラット
フラット

モバイルノートとして必要なインターフェースを実装

左側面のインターフェースなど各部名称です。

インターフェース(左側面)

①USB 3.1 Gen1
②ヘッドフォン出力/マイク入力コンボポート
③電源ボタン

右側面のインターフェース類です。

インターフェース(右側面)

④プライバシースイッチ
⑤Micro SDカードスロット
⑥USB 3.1 Type-C Gen1
⑦USB 3.1 Type-A
 (電源オフチャージ対応)
⑧電源コネクター

プライバシースイッチはビデオチャットなどで使う Web カメラのオン/オフを物理的に切り替えるスイッチで、会議中に相手方に見られたくない光景を物理的に遮断したり、悪意のあるソフトウェアなどにカメラを制御させないように防止できるメリットがあります。

プライバシースイッチを ON(カメラ無効)すればカメラの接続が物理的に遮断され、カメラアプリを実行しても「カメラが見つかりません」というエラーメッセージが表示されます。

カメラが見つかりません

microSDカードスロットは、プッシュロック式です。microSDカードを挿入するときは押し込んでロックさせ、取り出すときはもう一度押し込むことでカードが飛び出す構造です。

microSDカードスロットmicro SDカードをシッカリ挿し込んだ状態

カメラとマイクです。

Webカメラとマイク
矢印の指すところがマイク

『HP ENVY x360 13』には、モバイルノートとして必要なインターフェースが実装されています。

指紋認証を搭載

2019年モデルの『HP ENVY x360 13』では顔認証がなくなり、かわりに指紋センサーが搭載されています。

指紋認証でサインイン

顔認証がなくなったのは残念なところですが、指紋センサーの認証精度は良好でわずらわしいパスワードを入力することなく指先をセンサーにタッチするだけで Windows にサインインできます。

ちなみに、顔認証がなくなったのは本体をコンパクト化、軽量化するうえでベゼルをより狭くした結果、顔認証対応のカメラユニットが収納できなくなったため。今後、顔認証対応のカメラユニットのさらなる小型化が実現すれば顔認証機能は復活する可能性はあるとのことです。(日本HPの担当者に確認)

Bang & Olufsen クアッドスピーカーを搭載

スピーカーには Bang & Olufsen クアッドスピーカーを搭載。キーボード奥の左右と 底面部 前面側の左右に実装されています。

スピーカー(キーボード奥)
キーボード奥のスピーカー

スピーカー(底面部 前面側)
底面部スピーカー

スピーカー部分はジオメトリック(幾何学的)デザインが採用されています。2018年6月くらいから投入されている HPの新製品に多く採用されていて、スッキリとしていてスタイリッシュ感を高めてくれます。

底面部スピーカーのジオメトリックデザイン
底面部スピーカーのジオメトリックデザイン

スピーカーから出力されるサウンドは低音域から高音域まで広い音域が再現されて高音質です。(詳細は後半の「サウンド チェック」ご覧ください。)

持ち歩きがラクなサイズ感&重量感

本体の大きさのイメージです。本体の上には A4コピー用紙と B5版ノートを載せています。

本体の大きさイメージ(その1)

本体のサイズは A4サイズといって良いでしょう。(旧モデルにくらべ奥行きが 3mm コンパクト化されています)

本体を閉じたときのゴム足を含めた高さのイメージはこんな感じ。

本体の高さイメージ(CDと比較)
HP ENVY x360 13 の高さを CD ケース(通常サイズ)2枚と比較
(通常サイズの CD の厚さは 10mm)

『HP ENVY x360 13』の高さは CD ケース(通常サイズ)2枚より薄く、実測値では 15mm(最薄部)~16mm(最厚部) でした。

実際に手で持っても薄さを感じます。

本体の高さイメージ(手で持った感じ)

本体の重量は 1,269g。電源アダプター、電源コード、ウォールマウントプラグの重量は、それぞれ 177g、104g、41gです。

本体の重さ

1kgを切るような超軽量モデルとは言えませんが、外出するときの持ち歩きもラクにできるサイズ感と重量感です。

本体の重さイメージ

電源アダプターの最大出力は 65W (19.5V – 3.33A)、大きさは手のひらより小さいサイズです。

電源アダプターの大きさ比較

なお、電源アダプターは電源コードのほか、付属のウォールマウントプラグでコンセントに直付けすることもできます。

電源アダプターとプラグ

 

ディスプレイ

描画される映像がキレイ

『HP ENVY x360 13』のディスプレイは 13.3型 フルHD 光沢液晶です。

描画される映像は高精細で鮮やか、キレイです。

ディスプレイに描画された映像(気球)

表示される文字もクッキリとして見やすいです。

Microsoft Edge に表示される文字の大きさ

i1Display Pro で計測したトーンカーブは、RGBともに45度の角度に近い理想的なかたちです。色調のバランスは良好です。

トーンカーブ

ディスプレイへの映り込みについては、描画される映像のカラーや使う場所によっては照明などの映り込みが気になるかもしれません。

画面映り込み(HPデフォルト)

画面映り込み(気球)

左右のベゼル(ディスプレイのフレーム枠)は狭額縁(ナローベゼル)で、その幅は鉛筆の太さより狭いです。

左右のベゼルは狭額縁

視野角は広く斜めからみる映像もキレイ!

視野角をチェックします。

正面
正面

右側 ディスプレイ面から30度の角度
右側 ディスプレイ面から30度の角度

上側 ディスプレイ面から30度の角度
上側 ディスプレイ面から30度の角度

水平、垂直方向ともに視野角は広く斜めからみる映像も鮮明でキレイです。

 

キーボード&タッチパッド

タイピングしやすいキーボード

『HP ENVY x360 13』のキーボードのレイアウトです。

キーボードレイアウト(クリックで拡大表示できます)

キーボードレイアウトで気になるのは右端の[home]~[end]の配置。

キーボードレイアウトのクセ

多くのモバイルノートがキーボードレイアウトの右端に[Enter]キーを配置するなか、[home]~[end]がキーボード右端に配置されています。

この配置は好みがわかれるところですが、慣れてくれば違和感もなくなってくると思います。

 

キーピッチ(キートップの中心から隣りのキートップの中心までの距離)は実測で およそ19mm。ゆったりとして窮屈さはありません。

キーボードに両手を置いたときのイメージ

キーストロークは仕様では 約1.3mm。数字上は浅めですが、シッカリとした打鍵感があってタイプ感も心地よいです。

キーストローク

ちなみに、タイプ音は「カタカタ」という静かな音。強くたたけば音も大きくなりますが、普通の強さでのタイピングは音も静かです。

キートップの形状は指先にあわせて少しへこんでいます。サラサラとした質感で指先のフィット感も良好です。

キートップ

キーボードにはバックライトを搭載

キーボードにはバックライトが搭載されています。

キーボードバックライト

キーボード・バックライトは 2段階で明るさの調整が可能、[F5]キー押下により 点灯(明)→点灯(暗)→消灯 を切り替えられます。

キーボードのバックライトは地味な機能ですが、薄暗いところでタイピングするときにはとても役立ちます。

パームレストの感触や質感は心地よい

パームレストは天面と同じアルミ素材。サラサラとした感触で質感も良いのでキーボード操作も快適です。

パームレスト

指紋や皮脂の跡が目立ちやすいですが、気になるときは柔らかいクロスなどでこまめにふき取ることで気持ちよく使えます。

スベリもなめらかで反応の良いタッチパッド

タッチパッドはクリックボタンが一体化したタイプで、タッチパッドのサイズはやや大きめです。

タッチパッドのサイズ感

いたって普通のタッチパッドですが、タッチパッドは手触り感も良好、なめらかなスベリで指2本あるいは3本を使ってのジェスチャー操作もスムーズです。全体的に扱いやすいタッチパッドです。

 

アクティブペン(オプション)

アクティブペンの描き心地はグッド

『HP ENVY x360 13』はアクティブペンに対応しています。

アクティブペン
写真は「アクティブペン2」

オプションとはなりますが、アクティブペンがあれば手書きのメモやデッサンなども気軽に書くことができます。

上記写真のアクティブペン2は 1024段階の筆圧検知のほか傾き検知にも対応しているので、手書きのメモやデッサンなどにも気軽に使えます。

筆者が所有しているアクティブペン2で試してみたところ、なめらかなタッチで書き心地も良好でした。

アクティブペンの使用イメージ

ちなみに、アクティブペン2は充電式で、ペンに付属しているケーブルを使って本体の USBチャージ機能対応の USB ポートに接続すれば充電できます。

アクティブペンの充電

ペンには USB Type-C が実装されていてノック部分を右に回して引き上げるとポートが現れます。

アクティブペン2 の充電時間は 約1時間、使用可能時間は仕様上 約10時間です。(使用状況によります)

 

ベンチマーク

ベンチマークでは、レビューで使用している『HP ENVY x360 13』の基本性能にくわえ CPU・グラフィック・ストレージ性能のほか、バッテリー性能や総合的なパフォーマンスを測定します。

測定結果については、性能レベルの程度を把握しやすくするため、以前レビューした「HP Pavilion 13-an0000」のスコアと比較掲載します。

2機種の基本スペックは以下のとおり。

■HP ENVY x360 13
AMD Ryzen 5 3500U/8GBメモリ/256GB SSD (PCIe NVMe M.2)

■HP Pavilion 13
インテル Core i5-8265U/8GBメモリ/256GB SSD (PCIe NVMe M.2)

比較に使用したベンチマークは以下のとおりです。

比較項目 使用するベンチマーク
基本性能 PASS MARK PerformanceTest 9.0
CPU性能 CINEBENCH R15
グラフィック性能 3DMark
ドラゴンクエストX
ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ
ストレージ性能 CrystalDiskMark
総合的なパフォーマンス PCMark 8
PCMark 10
バッテリー BatteryInfoView(バッテリー残量測定用)

 

基本性能

PASS MARK PerformanceTest 9.0 のベンチマーク結果です。

PASS MARK PerformanceTest ENVY x360 13 Pavilion 13
PassMark Rating 3018.7 3187.9
CPU Mark 8251.2 7559.7
2D Graphics Mark 468.7 600.3
3D Graphics Mark 1772.2 1026.1
Memory Mark 1415.9 1991.3
Disk Mark 11060.7 15346.0

2機種のスコアを比較すると CPU性能は Ryzen 5 を搭載した ENVY x360 13 に若干の優位があるようですが基本性能全体としては ほぼ同じレベルといって良いでしょう。

 

CPU性能

CINEBENCH R15 のベンチマーク結果です。

CINEBENCH R15 ENVY x360 13 Pavilion 13
OpenGL 40.41 fps 42.11 fps
 Ref.Match 98.0 % 97.8 %
CPU 626 cb 473 cb
CPU (Single Core) 135 cb 156 cb
 MP Ratio 4.62 x 3.03 x

マルチコア(CPU)のスコアで意外と大きな差があります。

マルチコア以外ではスコアの差はほとんどなく、CPU 性能については上述の PASS MARK PerformanceTest 9.0 での CPU Mark の比較同様 Ryzen 5 を搭載した ENVY x360 13 に優位性があるようです。

 

グラフィック性能

ゲーム系のベンチマークで性能評価を行います。

3DMark

3DMark のベンチマーク結果です。

3DMark ENVY x360 13 Pavilion 13
Cloud Gate 11461 7290
Night Raid 6758 4238
Sky Diver 6714 3938
Fire Strike 1783 910
Time Spy 657 372

3DMark の各テスト内容は以下のとおり。

Cloud Gate ホームPCやノートPC向けで DirectX 10 を想定したグラフィックス性能テスト
Night Raid DirectX 12 を使用したモバイルPCなど低スペックPC向けのグラフィックス性能テスト
Sky Diver DirectX 11 を使用したミドルレンジ・ゲーミングノート向けのグラフィックス性能テスト
Fire Strike DirectX 11 を使用したハイパフォーマンスゲーミングPC向けのグラフィックス性能テスト
Time Spy DirectX 12 を使用したゲーミングPC向けのグラフィックス性能テスト

ドラゴンクエストX

ドラゴンクエストX のベンチマーク結果です。

ドラゴンクエストX ENVY x360 13 Pavilion 13
標準品質
解像度 1280×720
11128
(すごく快適)
6891
(快適)
最高品質
解像度 1280×720
8957
(とても快適)
5864
(快適)
標準品質
解像度 1920×1080
6939
(快適)
3852
(普通)

ファイナルファンタジーXIV

ファイナルファンタジーXIV は「紅蓮のリベレーター」と「漆黒のヴィランズ」 2つのベンチマークを使用します。

■紅蓮のリベレーター

紅蓮のリベレーター ENVY x360 13 Pavilion 13
標準品質(ノートPC)
解像度 1280×720
4599
(快適)
2774
(やや快適)
高品質(ノートPC)
解像度 1280×720
3184
(やや快適)
2151
(普通)

 

■漆黒のヴィランズ

漆黒のヴィランズ ENVY x360 13 Pavilion 13
標準品質(ノートPC)
解像度 1280×720
4160
(快適)
2645
(やや快適)
高品質(ノートPC)
解像度 1280×720
2952
(やや快適)
2133
(普通)

 

グラフィックス性能は、なめらかな映像描画の指標になります。

Ryzen 5 を搭載した ENVY x360 13 のほうが、全体的にスコアが高く、写真・動画編集やゲームプレイなど高度なグラフィック処理で より快適な描画が期待できます。

Core i5 を搭載した HP Pavilion 13-an0000 の性能が低いわけではなく、CPU に内蔵しているグラフィックス性能については AMD Ryzen のほうが上という結果です。

 

ストレージ性能

ストレージには、いずれの機種も PCIe / NVMe 対応の SSD を搭載しています。

以下は CrystalDiskMark 6.0.2 を使用して計測したデータ転送速度の結果です。

データ転送速度 ENVY x360 13 Pavilion 13
Read [MB/s]
Seq Q32T1 2836.9 1829.0
4KiB Q32T1 636.5 566.7
4KiB Q32T1 226.4 313.6
4KiB Q1T1 39.90 42.70
Write [MB/s]
Seq Q32T1 1089.0 1659.8
4KiB Q32T1 275.7 1075.6
4KiB Q32T1 265.2 254.9
4KiB Q1T1 88.30 115.3

スコア差の大きいところがありますが、これだけ高速に読み書きできるなら体感的な差は感じないはずです。

 

総合的なパフォーマンス

PCMark 8 と PCMark 10 Extended を使って、実際の使用を想定した性能評価を行います。

PCMark 8

PCMark 8 のベンチマーク結果です。

PCMark 8 ENVY x360 13 Pavilion 13
Home Test 3797 3387
Creative Test 4686 4280

※テスト項目説明
 Home Test(家庭での利用を想定したテスト)
 Creative Test(クリエイティブな利用を想定したテスト)

PCMark 10 Extended

PCMark 10 Extended のベンチマーク結果です。

PCMark 10 Extended ENVY x360 13 Pavilion 13
Total Score 2729 2442
 Essentials 7371 7192
 Productivity 5987 6351
 Digital Contents Creation 2771 2745
 Gaming 1226 767

※テスト項目説明
 Total Score(総合的な評価)
 Essentials(普段の作業を想定した基本的なテスト)
 Productivity(ビジネスソフトの使用を想定したテスト)
 Digital Contents Creation(写真・動画編集を想定したテスト)
 Gaming(ゲーミングソフトの使用を想定したテスト)

 

総合的なパフォーマンスでは、実際の使用を想定したテストを実施しています。

いずれのテストもほぼ同じ結果と見て良いでしょう。

モバイルノートとして、ふだんの作業やビジネスソフトの使用では軽快で快適なパフォーマンスが期待できますし、写真・動画編集でもそこそこの快適パフォーマンスが期待できます。

 

バッテリー

以下の条件でバッテリー性能(駆動時間と充電時間)を測定した結果です。

■駆動時間の測定条件
バッテリーでの駆動は、次の条件でバッテリーによる駆動時間を計測します。
・無線LANでインターネットに接続
・YouTubeを全画面で連続再生
・画面の明るさ:最大レベル
・音量:最大レベル

■充電時間の測定条件
バッテリー充電時間の計測は以下の条件で、充電完了までの時間を計測します。
・測定開始はバッテリー残量がほぼゼロの状態
・電源アダプターを接続し Windows を起動
・スクリーンセーバー(ラインアート)でパソコンはアイドル状態
※スクリーンタイムアウトや PCスリープは設定しない。

結果は以下のとおりです。

ENVY x360 13 Pavilion 13
バッテリー駆動時間 7時間14分 6時間35分
バッテリー充電時間
(残量50%まで)
52分 52分
バッテリー充電時間
(100%充電完了まで)
2時間 7分 2時間 35分

バッテリーの駆動時間は『ENVY x360 13』のほうが少し長いです。おそらく、省電力パネルの採用による効果があるものと推察します。

ちなみに、旧モデル(Ryzen 5モデル)でのバッテリー駆動時間は同じ条件で 3時間45分だったので 2倍近くバッテリー駆動が可能になったわけです。

持ち歩きの多いモバイルノートだけに、バッテリーを多く消費する条件でも 7時間を超えることは大きなアドバンテージです。

使うシーンに合わせて画面の明るさや音量を適正レベルに調整すれば、1日中バッテリーだけで使うことができそうです。

なお、実際の使用にあたっては、環境や使い方などによりバッテリの駆動時間は変動するので、参考値としてください。

 

RAWデータ現像・動画エンコード処理時間計測

RAWデータ現像と動画エンコードの処理時間を計測します。

計測結果については、レビュー機の HP ENVY x360 13 とベンチマークで比較対象の Pavilion 13 の結果を掲載します。

RAWデータ現像

RAWデータ現像に使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。

■使用ソフトウェア
CyberLink PhotoDirector 7
(筆者所有のソフトウェア)

■条件等
・RAWデータ 50ファイルを一括書き出し
・プリセット等 編集は適用しない
・RAWデータサイズ 4,592×3,056(約14MB)
・ほかのアプリは起動しない(常駐アプリは除く)

HP ENVY x360 13 Pavilion 13
処理時間 1分 9秒7 1分 15秒9

 

動画エンコード

動画エンコードに使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。

■使用ソフトウェア
CyberLink PowerDirector 15
(筆者所有のソフトウェア)

■条件等
・AVCHD動画(1920×1080)を mp4 形式で出力
(m2ts→mp4、720p、1280×720/30p 16Mbps)
・動画再生時間 10分間
・ほかのアプリは起動しない(常駐アプリは除く)

HP ENVY x360 13 Pavilion 13
処理時間 4分 49秒3 4分 33秒5

 

Ryzen プロセッサーは発熱が大きい傾向があり、動画エンコードのように比較的時間のかかる処理ではパーツの温度上昇をおさえるため動作をひかえめにしているようです。

 

駆動音・表面温度

駆動音については、負荷の高い処理になると排熱のため「サーッ」というファンの回転音(排気音)が少し大きくなります。個人差はありますが耳ざわりに感じるかもしれません。

平常時は静かであることや、パソコンを使っているあいだ終始 高負荷な状態が続くわけではないことを考えれば駆動音についてはそれほど気にすることはないと思います。

本体の表面温度については、負荷のかかる処理になると、キーボード奥 スピーカー周辺が温かくなります。

キーボード上は手のひらを置いてみると温かさを感じますがタイピングに影響がない程度です。パームレストは左側が本体内部の熱の影響で温かさを感じますが不快な感じはありません。

キーボードの表面温度(単位:℃)

キーボードの表面温度
左側の画像:平常時(Windows起動後10分放置)
右側の画像:動画エンコード時(10分間の動画エンコード終了直前)

底面部の表面温度(単位:℃)

底面部の表面温度
左側の画像:平常時(Windows起動後10分放置)
右側の画像:動画エンコード時(10分間の動画エンコード終了直前)

 

サウンド チェック

『HP ENVY x360 13』は Bang & Olufsen のサウンドシステムを搭載しています。

Bang & Olufsen ロゴ

サウンド・ユーティリティソフトもインストールされており、プリセットやイコライジング機能でお好みの音質にチューニングすることもできます。

サウンドユーティリティソフト

実際にサウンドを聴いてみた印象としては・・・

■スピーカー
低音域から高音域まで再現できて高音質。
カジュアルに高音質サウンドを楽しめる。

■ヘッドホン
スピーカーと音質に大きな違いはないが、ヘッドホンは高音質なサウンドがダイレクトに伝わってくる。

 

Windows の起動・再起動・シャットダウン時間計測

Windows の起動、再起動、シャットダウン時間を それぞれ 5回ずつ計測しました。

起動 再起動 シャットダウン
1回目 10.6秒 28.1秒 7.3秒
2回目 10.2秒 28.8秒 7.3秒
3回目 10.3秒 28.3秒 8.5秒
4回目 10.3秒 28.5秒 7.3秒
5回目 10.2秒 28.2秒 7.3秒
平均 10.3秒 28.4秒 7.5秒

感覚的にも結果が示す通り「かなり早い」です。

 

搭載ソフトウェア

『HP ENVY x360 13』に搭載されている主なソフトウェアです。(クリックで拡大表示できます)

主なソフトウェア

Windows標準のソフトのほか、HP オリジナルのサポートソフト、セキュリティソフト「マカフィー リブセーブ」などがインストールされています。

HP オリジナルのサポートソフトの一つとして、パソコン内の冷却機能を制御できる「HP Command Center」は、使い方に合わせて本体内部の温度や CPU のパフォーマンスを調整してくれる便利なソフトです。

HP Command CenterHP Command Center
(クリックで拡大表示できます)

 

付属品

『HP ENVY x360 13』の本体ほか同梱品一式(電源アダプター、電源コード、ドキュメント類など)です。

『HP ENVY x360 13』本体セット

付属しているドキュメント類です。

『HP ENVY x360 13』ドキュメント

【上記写真のドキュメント類について】
■上段左側から
・パソコン生活まるごと ガイドブック
・サービスおよびサポートを受けるには
・速攻!HPパソコンナビ 特別編
■中段
・セットアップ手順
■下段左側から
・製品の仕様に関する注意事項
・アンケートの案内
・お友達・ご家族紹介キャンペーン
・将来の下取りでプレミアムキャッシュバック受け取りの案内

 

まとめ

以上、『HP ENVY x360 13-ar0000』(2019年モデル)のレビュー記事をお届けしました。

『HP ENVY x360 13』は、最新世代の Ryzen プロセッサー搭載による性能の進化にくわえ、プライバシースイッチや長時間バッテリー駆動、天面が開きやすくなっているなど、使いやすさもアップしています。

ベンチマークでは AMD Ryzen 5 3500U プロセッサーを搭載したスタンダードモデルを試用し、インテル Core i5-8265U プロセッサーを搭載した HP Pavilion 13-an0000 とスコアを比較しましたが、AMD Ryzen 5 3500U プロセッサーに優位性があるように感じました。

税込7万円台なかほど~の価格も魅力で、お値段以上に使いやすくて高性能&高品質な 2in1モバイルノートといえます。

評価のポイントをまとめると・・・

高評価のポイント
・落ち着いた高級感のあるデザイン
・モバイルノートとして快適に使える性能&パフォーマンス
・プライバシースイッチでカメラを物理的に遮断できる
・長時間バッテリーで駆動できる
・お値段以上に使いやすくて高性能&高品質

チョット残念なところ
・使用場所の気温が高いとパフォーマンスがひかえめになる
 (25度が上限の目安)
・顔認証がなくなった

『HP ENVY x360 13』の最新価格やキャンペーン情報については日本HPの公式サイトでチェックできます。

 

 

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