HP EliteBook x360 1040 G8 レビュー：高い総合力でスマートに使える14型 2in1モバイルノートPC

日本HP の HP EliteBook x360 1040 G8 は、第11世代インテル Core プロセッサーを搭載した 14.0インチサイズのコンバーチブルノートPC です。

スタイリッシュなデザインにくわえモバイルノートとしての性能レベルは高くベンチマークによる性能評価も優秀です。

充実のセキュリティ機能を搭載しているところもポイント。

14インチサイズながらスリムで軽くてコンパクト、さらにスタイル自在に使えてペン入力も可能なデバイスはさまざまなビジネスシーンで活用できます。

レビューではメーカーからお借りした実機を試用し、前半で外観デザイン／ディスプレイ／キーボードなどをチェック、後半では各種ベンチマークを使った性能評価を行います。

レビューは 2022年4月2日時点の内容です。

 

スペック構成

HP EliteBook x360 1040 G8 のおもなスペックです。

 

HP EliteBook x360 1040 G8 は、Core i5 搭載モデルと Core i7 搭載モデルがラインナップしています。

それぞれのモデルの詳細なスペック構成や価格など最新情報は日本HP公式サイトをご確認ください。

※HP ProBook 430 G8 は法人向け PC ですが、個人ユーザーや SOHO、フリーランスのユーザーも購入できます。

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外観チェック

スリム＆スタイリッシュなデザイン

HP EliteBook x360 1040 G8 はスリムでスタイリッシュなデザインです。

シルバーのカラーは、ビジネス向けを感じさせないスタイリッシュさをアップさせてくれるカラーです。

天面の hpスラッシュロゴと ヒンジあいだの ELITEBOOK がアクセント

スタイリッシュなフォルム

筐体の素材はアルミニウム。アルミニウムの塊から CNC削り出しで成型された本体は堅牢性（頑丈さ）にもすぐれています。

表面はサラサラとした感触。堅牢性にくわえ上質なボディに仕上げられています。

スリムなボディ

Σフォルムで指がかかりやすいデザイン

天面とキーボード面の Σ（シグマ）フォルムのデザインなので指がかかりやすく天面を開きやすいところも好印象です。

底面は剛性を重視した「ユニボディ」の構造で、見た目もスッキリしています。

ゴム足は前後に平行して実装されています。少し硬めのゴム足ですが本体の安定性は良好です。

排気口は、背面側のヒンジのあいだに実装されています。

本体の両サイドにモノを置いても温められることはありません。

スタイル自在に使える

HP EliteBook x360 1040 G8 は天面を回転させることでスタイル自在に使えます。

ノートブックモード

メディアモード

テントモード

タブレットモード

フラットモード（画面共有に便利）

ビジネスに十分なインターフェース

HP EliteBook x360 1040 G8 のインターフェースをチェックします。

左側面のインターフェースなど各部名称です。

①USB Type-Aポート（パワーオフUSB充電対応）

②コンボステレオヘッドフォン/ マイクジャック

③SIMカードスロット ( nanoSIM )

④ナノセキュリティロック ケーブル用スロット

右側面のインターフェースなど各部名称です。

⑤USB Type-Cポート（Thunderbolt 4）×2

⑥HDMI

⑦USB Type-Aポート（パワーオフUSB充電対応）

HP EliteBook x360 1040 G8 は、ビジネスシーンで十分なインターフェースを実装しています。

ただし、本体への充電は電源アダプターからのケーブルをUSB Type-Cポートに接続して行うため、充電中は奥側の HDMI や USB Type-A ポートへのアクセスはやりにくさを感じるかもしれません。

 

右側面の USB Type-C ポートは映像出力や PD充電に対応しています。

■USB Type-C 対応表（当サイトの検証結果）
※2ポート共通

映像出力	〇
PD充電器（30W）	△（低速）
PD充電器（45W）	〇
PD充電器（65W）	〇

なお、PD充電器でも上記のとおり充電は可能ですが、純正品以外の場合、画面右下に以下のメッセージが表示されます。

 

SIMカードスロットは、爪などで押し込むとトレイが出てきます。（トレイを収納するときは「カチッ」と音がするまで押し込む）

SIMカードスロットは nano SIM対応

レビュー機に実装されている通信モジュールは「Qualcomm Snapdragon X55 5G Modem」です。デュアルSIM（SIMカード＋eSIM）にも対応しているので、通信キャリアと通信契約・設定すればすぐに使えます。

Bang & Olufsen クアッドスピーカー搭載

HP EliteBook x360 1040 G8 は、Bang & Olufsen 監修によるクアッドスピーカーを搭載しています。

スピーカーの実装場所はキーボード左右にくわえ底面部の前面側左右に実装されており、低音域から高音域まで広い音域を再現した高音質サウンドを体感できます。

キーボード左右のスピーカー

底面部左右のスピーカー

電源ボタンはキーボード上にレイアウト

電源ボタンはキーの一部として［delete］キーの左隣りにレイアウトされています。

電源ボタンは LED内蔵

使用中に間違って電源ボタンを押しても無反応です。作業中のデータが破棄されることはありません。ただし、1,2秒程度の長押しはスリープへ移行し、さらに長押しすると強制的に電源オフされます。

キー操作でカメラやマイクを遮断できる

HP EliteBook x360 1040 G8 はキーを押すだけでカメラ遮断やマイク・ミュートに切り替えられます。

カメラ有効／無効 切り替えキーは電源ボタンの左
マイク有効／無効 切替キーは［f8］
LED点灯時は無効（カメラやマイクは使えない）

オンライン会議などで、カメラやマイクをオフにしたいとき、キーボード上で瞬時に操作できます。

上の画像：シャッターを開いてカメラ有効
下の画像：シャッターを閉じてカメラを遮断

顔認証や指紋認証でかんたんサインイン

HP EliteBook x360 1040 G8 は顔認証カメラと指紋センサーを標準搭載しています。

顔認証と指紋認証は併用が可能で、認証精度はいずれも良好です。Windows へのサインインもスムーズです。

顔認証でサインイン

指紋認証でサインイン

スリムでコンパクト

本体の大きさのイメージです。本体の下に A4コピー用紙（黄色の用紙）を置き、本体上に B5版ノートを載せています。

本体は 14インチサイズながら A4 横サイズにくらべ少し幅がある程度でコンパクトです。

本体を閉じたときの高さのイメージです。

本体の高さを CD ケース（通常サイズ）2枚と比較
（通常サイズの CDケースの厚さは 10mm）

本体の高さは実測で 16～18.5 (最厚部) mm。最厚部でも CDケース 2枚より薄くとてもスリムです。

本体や電源アダプターなどの重量を実測します。

・本体：1,301g
・電源アダプター：191g
・電源コード：105g
・ウォールマウントプラグ：41g

本体は 14インチサイズながら軽量で、持ち歩きもラクにできる重量感です。

電源アダプターの最大出力は 65W。その大きさは手のひらに収まるサイズです。

なお、電源アダプターはウォールマウントプラグを装着することでコンセントに直付けできます。

 

ディスプレイのチェック

高輝度＆高精細な液晶パネル

レビュー機の液晶パネルは AU Optronics製（BenQグループの液晶パネル製造会社）のUHD (4K) 液晶パネルです（解像度 3840×2160）。

超高精細のディスプレイに描画される映像は自然な色合いでキレイです。

画像の表示例

ブラウザの表示例

輝度はディスプレイの明るさ設定 100 のとき「458 nit」。仕様の 550 nits に対し測定値は少し低いですが、実際に見ると かなりの高輝度です。

トーンカーブは、青と緑が少し強めに出ていますが 45度の角度に近い形状でおおむね良好です。

トーンカーブ
（キャリブレーションツール「i1Display Pro」で計測）

色域の計測結果です。

色域
（色度図作成ソフト「ColorAC」にて作成）

規格	カバー率	比
sRGB	99.2%	101.5%
Adobe RGB	75.3%	75.3%

広色域で色再現性にもすぐれています。写真編集にも活用できそうです。

 

ベゼルは狭額縁で画面周りスッキリ

ベゼルは狭額縁です。

とくに、左右のベゼルは鉛筆の太さよりも細く画面周りがスッキリとしています。

 

映り込みはそれなりにある

HP EliteBook x360 1040 G8 の液晶パネルは光沢です。

映り込みはそれなりにある

映像の色味や照明の位置によっては映り込みが気になる場合があります。

広い視野角

視野角をチェックします。

正面

右側 ディスプレイ面から30度の角度

上側 ディスプレイ面から30度の角度

水平方向、垂直方向ともに視野角は広いです。斜めから見ても映像をはっきり確認できます。

アクティブペンで気軽にメモできる

HP EliteBook x360 1040 G8 の液晶パネルはアクティブペン対応です。

ペン入力イメージ

オプションの HP リチャージブル アクティブペン G3 を使えば、思いついたアイディアや会議メモなどサッとペン入力することができます。

 

キーボード＆タッチパッドのチェック

タイピングしやすいキーボード

HP EliteBook x360 1040 G8 のキーボードレイアウトは標準的です。

（クリックで拡大表示できます）

キーピッチ（キートップの中心から隣りのキートップの中心までの距離）は実測で およそ19mm（仕様では 18.7 mm）。

キートップは中央部分が少しへこんだ形状で感触は少しツルツルしています。質感やフィット感も良好です。

キーストロークは仕様では 1.3mm。感覚的には、ノートパソコンの平均的なストローク幅 1.5mm に近い感じです。

タイプ音は「ドスドス」という音。音の大きさはフツウ。

キーを押し込む強さや押し込んだあとの跳ね返りの感覚もちょうど良く、シッカリとした打鍵感でタイピングできます。

キーボードバックライト搭載

HP EliteBook x360 1040 G8 のキーボードはバックライトを搭載しています。

キーボード・バックライトの明るさは 2段階で切り替え可能です。

［f9］キー押下：点灯（明）→点灯（暗）→オフ

上質な仕上がりのパームレスト

パームレストはサラサラとした感触で上質感があります。

指紋や皮脂の跡は目立たず、キーボード操作も快適です。

スベリもなめらかで反応の良いタッチパッド

タッチパッドはクリックボタンが一体化したタイプです。

タッチパッドのサイズ感

大きめのサイズ感で手触りも良好、なめらかなスベリで指2本あるいは3本を使ってのジェスチャー操作もスムーズです。

 

ベンチマークによる性能評価

ベンチマークでは HP EliteBook x360 1040 G8 の CPU・グラフィック・ストレージ性能のほかバッテリー性能や総合的なパフォーマンスを評価します。

レビュー機の基本スペック

OS	Windows 10 Pro
CPU	インテル Core i7-1165G7
メモリ	32GB LPDDR4X-4266
ストレージ	1TB M.2 SSD(PCIe NVMe)
グラフィックス	インテル Iris Xe グラフィクス

評価に使用したベンチマークは以下のとおりです。

なお、ベンチマークの実施にあたっては、電源オプションの電源プランを「HP Optimized (Modern Standby)」に、電源モードを「高パフォーマンス」に設定して実行しています。

※電源プラン「HP Optimized (Modern Standby)」は、HP製コンピューターでのエネルギー消費とパフォーマンスのバランスを最適化する設定です。

 

CPU性能

CPU性能は CINEBENCH R20 と CPU Mark（PassMark PerformanceTest） のベンチマークスコアで評価します。

性能レベルを把握するため下記 CPU のスコアと比較します。

・インテル Core i7-1165G7 プロセッサー

・インテル Core i5-1135G7 プロセッサー

・インテル Core i3-1115G4 プロセッサー

・インテル Core i7-10510U プロセッサー

・インテル Core i5-10210U プロセッサー

・インテル Core i3-10110U プロセッサー

・AMD Ryzen 7 5800U プロセッサー

・AMD Ryzen 5 5600U プロセッサー

・AMD Ryzen 7 5700U プロセッサー

・AMD Ryzen 5 5500U プロセッサー

※当サイトで計測したスコアの平均値

■CINEBENCH R20

CPU
Ryzen 7 5800U	3629 pts
Ryzen 7 5700U	3201 pts
Ryzen 5 5600U	2999 pts
Ryzen 5 5500U	2760 pts
Core i7-1165G7	1915 pts
Core i5-1135G7	1812 pts
Core i7-1165G7（レビュー機）	1771 pts
Core i7-10510U	1500 pts
Core i5-10210U	1398 pts
Core i3-1115G4	1224 pts
Core i3-10110U	895 pts

■CPU Mark (PassMark PerformanceTest)

CPU Mark
Ryzen 7 5800U	19295
Ryzen 7 5700U	16757
Ryzen 5 5600U	16487
Ryzen 5 5500U	12519
Core i7-1165G7（レビュー機）	11546
Core i7-1165G7	11263
Core i5-1135G7	10914
Core i7-10510U	8122
Core i5-10210U	7611
Core i3-1115G4	6702
Core i3-10110U	5533

レビュー機の CPU スコアは平均値相当で、保有している性能をシッカリと発揮できています。

さまざまなビジネスシーンにおいてもパワフルなパフォーマンスが期待できます。

ちなみに、第11世代インテル Core プロセッサーは CPU 性能では Ryzen プロセッサーに及ばないもののグラフィックス性能では優位性があります。

 

グラフィック性能

グラフィック性能はゲーム系のベンチマークで性能評価を行います。

評価にあたっては、グラフィックス性能レベルを把握するため当サイトでレビューした下記グラフィックスのスコアと比較します。

・インテル Iris Xe グラフィックス（Core i7-1165G7搭載機）

・インテル Iris Xe グラフィックス（Core i5-1135G7搭載機）

・インテル UHD グラフィックス（Core i3-1115G4搭載機）

・インテル UHD グラフィックス（Core i7-10510U搭載機）

・インテル UHD グラフィックス（Core i5-10210U搭載機）

・インテル UHD グラフィックス（Core i3-10110U搭載機）

・AMD Radeon グラフィックス（Ryzen 7 5800U搭載機）

・AMD Radeon グラフィックス（Ryzen 5 5600U搭載機）

・AMD Radeon グラフィックス（Ryzen 7 5700U搭載機）

・AMD Radeon グラフィックス（Ryzen 5 5500U搭載機）

※当サイトで計測したスコアの平均値

3DMark FireStrike

3DMark FireStrike のベンチマーク結果です。

Fire Strike は DirectX 11 を使用したハイパフォーマンスゲーミングPC向けのグラフィックス性能テストです。

3DMark Fire Strike
インテル Iris Xe（レビュー機）	4756
インテル Iris Xe（Core i7-1165G7）	4114
AMD Radeon（Ryzen 7 5800U）	3449
インテル Iris Xe（Core i5-1135G7）	3114
AMD Radeon（Ryzen 7 5700U）	3108
AMD Radeon（Ryzen 5 5600U）	2971
インテル UHD（Core i3-1115G4）	2333
AMD Radeon（Ryzen 5 5500U）	2114
インテル UHD（Core i7-10510U）	1177
インテル UHD（Core i5-10210U）	1095
インテル UHD（Core i3-10110U）	836

ドラゴンクエストX［軽量級のゲーム］

ドラゴンクエストX のベンチマーク結果です。

ドラゴンクエストX
インテル Iris Xe（レビュー機）	13144
インテル Iris Xe（Core i7-1165G7）	11222
AMD Radeon（Ryzen 7 5800U）	10463
AMD Radeon（Ryzen 5 5600U）	9998
インテル Iris Xe（Core i5-1135G7）	9589
AMD Radeon（Ryzen 7 5700U）	9334
インテル UHD（Core i3-1115G4）	7706
AMD Radeon（Ryzen 5 5500U）	5870
インテル UHD（Core i7-10510U）	5161
インテル UHD（Core i5-10210U）	4671
インテル UHD（Core i3-10110U）	2650

※最高品質／解像度 1920×1080 で実施

ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ［中量級のゲーム］

ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズのベンチマーク結果です。

漆黒のヴィランズ
インテル Iris Xe（レビュー機）	5303
インテル Iris Xe（Core i7-1165G7）	4420
AMD Radeon（Ryzen 7 5800U）	3893
インテル Iris Xe（Core i5-1135G7）	3738
AMD Radeon（Ryzen 5 5600U）	3553
AMD Radeon（Ryzen 7 5700U）	3521
インテル UHD（Core i3-1115G4）	2661
AMD Radeon（Ryzen 5 5500U）	2278
インテル UHD（Core i7-10510U）	1695
インテル UHD（Core i5-10210U）	1500
インテル UHD（Core i3-10110U）	1081

※高品質（ノートPC）／解像度 1920×1080 で実施

ファイナルファンタジーXV［重量級のゲーム］

ファイナルファンタジーXV のベンチマーク結果です。

ファイナルファンタジーXV
インテル Iris Xe（Core i7-1165G7）	3468
インテル Iris Xe（レビュー機）	3407
AMD Radeon（Ryzen 7 5800U）	3370
AMD Radeon（Ryzen 5 5600U）	3099
AMD Radeon（Ryzen 7 5700U）	3076
インテル Iris Xe（Core i5-1135G7）	2896
インテル UHD（Core i3-1115G4）	2389
AMD Radeon（Ryzen 5 5500U）	2122
インテル UHD（Core i7-10510U）	1267
インテル UHD（Core i5-10210U）	1200
インテル UHD（Core i3-10110U）	944

※軽量品質／解像度 1280×720 で実施

 

レビュー機は、グラフィックス性能は優秀です。

一般的な使いかた（ネット・メール・オフィスソフト・動画閲覧など）はもちろんのこと、ペン入力やビデオ会議などでも快適に使えます。

ただし、CPU内蔵のグラフィックスは、CPU性能のほかメモリ容量や構成（シングル／デュアル／クアッド）にも依存することはチェックしておきたいところ。

レビュー機のメモリは 32GB（クアッドチャネル構成）を搭載していますが、メモリ容量が少ない場合（8GBや16GBの場合）、同じCPU でもグラフィックス・パフォーマンスは少しひかえめになるかもしれません。一般的なビジネスシーンで使うなら 8GBメモリで十分ですが、末永く使う上で処理性能に余裕をもたせておくなら 16GB以上の搭載をおすすめします。

 

ストレージ性能

レビュー機のストレージは NVMe対応の SSD（容量：1TB）を搭載しています。

データ転送速度（CrystalDiskMark で計測）

データアクセスも超高速で Windows やアプリの起動も早いです。

参考までに SSD は大容量になるほどデータ転送速度が速くなる傾向があります。目安として 512GB以上で速度の違いが顕著になってきます。

 

総合的なパフォーマンス

PCMark 10 Extended を使って、実際の使用を想定した性能評価を行います。

評価にあたっては、性能レベルの程度を把握するため当サイトでレビューした下記機種のスコアと比較します。

・Core i7-1165G7搭載機(*1)

・Core i5-1135G7搭載機(*1)

・HP ProBook x360 435 G8

・HP Pavilion Aero 13

※当サイトで計測したスコア。(*1)は平均値

 

ベンチマーク結果は以下のとおり。

Total Score
HP EliteBook x360 1040 G8	4695
Core i7-1165G7搭載機	4290
Core i5-1135G7搭載機	3838
HP ProBook x360 435 G8	4751
HP Pavilion Aero 13	4587
Essentials
HP EliteBook x360 1040 G8	9441
Core i7-1165G7搭載機	9167
Core i5-1135G7搭載機	8712
HP ProBook x360 435 G8	8883
HP Pavilion Aero 13	9488
基準値	4100
Productivity
HP EliteBook x360 1040 G8	6390
Core i7-1165G7搭載機	6476
Core i5-1135G7搭載機	6064
HP ProBook x360 435 G8	8391
HP Pavilion Aero 13	9060
基準値	4500
Digital Contents Creation
HP EliteBook x360 1040 G8	5271
Core i7-1165G7搭載機	4679
Core i5-1135G7搭載機	4374
HP ProBook x360 435 G8	6015
HP Pavilion Aero 13	5615
基準値	3450
Gaming
HP EliteBook x360 1040 G8	4132
Core i7-1165G7搭載機	3340
Core i5-1135G7搭載機	2625
HP ProBook x360 435 G8	3074
HP Pavilion Aero 13	2481

※テスト項目説明

・Total Score（総合的な評価）

・Essentials（普段の作業を想定した基本的なテスト）

・Productivity（ビジネスソフトの使用を想定したテスト）

・Digital Contents Creation（写真・動画編集を想定したテスト）

・Gaming（ゲーミングソフトの使用を想定したテスト）

※基準値はベンチマークソフト開発メーカーの推奨スコア

 

レビュー機のスコアは優秀です。高いレベルで性能バランスにもすぐれています。

AMD Ryzen プロセッサーを搭載した「HP ProBook x360 435 G8」も優秀ですが、HP EliteBook x360 1040 G8 は性能以外にも機能面や液晶、筐体仕上げ（CNCアルミ削り出し）など総合的な優位性があります。

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バッテリー

バッテリー性能については、レビュー機のバッテリー駆動時間と充電時間を計測・評価します。

■駆動時間の測定条件

・無線LANでインターネットに接続

・YouTubeを全画面で連続再生

・画面の明るさ：最大レベル

・音量：最大レベル

■充電時間の測定条件

・測定開始はバッテリー残量がほぼゼロの状態

・電源アダプターを接続し Windows を起動

・スクリーンセーバー（ラインアート）でパソコンはアイドル状態

※スクリーンタイムアウトや PCスリープは設定しない。

バッテリーの駆動時間と充電時間の測定結果は以下のとおり。

バッテリー駆動時間	6時間 49分
バッテリー充電時間 （50%までの充電時間）	39分
バッテリー充電時間 （80%までの充電時間）	1時間 16分
バッテリー充電時間 （100%までの充電時間）	2時間 11分

バッテリーを多く消費する条件とはいえ 7時間くらいのバッテリー駆動は少し物足りなさを感じます。

ただし、画面の明るさを調整するなどバッテリー消費を抑える使いかたをすれば、会議や外出など通常の持ち出しはカバーできると思います。

また、急速充電に対応しており、バッテリー残量がわずかなときでも30分程度で 50%まで充電できれば、会議の合間など空いた時間に充電できるメリットがあります。

なお、実際の使用にあたっては、環境や使い方などによりバッテリーの駆動時間は変動するので参考値としてください。

 

クリエイティブ性能の評価

クリエイティブ性能は RAWデータ現像（JPEGファイル書き出し）と動画エンコードの処理時間で評価します。

評価にあたっては、上記の総合的なパフォーマンスで比較に使用した機種の処理時間と比較します。

・Core i7-1165G7搭載機(*1)

・Core i5-1135G7搭載機(*1)

・HP ProBook x360 435 G8

・HP Pavilion Aero 13

※当サイトで計測した処理時間。(*1)は平均値

RAWデータ現像

RAWデータ現像に使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。

■使用ソフトウェア
CyberLink PhotoDirector
Adobe Photoshop Lightroom
Adobe Photoshop Lightroom Classic

■条件等

・RAWデータ 50ファイルをJPEG形式で一括書き出し

・RAWデータサイズ 4,592×3,056（約14MB）

・プリセット等 編集は適用しない

・ほかのアプリは起動しない（常駐アプリは除く）

PhotoDirector
HP EliteBook x360 1040 G8	51秒6
Core i7-1165G7搭載機	50秒2
Core i5-1135G7搭載機	55秒9
HP ProBook x360 435 G8	46秒0
HP Pavilion Aero 13	55秒1
Photoshop Lightroom
HP EliteBook x360 1040 G8	26秒1
Core i7-1165G7搭載機	27秒4
Core i5-1135G7搭載機	36秒2
HP ProBook x360 435 G8	26秒5
HP Pavilion Aero 13	37秒6
Lightroom Classic
HP EliteBook x360 1040 G8	33秒8
Core i7-1165G7搭載機	33秒7
Core i5-1135G7搭載機	39秒4
HP ProBook x360 435 G8	30秒7
HP Pavilion Aero 13	35秒2

 

動画エンコード

動画エンコードに使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。

■使用ソフトウェア
CyberLink PowerDirector

■条件等

・AVCHD動画(1920×1080)を mp4 形式で出力（m2ts→mp4、720p、1280×720/30p 16Mbps）

・動画再生時間 10分間

・ほかのアプリは起動しない（常駐アプリは除く）

PowerDirector
HP EliteBook x360 1040 G8	3分9秒5
Core i7-1165G7搭載機	3分10秒7
Core i5-1135G7搭載機	3分20秒9
HP ProBook x360 435 G8	1分55秒5
HP Pavilion Aero 13	2分5秒0

 

クリエイティブ性能は平均値相当の処理時間で良好な結果です。レンダリング（編集内容の画面への反映）もスムーズで描画もなめらかです。

ビジネスシーンにおいても、補助的なクリエイティブ作業なら十分快適なパフォーマンスが期待できます。

 

駆動音・表面温度のチェック

HP EliteBook x360 1040 G8 の駆動音と表面温度をチェックします。

駆動音のチェック

駆動音については、ベンチマーク（CINEBENCH R20 でマルチ Core を計測）実行中と動画エンコード中の最大音量（デシベル）を測定・評価します。

音量計測イメージ
(使用測定器：Meterk SLM01)

■測定結果

※防音室での測定ではありませんが、周囲の音ができるだけ入らないようにして測定しています。

■騒音の目安

騒音の大きさ	騒音の具体例
60 デシベル	走行中の自動車内 普通の会話 デパート店内
50 デシベル	家庭用エアコンの室外機 静かな事務所の中
40 デシベル	閑静な住宅地の昼 図書館内
30 デシベル	深夜の郊外 鉛筆での執筆音
20 デシベル	木の葉の触れ合う音 雪の降る音

参考：埼玉県深谷市ホームページ「騒音・振動の規制について」

平常時は静かです。

高負荷時は「サーッ」という排熱のときの気流音が若干大きくなります。静かな環境ではうるさく感じるかもしれません。

ただし、負荷が低減すれば即応するように静かになるので、駆動音はそれほど気にしなくても良いと思います。

 

表面温度のチェック

表面温度については、アイドル状態、動画視聴時、動画エンコード時の表面温度を測定・評価します。

※単位：℃、測定時の室温：24℃

※写真の左がキーボード表面、右が底面側の測定結果

■アイドル状態で10分放置

■Youtube 動画 30分間視聴後

■10分間動画エンコード実行後

 

負荷が高い状態でもキーボード上の温度上昇はわずかです。すこし温かさを感じる程度でタイピングに影響はありません。とくに、パームレストが本体内部の熱の影響を受けないところは好印象です。

 

サウンド チェック

HP EliteBook x360 1040 G8 は、HP が Bang & Olufsenと共同開発したサウンド機能を搭載しています。

また、サウンドユーティリティソフトには「HP Audio Control」がプリインストールされています。

サウンド ユーティリティソフト

スピーカーのノイズキャンセリング機能や内蔵マイクのノイズ除去のほか、イコライジング機能でお好みの音質にチューニングすることもできます。

以下は、実際にサウンドを聴いた印象です。
・オーディオプリセット：自動検出オン
・イコライザーのプリセット：HP最適化

■スピーカー
低音域から高音域まで広い音域を再現している。安定の高音質サウンド。
音声もシッカリと聴き取れる。

■ヘッドホン
ヘッドホンでもスピーカー同様に高音質。

 

セキュリティ機能

HP EliteBook x360 1040 G8 には、顔認証や指紋認証、プライバシーシャッターのほか HP独自のソフトウェア「HP Wolf Security for Business」などセキュリティ機能が充実しています。

HP Wolf Security

HP Client Security Manager

Sure Click

今回のレビューでは、貸出機のためセキュリティ機能を試すことはできませんでしたが、セキュリティ機能が充実していればあんしんして作業に集中できるメリットがあります。

 

Windows の起動・再起動・シャットダウン時間計測

Windows の起動、再起動、シャットダウン時間を それぞれ 5回ずつ計測しました。

起動は思いのほか時間がかかります。

再起動よりも時間がかかる理由は不明ですが、もしかしたら HP Wolf Security for Business によって BIOS チェックが行われているかもしれません。

実際の使用にあたってはインストールしているアプリや使い方などにより起動時間は変動するので参考値としてください。

 

同梱品

HP EliteBook x360 1040 G8 の本体ほか同梱品一式です。

同梱品リスト
・HP EliteBook x360 1040 G8 本体
・電源アダプター
・電源コード
・ウォールマウントプラグ
・ドキュメント類

 

まとめ

以上、HP EliteBook x360 1040 G8 のレビュー記事をお届けしました。

HP EliteBook x360 1040 G8 は、スタイリッシュで高性能なビジネス向けのモバイルノートPCです。

デザインや性能のみならず機能性、実用性、充実のセキュリティなど総合力の高さはなかなかのもの。サウンド機能、液晶パネル、ベゼルのスマート感など細部にわたる上質な仕上がりも好印象で高い所有満足度を得られるモデルです。

 

ラインナップしているモデルや価格、キャンペーンなど最新情報は日本HP直販サイト「HP Directplus」をご確認ください。

※HP ProBook 430 G8 は法人向け PC ですが、個人ユーザーや SOHO、フリーランスのユーザーも購入できます。

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