ダイナブック dynabook SZ/MX (2024年7月モデル) レビュー:ちょうどよい処理性能でしっかり使える 13.3型モバイルノートパソコン

 

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貸出機材提供:Dynabook株式会社

正面斜め(背景付き)

ダイナブックが販売する dynabook SZ/MX (2024年7月モデル) は、インテル Core プロセッサー を搭載した 13.3型モバイルノートパソコンです。

Core Ultra プロセッサーにくらべ性能レベルはやや低めながらモバイルノートとしては十分なパフォーマンスで処理性能も良好です。

質量が約1.16kg と持ち歩きがラクにできる軽さにくわえ堅牢性にすぐれているところもポイント。

本記事では、メーカーからお借りした実機を試用し、前半で外観デザイン/ディスプレイ/キーボードなどをチェック、後半では各種ベンチマークを使った性能評価を行います。

■dynabook SZ/MX の特徴

  • 第13世代 インテル Core i5 プロセッサーまたはインテル Core 7 プロセッサー(シリーズ1)を搭載
  • 超軽量&スリム&コンパクト
  • ダイナブック社の品質試験をクリアした堅牢ボディ
  • 手の触れるところに抗菌加工を実施(天面、底面、キーボード、タッチパッドなど)
  • 顔認証カメラを搭載(プライバシーシャッター付き)
  • AIノイズキャンセラーによる快適なオンラインコミュニケーションが可能
  • 長時間駆動できるバッテリーは急速充電に対応(お急ぎ30分チャージ)

天面(背景付き)

レビューは 2024年10月4日時点の内容です。

 

スペック構成

dynabook SZ/MX のおもなスペック構成は以下のとおり。

OS ■Windows 11 Home 64ビット
■Windows 11 Pro 64bit
CPU ■インテル Core i5-1334U プロセッサー
■インテル Core 7 プロセッサー 150U
メモリ 16GB(16GB×1)、PC4-25600(DDR4-3200)対応 SDRAM、2スロット(空きスロット×1)
ストレージ ■256GB SSD(PCIe対応)
■512GB SSD(PCIe対応)
ディスプレイ 13.3型ワイド(16:9)FHD 高輝度・高色純度・広視野角 TFTカラー LED液晶(IGZO・ノングレア)(省電力LEDバックライト)1,920×1,080ドット
グラフィックス ■インテル UHD グラフィックス(Core i5-1334U プロセッサー内蔵)
■インテル グラフィックス(Core 7 プロセッサー 150U 内蔵)
LAN 1000Base-T/100Base-TX/10Base-T(自動認識、Wake-up on LAN対応)
無線LAN/ Bluetooth Wi-Fi 6E(IEEE802.11ax)(2.4Gbps)+IEEE802.11ac/a/b/g/n準拠、Bluetooth v5.3準拠
カメラ 有効画素数 約92万画素(Webカメラシャッター付き)、顔認証センサー
バッテリー駆動時間 約8.0時間(動画再生時)/ 約18.0時間(アイドル時)
※JEITAバッテリ動作時間測定法Ver.3.0
本体サイズ(W×D×H) 約 305.9×201.7×15.95mm
本体質量 約 1.16kg

 
詳しいスペックや価格などの最新情報はダイナブック直販サイト「Dynabook Direct」をご確認ください。

アイキャッチ

dynabook SZ/MX
(2024年7月モデル)

Check

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外観チェック

スタイリッシュなデザイン

dynabook SZ/MX はシンプルでスタイリッシュなデザイン。

正面側(左振り)

背面側(右振り)

本体のカラーは「オニキスブルー」。藍色をより濃くしたカラーでブラックに近い色合いです。

天面真上

天面斜め

ロゴ
天面中央の dynabook ロゴがアクセント

手で触れた感触はサラサラとしています。指紋や皮脂の跡は やや目立ちやすいですが、柔らかいクロスなどでかんたんにふき取ることができます。

スタイリッシュなフォルム

 
本体はとてもスリムでバッグへの出し入れもスムーズです。

スリムボディ(その1)

スリムボディ(その2)

スリムボディ(その3)
本体はスリム

 
底面カバーは「ユニボディ」の構造。見ためはシンプルですが剛性にもすぐれています。

底面真上

底面(斜め)

ゴム足は前面側左右に2箇所と背面側左右にまたがるゴム足の合計3箇所に実装。本体の安定感は良好です。

排気口はヒンジのあいだに実装されています。

排気口
排気口(ヒンジのあいだ)

ちなみに、背面側のゴム足は排気口から出された温かい空気が再び吸気口に入り込むのを防ぐ役割も兼ねています。これにより本体内部の効果的な冷却が期待できます。

底面側から見た排気口
吸気口(底面カバー側)と排気口

 

必要十分なインターフェース

dynabook SZ/MX は必要十分なインターフェースを実装しています。

インターフェース(右側面)

右側面

①microSDカードスロット

②マイク入力/ヘッドホン出力端子

③USB3.2(Gen1)Type-Aコネクタ

④LANコネクタ

⑤セキュリティロック・スロット

インターフェース(左側面)

左側面

⑥電源コネクタ

⑦HDMI 出力端子

⑧USB3.2(Gen1)Type-Aコネクタ

⑨USB3.2(Gen2)Type-Cコネクタ

以下、インターフェースについての補足です。

microSDカードスロットはプッシュロック式です。

microSDカードスロット

カードを挿入するときは押し込んでロックさせ、取り出すときはカードを押し込んでロックを解除する方式です。

また、USB Type-C ポートの映像出力/PD充電器対応の検証結果は以下のとおり。

■USB Type-C 対応表(当サイトの検証結果)

映像出力 〇(4K出力可能)
PD充電器(30W)
PD充電器(45W)
PD充電器(65W)

なお、HDMI はフルHD出力に対応していますが、4K出力には対応していませんでした。

 

電源ボタンは左上に実装

電源ボタンはキーボード左上に実装されています。

電源ボタン

右利きのユーザーにとっては押しにくさを感じるかもしれませんが、慣れれば押しにくさは軽減すると思います。

 

顔認証カメラを搭載

dynabook SZ/MX は、顔認証カメラを標準搭載しています。

顔認証
顔認証でサインイン

認証精度は良好で Windows へのサインインもスムーズです。

また、カメラには「プライバシーシャッター」が付いています。

カメラシャッター
上の画像:シャッターを開いてカメラ有効
下の画像:シャッターを閉じてカメラを遮断

シャッターはスライド式(手動)ですがスムーズなスライドが可能。オンライン会議などで こちらの光景を見られたくないときもスムーズに操作できます(切替スイッチはカメラの右側)。

なお、シャッターでカメラを遮断しているときは顔認証でサインインできません(PIN コード入力でサインインできます)。

 

AIノイズキャンセラーを搭載

dynabook SZ/MX は、AIノイズキャンセラーも搭載しています。

ノイズキャンセル機能
AIノイズキャンセラー

AIノイズキャンセラーを使えば、周囲の環境ノイズ(電話の着信音、電車、救急車のサイレンなど)を除去できるなど、オンラインでの会話をスムーズに進めることが可能です。

 

スピーカーは底面側左右に搭載

スピーカーは底面側左右に搭載されています。

スピーカー
スピーカーは底面側左右に搭載

スピーカー
スピーカーの拡大写真

スピーカーから出力されるサウンドは、中音域から高音域まで再現し全体的に こじんまりとしていますが、カジュアルには楽しめる音質です。

 

コンパクト&スリム&軽量

本体の大きさのイメージです。本体の下に A4コピー用紙(黄色の用紙)を置き、本体上に B5版ノートを載せています。

本体の大きさイメージ
本体のサイズ感

本体のフットプリントは A4 くらいのサイズ感でコンパクトです。

本体を閉じたときの高さのイメージは以下のとおり。

本体の高さ
本体の高さを CD ケース(通常サイズ)2枚と比較
(通常サイズの CDケースの厚さは 10mm)

ゴム足を含めた本体の高さは実測で 約21mm(最厚部)。CDケース 2枚と同じくらい高さでスリムです。

また、本体や電源アダプターなど質量の実測値は以下のとおり。

重量(実測)

・本体:1,144g
・電源アダプター:138g
・電源コード:39g

本体は、とても軽くて持ち歩きがラクにできます。

本体の重量感
本体は超軽量で持ち歩きもラク

電源アダプターの最大出力は 45W。その大きさは手のひらに収まるくらいのサイズです。

電源アダプターの大きさイメージ

電源アダプターの大きさ(実測)

 

ディスプレイのチェック

映像描画がキレイな広色域 IGZO 液晶ディスプレイ

レビュー機のディスプレイは Sharp製 IGZO液晶パネル[型番:SHP1562 LQ133M1JW64]。

描画される映像は自然な色合いでキレイです。描画イメージは以下のとおり。

映像(気球)
画像の表示例(その1)

映像(紅葉)
画像の表示例(その2)

テキスト
テキストの表示例

テキスト拡大
テキスト表示を拡大

トーンカーブは 緑が強めに出ていますが、RGB ともに理想的な45度の直線に近い形状で色調バランスは良好です。

トーンカーブ
トーンカーブ
(キャリブレーションツール「i1Display Pro」で計測)

輝度の計測結果はディスプレイの明るさ設定 100 のとき「454 nit」と高輝度です。実際に見ても とても明るく、屋外のように周囲が明るい環境で使っても画面が見えにくくなることはないでしょう。

 
色域の計測結果は以下のとおり。

色域
色域
(色度図作成ソフト「ColorAC」にて作成)

規格 カバー率
sRGB 99.9% 107.2%
Adobe RGB 78.6% 79.5%
DCI-P3 79.1% 79.1%

 
広色域で色再現性にもすぐれています。写真編集などシビアな色再現が必要な作業にもしっかり対応できます。

Check

液晶ディスプレイは液晶パネルの特性や製造工程により各製品で色合いが異なる場合があります。

 

狭額縁ベゼル

ベゼルは狭額縁です。

狭額縁ベゼル

上部ベゼルは少し厚みがありますが、左右のベゼルは鉛筆の太さと同じくらいの狭さです。画面周りは全体的にスッキリとしています。

 

映り込みは気にならない

ディスプレイの映り込み具合をチェックします。

画面映り込み(その1)

画面映り込み(その2)

レビュー機は非光沢液晶です。上記写真のとおり映り込みはかなり低減されています。画面への映り込みが気になることはなく、眼への負担も軽減できます。

 

広い視野角

視野角をチェックします。

正面
正面

右側 ディスプレイ面から30度の角度
右側 ディスプレイ面から30度の角度

上側 ディスプレイ面から30度の角度
上側 ディスプレイ面から30度の角度

水平方向、垂直方向ともに視野角は広く、斜めからも描画されている映像をはっきり確認できます。

 

天面は ほぼフラットまで開くことができる

天面はほぼフラットまで開くことができます。

ディスプレイの最大角度

ディスプレイがフラットになれば、打ち合わせなどで画面共有に便利です。

また、「dynabook 画面回転ユーティリティ」機能が搭載されており、Ctrl+Alt+↑または↓ キー操作で画面の向きを簡単に切り替えられます。

画面回転ユーティリティ
dynabook 画面回転ユーティリティ

画面の向きを切り替え
画面の向きを切り替えると画面共有に便利

なお、画面の向きを切り替えるとタッチパッド操作の向きも切り替わります。

たとえば、画面の向きを切り替えた状態でキーボード側から見て画面上のマウスポインターを右に動かすためにはタッチパッドを左に、マウスポインターを上に動かすためにはタッチパッドを下に操作する必要があります。

 

キーボード&タッチパッドのチェック

タイピングしやすいキーボード

dynabook SZ/MX のキーボードはレイアウトは標準的です。

キーボードレイアウト

キーピッチは実測で 約19mm(仕様は 18.8mm)。フルサイズキーボードと同等のキーピッチで窮屈な感じはありません。

キーボードに両手を置いたときのイメージ

キートップ表面は少しツルツルした感触。形状はほぼフラットですが指先のタッチ感は良好です。

キートップ
キーボードは抗菌対応(キーボードの各キー樹脂に抗菌剤が練りこまれている)

キーストロークの仕様は 1.4mm。

キーストローク
タイプ音は「タクタク」という音。音の大きさはフツウ

キーを押し込む強さや跳ね返りもちょうど良い感じです。しっかりとした打鍵感があってタイピングしやすいキーボードです。

なお、キーボードバックライトは搭載されません。

 

質感のよいパームレスト

パームレストはサラサラとした感触で質感も良好です。

パームレスト

指紋や皮脂の跡は目立ちやすいですが、汚れが気になったときは柔らかいクロスなどでかんたんにふき取れます。

 

なめらかなスベリのタッチパッド

タッチパッドは少しサラサラとした感触ですがスベリはなめらかです。

タッチパッドのサイズ感
タッチパッドのサイズ感

奥行きのサイズが浅い感じはありますが、サイズ感はまずまずで扱いやすさも良好です。

 

ベンチマークによる性能評価

ベンチマークでは、レビュー機の CPU・グラフィックス・ストレージ性能のほかバッテリー性能や総合的なパフォーマンスを評価します。

レビュー機の基本スペック

CPU インテル Core 7 プロセッサー 150U
メモリ 16GB(16GB×1)、PC4-25600(DDR4-3200)対応 SDRAM
ストレージ 256GB SSD(PCIe対応)
グラフィックス インテル グラフィックス

 
評価に使用したベンチマークは以下のとおり。

評価項目 使用するベンチマーク
CPU性能 CINEBENCH R23[CPUのレンダリング性能評価]
CPU Mark (PassMark PerformanceTest)[CPU性能の総合評価]
グラフィック性能 3DMark Time Spy
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ[中量級のゲーム]
ファイナルファンタジーXV[重量級のゲーム]
ストレージ性能 CrystalDiskMark
総合的なパフォーマンス PCMark 10
バッテリー BatteryInfoView(バッテリー残量測定用)

なお、ベンチマークの実行にあたっては電源オプションの電源プランを「dynabook 標準」に設定し、電源とバッテリーの電源モードを「バランス」と「最適なパフォーマンス」2つのモードそれぞれで実施しています。

電源プラン
電源プランの設定

電源モード
電源モードの設定

 

CPU性能

CPU性能は CINEBENCH R23(マルチコア/シングルコア)と CPU Mark(PassMark PerformanceTest) のベンチマークスコアで評価します。

評価にあたっては、性能レベルを把握するため下記 CPU のスコアと比較します。

・インテル Core Ultra 7 プロセッサー 155H

・インテル Core Ultra 5 プロセッサー 125H

・インテル Core Ultra 7 プロセッサー 155U

・インテル Core Ultra 5 プロセッサー 125U

・インテル Core i7-1360P プロセッサー

・インテル Core i5-1340P プロセッサー

・インテル Core i7-1355U プロセッサー

・インテル Core i5-1335U プロセッサー

・AMD Ryzen 7 7730U プロセッサー

・AMD Ryzen 5 7530U プロセッサー

・AMD Ryzen 7 5825U プロセッサー

・AMD Ryzen 5 5625U プロセッサー

※当サイトで計測したスコアの平均値

 

CINEBENCH R23[CPUのレンダリング性能評価]

CINEBENCH R23 (マルチコア)
Core Ultra 7 155H
12346 pts
Ryzen 7 5825U
10237 pts
Core i7-1360P
10095 pts
Core Ultra 5 125H
9685 pts
Ryzen 7 7730U
8997 pts
Core i5-1340P
8551 pts
Core Ultra 7 155U
8480 pts
Ryzen 5 7530U
7627 pts
Ryzen 5 5625U
7555 pts
Core i7-1355U
7342 pts
Core i5-1335U
6875 pts
Core 7 150U(レビュー機/最適なパフォーマンス)
6591 pts
Core Ultra 5 125U
6508 pts
Core 7 150U(レビュー機/バランス)
6266 pts

 

CINEBENCH R23 (シングルコア)
Core 7 150U(レビュー機/最適なパフォーマンス)
1766 pts
Core i7-1355U
1750 pts
Core Ultra 7 155U
1733 pts
Core i7-1360P
1732 pts
Core Ultra 7 155H
1687 pts
Core Ultra 5 125H
1649 pts
Core 7 150U(レビュー機/バランス)
1639 pts
Core Ultra 5 125U
1564 pts
Core i5-1335U
1546 pts
Core i5-1340P
1534 pts
Ryzen 7 5825U
1435 pts
Ryzen 7 7730U
1428 pts
Ryzen 5 7530U
1419 pts
Ryzen 5 5625U
1365 pts

 

CPU Mark (PassMark PerformanceTest)[CPU性能の総合評価]

CPU Mark
Core Ultra 7 155H
25686
Core Ultra 5 125H
21596
Core i7-1360P
20651
Ryzen 7 5825U
20320
Ryzen 7 7730U
18677
Core Ultra 7 155U
18660
Core i5-1340P
16650
Core i7-1355U
16487
Ryzen 5 5625U
16291
Ryzen 5 7530U
15930
Core Ultra 5 125U
15296
Core i5-1335U
14508
Core 7 150U(レビュー機/最適なパフォーマンス)
13719
Core 7 150U(レビュー機/バランス)
13603

 
レビュー機のスコアは少し物足りなさを感じます。

第13世代インテル Core i5-1335U プロセッサーと同等なスコアは残念なところ。とはいえ、オフィスソフトやネット閲覧、動画鑑賞など、よほど高負荷な作業以外は十分快適にこなせる性能レベルです。

 

グラフィック性能

グラフィック性能はゲーム系のベンチマークで性能評価を行います。

評価にあたっては、グラフィックス性能レベルを把握するため当サイトでレビューした下記グラフィックスのスコアと比較します。

・インテル Arc グラフィックス(Ultra 7 155H搭載機)

・インテル Arc グラフィックス(Ultra 5 125H搭載機)

・インテル グラフィックス(Ultra 7 155U搭載機)

・インテル グラフィックス(Ultra 5 125U搭載機)

・インテル Iris Xe グラフィックス(Core i7-1360P搭載機)

・インテル Iris Xe グラフィックス(Core i5-1340P搭載機)

・インテル Iris Xe グラフィックス(Core i7-1355U搭載機)

・インテル Iris Xe グラフィックス(Core i5-1335U搭載機)

・AMD Radeon グラフィックス(Ryzen 7 7730U搭載機)

・AMD Radeon グラフィックス(Ryzen 5 7530U搭載機)

・AMD Radeon グラフィックス(Ryzen 7 5825U搭載機)

・AMD Radeon グラフィックス(Ryzen 5 5625U搭載機)

※当サイトで計測したスコアの平均値

 

3DMark Time Spy

Time Spy は DirectX 12 を使用したハイパフォーマンスゲーミングPC向けのグラフィックス性能テストです。

3DMark Time Spy
インテル Arc(Core Ultra 7 155H)
3455
インテル Arc(Core Ultra 5 125H)
3273
インテルグラフィックス(Core Ultra 7 155U)
2177
インテルグラフィックス(Core Ultra 5 125U)
2049
インテル Iris Xe(Core i7-1360P)
1911
インテル Iris Xe(Core i7-1355U)
1691
インテル Iris Xe(Core i5-1340P)
1545
AMD Radeon(Ryzen 7 5825U)
1381
AMD Radeon(Ryzen 7 7730U)
1342
インテル Iris Xe(Core i5-1335U)
1312
AMD Radeon(Ryzen 5 7530U)
1255
インテルグラフィックス(レビュー機/最適なパフォーマンス)
1233
インテルグラフィックス(レビュー機/バランス)
1222
AMD Radeon(Ryzen 5 5625U)
1189

 

ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ[中量級のゲーム]

暁月のフィナーレ
インテル Arc(Core Ultra 7 155H)
8283
インテル Arc(Core Ultra 5 125H)
7495
インテル Iris Xe(Core i7-1360P)
6051
インテルグラフィックス(Core Ultra 7 155U)
5322
インテル Iris Xe(Core i7-1355U)
5316
インテル Iris Xe(Core i5-1340P)
5072
インテルグラフィックス(Core Ultra 5 125U)
4505
AMD Radeon(Ryzen 7 7730U)
4184
AMD Radeon(Ryzen 7 5825U)
4123
インテル Iris Xe(Core i5-1335U)
3831
AMD Radeon(Ryzen 5 5625U)
3714
AMD Radeon(Ryzen 5 7530U)
3662
インテルグラフィックス(レビュー機/最適なパフォーマンス)
2939
インテルグラフィックス(レビュー機/バランス)
2628

※高品質(ノートPC)/解像度 1920×1080 で実施

 

ファイナルファンタジーXV[重量級のゲーム]

ファイナルファンタジーXV
インテル Arc(Core Ultra 7 155H)
5602
インテル Arc(Core Ultra 5 125H)
5048
インテル Iris Xe(Core i7-1360P)
4225
インテル Iris Xe(Core i7-1355U)
3848
インテルグラフィックス(Core Ultra 7 155U)
3823
AMD Radeon(Ryzen 7 7730U)
3572
インテル Iris Xe(Core i5-1340P)
3451
AMD Radeon(Ryzen 7 5825U)
3340
インテルグラフィックス(Core Ultra 5 125U)
3282
AMD Radeon(Ryzen 5 5625U)
3141
AMD Radeon(Ryzen 5 7530U)
3103
インテル Iris Xe(Core i5-1335U)
2930
インテルグラフィックス(レビュー機/最適なパフォーマンス)
2628
インテルグラフィックス(レビュー機/バランス)
2483

※軽量品質/解像度 1280×720 で実施

 
CPU内蔵グラフィックスは、CPU性能のほかに搭載されているメモリ容量や構成チャネル(シングル/デュアル)に依存します。

レビュー機は 16GBメモリを搭載しながら、いわゆる1枚挿しのシングルチャネル構成です。グラフィックス・スコアがイマイチなのはシングルチャネル構成がかなり影響しています。メモリ容量が同じでもデュアルチャネル構成にすることでグラフィックス・パフォーマンスは大幅に向上します。

レビュー機のグラフィックスは一般的な用途(メール・ネット閲覧・オフィスソフト・動画鑑賞など)には十分なパフォーマンスですが、写真・動画編集などクリエイティブな作業では処理時間が意外にかかることは留意してください。

 

ストレージ性能

レビュー機のストレージは PCIe Gen4 NVMe 対応の SSD(容量 256GB)を搭載しています。

CrystalDikInfo
ストレージ情報

ストレージ性能は、CrystalDiskMark を使用しデータ転送速度を計測・評価します。

ストレージベンチ
データ転送速度

※電源モードを「バランス」に設定して計測した結果。「最適なパフォーマンス」での計測結果も同等です。

計測結果は優秀です。PCIe Gen4 NVMe 対応の SSD は、体感的にも高速なアクセスでファイルの読み書きがとてもスムーズです。

 

総合的なパフォーマンス

PCMark 10 で実際の使用を想定した性能評価を行います。

評価にあたっては、性能レベルの程度を把握するため当サイトでレビューした下記機種のスコアと比較します。

・HP EliteBook 630 G10

・dynabook GZ/HW

・ThinkPad X13 Gen 5

・Inspiron 13 (5330)

・HP Pavilion Aero 13-bg

※当サイトで計測したスコア(パフォーマンスモードに相当した設定で計測したスコア)

おもなスペックは以下のとおり。

スペック dynabook SZ  
(レビュー機)
EliteBook 630  dynabook GZ   ThinkPad X13   Inspiron 13   Pavilion Aero 13
CPU インテル Core 7 150U インテル Core i5-1335U インテル Core i7-1360P インテル Core Ultra 5 125U インテル Core Ultra 7 155H AMD Ryzen 7 8840U
メモリ 16GBメモリ 16GBメモリ 16GBメモリ 16GBメモリ 16GBメモリ 16GBメモリ
ストレージ 256GB SSD (NVMe) 512GB SSD (NVMe) 512GB SSD (NVMe) 256GB SSD (NVMe) 1TB SSD (NVMe) 1TB SSD (NVMe)
グラフィックス Intel Graphics Intel UHD Intel Iris Xe Intel Graphics Intel Arc Graphics AMD Radeon 780M

 

ベンチマーク結果は以下のとおり。

Essentials
dynabook SZ(バランス)
9066
dynabook SZ(パフォーマンス)
9265
EliteBook 630
9201
dynabook GZ
8829
ThinkPad X13
9363
Inspiron 13
9639
Pavilion Aero 13
9958
目標値
4100
Productivity
dynabook SZ(バランス)
7006
dynabook SZ(パフォーマンス)
7636
EliteBook 630
6565
dynabook GZ
7433
ThinkPad X13
7998
Inspiron 13
8645
Pavilion Aero 13
10337
目標値
4500
Digital Contents Creation
dynabook SZ(バランス)
5643
dynabook SZ(パフォーマンス)
5822
EliteBook 630
5766
dynabook GZ
6127
ThinkPad X13
6318
Inspiron 13
8639
Pavilion Aero 13
8064
目標値
3450

※テスト項目説明

・Essentials(普段の作業を想定した基本的なテスト)

・Productivity(ビジネスソフトの使用を想定したテスト)

・Digital Contents Creation(写真・動画編集を想定したテスト)

※目標値はベンチマークソフト開発メーカーの推奨スコア

 
レビュー機のスコアは良好です。

CPU、グラフィックスのベンチマークではイマイチでしたが、総合的なパフォーマンスは良好な結果です。おそらくダイナブック独自技術のエンパワーテクノロジー効果によるものかと。

ふだん使いはもちろんのこと、オフィスソフトや動画鑑賞のほか、ちょっとした写真・動画編集にも十分活用できそうです。

ちなみに、比較対象機の「HP EliteBook 630 G10」のスペックは、本機の第13世代インテル Core i5 搭載モデルと同等です。比較検討する際の参考にしてください。

関連記事

 

バッテリー

バッテリー性能については、レビュー機のバッテリー駆動時間と充電時間を計測・評価します。

※電源モードを「バランス」に設定して実施。

■駆動時間の測定条件

・無線LANでインターネットに接続

・YouTubeを全画面で連続再生

・画面の明るさ:最大レベル

・音量:最大レベル

■充電時間の測定条件

・測定開始はバッテリー残量がほぼゼロの状態

・電源アダプターを接続し Windows を起動

・スクリーンセーバー(ラインアート)でパソコンはアイドル状態

※スクリーンタイムアウトや PCスリープは設定しない。

 
バッテリーの駆動時間と充電時間の計測結果は以下のとおり。

バッテリー駆動時間 6時間 19分
バッテリー充電時間
(40%までの充電時間)
44分
バッテリー充電時間
(80%までの充電時間)
1時間 39分
バッテリー充電時間
(100%までの充電時間)
3時間 7分

バッテリー駆動時間の検証結果はスペックの「約8.0時間(動画再生時)」の 78%です。外出先でも十分使える時間ですし、画面の明るさや音量を適切に調整しバッテリーの消費量を抑える使いかたをすれば、さらに駆動時間を延ばすこともできます。

また、「お急ぎ30分チャージ」は 30分でバッテリー駆動時間の約40%を充電できる仕様ですので、充電についてはまずまずの結果といえます。検証ではパソコンを起動している状態で実施しましたが、電源オフ(あるいはスリープ)の状態であれば さらにスペックに近い時間で充電することができるでしょう。

実際の使用にあたっては、環境や使い方などによりバッテリーの駆動時間は変動するため参考値としてください。

 

クリエイティブ性能の評価

クリエイティブ性能は RAWデータ現像(JPEGファイル書き出し)と動画エンコードの処理時間で評価します。

評価にあたっては、上記の総合的なパフォーマンスで使用した機種の処理時間と比較します。

・HP EliteBook 630 G10

・dynabook GZ/HW

・ThinkPad X13 Gen 5

・Inspiron 13 (5330)

・HP Pavilion Aero 13-bg

※当サイトで計測した処理時間(パフォーマンスモードに相当した設定で計測)

 

RAWデータ現像

RAWデータ現像に使用したソフトウェアや条件、処理結果は以下のとおりです。

■使用ソフトウェア

Adobe Lightroom

Adobe Lightroom Classic

■条件等

・RAWデータ 50ファイルをJPEG形式で一括書き出し

・RAWデータサイズ 4,592×3,056(約14MB)

・プリセット等 編集は適用しない

・ほかのアプリは起動しない(常駐アプリは除く)

■処理結果

Lightroom
dynabook SZ(バランス)
36秒1
dynabook SZ(パフォーマンス)
36秒1
EliteBook 630
36秒1
dynabook GZ
16秒5
ThinkPad X13
19秒8
Inspiron 13
14秒8
Pavilion Aero 13
18秒6
Lightroom Classic
dynabook SZ(バランス)
35秒0
dynabook SZ(パフォーマンス)
35秒5
EliteBook 630
42秒2
dynabook GZ
20秒1
ThinkPad X13
20秒2
Inspiron 13
18秒6
Pavilion Aero 13
22秒3

 

動画エンコード

動画エンコードに使用したソフトウェアや条件、処理結果は以下のとおりです。

■使用ソフトウェア

CyberLink PowerDirector

■条件等

・AVCHD動画(1920×1080)を mp4 形式で出力(m2ts→mp4、720p、1280×720/30p 16Mbps)

・動画再生時間 10分間

・ほかのアプリは起動しない(常駐アプリは除く)

■処理結果

PowerDirector
dynabook SZ(バランス)
2分33秒6
dynabook SZ(パフォーマンス)
2分27秒2
EliteBook 630
2分56秒4
dynabook GZ
1分55秒5
ThinkPad X13
1分22秒8
Inspiron 13
1分18秒3
Pavilion Aero 13
1分7秒0

 
レビュー機のクリエイティブ性能は少しひかえめです。

メモリのシングルチャネル構成が影響しているため、グラフィックス処理に時間がかかっているようです。とはいえ、処理時間は多少かかるものの趣味としての写真編集や動画編集には十分活用できると思います。

 

駆動音・表面温度のチェック

駆動音のチェック

駆動音は、下記処理中の音量(デシベル)を測定し、評価します

・CPU ベンチマーク「CINEBENCH R23 /マルチ Core」実行中

・10分間動画のエンコード処理中

※一般住宅で周囲の音ができるだけ入らないようにして測定(室温:25℃)

騒音測定イメージ
音量計測イメージ
(使用測定器:Meterk SLM01)

■測定結果

モード アイドル状態
(最小音量)
最大音量
下段はピーク時の音量推移
ベンチマーク中 動画エンコード中
バランス 32.9db 37.8db
(37db台)
38.0db
(37~38db)
最適なパフォーマンス 33.3db 38.2db
(37~38db)
38.4db
(38db前後)

■騒音の目安

騒音の大きさ 騒音の具体例
60 デシベル 走行中の自動車内
普通の会話
デパート店内
50 デシベル 家庭用エアコンの室外機
静かな事務所の中
40 デシベル 閑静な住宅地の昼
図書館内
30 デシベル 深夜の郊外
鉛筆での執筆音
20 デシベル 木の葉の触れ合う音
雪の降る音

参考:埼玉県深谷市ホームページ「騒音・振動の規制について」

 
アイドル時は無音で静かです。

高負荷な状態では「サーッ」という排気音が少し大きくなりますが、うるさく感じることはないと思います。

なお、負荷低減後に排気音が静かになる時間は、バランスモードでは 1~2分くらい、最適なパフォーマンスモードでは 2~3分くらいです。(使用環境やパソコンの状態により変動します)

 

表面温度のチェック

表面温度については、下記を実施したときの表面温度を測定し評価します。

・アイドル状態で10分放置後

・Youtube 動画 30分間視聴後

・10分間動画のエンコード実行後

※単位:℃、測定時の室温:25℃

※電源モードを「バランス」に設定して実施

※写真の左がキーボード表面、右が底面側の計測結果

 

■アイドル状態で10分間放置

アイドル

■Youtube 動画 30分間視聴後

Youtube

■10分間動画エンコード実行後

動画エンコード

負荷状況にかかわらず、キーボード奥の中央から左側にかけての表面温度が高めで少し温かさを感じます。

また、パームレストの表面温度は室温にくらべ少し高いですが、キーボード上ほどでないので不快に感じることはないと思います。

 

サウンド チェック

dynabook SZ/MX にはサウンドユーティリティソフト「DTS Audio Processing」がインストールされています。

サウンドユーティリティソフト
DTS Audio Processing

「DTS Audio Processing」は、コンテンツに合わせたプリセットが用意されているほかオーディオカスタム機能を使ってお好みのサウンドにチューニングすることもできます。

以下は、実際にサウンドを試聴した印象です。

※プリセット「音楽」で試聴

■スピーカー

・中音域から高音域まで強調されているが、全体的にこじんまりとしている印象。カジュアルに楽しめる音質

・音量最大でも音割れしない(コンテンツによる)

■ヘッドホン

・各音域が増幅され、音質が大幅に向上

・音楽を聞いたりオンライン会議をするならヘッドホンの装着がおすすめ

 

Windows の起動・再起動・シャットダウン時間計測

Windows の起動、再起動、シャットダウン時間を それぞれ 5回ずつ計測しました。

起動 再起動 シャットダウン
1回目 14.9秒 32.3秒 8.9秒
2回目 14.6秒 32.6秒 7.6秒
3回目 14.4秒 31.4秒 7.7秒
4回目 14.2秒 31.8秒 7.5秒
5回目 14.2秒 31.7秒 10.3秒
平均 14.5秒 32.0秒 8.4秒

実際の使用にあたってはインストールしているアプリや Windows の更新など使用状況により時間は変動するので参考値としてください。

 

同梱品

dynabook SZ/MX の本体ほか同梱品一式です。

同梱品一式

同梱品リスト
・dynabook SZ/MX 本体
・電源アダプター
・電源コード
・ドキュメント類

 

まとめ

以上、dynabook SZ/MX のレビュー記事をお届けしました。

dynabook SZ/MX はモバイルノートとしてちょうどよい処理性能でしっかり使えます。

CPUやグラフィックスのベンチマークでは少し残念なスコアでしたが、総合的なパフォーマンスで十分満足できる結果を残しているところは「さすが」の一言。

超軽量で堅牢なボディにくわえ顔認証や AIノイズキャンセラーなど実用性にすぐれているところも好印象。高品質で使いやすく国内メーカーによるサポートなど多くのユーザーがあんしんして使えるモバイルノートです。

高評価のポイント

  • モバイルノートとして良好な処理性能
  • 実用性にもすぐれている
  • 高輝度&広色域の IGZO 液晶ディスプレイ
  • 国内メーカーによるあんしんサポート

気をつけておきたい点

  • アスペクト比 (画面縦横比) は 16:9 (最近のトレンドは 16:10)
  • スピーカーの音質はカジュアルレベル

 
ラインナップしているモデルや価格など最新情報はダイナブック直販サイト「Dynabook Direct」をご確認ください。

アイキャッチ

dynabook SZ/MX
(2024年7月モデル)

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