デル『Inspironスモールデスクトップ(3470)』は コンパクトサイズのデスクトップPCです。
その幅およそ9.3cm!
ティシューボックスの奥行きよりも小さいサイズなのでデスクやテーブルなど省スペースに置くことができます。
コンパクトサイズながら第9世代インテル Core プロセッサーの搭載にくわえ必要十分なインタフェースやDVDドライブの搭載など、快適なパフォーマンスで使い勝手もグッドです。
通常価格は税込5万円台からとリーズナブル。
(クーポンを利用することでさらにお安くなります)
リビングや書斎などに置いてもジャマにならず、ふだんの生活のなかでもスマートに使えるモデルです。
- コンパクトで省スペースに置ける
- 第9世代 Core プロセッサー搭載で性能レベルが意外と高く快適に使える
- 必要十分なインターフェスで使い勝手もグッド
- リーズナブルな価格
レビューでは、前半で外観デザインや本体内部をチェック、後半では各種ベンチマークを使った性能レビューを行います。
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第11世代インテル Core プロセッサー搭載モデルのレビューです。
24インチサイズのモニターが大きく見えるくらいコンパクト
レビュー内容は 2019年10月15日時点のものです。
スペック構成
『Inspironスモールデスクトップ(3470)』には、CPU・メモリ・ストレージ・グラフィックスのスペックの違いにより複数のモデルがラインナップしています。
OS | Windows 10 Home 64ビット 日本語 |
CPU | ■第9世代インテル Core i3-9100 プロセッサー ■第9世代インテル Core i5 9400 プロセッサー |
メモリ | Core i3 搭載時 ■4GB, 4Gx1 DDR4, 2400MHz UDIMM Core i5 搭載時 ■8GB, 8Gx1, DDR4, 2666MHz |
ストレージ | Core i3 搭載時 ■1TB HDD(3.5インチ, 7200 rpm) Core i5 搭載時 ■128GB SSD(M.2 PCIe NVMe)+1TB HDD(3.5インチ, 7200 rpm) |
光学ドライブ | Tray load DVD ドライブ (Reads and Writes to DVD/CD) |
グラフィックス | インテル UHD グラフィックス 630 |
LAN | 10/100/1000 Mbps オンボードEthernetコントローラ |
ワイヤレス | WiFi 802.11b/g/n、Bluetooth 4.0 |
インターフェース | ■前面 マルチカードリーダー×1、オーディオ コンボ ジャック×1、USB 3.1 Gen1 Type-A×2 ■背面 ライン入力/出力/マイク ポート×1、VGA×1、HDMI出力×1、USB 2.0×4、LAN ポート×1 |
拡張スロット | PCIe x1スロット×1、PCIe x16スロット×1 |
キーボード&マウス | USB対応キーボード&マウス |
本体サイズ(W×D×H) | 縦置き:約 92.6×292×290 mm |
本体質量 | 約 4.8kg(最小重量) |
今回のレビューでは、メーカーからお借りしたプレミアムモデルを試用してレビューを行います。
■プレミアムモデルの基本スペック
Core i5/8GBメモリ/128GB SSD+1TB HDD
なお、Inspironスモールデスクトップには最新機種の Inspironスモールデスクトップ(3471) も販売されています。
最新機種では、CPU に Core i7 9700 プロセッサーを搭載したモデルや Pentium Gold Processor G5420 を搭載したモデルのほか SSD+HDD のデュアルストレージ構成が「256GB SSD+1TB HDD」にアップグレードされたモデルなど、ラインナップも拡充しています。
モデルごとの構成や価格・クーポンなどの最新情報はデルオンラインストアをご確認ください。
外観チェック
シンプルなデザイン
『Inspironスモールデスクトップ』のフロントパネルは光沢のあるブラック。シンプルなデザインです。
前後から見た写真です。
左右の側面です。
正面に向かって左側面
正面に向かって右側面
天面と底面です。
天面
底面
底面のゴム足は前後左右の四隅に実装されています。
サイドカバーにもゴム足の形状で出っ張りがあります。本体を縦置きにした状態でサイドカバーを外したときのカバーの落下を防止してくれます。
コンパクトサイズなので省スペースに置けて圧迫感がない!
本体の大きさのイメージです。
本体の大きさイメージ(比較対象はティシューボックス)
縦横のサイズがコンパクトなので、省スペースのデスクやテーブルに設置しても圧迫感がありません。
ちなみに、ミニタワー型の InspironデスクトップPC と比較すると Inspironスモールデスクトップのコンパクトさがわかります。
インターフェース
コンパクトボディに必要十分なインターフェースを実装
前面側と背面側のインターフェースです。
■前面側
①DVDドライブ
②電源ボタン
③SD カードスロット
④ヘッドセットポート
⑤USB 3.1 Gen 1 ポート×2
■背面側
⑥マイクポート
⑦ライン出力ポート
⑧ライン入力ポート
⑨VGA 出力ポート
⑩HDMI 出力ポート
⑪USB 2.0 ポート×4
⑫LAN ポート
⑬電源ポート
DVDドライブへメディアをセットしたときのイメージです。
SDカードスロットは抜き挿し方式です。
SDカードをシッカリと挿し込んだ状態
必要十分なインターフェースが実装されています。
とくにコンパクトボディに使い勝手を考慮し必要十分なインターフェースを実装している点も好印象です。
ちなみに、実装されているインターフェースは上述のミニタワー型 InspironデスクトップPC と同じです。
本体内部
『Inspironスモールデスクトップ』の本体内部をチェックします。
パーツへはアクセスしにくい
サイドカバーは 2本のネジを外し背面側にスライドさせれば簡単に開けることができます。なお、工具はプラスまたはマイナスドライバーが必要です。
矢印の指すところがサイドカバーを固定しているネジ
本体内部の全体イメージです。
各パーツの実装エリアをチェックします。
CPU の実装エリアです。
CPU
CPU にはピンポイントで吸気できるようにフードがかぶせてあり、CPU を効率よく冷却できるように工夫されています。
HDD と DVDドライブの実装エリアです。
HDD(DVDドライブは HDD の陰に)
HDD ドライブの奥に DVDドライブが実装されています。
また、メモリは DVDドライブの奥に実装されているため、メモリ増設するときは HDD と DVDドライブを取りはずす必要があります。
メモリ
取りはずし方はデル公式サイトの製品ページで公開されている「サービスマニュアル」に掲載されています。
メモリの増設・換装などは少し面倒ですが、手順がわかりやすく書いてあるので自身での増設も十分可能です。
SSDと拡張スロットの実装エリアです。
SSDと拡張スロット
拡張スロットは、PCIe x16スロットと PCIe x1スロットが 1スロットずつ実装されています。
電源ユニットは、底面に実装されています。
電源ユニットの最大出力 200W です。
コンパクトな本体なだけに各パーツの実装はやや複雑な構造になっています。
ベンチマーク
ベンチマークでは、レビュー機の『Inspironスモールデスクトップ』の CPU・グラフィック・ストレージなど、各パーツの性能のほか、総合的なパフォーマンスを測定します。
測定結果については、性能レベルの程度を把握しやすくするため、以前レビューしたミニタワー型の「Inspironデスクトップ(3670)」のスコアと比較します。
今回スコアを比較する 2機種の基本スペックは以下のとおり。
基本スペック | スモールデスクトップ | デスクトップ(3670) |
---|---|---|
CPU | Core i5 9400 | Core i7 9700 |
メモリ | 8GBメモリ(2666MHz) | 8GBメモリ(2666MHz) |
ストレージ | 128GB SSD+1TB HDD | インテル Optane メモリー+1TB HDD |
グラフィックス | インテル UHD グラフィックス 630 | インテル UHD グラフィックス 630 |
スペックに多少の違いはありますが、両機種を比較検討する際に、サイズ感を含めパフォーマンスの違いなど参考になると思います。
左側が Inspironデスクトップ(3670)
右側が Inspironスモールデスクトップ
実施したベンチマークは以下のとおりです。
項目 | ベンチマーク |
---|---|
CPU性能 | CINEBENCH R15 |
CINEBENCH R20 | |
グラフィック性能 | 3DMark |
ストレージ性能 | CrystalDiskMark |
総合的なパフォーマンス | PCMark 10 |
<関連記事>
⇒ Inspironデスクトップ(3670) 実機レビュー
CPU性能
CPU性能は CINEBENCH R15 と CINEBENCH R20 を使って評価します。
CINEBENCH R15 | スモールデスクトップ | デスクトップ(3670) |
---|---|---|
CPU | 949 cb | 1286 cb |
CPU (Single Core) | 176 cb | 195 cb |
MP Ratio | 5.39 x | 6.60 x |
CINEBENCH R20 | スモールデスクトップ | デスクトップ(3670) |
---|---|---|
CPU | 2298 cb | 2991 cb |
CPU (Single Core) | 425 cb | 468 cb |
MP Ratio | 5.41 x | 6.39 x |
Core i7 9700 を搭載した「デスクトップ(3670)」と Core i5 9400 を搭載した「スモールデスクトップ」の CPU の性能差は意外と大きいようです。
とはいえ、Core i5 9400 の性能レベルも高いので、ふだん使いをメインとするなら Core i5 搭載モデルでも充分です。
ちなみに、新モデルの「Inspironスモールデスクトップ(3471)」には Core i7 搭載モデルがラインナップしているので、趣味としての写真・動画編集など高度な作業をより快適なパフォーマンスで使うなら、こちらをチェックしてみても良いかもしれません。
グラフィック性能
ゲーム系のベンチマーク「3DMark」でグラフィックスの性能評価を行います。
3DMark | スモールデスクトップ | デスクトップ(3670) |
---|---|---|
Cloud Gate | 8709 | 10056 |
Night Raid | 5028 | 5500 |
Sky Diver | 4220 | 4794 |
Fire Strike | 984 | 1120 |
Time Spy | 403 | 460 |
3DMark の各テスト内容は以下のとおり。
Cloud Gate | ホームPCやノートPC向けで DirectX 10 を想定したグラフィックス性能テスト |
---|---|
Night Raid | DirectX 12 を使用したモバイルPCなど低スペックPC向けのグラフィックス性能テスト |
Sky Diver | DirectX 11 を使用したミドルレンジ・ゲーミングノート向けのグラフィックス性能テスト |
Fire Strike | DirectX 11 を使用したハイパフォーマンスゲーミングPC向けのグラフィックス性能テスト |
Time Spy | DirectX 12 を使用したゲーミングPC向けのグラフィックス性能テスト |
グラフィックスは両機種とも CPU 内蔵のインテル UHD グラフィックス 630 を搭載しているにもかかわらず、『Inspironスモールデスクトップ』のスコアが Inspironデスクトップにくらべ若干下回っているのは、CPU の性能差が影響しているからです。
グラフィックスの性能は映像描画のなめらかさに関係してきますが、実際の使用では体感的な違いはほとんどないはずです。
ストレージ
ストレージのベンチマークです。
両機種ともにデュアルストレージ構成ですが、ここでは CrystalDiskMark を使用してシステムドライブのシーケンシャルリード(読み込み)とシーケンシャルライト(書き込み)のデータ転送速度を比較します。
データ転送速度 | スモールデスクトップ | デスクトップ(3670) |
---|---|---|
シーケンシャルリード | 558.6 MB/s | 939.1 MB/s |
シーケンシャルライト | 345.4 MB/s | 180.3 MB/s |
Inspironスモールデスクトップが NVMe対応の SSD を搭載しながら スコアが 500 MB/s 前後におさまっているのは容量が 128GB のためです。NVMe対応の SSD は大容量ほどデータ転送速度が高速です。(512GB を超えるとさらに高速になります)
また、Inspironデスクトップ(3670) では インテル Optane メモリを搭載することで SSD なみにデータ転送速度がアップしています。
総合的なパフォーマンス
PCMark 10 を使用して、PCのアプリケーション実行における総合的なパフォーマンスを測定します。
PCMark 10 Extended | スモールデスクトップ | デスクトップ(3670) |
---|---|---|
Total Score | 2676 | 2953 |
Essentials | 8334 | 8908 |
Productivity | 6450 | 6781 |
Digital Content Creation | 3134 | 3648 |
Gaming | 823 | 934 |
※テスト項目説明
Total Score(総合的な評価)
Essentials(普段の作業を想定した基本的なテスト)
Productivity(ビジネスソフトの使用を想定したテスト)
Digital Contents Creation(写真・動画編集を想定したテスト)
Gaming(ゲーミングソフトの使用を想定したテスト)
スペックなりの結果です。
比較機種の Inspironデスクトップ(3670) でスペックが上回っているのは CPU だけです。
Inspironスモールデスクトップでも、CPU を Core i7 9700 にするだけでかなりのパフォーマンスアップが見込めるということになります。
搭載ソフトウェア
『Inspironスモールデスクトップ』に搭載されている主なソフトウェアです。
Windows標準のソフトのほか、Dell サポート関連ソフトやマルチメディアコンテンツの統合パッケージ「CyberLink Media Suite Essentials」、セキュリティソフト「マカフィー リブセーブ」などがインストールされています。
CyberLink Media Suite Essentials には動画編集ソフトや DVD再生ソフト、ライティングソフトが含まれているので DVDドライブを活用したマルチメディアを気軽に楽しめます。
CyberLink Media Suite Essentials
付属品
『Inspironスモールデスクトップ(3470)』の本体ほか電源コード、キーボードとマウス、ドキュメント類など同梱品一式です。
キーボードとマウスは USB対応ですが、Dell純正のワイヤレスキーボードとマウスをオプションで追加することもできます。
また、マニュアル類は簡易的でかんたんな内容が記載されている程度ですが、製品の使い方や取り扱いに関する詳細な情報はデル公式サイトで公開されています。
まとめ
以上、『Inspironスモールデスクトップ(3470)』のレビュー記事をお届けしました。
『Inspironスモールデスクトップ』はコンパクトながら必要十分なインターフェースや DVDドライブなどデスクトップPCとして快適に使える性能・機能を備えています。
本体内部へのアクセスはちょっと面倒なのは残念な点。
それでも、コンパクトサイズでデスクトップPC のパワーを手に入れられるのは魅力です。
レビュー機の使用感としても軽快な動作でパフォーマンスも快適でした。
通常価格が税込5万円台からとリーズナブルな価格も魅力です。
※クーポンの割引率によっては 15%~20%オフの価格で購入できます。
評価のポイントをまとめると・・・
高評価のポイント
・コンパクトで省スペースに置ける
・コンパクトでも快適に使える性能や機能をシッカリ搭載している
・リーズナブルな価格
残念なポイント
・本体内部へのアクセスが少し面倒
最新の価格やクーポン割引率などの最新情報は、デル直販サイト「デルオンラインストア」をご確認ください。