第14世代インテル Core プロセッサーを搭載した最新機種のレビュー記事はこちらをご覧ください。
日本HP が販売する Victus 15L (インテル) [以下、Victus 15L と記載]は、第13世代インテル Core プロセッサーと NVIDIA GeForce RTX 40 シリーズを搭載したゲーミング・デスクトップPCです。
エントリークラスながらゲームを快適にプレイできるパワフル性能をコンパクトな筐体に搭載。ベンチマークによる性能評価も優秀です。
高いレベルの性能にくわえシンプルで落ち着いた雰囲気のあるデザインなので、写真・動画編集などクリエイティブ作業用としてもおすすめです。
- 第13世代インテル Core プロセッサー & NVIDIA GEFORCE RTX 40 シリーズを搭載
- シンプルで落ち着いた雰囲気のあるデザイン
- Victus インフィニティミラーがアクセント(RGBライティングできる)
- コンパクトな筐体なので省スペースに設置できる
- 豊富なインターフェースを搭載
- 独自ソフトウェア「OMEN Gaming Hub」をインストール、パフォーマンスモードの切り替えやライティング設定などが可能
- メモリやHDDの増設/換装が可能(ただし、本体内部へのアクセスは面倒)
本記事では、メーカーからお借りした実機を試用し、前半で外観デザインや本体内部をチェック、後半では各種ベンチマークを使った性能評価を行います。
【 目 次 】
レビューは 2023年11月22日時点の内容です。
スペック構成
Victus 15L (インテル) のおもなスペックは以下のとおり。
シリーズ名 | Victus by HP 15L Gaming Desktop TG02-1000jp シリーズ |
OS | Windows 11 Home |
プロセッサー | ■インテル Core i5-13400F プロセッサー ■インテル Core i7-13700F プロセッサー |
メモリ | 16GB (8GB×2) DDR4-3200MHz (最大32GB) |
ストレージ | ■512GB M.2 SSD (PCIe NVMe) ■512GB M.2 SSD (PCIe NVMe)+2TB HDD (SATA, 7200回転) |
グラフィックス | ■NVIDIA GeForce RTX 3050 ■NVIDIA GeForce RTX 4060 ■NVIDIA GeForce RTX 4060 Ti |
LAN | 10/100/1000 Mbps オンボードネットワークコネクション |
ワイヤレス | IEEE 802.11ax (Wi-Fi 6)、Bluetooth 5.3 |
本体サイズ (W×D×H) | 約 155×297.3×337 mm (縦置き) |
重量 | 約 6.31 kg |
Victus 15L は、CPU やストレージ、グラフィックスタイプの構成により以下の4モデルがラインナップしています。
■スタンダードモデル
Core i5-13400F/ RTX 4060/ 512GB SSD
■スタンダードプラスモデル
Core i5-13400F/ RTX 4060 Ti/ 512GB SSD
■パフォーマンスモデル
Core i7-13700F/ RTX 3050/ 512GB SSD+2TB HDD
■パフォーマンスプラスモデル
Core i7-13700F/ RTX 4060 Ti/ 512GB SSD+2TB HDD
詳しいスペックや価格、キャンペーンなど最新情報は日本HP公式サイトをご確認ください。
Victus 15L (インテル)
税込 12万円台から
【広告】【提供:株式会社日本HP】
当サイトでは日本HP公式オンラインストア「HP Directplus」で使える最大7%オフ特別クーポンを提供中です。
外観チェック
シックなイメージのコンパクトデザイン
Victus 15L はシックなイメージのデザインです。
本体のカラーは「マイカシルバー」。イメージ的にはブラックにちかいカラーで落ち着いた雰囲気のある色合いです。
前後左右からの外観です。
正面側と背面側
左側面(本体正面に向かって)
右側面(本体正面に向かって)
フロントパネルの中央には「Victus インフィニティミラー」と呼ばれるブランドマークを配置。
フロントパネル
奥行き感があるイメージでデザインされ、なにか無限の可能性を感じます。
なお、Victus インフィニティミラーは RGBライティング可能です。
ライティングは、パフォーマンスなどを使い方にあわせてコントロールできるアプリケーション「OMEN Gaming Hub」で設定可能。色やブリンクなどお好みのライティングに設定できます。
OMEN Gaming Hub によるライティング設定
ライティングで照らされたVictus インフィニティミラーにより気分的にもスイッチがはいります。
なお、天面側と底面側の外観イメージは以下のとおり。
天面側
底面側
ゴム足は前面側の左右に実装されています。背面側は型取りされたボディの一部ですが安定性は良好です。
省スペースに置ける
本体の大きさは 約 155(幅)×297.3(奥行き)×337(高さ) mm。
ゲーミングデスクトップながら本体はコンパクト。奥行きが浅く高さもないのでデスク上に設置しても圧迫感は少ないと思います。
2リットルのペットボトルと大きさ比較
以下は、21.5インチモニターや 23.8インチサイズのモニターと並べたときのイメージです。
21.5インチモニターと大きさ比較
23.8インチモニターと大きさ比較
インターフェースのチェック
Victus 15L のインターフェースをチェックします。
■天面フロント側
①電源ボタン
②ヘッドフォン出力/マイク入力コンボポート
③SuperSpeed USB Type-A 5Gbps ×2
④SuperSpeed USB Type-A 10Gbps ×2
⑤SuperSpeed USB Type-C 5Gbps
■背面側
①左からマイク出力、ライン入力、ライン入力
②USB 2.0 Type-A ×4
③LANポート
④HDMI 2.1
⑤DisplayPort1.4a ×3
用途に合わせてアクセスしやすく種類・数とも必要十分です。
本体内部のチェック
Victus 15L の本体を分解、内部をチェックします。
本体内部へのアクセスは少し面倒
本体内部へアクセスするためには固定しているネジをはずしてから側面カバーを背面側にスライドさせて取りはずします。
※トルクスドライバー T15 またはマイナスドライバーが必要です。
矢印の指すネジをはずす
本体内部の全体イメージです。
本体内部の全体イメージ
本体内部のパーツにアクセスするにはブラケットを取りはずす必要があります。ブラケットを取りはずす手順は以下のとおり。
まず、フロントパネルをはずします。
フロントパネルを固定しているツメ(矢印)をはずす
フロントパネルを開く
フロントパネルは取り外すことができます。ただし、マザーボードとフロントパネルを接続しているケーブルに注意してください。
ケーブルに注意
なお、ケーブルはマザーボード側から取り外せます。(慎重に取り外してください)
つぎに、黒色のブラケットを取りはずします。
矢印のネジを外す
ブラケットを下側に倒すように開く
上部のブラケットを取りはずします。
矢印のネジを外す
ブラケットを上側に開くように取りはずす
上部のブラケットはドライブベイも兼ねているようです。(ドライブはベイの裏側からネジ止めできそう)
ドライブベイとして使えそう
これですべてのパーツにアクセスできます。
本体内部の全体イメージ
各パーツの実装エリアをチェックします。
CPU とメモリの実装エリアです。
CPU・メモリ・排熱用ファン
CPU の下には、グラフィックスボード NVIDIA GeForce RTX 4060 Ti を搭載。
グラフィックスボードは NVIDIA GeForce RTX 4060 Ti
SSD と ワイヤレス LANカードはフロント側に実装。
SSD と ワイヤレスLANカードはフロント側
HDD は、フロント側シャーシの下側に実装されています。
HDD はフロント下側
HDD は矢印のネジで固定されている
電源ユニットは 80PLUS GOLD(最大出力 500W)です。
電源ユニットは 80PLUS GOLD
本体内部のパーツへのアクセスは面倒です。ただ、パーツの増設や換装は頻繁にはやらないので、それほど問題にはならないと思います。
ベンチマークによる性能評価
ベンチマークでは、レビュー機の CPU・グラフィック・ストレージ性能のほか総合的なパフォーマンスを評価します。
■レビュー機の基本スペック
OS | Windows 11 Home |
CPU | インテル Core i7-13700F |
メモリ | 16GB (8GB×2) |
ストレージ | 512GB M.2 SSD (PCIe NVMe)+2TB HDD (SATA, 7200回転) |
グラフィックス | NVIDIA GeForce RTX 4060 Ti |
■使用したベンチマーク
比較項目 | 使用するベンチマーク |
---|---|
CPU性能 | CINEBENCH R23[CPUのレンダリング性能評価] |
CPU Mark (PassMark PerformanceTest)[CPU性能の総合評価] | |
グラフィック性能 | 3DMark Time Spy |
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ[中量級のゲーム] | |
ファイナルファンタジーXV[重量級のゲーム] | |
ストレージ性能 | CrystalDiskMark |
総合的なパフォーマンス | PCMark 10 |
なお、Victus 15L にはパフォーマンスなどを使い方にあわせてコントロールできるアプリケーション「OMEN Gaming Hub」がインストールされています。
ベンチマークの実施にあたっては、OMEN Gaming Hub のパフォーマンスコントロールを「初期設定」と「パフォーマンス」の2モードそれぞれで実行しています(ファン速度は「自動」)。
OMEN Gaming Hub パフォーマンスコントロール
CPU性能
CPU性能は CINEBENCH R23(マルチコア/シングルコア) と CPU Mark(PassMark PerformanceTest) のベンチマークスコアで評価します。
評価にあたっては、性能レベルを把握するため下記 CPU のスコアと比較します。
・インテル Core i7-13700K プロセッサー
・インテル Core i5-13400 プロセッサー
・インテル Core i7-12700 プロセッサー
・インテル Core i7-12700K プロセッサー
・AMD Ryzen 5 5600X プロセッサー
・インテル Core i7-1360P プロセッサー(*1)
・インテル Core i5-1340P プロセッサー(*1)
・AMD Ryzen 7 7730U プロセッサー(*1)
・AMD Ryzen 5 7530U プロセッサー(*1)
※当サイトで計測したスコアの平均値
(*1)はノートPC 向け CPU のスコア
■CINEBENCH R23[CPUのレンダリング性能評価]
CPU | |
---|---|
Core i7-13700K |
28431 pts
|
Core i7-13700F(レビュー機/パフォーマンス) |
24250 pts
|
Core i7-12700K |
22459 pts
|
Core i7-13700F(レビュー機/初期設定) |
19140 pts
|
Core i7-12700 |
18566 pts
|
Core i5-13400 |
14327 pts
|
Core i7-1360P |
10494 pts
|
Ryzen 5 5600X |
10431 pts
|
Ryzen 7 7730U |
9603 pts
|
Core i5-1340P |
9040 pts
|
Ryzen 5 7530U |
7502 pts
|
CINEBENCH R23 (シングルコア) | |
---|---|
Core i7-13700K |
2076 pts
|
Core i7-13700F(レビュー機/パフォーマンス) |
2008 pts
|
Core i7-13700F(レビュー機/初期設定) |
1993 pts
|
Core i7-12700K |
1924 pts
|
Core i7-12700 |
1866 pts
|
Core i7-1360P |
1755 pts
|
Core i5-13400 |
1744 pts
|
Core i5-1340P |
1606 pts
|
Ryzen 5 5600X |
1521 pts
|
Ryzen 7 7730U |
1438 pts
|
Ryzen 5 7530U |
1408 pts
|
■CPU Mark(PassMark PerformanceTest)
CPU Mark | |
---|---|
Core i7-13700K |
46366
|
Core i7-13700F(レビュー機/パフォーマンス) |
38957
|
Core i7-12700K |
34664
|
Core i7-13700F(レビュー機/初期設定) |
33613
|
Core i7-12700 |
32463
|
Core i5-13400 |
21695
|
Ryzen 5 5600X |
21679
|
Core i7-1360P |
20885
|
Ryzen 7 7730U |
19863
|
Core i5-1340P |
18918
|
Ryzen 5 7530U |
15632
|
レビュー機のスコアは優秀です。
インテル Core i7-13700K プロセッサーの性能には及びませんが、エントリークラスに搭載されているプロセッサーとしては非常にパワフルです。
グラフィック性能
グラフィック性能はゲーム系のベンチマークで評価します。
評価にあたっては、グラフィックス性能レベルを把握するため当サイトでレビューした下記グラフィックスのスコアと比較します。
・NVIDIA GeForce RTX 4070 Ti
・NVIDIA GeForce RTX 3060 Ti
・NVIDIA GeForce RTX 3060
・NVIDIA GeForce RTX 2070 SUPER
・NVIDIA GeForce RTX 2060 SUPER
・NVIDIA GeForce GTX 1660 Ti
・AMD Radeon RX 6700XT
・インテル UHD グラフィックス 770
・インテル UHD グラフィックス 730
・AMD Radeon グラフィックス
※当サイトで計測したスコアの平均値
3DMark Time Spy
Time Spy は DirectX 12 を使用したハイパフォーマンスゲーミングPC向けのグラフィックス性能テストです。
3DMark Time Spy | |
---|---|
RTX 4070 Ti |
21024
|
RTX 4060 Ti(レビュー機/パフォーマンス) |
13577
|
RTX 4060 Ti(レビュー機/最適) |
13153
|
RTX 3060 Ti |
11416
|
AMD Radeon RX 6700XT |
11272
|
RTX 2070 SUPER |
9766
|
RTX 3060 |
9211
|
RTX 2060 SUPER |
8709
|
GTX 1660 Ti |
6372
|
AMD Radeon |
920
|
インテル UHD 770 |
827
|
インテル UHD 730 |
630
|
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ[中量級のゲーム]
漆黒のヴィランズ | |
---|---|
RTX 4070 Ti |
29917
|
RTX 4060 Ti(レビュー機/パフォーマンス) |
25388
|
RTX 4060 Ti(レビュー機/最適) |
24865
|
AMD Radeon RX 6700XT |
22730
|
RTX 3060 Ti |
22286
|
RTX 3060 |
20666
|
RTX 2070 SUPER |
19746
|
RTX 2060 SUPER |
18464
|
GTX 1660 Ti |
14966
|
インテル UHD 770 |
2153
|
AMD Radeon |
2069
|
インテル UHD 730 |
1379
|
※最高品質/解像度 1920×1080 で実施
ファイナルファンタジーXV[重量級のゲーム]
ファイナルファンタジーXV | |
---|---|
RTX 4070 Ti |
17066
|
AMD Radeon RX 6700XT |
16014
|
RTX 4060 Ti(レビュー機/パフォーマンス) |
11697
|
RTX 4060 Ti(レビュー機/最適) |
11619
|
RTX 3060 Ti |
10271
|
RTX 2070 SUPER |
9104
|
RTX 2060 SUPER |
7758
|
RTX 3060 |
6599
|
GTX 1660 Ti |
5851
|
インテル UHD 770 |
797
|
AMD Radeon |
765
|
インテル UHD 730 |
542
|
※高品質/解像度 解像度 1920×1080 で実施
レビュー機のグラフィックス性能は優秀です。
レビュー機に搭載されている GeForce RTX 4060 Ti は、RTX 40 シリーズのなかでは下位モデルにあたりますが、たいていの重量級ゲームも快適にプレイできるでしょう。とくにゲーム入門機として使うならかなりパワフルなパフォーマンスを実感できるはずです。
ストレージ性能
レビュー機のストレージは SSD(容量 512GB、NVMe対応) と HDD(容量 2TB、7200回転/分)のデュアルストレージ構成です。
ストレージ性能については、CrystalDiskMark を使用して計測したデータ転送速度で評価します。
SSD
HDD
SSD は NVMe 対応でデータアクセスも超高速です。Windows やアプリの起動も早いです。
また、HDD は回転数が 7200回転/分 の高速タイプを実装しており計測結果も良好です。
総合的なパフォーマンス
PCMark 10 Extended を使って、実際の使用を想定した性能評価を行います。
評価にあたっては、性能レベルの違いを把握するため下記機種のスコアと比較します。
・OMEN 40L Desktop (2023年モデル)
・OMEN 25L Desktop (インテル) (2022年モデル)
・HP ENVY Desktop TE02 (2022年モデル)
※パフォーマンスモードに相当する設定で計測した結果
各機種の基本スペックは以下のとおり。
スペック | Victus 15L | OMEN 40L | OMEN 25L | ENVY Desktop |
---|---|---|---|---|
CPU | インテル Core i7-13700F | インテル Core i7-13700K | インテル Core i7-12700F | インテル Core i7-12700K |
メモリ | 16GB(8GB×2) | 32GB(16GB×2) | 16GB(8GB×2) | 32GB(16GB×2) |
ストレージ | 512GB SSD+2TB HDD | 2TB SSD | 1TB SSD | 1TB SSD |
グラフィックス | GeForce RTX 4060 Ti | GeForce RTX 4070 Ti | GeForce RTX 3060 | GeForce RTX 3060 Ti |
ベンチマーク結果は以下のとおり。
■ベンチマーク結果
Essentials | |
---|---|
Victus 15L (レビュー機/初期設定) |
10364
|
Victus 15L (レビュー機/パフォーマンス) |
10734
|
OMEN 40L |
10293
|
OMEN 25L |
10757
|
ENVY Desktop |
10413
|
目標値 |
4100
|
Productivity | |
Victus 15L (レビュー機/初期設定) |
11448
|
Victus 15L (レビュー機/パフォーマンス) |
11194
|
OMEN 40L |
11667
|
OMEN 25L |
10087
|
ENVY Desktop |
10815
|
目標値 |
4500
|
Digital Contents Creation | |
Victus 15L (レビュー機/初期設定) |
13758
|
Victus 15L (レビュー機/パフォーマンス) |
14389
|
OMEN 40L |
16212
|
OMEN 25L |
12293
|
ENVY Desktop |
13067
|
目標値 |
3450
|
Gaming | |
Victus 15L (レビュー機/初期設定) |
25813
|
Victus 15L (レビュー機/パフォーマンス) |
26063
|
OMEN 40L |
36320
|
OMEN 25L |
17378
|
ENVY Desktop |
21552
|
※テスト項目説明
・Essentials(普段の作業を想定した基本的なテスト)
・Productivity(ビジネスソフトの使用を想定したテスト)
・Digital Contents Creation(写真・動画編集を想定したテスト)
・Gaming(ゲーミングソフトの使用を想定したテスト)
※目標値はベンチマークソフト開発メーカーの推奨スコア
レビュー機のスコアは優秀です。
とくにゲーミング性能のほかクリエイティブ性能は前モデルの OMEN 25L や ENVY Desktop を大きく上回るスコアが出ています。
エントリークラスとはいえ性能レベルは意外に高く、ゲーム入門者のほか中級者も満足のパフォーマンスでプレイできるのではないでしょうか。
関連記事
クリエイティブ性能の評価
クリエイティブ性能は RAWデータ現像(JPEGファイル書き出し)と動画エンコードの処理時間で評価します。
評価にあたっては、上記の総合的なパフォーマンスで使用した機種の処理時間と比較します。
・OMEN 40L Desktop (2023年モデル)
・OMEN 25L Desktop (インテル) (2022年モデル)
・HP ENVY Desktop TE02 (2022年モデル)
※パフォーマンスモードに相当する設定で計測した処理時間
RAWデータ現像
RAWデータ現像に使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。
■使用ソフトウェア
CyberLink PhotoDirector
Adobe Photoshop Lightroom
Adobe Photoshop Lightroom Classic
■条件等
・RAWデータ 50ファイルをJPEG形式で一括書き出し
・RAWデータサイズ 4,592×3,056(約14MB)
・プリセット等 編集は適用しない
・ほかのアプリは起動しない(常駐アプリは除く)
PhotoDirector | |
---|---|
Victus 15L (レビュー機/初期設定) |
35秒4
|
Victus 15L (レビュー機/パフォーマンス) |
33秒1
|
OMEN 40L |
31秒6
|
OMEN 25L |
32秒9
|
ENVY Desktop |
33秒8
|
Photoshop Lightroom | |
Victus 15L (レビュー機/初期設定) |
15秒9
|
Victus 15L (レビュー機/パフォーマンス) |
15秒9
|
OMEN 40L |
8秒4
|
OMEN 25L |
13秒4
|
ENVY Desktop |
16秒1
|
Lightroom Classic | |
Victus 15L (レビュー機/初期設定) |
20秒2
|
Victus 15L (レビュー機/パフォーマンス) |
20秒2
|
OMEN 40L |
13秒0
|
OMEN 25L |
13秒9
|
ENVY Desktop |
21秒3
|
動画エンコード
動画エンコードに使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。
■使用ソフトウェア
CyberLink PowerDirector
■条件等
・AVCHD動画(1920×1080)を mp4 形式で出力(m2ts→mp4、720p、1280×720/30p 16Mbps)
・動画再生時間 10分間
・ほかのアプリは起動しない(常駐アプリは除く)
PowerDirector | |
---|---|
Victus 15L (レビュー機/初期設定) |
1分6秒0
|
Victus 15L (レビュー機/パフォーマンス) |
57秒1
|
OMEN 40L |
1分3秒4
|
OMEN 25L |
1分2秒5
|
ENVY Desktop |
1分16秒0
|
実際のソフトウェアを使ったクリエイティブ性能も優秀です。写真・動画編集などクリエイティブ作業用としても快適に活用できます。
駆動音・パーツ温度のチェック
駆動音は、下記処理中の音量(デシベル)を測定し、評価します。
・10分間動画のエンコード処理中
・ファイナルファンタジーXV (1920×1080/高品質) ベンチマーク実行中
※OMEN Gaming Hub のパフォーマンスコントロールを「初期設定」と「パフォーマンス」の2つのモードで測定(ファン速度は「自動」)
※一般住宅で周囲の音ができるだけ入らないようにして測定(室温:24℃)
音量計測イメージ
(使用測定器:Meterk SLM01)
■測定結果
モード | アイドル状態 (最小音量) |
最大音量 下段はピーク時の音量推移 |
|
---|---|---|---|
動画エンコード | ファイナルファンタジー | ||
初期設定 | 37.8db | 43.4db (41~43db) |
51.5db (49~51db) |
パフォーマンス | 39.5db | 51.2db (50~51db) |
55.9db (53~55db) |
■騒音の目安
騒音の大きさ | 騒音の具体例 |
---|---|
60 デシベル | 走行中の自動車内 普通の会話 デパート店内 |
50 デシベル | 家庭用エアコンの室外機 静かな事務所の中 |
40 デシベル | 閑静な住宅地の昼 図書館内 |
30 デシベル | 深夜の郊外 鉛筆での執筆音 |
20 デシベル | 木の葉の触れ合う音 雪の降る音 |
参考:埼玉県深谷市ホームページ「騒音・振動の規制について」
平常時は、「ウーッ」というファン音が少し聞こえますが うるさく感じることはないと思います。
高負荷時は、「ウーッ」というファン音が大きくなります。それなりに大きい音なので うるさく感じるかもしれません。
なお、参考情報として、OMEN Gaming Hub のファン速度を「最大」にしたときファン音はかなり大きくなります。負荷状況によらず 60db くらいの大音量で、そのぶん本体内部を急速に冷却できます。ヘッドフォンを装着していればファン音は聞こえませんが、ファン速度は使用環境やゲームプレイの状況にあわせて切り替えると良いかもしれません。
パーツ温度のチェック
パーツ温度については、下記を実施中の CPUとdGPU(グラボ)の動作周波数と温度を計測・評価します。
・CPU ベンチマーク「CINEBENCH R20」実行中
・動画エンコード中
・ファイナルファンタジーXV(高品質、FHD)実行中
※CPU ベンチマークでは CPU のみ計測
※計測時の室温:25℃
CPU ベンチマーク実行中
10分間動画のエンコード処理中
ファイナルファンタジーXV 実行中
高負荷な状態では CPU 温度が最大で一時的に 90℃ちかく上昇しますが、おおむね 80℃前後を推移しています。
また、動作周波数は CPU/GPUともに高いパフォーマンスで安定して推移しています。
ファン音は大きい反面、冷却性能は良好といえるでしょう。
Windows の起動・再起動・シャットダウン時間計測
Windows の起動時間、再起動時間、シャットダウン時間を それぞれ 5回ずつ計測しました。
起動 | 再起動 | シャットダウン | |
---|---|---|---|
1回目 | 14.6秒 | 30.1秒 | 5.7秒 |
2回目 | 13.9秒 | 26.5秒 | 5.6秒 |
3回目 | 14.6秒 | 26.6秒 | 5.4秒 |
4回目 | 14.5秒 | 29.7秒 | 5.6秒 |
5回目 | 16.7秒 | 26.4秒 | 5.3秒 |
平均 | 14.9秒 | 27.9秒 | 5.5秒 |
体感的にも早いです。処理待ちのストレスを感じることなくゲームを開始できます。
なお、実際の使用にあたってはインストールしているアプリや Windows Update など状態により変動するので参考値としてください。
同梱品
本体ほか同梱品一式です。
同梱品は以下のとおり。
・電源コード
・ドキュメント類
なお、電源コードのプラグは 3極(3P)です。一般家庭の 2極コンセントに差し込むためには 3P-2P変換アダプタなどを用意する必要があります。
3P-2P変換アダプタは付属しない
まとめ
以上、Victus 15L (インテル) のレビュー記事をお届けしました。
Victus 15L はエントリークラスながら性能は意外に高くパワフルです。
本体のパーツへのアクセスが面倒なわりに拡張性はいまひとつですが、エントリークラスであることや入手しやすい価格を考慮すればとくに問題にはならないかと。
ゲーム入門機として、あるいはゲームのほかクリエイティブ作業など幅広く活用したいユーザーにおすすめのモデルです。
高評価のポイント
- コンパクトサイズのエントリークラスでも性能レベルは意外に高くパワフル
- 冷却性能は良好
- RGBライティングがゲームプレイを演出
- OMEN Gaming Hub でマシンのパフォーマンスを最大化できる
気をつけておきたいところ
- 本体内部へのアクセスは面倒なわりに拡張性はイマイチ
- 高負荷時のファン音はうるさく感じるかも
ラインナップしているモデルや価格、キャンペーンなど最新情報は日本HP直販サイト「HP Directplus」をご確認ください。
Victus 15L (インテル)
税込 12万円台から
【広告】【提供:株式会社日本HP】
当サイトでは日本HP公式オンラインストア「HP Directplus」で使える最大7%オフ特別クーポンを提供中です。