東芝『dynabook AZ65/G』(2018年夏モデル)の実機レビュー 前編です。
『dynabook AZ65/G』は、スタイリッシュなデザインで快適性能を備えた 15.6型スタンダードノートPC です。
色補正を実施したフルHD液晶に描画される鮮やかでキレイな映像や、低音域から高音域まで広い音域を再現できる高音質なサウンドなど、写真・動画編集や動画の視聴などエンターテイメントも快適に楽しめます。
また、キートップに印刷された文字の視認性が従来モデルにくらべ格段にアップ。クッキリとした文字の印刷にくわえ、英文字をキートップの中心にレイアウトして見やすくなっているのも好印象です。
性能面やインターフェースなどの大きな進化はないものの(おそらく液晶やスピーカーなどの微調整はされていると思います)、動作も軽快で快適に使えるモデルです。
デザインと性能、使いやすさを兼ね備えた15インチノートをお探しのユーザーはチェックしておきたいモデルといえるでしょう。
前編は、外観デザインや、スペック、ディスプレイ、キーボードなどのレビューを行います。
なお、後編では、『dynabook AZ65/G』の性能レビューを実施しています。
(後編) ベンチマーク RAWデータ現像・動画エンコード処理時間計測 駆動音・表面温度 サウンド チェック Windows の起動・再起動・シャットダウン時間計測 搭載ソフトウェア 付属品 まとめ |
レビュー内容は 2018年9月6日時点のものです。
<参考>
『dynabook AZ65/G』は、Dynabook 直販サイト「Dynabook Direct」(旧東芝ダイレクト)で販売している Web専用モデル(2018年夏モデル)です。
第8世代インテル Core i7-8550U プロセッサーを搭載し、メモリ/ストレージが異なるスペック構成の 2モデルがラインナップしています。
■Core i7-8550U/16GBメモリ/1TB SSD
■Core i7-8550U/8GBメモリ/1TB SSHD
本体カラーは「サテンゴールド」のみ。
今回レビューするのは「Core i7-8550U/16GBメモリ/1TB SSD」搭載モデルです。
レビュー機のスペック構成については「スペックについて」の章をご覧ください。
外観について
『dynabook AZ65/G』はスタイリッシュなデザインで、サテンゴールドのカラーは派手派手しさを感じさせないスッキリとした印象のカラーです。
天面を見てみます。
2018年夏モデルの特徴の一つとして、天面にはカラーに合わせたグラフィック(パターン)が採用されています。
『dynabook AZ65/G』はサテンゴールドのみですが、こちらのカラーには「ヘアラインパターン」が採用されており、光沢のある淡いゴールドに施されたヘアラインパターンはオシャレ感と上質感を兼ね備えている印象です。
手で触れた印象はツルツルとしていて上質感があります。指紋や皮脂の跡も目立ちにくいです。
ちなみに、天面は IMR(成型同時加飾転写工法)といわれる技術でカラーに合わせたパターンが施されており、キズにも強いとか。
底面部をみてみます。
底面部は「ユニボディ」といわれる一つのユニットで構成されています。パーツの継ぎ目を極力排除し剛性を重視した構造で、見た目もスッキリしています。
立体的なストライプのテクスチャー加工が施されておりホワイトのカラーと合わせスッキリとして清潔感があります。
素材は樹脂(プラスチック)製ですが剛性もシッカリとしており、ストライプのテクスチャが手になじみ質感も良好です。
ゴム足は四隅に実装されており、安定性は良好です。
矢印の指すところがゴム足
バッテリーは取り外し可能です。ロックを解除してからバッテリーを取り外します。
内蔵バッテリーパックの容量は 2950mAh です。
バッテリー駆動による動作時間は、レビュー後編の「ベンチマーク・バッテリー」をご覧ください。
底面 中央部の「メモリカバー」を外すと、メモリにアクセスできます。
メモリスロットは 2枚挿し
なお、メモリの交換・増設の手順は、同梱の「取扱説明書」に記載されています。8GBメモリのモデルを選択したときには 16GBメモリへの増設も可能です。
次に、ヒンジをみてみます。
ヒンジのトルクは ほど良い感じで、天面の開け閉めもしやすく、タイピング中でもディスプレイのグラつきはありません。
前後左右の側面からみてみます。
前面側
背面側
左側面
右側面
次に、インターフェース等を見てみます。
左側面です。
①セキュリティロック・スロット
②LANコネクタ
③ブルーレイディスクドライブ
④USB2.0コネクタ×2
⑤マイク入力/ヘッドホン出力端子
ブルーレイディスクドライブを開いたときのイメージ画像です。
右側面です。
⑥ブリッジメディアスロット(SDカードなどのメディアスロット)
⑦USB3.0コネクタ
⑧USB3.0コネクタ(スリープアンドチャージ)
⑨HDMI出力端子
⑩排気口
⑪電源コネクタ
ブリッジメディアスロットはプッシュロック式です。SDカードを挿入するときは押し込んでロックさせ、取り出すときはもう一度押し込むことでカードが飛び出す構造です。
右側の画像が SDカードをシッカリ挿し込んだ状態
本体正面 右側には、電源・バッテリーの充電状態や、電源オン・オフの状態を確認できる「システムインジケータ」が実装されています。
電源ボタンは、キーボードの左奥にあります。(LEDは内蔵していません)
スピーカーは、底面部の前面側左右に実装されています。
低音用スピーカー2基と高音用スピーカー2基が搭載されています。オンキヨーと東芝が共同開発した「2way 4speakers」が採用されています。
ちなみに、スピーカーユニットは、スピーカーまわりの配線やネジ位置のミリ単位での調整のほか、音のひずみを抑える制振材が装着されているそうです。
実際に聴くサウンドもかなりの高音質です。詳細はレビュー後編の「サウンド チェック」をご覧ください。
Webカメラとマイクです。左側のカメラは IRカメラ(赤外線カメラ)で顔認証のときに動作します。
顔認証
タッチパッド左上には、指紋センサーも搭載されています。指紋センサーはタッチ式です。
IRカメラや指紋センサーは併用することも可能です。
いずれも認証精度は良好で、わずらわしいパスワードを入力することなく、顔認証や指紋認証で Windows にサインインできるので便利です。
これらの認証機能は、持ち歩きの少ない 15インチサイズのノートPCで使うシーンは少ないと思われがちですが、家族間で 1台のパソコンを共有するときなどに活用できます。
本体を閉じたときの高さのイメージです。
『dynabook AZ65/G』の高さを CD ケース(通常サイズ)2枚と比較
(通常サイズの CD の厚さは 10mm)
『dynabook AZ65/G』のゴム足を含めた高さは、実測値で 23mm(最薄部)~24mm(最厚部)。実際に手で持ってみた印象としても 15インチサイズながら分厚さを感じないスタイリッシュな印象です。
本体の大きさのイメージです。本体の上に A4コピー用紙と B5版ノートを載せています。
次に、本体や電源アダプターなどの重さを計測してみます。
本体の重さは 2,211g。電源アダプターと電源コードの重さは、それぞれ 143g、50gです。
本体を長時間持ち歩くことは厳しいですが、短時間での移動、部屋やオフィス内での移動は十分ラクにできます。
スペックについて
レビューに使用した『dynabook AZ65/G』の公開スペックです。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
CPU | インテル Core i7-8550U プロセッサー |
メモリ | 16GB(8GB×2)、PC4-19200(DDR4-2400)対応 SDRAM、デュアルチャネル対応 |
ストレージ | 1TB SSD(PCI Express対応) |
光学ドライブ | ブルーレイディスクドライブ |
ディスプレイ | 15.6型ワイド(16:9)FHD 高輝度・高色純度・広視野角 TFTカラー Clear SuperView LED液晶 |
グラフィックス | インテル UHD グラフィックス 620(CPUに内蔵) |
LAN | 1000Base-T/100Base-TX/10Base-T(自動認識、Wake-up on LAN対応) |
ワイヤレス | IEEE802.11a/b/g/n/ac準拠、Bluetooth Ver4.1準拠 |
Webカメラ | 有効画素数 約92万画素カメラ、デュアルマイク |
本体サイズ(W×D×H) | 約379.0(幅)×258.0(奥行)×23.7(高さ)mm |
質量 | 約2.4kg |
CPUやメモリなど、ハードウェアの詳細な情報をキャプチャーした結果は次のようになります。
CPU
キャッシュ
メインボード
メモリ
グラフィックス(CPU内蔵)
高いレベルの性能を備えており、写真・動画編集など負荷のかかる処理も軽快に動作してくれるスペック構成です。
とくに、ストレージの 1TB SSD は高速アクセスと大容量を兼ね備えており、写真や動画のようにサイズの大きいファイルやデータもたくさん保存できます。
なお、性能評価については、後編の性能レビューをご覧ください。
ディスプレイ
『dynabook AZ65/G』のディスプレイは 高輝度・高色純度のフルHD液晶です。
描画される映像は高精細で鮮やか、発色も良くとてもキレイです。
ディスプレイの映り込み具合を見てみます。
光沢液晶ですが高輝度なので映り込みは あまり感じません。照明の位置関係や使う場所にもよりますが、映り込みはほとんど気にならないと思います。
次に、視野角を確認してみます。
正面
右側 ディスプレイ面から45度の角度
右側 ディスプレイ面から30度の角度
上側 ディスプレイ面から45度の角度
上側 ディスプレイ面から30度の角度
水平方向、垂直方向ともに視野角は広く、斜めから見る映像も鮮明でキレイです。
次が、ディスプレイを開くことができる最大角度。
次は、ディスプレイに表示される文字の大きさを確認してみます。
下の画像は、Microsoft Edge に『dynabook AZ65/G』の製品ページを表示したものです。
Microsoft Edge の拡大設定でのデフォルト値は 100%、Windows 設定のディスプレイに表示するテキストスケーリングの推奨値は 125% です。
表示される文字は筆者のように小さい文字が苦手でもラクに見ることができます。
キーボード&タッチパッド
『dynabook AZ65/G』のキーボードのレイアウトです。
2018年夏モデルの特徴の一つとして、キートップの文字のプリント方法に新たな技法が取り入れられています。
太めのフォントの文字デザインで輪郭をシャープにし、アルファベットが中央に配置されています。これにより、従来モデルにくらべキーボードの文字がクッキリ見やすく視認性がアップしているのが分かります。
従来モデル
新モデル
パームレストを手で触れた感触は天面と同じようにツルツルとしています。パームレストもうっすらとヘアライン加工が施されていて、指紋や皮脂の跡も目立ちにくく、質感や感触は良好です。
キートップの形状は指先に合わせて少しへこんでいて、指先にフィットします。
キーピッチ(キートップの中心から隣りのキートップの中心までの距離)は、実測で およそ 19mm。(仕様上も 19mm)
ゆったりとした感じで窮屈さはありません。
キーを押した感覚としては少し浅い感じもありますが、大きな違和感もなく打鍵感もシッカリとしています。(キーストロークは仕様上 1.5mm)
クセのないレイアウトで視認性も格段にアップし、全体的にタイピングしやすいキーボードです。
とくに、キーの視認性がアップしている点は、多くにユーザーから高評価を得られるポイントだと思います。
次がタッチパッド。
タッチパッドはクリックボタンが一体化したタイプで、タッチパッドの大きさは狭すぎることもなくちょうど良いサイズです。
いたって普通のタッチパッドですが、スベリもなめらかで反応も良く扱いやすさも良好です。
タイピング中に手のひらがタッチパッドに触れても反応しない(タップ操作と認識しない)点も好印象です。
タイピング中にタッチパッドに手のひらが触れることでタップ操作と誤認識してしまい思わぬところに入力してしまったことは多くのユーザーが経験していることだと思います。
一見すると地味な機能ですが、タイピング中に手のひらがタッチパッドに触れても反応しなければタイピングもより快適になるはずです。
レビュー前編は以上です。
後編では、『dynabook AZ65/G』の機能・性能についてレビューしています。
Dynabook Direct(旧東芝ダイレクト)公式サイト ⇒ 『dynabook AZ65/G』2018年夏モデル 製品ページ |