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日本HP が販売する 14.0型 2-in-1ノート HP Envy x360 14 には、インテル Core Ultra 搭載モデルと AMD Ryzen 8040HS 搭載モデルがラインナップしています。
どちらも 2024年発売のプレミアムモデルでデザインはほぼ同じですが、価格やパフォーマンスにそれなりの違いがあります。
選ぶならどっちが良いのでしょう?
そこで、本記事では、HP Envy x360 14 の実機レビュー結果をもとに、インテル Core Ultra 搭載モデルと AMD Ryzen 8040HS 搭載モデルについて、性能・デザイン・コスパなどを比較・チェックします。
Envy x360 14 のインテルモデルと AMD モデルのどちらを選んだら良いのかお悩みのユーザーは ぜひ参考にしてください。
なお、本記事に掲載されている写真は、照明の反射等により色味が少し異なって見えますが実物の色味は同じです。
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スペック&価格の比較
2つのモデルのおもなスペックです。
| スペック | Envy x360 14-fc (インテル) |
Envy x360 14-fa (AMD) |
|---|---|---|
| シリーズ名 | HP Envy x360 14-fc0000 シリーズ | HP Envy x360 14-fa0000 シリーズ |
| 本体カラー | ■メテオシルバー ■ミッドナイトブルー |
メテオシルバー |
| OS | Windows 11 Home | |
| CPU | ■インテル Core Ultra 5 プロセッサー 125U ■インテル Core Ultra 7 プロセッサー 155U |
■AMD Ryzen 5 8640HS プロセッサー ■AMD Ryzen 7 8840HSプロセッサー |
| メモリ | ■16GB オンボード (6400MHz, LPDDR5) ■32GB オンボード (6400MHz, LPDDR5) |
|
| ストレージ | ■512GB SSD (PCIe Gen4 NVMe M.2) ■1TB SSD (PCIe Gen4 NVMe M.2) |
|
| ディスプレイ | ■14.0インチ・WUXGA (1920×1200) 非光沢・IPSタッチディスプレイ ■14.0インチ・2.8K (2880×1800) ブライトビュー・OLED タッチディスプレイ ※テュフ・ラインランド Eyesafe認定ディスプレイ |
|
| グラフィックス | インテル グラフィックス | ■AMD Radeon 760M グラフィックス (Ryzen 5 内臓) ■AMD Radeon 780M グラフィックス (Ryzen 7 内臓) |
| ワイヤレス | IEEE 802.11ax (Wi-Fi 6E)、Bluetooth 5.3 | |
| Webカメラ | 5MP IR カメラ (約500万画素) | |
| オーディオ | Poly Studio デュアルスピーカー、内蔵デュアルマイク | |
| Windows Hello | 顔認証カメラ | |
| インターフェイス | ・HDMI 2.1 出力端子×1 ・SuperSpeed USB Type-C 10Gbps ×2 (Power Delivery、DisplayPort 1.4、電源オフUSBチャージ機能対応) ・SuperSpeed USB Type-A 10Gbps ×2 (うち1ポートは電源オフUSBチャージ機能対応) ・ヘッドフォン出力/マイク入力コンボポート×1 |
・HDMI 2.1 出力端子×1 ・Thunderbolt 4 with USB4 Type-C 40Gbps ×1 (Power Delivery、DisplayPort 2.1、電源オフUSBチャージ機能対応) ・SuperSpeed USB Type-C 10Gbps ×1 (Power Delivery、DisplayPort 1.4、電源オフUSBチャージ機能対応) ・SuperSpeed USB Type-A 10Gbps ×2 (うち1ポートは電源オフUSBチャージ機能対応) ・ヘッドフォン出力/マイク入力コンボポート×1 |
| バッテリ駆動時間 | ■最大 14時間30分 (IPSタッチディスプレイ搭載時) ■最大 10時間30分 (OLEDタッチディスプレイ搭載時) |
■最大 15時間 (IPSタッチディスプレイ搭載時) ■最大 10時間30分 (OLEDタッチディスプレイ搭載時) |
| 本体サイズ(W×D×H) | 約 313×218×16.9 mm (突起部を除く) | |
| 本体質量 | 約 1.39 kg | |
| おもな添付品 | HP 430 マルチデバイスワイヤレスマウス(ブラック/単3電池x1)、ACアダプター、電源コード、保証書 等 ※マウスは Core Ultra 7 プロセッサー 155U 搭載モデルのみ同梱 |
HP 430 マルチデバイスワイヤレスマウス(ブラック/単3電池x1)、ACアダプター、電源コード、保証書 等 |
| 標準価格(税込) | 198,000円~ | 176,000円~ |
※価格は標準価格。キャンペーンやセールによって上記価格から4~6万円くらい値下げされます。
価格は AMD モデルが安くて優位です。パフォーマンスの優位性については本記事後半の「ベンチマーク結果の比較」を参考にしてください。
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外観の比較
外観はプレミアムノートらしくラグジュアリー感あふれる洗練されたスタイリッシュなデザイン。外観はインテルモデル/AMDモデルともに同じです。

インテル搭載モデル

AMD 搭載モデル
本体の素材は、どちらもリサイクルアルミニウム。手で触れた感触はさらさらしており質感は良好です。おそらく筐体は共通化されていると思います。
また、インテル搭載モデルの本体カラーは上記の「メテオシルバー」のほか、「ミッドナイトブルー」を選べます。

ミッドナイトブルー
インターフェースの比較
実装されているインターフェースなど各部名称は以下のとおり。

インテル搭載モデル 右側面
①ヘッドフォン出力 / マイク入力コンボポート
②SuperSpeed USB Type-A 10Gbps

インテル搭載モデル 左側面
③USB Type-A 10Gbps (電源オフUSBチャージ機能対応)
④HDMI 2.1 出力端子
⑤Thunderbolt 4 with USB Type-C 40Gbps(Power Delivery、DisplayPort 2.1、電源オフUSBチャージ機能対応)
⑥SuperSpeed USB Type-C 10Gbps (Power Delivery、DisplayPort 1.4、電源オフUSBチャージ機能対応)

AMD搭載モデル 右側面
①ヘッドフォン出力 / マイク入力コンボポート
②SuperSpeed USB Type-A 10Gbps

AMD搭載モデル 左側面
③USB Type-A 10Gbps (電源オフUSBチャージ機能対応)
④HDMI 2.1 出力端子
⑤SuperSpeed USB Type-C 10Gbps(Power Delivery、DisplayPort 1.4、電源オフUSBチャージ機能対応)×2
インターフェースの違いは Thunderbolt 4 の有無だけ。そのほかのポートはどちらも同じです。
なお、USB Type-C(Thunderbolt 4 を含む)の PD充電や外部モニター出力の検証結果は以下のとおり。
| インテル搭載モデル | AMD搭載モデル | |
|---|---|---|
| 映像出力 | 〇 (4K出力可能) | 〇 (4K出力可能) |
| PD充電器(30W) | 〇 | 〇 |
| PD充電器(45W) | 〇 | 〇 |
| PD充電器(65W) | 〇 | 〇 |
サイズ&質量の比較
本体サイズと質量のスペック値は以下のとおり。2つのモデルともまったく同じです。
| インテル搭載モデル | AMD搭載モデル | |
|---|---|---|
| 本体サイズ(W×D×H) | 約 313×218×16.9 mm | 約 313×218×16.9 mm |
| 質量 | 約 1.39 kg | 約 1.39 kg |
本体のサイズ感を A4コピー用紙と B5版ノートで比較したのが以下の写真です。

インテルモデルの本体サイズ感

AMDモデルの本体サイズ感
本体の高さのイメージは CD ケース(通常サイズ)2枚と比較しています。(通常サイズの CDケースの厚さは 10mm)

インテルモデルの高さイメージ

AMDモデルの高さイメージ
また、本体や電源アダプターなどの質量の実測は以下のとおりです。

インテルモデルの質量(実測値)
・本体:1,377g
・電源アダプター:202g
・電源コード:105g

AMDモデルの質量(実測値)
・本体:1,374g
・電源アダプター:201g
・電源コード:106g
実測値に少しの差はあるものの、いずれも持ち運びしやすいサイズ感と重量感です。
ディスプレイの比較
レビュー機のディスプレイはどちらも SAMSUNG製の OLED(有機EL)タッチパネルが採用されています[型番:SDC4197]。
※Envy x360 14 は選択するモデルによっては IPS タッチパネルが搭載されます。
ディスプレイに描画される映像はどちらも高精細で自然な色合いです。とくに、OLED パネルはコントラスト比が高く、黒をより黒く表現できるため映像全体を鮮明に描画できるメリットがあります。

インテルモデルのディスプレイ映像描画

AMDモデルのディスプレイ映像描画
パネルの特性や製造工程により各製品で色合いがわずかに異なる場合もありますが、パネルの型番は同じなので、見た目には色合いの違いは判別できないかと思います。
なお、キャリブレーションツール「i1Display Pro」で計測した色域は以下のとおり。
| 規格 | インテル搭載モデル | AMD搭載モデル | ||
| カバー率 | 比 | カバー率 | 比 | |
| sRGB | 100.0% | 155.6% | 100.0% | 155.5% |
| Adobe RGB | 98.1% | 115.3% | 97.7% | 115.3% |
| DCI-P3 | 99.9% | 114.7% | 99.9% | 114.6% |
上記のとおり色域の計測結果はほぼ同じです。
なお、いずれもブライトビュー(光沢)なので画面への映り込みはそれなりにあります。

インテルモデル

AMDモデル
キーボードの比較
キーボード配列は2つのモデルとも全く同じで標準的なレイアウトです。

インテルモデル

AMDモデル
なお、キーボードの仕様は以下のとおりです(2モデルとも同じ)。
| キー数 | 80キー(JIS標準準拠) |
| キーピッチ(横×縦) | 約18.7×18.4mm |
| キーストローク | 約1.3mm |
ちなみに、どちらのモデルもキートップの表面は中央部分が少しへこんでいます。指先のタッチ感も良好でしっかりとした打鍵感でタイピングできます。
あえて違いを挙げるとすれば、パームレストに貼られているロゴシール。ロゴデザインで好みが分かれるかもしれません。
ベンチマーク結果の比較
ベンチマークに試用したモデルのスペックは以下のとおり。
| インテル搭載モデル | AMD搭載モデル | |
|---|---|---|
| モデル名 | パフォーマンスプラスモデル | パフォーマンスプラスモデル |
| OS | Windows 11 Home | Windows 11 Home |
| CPU | インテル Core Ultra 7 プロセッサー 155U | AMD Ryzen 7 8840HS プロセッサー |
| メモリ | 32GB オンボード (6400MHz, LPDDR5) | 32GB オンボード (6400MHz, LPDDR5) |
| ストレージ | 1TB SSD (PCIe Gen4 NVMe M.2) | 1TB SSD (PCIe Gen4 NVMe M.2) |
| グラフィックス | インテル グラフィックス | AMD Radeon 780M グラフィックス |
性能評価の比較で使用したベンチマークは以下のとおり。
| 比較項目 | 使用するベンチマーク |
|---|---|
| CPU性能 | CINEBENCH R23 |
| グラフィック性能 | 3DMark Time Spy |
| 総合的なパフォーマンス | PCMark 10 |
ベンチマーク結果は、付属のソフトウェア「myHP」のシステム制御/パフォーマンスのコントロールを「パフォーマンス」モードで計測したスコアで比較しています。なお、当該機種以外のスコアは当サイトで計測したスコアの平均値を掲載しています。
CPU性能
■CINEBENCH R23[CPUのレンダリング性能評価]
| CINEBENCH R23 (マルチコア) | |
|---|---|
| Ryzen 7 8840HS(AMDモデル) |
12896 pts
|
| Core Ultra 7 155H |
12346 pts
|
| Ryzen 7 5825U |
10237 pts
|
| Core i7-1360P |
10095 pts
|
| Core Ultra 5 125H |
9685 pts
|
| Core Ultra 7 155U |
9030 pts
|
| Ryzen 7 7730U |
8997 pts
|
| Core Ultra 7 155U(インテルモデル) |
8591 pts
|
| Core i5-1340P |
8551 pts
|
| Core i7-1355U |
7642 pts
|
| Ryzen 5 7530U |
7627 pts
|
| Ryzen 5 5625U |
7555 pts
|
| Core i5-1335U |
6875 pts
|
| CINEBENCH R23 (シングルコア) | |
|---|---|
| Core i7-1355U |
1772 pts
|
| Core Ultra 7 155U(インテルモデル) |
1752 pts
|
| Ryzen 7 8840HS(AMDモデル) |
1734 pts
|
| Core i7-1360P |
1732 pts
|
| Core Ultra 7 155H |
1687 pts
|
| Core Ultra 5 125H |
1649 pts
|
| Core Ultra 7 155U |
1575 pts
|
| Core i5-1335U |
1546 pts
|
| Core i5-1340P |
1534 pts
|
| Ryzen 7 5825U |
1435 pts
|
| Ryzen 7 7730U |
1428 pts
|
| Ryzen 5 7530U |
1419 pts
|
| Ryzen 5 5625U |
1365 pts
|
グラフィック性能
■3DMark Time Spy
| 3DMark Time Spy | |
|---|---|
| インテル Arc(Core Ultra 7 155H) |
3455
|
| インテル Arc(Core Ultra 5 125H) |
3273
|
| AMD Radeon 780M(AMDモデル) |
2847
|
| インテルグラフィックス(インテルモデル) |
2246
|
| インテルグラフィックス(Core Ultra 7 155U) |
2111
|
| インテル Iris Xe(Core i7-1360P) |
1911
|
| インテル Iris Xe(Core i7-1355U) |
1732
|
| インテル Iris Xe(Core i5-1340P) |
1545
|
| AMD Radeon(Ryzen 7 5825U) |
1381
|
| AMD Radeon(Ryzen 7 7730U) |
1342
|
| インテル Iris Xe(Core i5-1335U) |
1312
|
| AMD Radeon(Ryzen 5 7530U) |
1255
|
| AMD Radeon(Ryzen 5 5625U) |
1189
|
総合的なパフォーマンス
総合的なパフォーマンスは、以下の機種も含めて比較します。
・HP Spectre x360 14-eu
・dynabook RZ/HX
・Inspiron 14 (5445)
※当サイトで計測したスコア(パフォーマンスモードに相当した設定でのスコア)
おもなスペックは以下のとおり。
| スペック | Envy x360 14 (インテル) |
Envy x360 14 (AMD) |
Spectre x360 14 | dynabook RZ | Inspiron 14 |
|---|---|---|---|---|---|
| CPU | インテル Core Ultra 7 155U | AMD Ryzen 7 8840HS | インテル Core Ultra 7 155H | インテル Core Ultra 7 155H | AMD Ryzen 7 8840U |
| メモリ | 32GBメモリ | 32GBメモリ | 32GBメモリ | 32GBメモリ | 16GBメモリ |
| ストレージ | 1TB SSD (NVMe) | 1TB SSD (NVMe) | 1TB SSD (NVMe) | 1TB SSD (NVMe) | 1TB SSD (NVMe) |
| グラフィックス | Intel Graphics | AMD Radeon 780M | Intel Arc | Intel Arc | AMD Radeon |
ベンチマーク結果は以下のとおり。
| Essentials | |
|---|---|
| Envy x360 14(インテルモデル) |
9550
|
| Envy x360 14(AMDモデル) |
9647
|
| Spectre x360 14 |
9707
|
| dynabook RZ |
9599
|
| Inspiron 14 |
10331
|
| 目標値 |
4100
|
| Productivity | |
| Envy x360 14(インテルモデル) |
7949
|
| Envy x360 14(AMDモデル) |
9719
|
| Spectre x360 14 |
9875
|
| dynabook RZ |
9800
|
| Inspiron 14 |
10549
|
| 目標値 |
4500
|
| Digital Contents Creation | |
| Envy x360 14(インテルモデル) |
6304
|
| Envy x360 14(AMDモデル) |
8436
|
| Spectre x360 14 |
8682
|
| dynabook RZ |
7814
|
| Inspiron 14 |
8011
|
| 目標値 |
3450
|
| Gaming | |
| Envy x360 14(インテルモデル) |
4170
|
| Envy x360 14(AMDモデル) |
5785
|
| Spectre x360 14 |
6581
|
| dynabook RZ |
6381
|
| Inspiron 14 |
5026
|
※テスト項目説明
・Essentials(普段の作業を想定した基本的なテスト)
・Productivity(ビジネスソフトの使用を想定したテスト)
・Digital Contents Creation(写真・動画編集を想定したテスト)
・Gaming(ゲーミングソフトの使用を想定したテスト)
※目標値はベンチマークソフト開発メーカーの推奨スコア
ベンチマークの結果をみる限り、インテル搭載モデルより AMD搭載モデルが優位です。
また、AMD搭載モデルはインテル搭載モデルより安価なので、コスパ的にも AMD搭載モデルが優位なことが分かります。
まとめ
以上、Envy x360 14 のインテル Core Ultra 搭載モデルと AMD Ryzen 8040HS 搭載モデルについて、デザイン・性能・コスパを比較しました。
2つのモデルのデザインや使いやすさは同等で、違いは性能と価格。どちらを選べば良いのか悩ましいところですが、選ぶときのポイントを一言で挙げるなら以下のとおりです。
選ぶときのポイント
- 本体カラー「ミッドナイトブルー」が好み、あるいはインテルブランドの安心感を求めるならインテル搭載モデル
- コスパで選ぶなら AMD搭載モデル
なお、日本HP直販サイト「HP Directplus」で開催されるセールやキャンペーンによってはインテル搭載モデルの価格が AMD搭載モデルと同等レベルまで値引きされる場合があるため、こまめなチェックをおすすめします。
以上、参考になれば幸いです。
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