日本HPが販売する HP OmniBook X 14-fe は、Snapdragon X シリーズプロセッサーを搭載した高性能で高品質な 14型ノートパソコンです。
美しさとスタイリッシュさをあわせもつ良デザインに Qualcomm Snapdragon X シリーズプロセッサーを搭載しパフォーマンスと超省電力を両立。持ち歩きがラクにできる軽量ボディなので、自宅や外出先などさまざまな場所で活用することができます。
なお、Snapdragon X シリーズプロセッサーで動作する Armベースの Windows は、一般的な Windows(64ビット版)向けに開発されたアプリが動作しない欠点がありました。最近では Armベースの Windows の改良が進み、動作できるアプリも増えてきています。
■HP OmniBook X 14-fe の特徴
- Snapdragon X シリーズプロセッサーを搭載
- 美しさとスタイリッシュさをあわせもつデザイン
- セラミックホワイト(Snapdragon X Elite 搭載モデル)とグレイシャ―シルバー(Snapdragon X Plus 搭載モデル)のカラーバリエーション
- 軽さと堅牢性を兼ね備えた高強度アルミニウムボディ
- 持ち歩きがラクにできる重量感
- 2.2K (2240×1400) 高輝度&広色域 IPSタッチディスプレイ(アスペクト比 16:10)
- 高精細な 5MP IRカメラと Poly Camera Pro で快適なオンラインコミュニケーションが可能
- Poly Studio デュアルスピーカー搭載
- 長時間駆動できるバッテリー
レビューでは、メーカーからお借りした実機を試用して前半で外観デザイン/ディスプレイ/キーボードなどをチェック、後半では各種ベンチマークを使った性能評価を行います。
【 目 次 】
レビューは 2024年12月14日時点の内容です。
スペック構成
HP OmniBook X 14-fe のおもなスペック構成は以下のとおり。
本体カラー | ■グレイシャーシルバー ■セラミックホワイト |
OS | Windows 11 Home |
プロセッサー | ■Snapdragon X Plus X1P-42-100 ■Snapdragon X Elite X1E-78-100 |
メモリ | ■16GB オンボード (LPDDR5x-8448 MT/s) ■32GB オンボード (LPDDR5x-8448 MT/s) |
ストレージ | ■512GB SSD (PCIe Gen4 NVMe M.2) ■1TB SSD (PCIe Gen4 NVMe M.2) |
ディスプレイ | ■14.0型 2.2K IPSタッチディスプレイ (2240×1400 / 16:10 / 400nit) テュフ・ラインランド Eyesafe認定ディスプレイ ■14.0型 2.2K IPSタッチディスプレイ (2240×1400 / 16:10 / 300nit) テュフ・ラインランド Eyesafe認定ディスプレイ |
グラフィックス | Qualcomm Adreno GPU (プロセッサーに内蔵) |
無線LAN/ Bluetooth | IEEE 802.11be (Wi-Fi 7)、 Bluetooth 5.4 |
カメラ | 5MP IR カメラ (約500万画素)、顔認証対応 |
オーディオ | Poly Studio デュアルスピーカー、内蔵デュアルマイク |
バッテリー駆動時間 | ■最大 24時間 (Snapdragon X Plus 搭載モデル) ■最大 26時間 (Snapdragon X Elite 搭載モデル) |
本体サイズ(W×D×H) | 約 312×223×14.3 (最薄部) -14.4 (最厚部) mm |
本体質量 | 約 1.34 kg |
HP OmniBook X 14-fe は、プロセッサー/メモリ/ストレージなど構成の違いにより「スターターモデル」「アドバンスモデル」「アドバンスプラスモデル」の3モデルがラインナップしています。
■スターターモデル
Snapdragon X Plus/16GBメモリ/512GB SSD/14.0型 2.2K IPSタッチディスプレイ (2240×1400 / 16:10 / 400nit)
■アドバンスモデル
Snapdragon X Elite/16GBメモリ/1TB SSD/14.0型 2.2K IPSタッチディスプレイ (2240×1400 / 16:10 / 300nit)
■アドバンスプラスモデル
Snapdragon X Elite/32GBメモリ/1TB SSD/14.0型 2.2K IPSタッチディスプレイ (2240×1400 / 16:10 / 400nit)
詳しいスペックや価格などの最新情報は日本HP公式サイトをご確認ください。
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外観チェック
美しさとスタイリッシュさをあわせもつデザイン
HP OmniBook X 14-fe のデザインはスタイリッシュ。
本体のカラーはグレイシャーシルバー。一般的なシルバーより淡くて洗練されたスタイリッシュなイメージの色合いです。
天面はサラサラした感触で質感は良好です。指紋や皮脂の跡は目立ちません。
スタイリッシュで美しさを感じるフォルム
天面のスラッシュロゴにくわえ背面の OmniBook ブランドロゴや AIロゴが さりげないアクセントとしてデザインされています。
本機はサスティナブルに対応している PC として EPEAT Gold に認定されています。本体素材にリサイクルメタルやリサイクルプラスチックが使用されていますが、リサイクル素材が使用されていることをまったく感じさせない高級感ある仕上がりです。
なお、カラーバリエーションはグレイシャーシルバーのほかセラミックホワイトの2色。
セラミックホワイトは上位モデルのみに割り当てられたカラーですが、こちらは清潔感と より美しさを感じるイメージの色合いです。
セラミックホワイトのカラーイメージ
本体はとてもスリムです。
本体はスリム
底面カバーは「ユニボディ」の構造。シンプルながら剛性を重視したデザインです。
ゴム足は前面側左右に2箇所と背面側左右にまたがるゴム足の合計3箇所に実装。しっかりとしたゴム足で本体の安定感は良好です。
なお、排気口はヒンジのあいだに実装されています。
排気口(ヒンジのあいだ)
ちなみに、背面側のゴム足は排気口から排熱された空気が再び吸気口に入り込むことを遮断する役割も兼ねています。これにより本体内部を効果的に冷却できるメリットがあります。
吸気口(底面カバー側)と排気口
インターフェースは必要最低限
HP OmniBook X 14-fe に実装されているインターフェースは必要最低限です。
左側面
①SuperSpeed USB Type-C 40Gbps (Power Delivery, DisplayPort 1.4, 電源オフUSBチャージ機能対応)
②SuperSpeed USB Type-C 10Gbps (Power Delivery, DisplayPort 1.4, 電源オフUSBチャージ機能対応)
右側面
③ヘッドフォン出力/マイク入力コンボポート
④SuperSpeed USB Type-A 10Gbps (電源オフUSBチャージ機能対応)
インターフェースは必要最低限のため、HDMIポートを使った外部モニターへの映像出力などポートを拡張するときは USB ハブを用意してください。
以下、インターフェースについての補足情報です。
USB Type-C ポートの映像出力/ PD充電器の対応結果は以下のとおり。
■USB Type-C 対応表(2ポート共通:当サイトの検証結果)
映像出力 | 〇(4K出力可能) |
---|---|
PD充電器(30W) | × |
PD充電器(45W) | ○ |
PD充電器(65W) | 〇 |
電源ボタンはキーボード上にレイアウト
電源ボタンはキーの一部としてキーボード右上にレイアウトしています。
電源ボタンは LED内蔵
電源ボタンは右端に色分けされて配置しているので押し間違えることはないと思います。ちなみに、電源ボタンを押したときは「カチッ」という音がしキーを押したときの感覚とは明らかに異なります。
なお、使用中に間違って電源ボタンを押しても短押し(1秒未満くらい)なら無反応です。ただし、1,2秒程度ならスリープへ移行し、さらに長押しすると強制的に電源オフされます。
顔認証カメラを搭載
HP OmniBook X 14-fe は、顔認証カメラを標準搭載しています。
顔認証でサインイン
認証精度は良好です。
また、カメラには「プライバシーシャッター」が付いています。
上の画像:シャッターを開いてカメラ有効
下の画像:シャッターを閉じてカメラを遮断
シャッターはスライド式(手動)ですがスムーズなスライドが可能。オンライン会議などで こちらの光景を見られたくないときもスムーズに操作できます(切替スイッチはカメラの上側)。
ちなみに、プライバシーシャッターでカメラを閉じていると顔認証機能は使えません。サインインするときはプライバシーシャッターを開くか PINコードやパスワードを入力してください。
存在検知機能を搭載
HP OmniBook X 14-fe は、存在検知機能(プレゼンスセンシング)を搭載しています。
存在検知機能
設定するだけで離着席時にパソコン画面を自動でロック/解除できる便利な機能です。なお、顔認証情報を登録しておけば着席時に自動で顔認証機能が起動しそのままサインインできます。
便利なオンラインアシスト機能
HP OmniBook X 14-fe のカメラは、5MPカメラ(約500万画素)にくわえ、Poly Camera Pro によるオンラインアシスト機能を搭載しています。
Poly Camera Pro は、背景の明るさを調整できる機能や背景ぼかし/画像埋め込み機能のほかフレーミング機能など、オンラインコミュニケーションをアシストしてくれる便利な機能です。
とくに、HP OmniBook X 14-fe に搭載されている Poly Camera Pro は Windows スタジオ エフェクト機能が強化されています。スムーズな操作が可能で自動フレーミングなどの反応がすこぶる優秀です。
スピーカーは底面の前面側左右搭載
HP OmniBook X 14-fe のスピーカーは底面の前面側左右に搭載しています。
Poly Studio デュアルスピーカーで、広い音域を再現し高音質です。
スリムで軽量なので持ち歩きがラク
本体の大きさのイメージです。本体の上に A4コピー用紙と B5版ノートを載せています。
本体のサイズ感
本体は A4コピー用紙より一回り大きいくらいのサイズ感でコンパクトです。
本体を閉じたときの高さのイメージは以下のとおり。
本体の高さを CD ケース(通常サイズ)2枚と比較
(通常サイズの CDケースの厚さは 10mm)
ゴム足を含めた本体の高さは実測で 17mm(最厚部)。CDケース 2枚より薄くて とてもスリムです。
本体や電源アダプターなど重量の実測値は以下のとおり。
・本体:1,330g
・電源アダプター:197g
・電源コード:108g
本体は、14インチノートながら軽量です。この軽さなら持ち歩きもラクにできるでしょう。
本体は持ち歩きもラクにできる軽さ
電源アダプターは最大出力が 65W。その大きさは手のひらに収まるくらいのサイズです。
ディスプレイのチェック
自然な色合いで描画できる高輝度・広色域ディスプレイ
レビュー機の液晶パネルは AU Optronics製[型番:AUODEB6]。描画される映像は自然な色合いでキレイです。
画像の表示例(その1)
画像の表示例(その2)
テキストの表示例
テキストの表示例(拡大)
筆者が使用しているモニターキャリブレーションツール「i1Profiler」が Arm版 Windows では動作しなかったためトーンカーブや色域の計測はできませんでしたが、上記写真を見てのとおり高輝度で描画できる色域が広いことがわかります。
※スペックでは 輝度 400 nit です。
狭額縁ベゼル
ベゼルは狭額縁です。
とくに左右のベゼルは鉛筆の太さよりも幅が狭く、画面周りは全体的にスッキリとしています。
映り込みは少し感じるかも
ディスプレイの映り込み具合をチェックします。
レビュー機のディスプレイは光沢液晶です。上記写真のとおり映像によっては映り込みが気になる場合があるかもしれません。ただ、筆者が試用していたなかでは映り込みが気になることはありませんでした。
広い視野角
視野角をチェックします。
正面
右側 ディスプレイ面から30度の角度
上側 ディスプレイ面から30度の角度
水平方向、垂直方向ともに視野角は広く、斜めからも映像をはっきり確認できます。
ディスプレイを開く角度は十分な範囲をカバー
ディスプレイを開くことができる最大角度は 約136度。
クラムシェルタイプとして十分な範囲をカバーしています。
キーボード&タッチパッドのチェック
タイピングしやすいキーボード
HP OmniBook X 14-fe のキーボードレイアウトは英語配列のみです。
日本語配列のキーボードを使っているユーザーは多少の違和感があるかもしれません(慣れてくれば使いにくさは軽減すると思います)。
キーピッチは実測で 約19mm(仕様も 19mm)。フルサイズキーボードと同等のピッチで窮屈な感じはありません。
キートップの形状はフラット。サラサラした感触で指先のフィット感は良好です。
キーストロークは 約 1.0mm と少し浅め。ただ、数字ほどの浅さは感じません。
タイプ音は「タクタク」という音だが、音の大きさはフツウ
深めのストロークが好みのユーザーは初めのうち違和感があるかもしれませんが、キーを押し込む強さや押し込んだあとの跳ね返りの感覚は良好です。
キーストロークは少し浅いながらタイピングしやすいキーボードです。
Copilotキー搭載
HP OmniBook X 14-fe には「Copilotキー」が搭載されています。
矢印の指すキーが Copilotキー
Copilotキーを押すと Microsoft の AIアシスタントをすばやく起動することができます。
Copilotキーを押すだけで AIアシスタントが起動
Copilot はとても便利な機能で、ユーザーの質問に対して適切な回答を返してくれます。
※Copilot は日々進化しており、会話形式の質問のほかキーワードを羅列する質問にも適切な回答を返してくれます。
キーボードにはバックライトを搭載
キーボードにはバックライトが搭載されています。
キーボード・バックライトの明るさは、2段階で切り替えできます。
[F5]キー押下:点灯(明)→点灯(暗)→オフ
質感のよいパームレスト
パームレストはサラサラとした感触で質感も良好です。
指紋や皮脂の跡は目立ちません。
なめらかなスベリで操作しやすいタッチパッド
タッチパッドはツルツルした感触でスベリはなめらかです。
タッチパッドのサイズ感
大きめサイズで扱いやすいタッチパッドです。
ベンチマークによる性能評価
ベンチマークソフトを使用してレビュー機の CPU・グラフィック・ストレージ性能のほかバッテリー性能や総合的なパフォーマンスを評価します。
レビュー機の基本スペック
CPU | Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
---|---|
メモリ | 16GB オンボード (LPDDR5x-8448 MT/s) |
ストレージ | 512GB SSD (PCIe Gen4 NVMe M.2) |
グラフィックス | Qualcomm Adreno X1-45 GPU |
評価に使用したベンチマークは以下のとおり。
評価項目 | 使用するベンチマーク |
---|---|
CPU性能 | CINEBENCH R23[CPUのレンダリング性能評価] |
CPU Mark (PassMark PerformanceTest)[CPU性能の総合評価] | |
グラフィック性能 | 3DMark Time Spy |
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ[中量級のゲーム] | |
ファイナルファンタジーXV[重量級のゲーム] | |
ストレージ性能 | CrystalDiskMark |
総合的なパフォーマンス | PCMark 10[Arm版Windowsでは動作不可] |
バッテリー | BatteryInfoView(バッテリー残量測定用) |
なお、ベンチマークの実行にあたっては電源オプションの電源プランを「バランス」に設定し、電源とバッテリーの電源モードを「バランス」と「最適なパフォーマンス」の2モードそれぞれで実施しています。
電源プランの設定
電源モードの設定
CPU性能
CPU性能は CINEBENCH R23(マルチコア/シングルコア) と CPU Mark(PassMark PerformanceTest) のベンチマークスコアで評価します。
評価にあたっては、性能レベルを把握するため下記 CPU のスコアと比較します。
・Qualcomm Snapdragon X Elite X1E-80-100
・Qualcomm Snapdragon X Plus X1P-64-100
・インテル Core Ultra 7 プロセッサー 155H
・インテル Core Ultra 5 プロセッサー 125H
・インテル Core Ultra 7 プロセッサー 155U
・インテル Core Ultra 5 プロセッサー 125U
・インテル Core i7-1360P プロセッサー
・インテル Core i5-1340P プロセッサー
・インテル Core i7-1355U プロセッサー
・インテル Core i5-1335U プロセッサー
・AMD Ryzen 7 7730U プロセッサー
・AMD Ryzen 5 7530U プロセッサー
・AMD Ryzen 7 5825U プロセッサー
・AMD Ryzen 5 5625U プロセッサー
※当サイトで計測したスコアの平均値
CINEBENCH R23[CPUのレンダリング性能評価]
CINEBENCH R23 (マルチコア) | |
---|---|
Core Ultra 7 155H |
12346 pts
|
Snapdragon X Elite X1E-80 |
10729 pts
|
Snapdragon X Plus X1P-64 |
10263 pts
|
Ryzen 7 5825U |
10237 pts
|
Core i7-1360P |
10095 pts
|
Core Ultra 5 125H |
9920 pts
|
Ryzen 7 7730U |
9117 pts
|
Core Ultra 7 155U |
8886 pts
|
Core i5-1340P |
8551 pts
|
Snapdragon X Plus X1P-42(レビュー機/バランス) |
7952 pts
|
Ryzen 5 7530U |
7627 pts
|
Ryzen 5 5625U |
7555 pts
|
Snapdragon X Plus X1P-42(レビュー機/パフォーマンス) |
7408 pts
|
Core i7-1355U |
7342 pts
|
Core i5-1335U |
6875 pts
|
Core Ultra 5 125U |
6508 pts
|
CINEBENCH R23 (シングルコア) | |
---|---|
Core i7-1355U |
1750 pts
|
Core i7-1360P |
1732 pts
|
Core Ultra 7 155U |
1727 pts
|
Core Ultra 7 155H |
1687 pts
|
Core Ultra 5 125H |
1661 pts
|
Core Ultra 5 125U |
1564 pts
|
Core i5-1335U |
1546 pts
|
Core i5-1340P |
1534 pts
|
Ryzen 7 5825U |
1435 pts
|
Ryzen 7 7730U |
1431 pts
|
Ryzen 5 7530U |
1419 pts
|
Ryzen 5 5625U |
1365 pts
|
Snapdragon X Elite X1E-80 |
1249 pts
|
Snapdragon X Plus X1P-64 |
1109 pts
|
Snapdragon X Plus X1P-42(レビュー機/パフォーマンス) |
1080 pts
|
Snapdragon X Plus X1P-42(レビュー機/バランス) |
1055 pts
|
CPU Mark (PassMark PerformanceTest)[CPU性能の総合評価]
CPU Mark (PassMark PerformanceTest) | |
---|---|
Core Ultra 7 155H |
25686
|
Core Ultra 5 125H |
21632
|
Core i7-1360P |
20651
|
Ryzen 7 5825U |
20320
|
Core Ultra 7 155U |
19049
|
Ryzen 7 7730U |
18677
|
Snapdragon X Elite X1E-80 |
18866
|
Snapdragon X Plus X1P-64 |
17672
|
Core i5-1340P |
16650
|
Core i7-1355U |
16487
|
Ryzen 5 5625U |
16291
|
Ryzen 5 7530U |
15930
|
Core Ultra 5 125U |
15296
|
Core i5-1335U |
14508
|
Snapdragon X Plus X1P-42(レビュー機/バランス) |
13509
|
Snapdragon X Plus X1P-42(レビュー機/パフォーマンス) |
13266
|
レビュー機に搭載されている Snapdragon X Plus X1P-42-100 は、インテル Core i5-1335U にちかい性能レベルのようです。
エミュレーション機能によりパフォーマンスが多少ひかえめであったとしても一般的な使いかた(オフィスソフト・メール・ネット検索・オンライン会議など)なら十分快適に使える性能レベルです。
負荷の高い作業に使うなら Snapdragon X Elite X1E-78-100 を搭載した「アドバンスモデル」や「アドバンスプラスモデル」を検討してみてください。高負荷な作業でも動作可能なアプリケーションなら快適なパフォーマンスが期待できます。
グラフィック性能
グラフィック性能はゲーム系のベンチマークで性能評価を行います。
評価にあたっては、グラフィックス性能レベルを把握するため当サイトでレビューした下記グラフィックスのスコアと比較します。
・Qualcomm Adreno X1-85 GPU(Snapdragon X Elite X1E-80-100搭載機)
・Qualcomm Adreno X1-85 GPU(Snapdragon X Plus X1P-64-100搭載機)
・インテル Arc グラフィックス(Ultra 7 155H搭載機)
・インテル Arc グラフィックス(Ultra 5 125H搭載機)
・インテル グラフィックス(Ultra 7 155U搭載機)
・インテル グラフィックス(Ultra 5 125U搭載機)
・インテル Iris Xe グラフィックス(Core i7-1360P搭載機)
・インテル Iris Xe グラフィックス(Core i5-1340P搭載機)
・インテル Iris Xe グラフィックス(Core i7-1355U搭載機)
・インテル Iris Xe グラフィックス(Core i5-1335U搭載機)
・AMD Radeon グラフィックス(Ryzen 7 7730U搭載機)
・AMD Radeon グラフィックス(Ryzen 5 7530U搭載機)
・AMD Radeon グラフィックス(Ryzen 7 5825U搭載機)
・AMD Radeon グラフィックス(Ryzen 5 5625U搭載機)
※当サイトで計測したスコアの平均値
3DMark Time Spy
Time Spy は DirectX 12 を使用したハイパフォーマンスゲーミングPC向けのグラフィックス性能テストです。
3DMark Time Spy | |
---|---|
インテル Arc(Core Ultra 7 155H) |
3455
|
インテル Arc(Core Ultra 5 125H) |
3119
|
インテルグラフィックス(Core Ultra 7 155U) |
2115
|
インテルグラフィックス(Core Ultra 5 125U) |
2049
|
インテル Iris Xe(Core i7-1360P) |
1911
|
Qualcomm Adreno(Snapdragon X Plus X1E-80) |
1878
|
Qualcomm Adreno(Snapdragon X Plus X1P-64) |
1864
|
インテル Iris Xe(Core i7-1355U) |
1691
|
インテル Iris Xe(Core i5-1340P) |
1545
|
AMD Radeon(Ryzen 7 5825U) |
1381
|
AMD Radeon(Ryzen 7 7730U) |
1354
|
インテル Iris Xe(Core i5-1335U) |
1312
|
AMD Radeon(Ryzen 5 7530U) |
1255
|
AMD Radeon(Ryzen 5 5625U) |
1189
|
Qualcomm Adreno(レビュー機/パフォーマンス) |
1035
|
Qualcomm Adreno(レビュー機/バランス) |
1030
|
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ[中量級のゲーム]
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ | |
---|---|
インテル Arc(Core Ultra 7 155H) |
8283
|
Qualcomm Adreno(Snapdragon X Plus X1E-80) |
7771
|
Qualcomm Adreno(Snapdragon X Plus X1P-64) |
7425
|
インテル Arc(Core Ultra 5 125H) |
7216
|
インテル Iris Xe(Core i7-1360P) |
6051
|
インテル Iris Xe(Core i7-1355U) |
5316
|
Qualcomm Adreno(レビュー機/バランス) |
5235
|
Qualcomm Adreno(レビュー機/パフォーマンス) |
5212
|
インテル Iris Xe(Core i5-1340P) |
5072
|
インテルグラフィックス(Core Ultra 7 155U) |
5048
|
インテルグラフィックス(Core Ultra 5 125U) |
4505
|
AMD Radeon(Ryzen 7 7730U) |
4204
|
AMD Radeon(Ryzen 7 5825U) |
4123
|
インテル Iris Xe(Core i5-1335U) |
3831
|
AMD Radeon(Ryzen 5 7530U) |
3662
|
AMD Radeon(Ryzen 5 5625U) |
3714
|
※高品質(ノートPC)/解像度 1920×1080 で実施
ファイナルファンタジーXV[重量級のゲーム]
ファイナルファンタジーXV | |
---|---|
Qualcomm Adreno(Snapdragon X Plus X1E-80) |
5798
|
Qualcomm Adreno(Snapdragon X Plus X1P-64) |
5761
|
インテル Arc(Core Ultra 7 155H) |
5602
|
インテル Arc(Core Ultra 5 125H) |
5176
|
インテル Iris Xe(Core i7-1360P) |
4225
|
インテル Iris Xe(Core i7-1355U) |
3848
|
Qualcomm Adreno(レビュー機/バランス) |
3666
|
インテルグラフィックス(Core Ultra 7 155U) |
3656
|
AMD Radeon(Ryzen 7 7730U) |
3608
|
Qualcomm Adreno(レビュー機/パフォーマンス) |
3602
|
インテル Iris Xe(Core i5-1340P) |
3451
|
AMD Radeon(Ryzen 7 5825U) |
3340
|
インテルグラフィックス(Core Ultra 5 125U) |
3282
|
AMD Radeon(Ryzen 5 5625U) |
3141
|
AMD Radeon(Ryzen 5 7530U) |
3103
|
インテル Iris Xe(Core i5-1335U) |
2930
|
※軽量品質/解像度 1280×720 で実施
レビュー機のグラフィックス性能は良好です。
Snapdragon X プロセッサー内蔵の Qualcomm Adreno は、高負荷なグラフィック処理になるほど高いパフォーマンスを発揮しています。
アプリケーションによってはパフォーマンスに違いが出てくる可能性はありますが、写真・動画編集などクリエイティブな作業でも、快適なグラフィックス・パフォーマンスが期待できるでしょう。
ストレージ性能
レビュー機のストレージは PCIe4.0 NVMe 対応の SSD(容量 512GB)を搭載しています。
ストレージ情報
ストレージ性能は、CrystalDiskMark を使用しデータ転送速度を計測・評価します。
データ転送速度
計測結果は優秀です。
PCIe Gen4 NVMe 対応の SSD は、体感的にも高速なアクセスでファイルの読み書きがとてもスムーズです。
総合的なパフォーマンス
PCMark 10 は Armベースで動作不可のため、総合的なパフォーマンスの検証は実施できませんでした。
バッテリー
バッテリー性能については、レビュー機のバッテリー駆動時間と充電時間を計測・評価します。
※電源モードを「バランス」に設定して測定
■駆動時間の測定条件
・無線LANでインターネットに接続
・YouTubeを全画面で連続再生
・画面の明るさ:最大レベル
・音量:最大レベル
■充電時間の測定条件
・測定開始はバッテリー残量がほぼゼロの状態
・電源アダプターを接続し Windows を起動
・スクリーンセーバー(ラインアート)でパソコンはアイドル状態
※スクリーンタイムアウトや PCスリープは設定しない。
バッテリーの駆動時間と充電時間の測定結果は以下のとおり。
バッテリー駆動時間 | 14時間 3分 |
---|---|
バッテリー充電時間 (50%までの充電時間) |
56分 |
バッテリー充電時間 (80%までの充電時間) |
1時間 33分 |
バッテリー充電時間 (100%までの充電時間) |
2時間 36分 |
検証結果はスペック「最大 24時間」の 58%くらいですが、バッテリーを多く消費する条件のなかで 14時間駆動できれば十分といえます。
画面の明るさを下げてバッテリー消費量を抑える使いかたをすれば、バッテリー駆動時間をさらに延ばすこともできます。レビュー機のディスプレイは高輝度(仕様では 400nit)なので、そこそこ輝度を下げることも可能です。
また、バッテリーの充電時間は平均的ですが、少しの充電でも それなりに長い時間使うことができる点は着目しておきたいところ。バッテリー残量が少ないときでも状況に応じた対応で、よりアクティブに使うことができます。
なお、実際の使用にあたっては、環境や使い方などによりバッテリーの駆動時間は変動するため参考値としてください。
クリエイティブ性能の評価
クリエイティブ性能は RAWデータ現像(JPEGファイル書き出し)と動画エンコードの処理時間で評価します。
評価にあたっては、性能レベルの程度を把握するため当サイトでレビューした下記機種の処理時間と比較します。
・Inspiron 14 Plus (7441)
・XPS 13 (9345)
・HP Spectre x360 14-eu
・HP Envy x360 14-fa
※当サイトで計測した処理時間(パフォーマンスモードに相当した設定で計測)
おもなスペックは以下のとおり。
スペック | OmniBook X 14 (レビュー機) |
Inspiron 14 Plus | XPS 13 | Spectre x360 14 | Envy x360 14 |
---|---|---|---|---|---|
CPU | Snapdragon X Plus X1P-42-100 | Snapdragon X Plus X1P-64-100 | Snapdragon X Elite X1E-80-100 | インテル Core Ultra 7 155H | AMD Ryzen 7 8840HS |
メモリ | 16GBメモリ | 16GBメモリ | 16GBメモリ | 32GBメモリ | 32GBメモリ |
ストレージ | 512GB SSD (NVMe) | 512GB SSD (NVMe) | 512GB SSD (NVMe) | 1TB SSD (NVMe) | 1TB SSD (NVMe) |
グラフィックス | Qualcomm Adreno X1-45 GPU | Qualcomm Adreno X1-85 GPU | Qualcomm Adreno X1-85 GPU | Intel Arc Graphics | AMD Radeon 780M |
RAWデータ現像
RAWデータ現像に使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。
■使用ソフトウェア
Adobe Photoshop Lightroom
※Lightroom Classic は Armベースに対応していないため未実施。
■条件等
・RAWデータ 50ファイルをJPEG形式で一括書き出し
・RAWデータサイズ 4,592×3,056(約14MB)
・プリセット等 編集は適用しない
・ほかのアプリは起動しない(常駐アプリは除く)
■処理結果
Lightroom | |
---|---|
OmniBook X 14(バランス) |
17秒8
|
OmniBook X 14(パf-マンス) |
17秒8
|
Inspiron 14 Plus |
13秒7
|
XPS 13 |
12秒6
|
Spectre x360 14 |
21秒6
|
Envy x360 14 |
21秒4
|
動画エンコード
動画エンコードに使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。
■使用ソフトウェア
CyberLink PowerDirector
■条件等
・AVCHD動画(1920×1080)を mp4 形式で出力(m2ts→mp4、720p、1280×720/30p 16Mbps)
・動画再生時間 10分間
・ほかのアプリは起動しない(常駐アプリは除く)
■処理結果
PowerDirector | |
---|---|
OmniBook X 14(バランス) |
1分49秒4
|
OmniBook X 14(パf-マンス) |
1分46秒9
|
Inspiron 14 Plus |
1分56秒6
|
XPS 13 |
1分44秒1
|
Spectre x360 14 |
1分19秒2
|
Envy x360 14 |
1分14秒6
|
レビュー機の検証結果は良好です。
上位スペックの比較対象機にくらべ処理時間に大きな違いはありません。動画エンコード処理は多少時間がかかっていますが、エミュレーション機能によるものと思われます。アプリケーションが Windows Arm ベースに再構築されていれば、写真・動画編集などクリエイティブな作業でも、快適なグラフィックス・パフォーマンスが期待できるでしょう。
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駆動音・表面温度のチェック
駆動音のチェック
駆動音は、下記処理中の音量(デシベル)を測定し、評価します。
・CPU ベンチマーク「CINEBENCH R23 /マルチ Core」実行中
・10分間動画のエンコード処理中
※一般住宅で周囲の音ができるだけ入らないようにして測定(室温:25℃)
音量計測イメージ
(使用測定器:Meterk SLM01)
■測定結果
温度管理 | アイドル状態 (最小音量) |
最大音量 下段はピーク時の音量推移 |
|
---|---|---|---|
ベンチマーク中 | 動画エンコード中 | ||
バランス | 33.4db | 37.1db (36~37db) |
37.5db (36~37b) |
最適な パフォーマンス |
33.5db | 37.6db (36~37db) |
38.3db (37~38db) |
■騒音の目安
騒音の大きさ | 騒音の具体例 |
---|---|
60 デシベル | 走行中の自動車内 普通の会話 デパート店内 |
50 デシベル | 家庭用エアコンの室外機 静かな事務所の中 |
40 デシベル | 閑静な住宅地の昼 図書館内 |
30 デシベル | 深夜の郊外 鉛筆での執筆音 |
20 デシベル | 木の葉の触れ合う音 雪の降る音 |
参考:埼玉県深谷市ホームページ「騒音・振動の規制について」
アイドル状態は無音で静かです。高負荷な状態では「サーッ」という排気音が少し大きくなりますが うるさくありません。
なお、負荷低減後、アイドル時の状態に戻るまでの時間は、いずれのモードも 1~2分くらいです。
※駆動音の音量は、使用環境やパソコンの状態によって変動します。
表面温度のチェック
表面温度については、下記を実施したときの表面温度を測定し評価します。
・アイドル状態で10分放置後
・Youtube 動画 30分間視聴後
・10分間動画のエンコード実行後
※単位:℃、測定時の室温:25℃
※電源モードを「バランス」に設定して実施
※写真の左がキーボード表面、右が底面側の計測結果
■アイドル状態で10分間放置
■Youtube 動画 30分間視聴後
■10分間動画エンコード実行後
高負荷な状態ではキーボード左から中央寄りの表面温度が上昇しますが、少し温かさを感じる程度でタイピングに影響はありません。
また、パームレストの表面温度は負荷状況にかかわらず本体内部の熱の影響が少ないので不快に感じることはないと思います。
サウンド チェック
HP OmniBook X 14-fe は Poly Studio デュアルスピーカーを搭載しています。
サウンドユーティリティソフトは付属のソフトウェア「myHP」にオーディオコントロール組み込まれていますが、スピーカー/マイクのノイズ除去機能のみです。
オーディオコントロール
サウンドコンテンツに最適化されたプリセットやイコライジング機能はありませんが、音質はなかなか良好です。
以下は、実際にサウンドを試聴した印象です。
■スピーカー
・低音域から高音域まで広い音域を再現し高音質
・音声もはっきり聴き取れる
・音量最大でも音割れしない(ただし、コンテンツによる)
■ヘッドホン
・スピーカー同様に高音質
・周りの音が聞こえないぶん臨場感のあるサウンドを楽しめる
Windows の起動・再起動・シャットダウン時間計測
Windows の起動、再起動、シャットダウン時間の計測結果は以下のとおり(それぞれ 5回ずつ実施)。
※電源ランプ非搭載のため、シャットダウン終了のタイミングは駆動音で判断。
回 | 起動 | 再起動 | シャットダウン |
---|---|---|---|
1回目 | 20.3秒 | 48.4秒 | 16.8秒 |
2回目 | 20.3秒 | 48.0秒 | 15.3秒 |
3回目 | 20.1秒 | 47.9秒 | 15.4秒 |
4回目 | 20.1秒 | 48.4秒 | 16.5秒 |
5回目 | 20.0秒 | 47.9秒 | 15.7秒 |
平均 | 20.2秒 | 48.1秒 | 15.9秒 |
実際の使用にあたってはインストールしているアプリや Windows Update など状態により変動するため参考値としてください。
同梱品
HP OmniBook X 14-fe の本体ほか同梱品一式です。
同梱品
・HP OmniBook X 14-fe 本体
・電源アダプター
・電源コード
・ドキュメント類
まとめ
以上、HP OmniBook X 14-fe のレビュー記事をお届けしました。
Arm ベースの Windows は、当初 64ビット (x64) アプリが動作しないところが欠点でした。最近では Arm ベースに再構築されたアプリが増え、さらに Arm ベース Windows 内のエミュレーション機能に改良がくわえられるなど、弱点もかなり解消されています。
今回試用したレビュー機は「スターターモデル」のためベンチマークはひかえめなスコアが多い結果でしたが、体感的にはしっかり使える性能を搭載している印象を受けました。Arm ベース の Windows に再構築されたアプリケーションを使えば、快適度は大きく向上するはずです。
今後、Arm ベースの Windows に再構築されたアプリが増えていくなか、パフォーマンスと超省電力に優位性のある Snapdragon 搭載モデルの選択も十分アリといえるでしょう。
高評価のポイント
- パフォーマンスと超省電力が両立し快適に使える
- 良デザインでスタイリッシュ
- 高解像度・高輝度・広色域ディスプレイ
- 高音質スピーカー
- 長時間駆動できるバッテリーなので、いろいろな場所で使うことができる
気をつけておきたい点
- 64ビット版 Windows 向けに開発されたアプリの一部は動作できない可能性がある
- キーボードは英語配列のみ
ラインナップしているモデルや価格、キャンペーンなど最新情報は日本HP直販サイト「HP Directplus」をご確認ください。
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