レノボ『Lenovo YOGA 920』実機レビュー 後編です。
後編は、各種ベンチマークによる性能レビューです。
(後編) ベンチマーク サウンド チェック Windows の起動・再起動・シャットダウン時間計測 搭載ソフトウェア まとめ |
レビュー内容は 2018年5月26日時点のものになります。
レビュー機のスペック構成については「スペックについて」の章をご覧ください。
ベンチマーク
『Lenovo YOGA 920』の基本性能や総合的なパフォーマンスのほか、CPU、グラフィック、ストレージ、バッテリーの性能を測定します。
基本性能
Windowsに搭載されているシステム評価ツール「WinSATコマンド」と、パソコンの各性能レベルを客観的に評価する「PASS MARK PerformanceTest 9.0」を使用して、パソコンの基本性能を測定します。
WinSAT
「WinSAT」による測定は、PCの性能を相対的に数値化して表現したもので、各項目の説明は次のとおりです。
CPUScore | CPU のスコア |
D3DScore | ゲーム用グラフィックスのスコア ただし、従来のゲーム用グラフィックスのスコアのため Windows 10では計測対象外(9.9というスコアは無視) |
DiskScore | プライマリハードディスクのスコア |
GraphicsScore | グラフィックスのスコア |
MemoryScore | メモリのスコア |
TimeTaken | 前回の評価(「MostRecentAssessment」は直近の評価を表します) |
WinSATAssessmentState | 評価の状態を表す値(1:評価済み、2:要再評価) |
WinSPRLevel | 基本スコア(SPR:System Performance Rating) |
PASS MARK PerformanceTest 9.0
「PASS MARK PerformanceTest 9.0」で計測されたスコアは、全世界のパソコンがアップロードしたスコアと比較、Percentile(パーセンタイル)の数値から自分のパソコンの性能レベルを客観的に把握することができます。
上記の測定結果を例にすると、トータル性能を示す「PassMark Rating」のスコア「2548.6」のパーセンタイルは「59th Percentile」で、計測を行った他のパソコン 59% よりも上位のスコアという意味です。
別な言い方をすると、「PASS MARK PerformanceTest 9.0」で計測しスコアをアップロードした全世界のパソコンのなかで、上位のスコアから 41%(100% - 59%)に位置するスコアということです。
2D / 3D Graphics Mark のスコアは今ひとつですが、パソコンの基本性能ともいえる CPU、メモリ、ストレージの性能は上位のスコアであることが分かります。
CPU性能
「CINEBENCH」を使って、CPU性能を測定します。
レビュー機『Lenovo YOGA 920』の CPU には第8世代インテル Core i5-8250U プロセッサーが搭載されています。
前世代(第7世代)のインテル Core i5-7200U プロセッサーの CPU スコアは 320cb くらいであるのに対し、レビュー機に搭載された CPU のスコアは 553cb。
ベンチマークのスコアを見る限りでは、およそ 73% 性能がアップしていることが分かります。
グラフィック性能
グラフィック性能は以下のゲーム系ベンチマークソフトを使って測定します。
■3DMark
■ドラゴンクエストX
■ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド
■ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター
■ファイナルファンタジーXV
3DMark
3DMark は、「ICE STORM」「CLOUD GATE」「SKY DIVER」「FIRE STRIKE」「TIME SPY」、各シーンについてグラフィック性能を測定します。
結果は以下のとおり。
測定前に流されるデモ映像を見たイメージとしては、次のような印象でした。
Ice Strom | なめらか描画 |
Cloud Gate | なめらか描画 |
Sky Diver | おおむねなめらか描画。ときどきカクつくシーンもあったが問題ないレベル。 |
Fire Strike | カクカクした描画 |
Time Spy | カクカクとした描画。(コマ送りに近い) |
ドラゴンクエストX
ドラゴンクエストX ベンチマークの結果です。
標準品質、解像度 1280×720
最高品質、解像度 1280×720
標準品質、解像度 1920×1080
最高品質、解像度 1920×1080
ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド
ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマークの結果です。
標準品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
高品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
最高品質、解像度 1280×720、DirectX 11
ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター
ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマークの結果です。
標準品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
高品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
最高品質、解像度 1280×720、DirectX 11
ファイナルファンタジーXV
ファイナルファンタジーXV は、解像度 1280×720 / 軽量品質でも動作困難という結果でした。
解像度 1280×720、軽量品質
上記、5つのベンチマークソフトを使ったグラフィック性能の測定結果から、『Lenovo YOGA 920』のグラフィック性能レベルはモバイルノートしては高いレベルです。動画視聴はもちろんのこと、ビデオチャットや写真・動画の編集、ライトなゲームも気軽に楽しむことができるレベルです。
ストレージ
レビュー機に搭載されているストレージは SAMSUNG製の SSDで、容量は 256GB、接続規格 M.2 (Type2280) / 対応規格 PCIe / 転送モード NVMe です。(実際に SAMSUNG製の SSD が搭載されるとは限りません)
ストレージ情報
ドライブ構成は次のようになります。
ストレージのデータ転送速度の測定結果です。
データ転送速度
SSD が搭載されていると、測定結果が示す通り Windows や アプリの起動も高速です。
とくに、『Lenovo YOGA 920』に搭載されている SSD は、対応規格 PCIe / 転送モード NVMe なので、Windows やアプリの起動などストレージへのアクセスは、体感的にも爆速です。
総合的なパフォーマンス
「PCMark 8」および「PCMark 10」を使用して、PCのアプリケーション実行における総合的なパフォーマンスを測定します。
PCMark 8(Home Test)
家庭での利用を想定したテストです。
(テスト結果はクリックで拡大表示できます)
PCMark 8(Home Test) OpenCL対応の Accelerated にて測定
PCMark 8(Creative Test)
クリエイティブな利用を想定したテストです。
(テスト結果はクリックで拡大表示できます)
PCMark 8(Creative Test) OpenCL対応の Accelerated にて測定
PCMark 10 Extended
PCMark 10 Extended は、以下の 4つの Test Group のテストを実施します。
(テスト結果はクリックで拡大表示できます)
■Essentials(普段の作業を想定した基本的なテスト)
■Productivity(ビジネスソフトの使用を想定したテスト)
■Digital Contents Creation(写真・動画編集を想定したテスト)
■Gaming(ゲーミングソフトの使用を想定したテスト)
総合的なパフォーマンスとしては、モバイルノートとして快適に使えるスコアです。
とくに、PCMark 10 Extended については Gaming 以外のジャンルのスコアが良好な結果となっていることからも、モバイルノートとしての性能レベルは高いといえます。
実際に使ってみた印象としても快適なパフォーマンスで動きも軽快でした。
動作音・動作熱
動作音については、負荷のかかる処理中でも「サーッ」という排熱の音が大きくなります。個人差はありますが耳ざわりに感じるかもしれません。
ただ、通常の状態では無音状態に近く静かです。
パソコンを使っているあいだ、負荷のかかる処理が続くわけではないので、あまり気にする必要はないと思います。
熱については、負荷のかかる処理中、キーボード奥のヒンジ周辺が少し温かくなります。
また、キーボード上は少し温かいかな?と感じる程度、パームレストは本体内部の熱の影響はあまり受けないので不快な感じはありません。
バッテリー
『Lenovo YOGA 920』に搭載されているバッテリーの性能(駆動時間と充電時間)を測定します。
■駆動時間
バッテリーでの駆動は、次の条件でバッテリーによる駆動時間を計測します。
・無線LANでインターネットに接続
・YouTubeを全画面で連続再生
・画面の明るさ:最大レベル
・音量:最大レベル
■充電時間
バッテリー充電時間の計測は以下の条件で行います。
・測定開始はバッテリー残量がほぼゼロの状態
・電源アダプターを接続し Windows を起動
・スクリーンセーバー(ラインアート)でパソコンはアイドル状態
※スクリーンタイムアウトや PCスリープは設定しない。
バッテリーの駆動時間と充電時間の測定結果は以下のようになります。
バッテリーの残量は、大よその数字で 1時間当たり 9% ~ 12% 減少しています。
バッテリーによる駆動は 9時間 2分経過後、Windows がバッテリー不足を検知し、パソコンは休止状態になりました。
バッテリーを多く消費する条件でもバッテリー駆動時間は 9時間を超えており、長時間駆動が可能なバッテリーといえるでしょう。
ディスプレイの明るさや音量を適度に設定するなど節電モードでの使用ならバッテリー駆動時間はもっと長くなるはずです。
バッテリー充電については、50%まで充電するのに 47分、充電完了までの所要時間は 2時間 6分でした。充電時間も意外と短時間です。
充電時間は意外と短く、急な外出のときにバッテリー残量が少なくても短時間充電で対応できそうです。
実際の使用にあたっては、環境や使い方などによりバッテリーの駆動時間は変動するので、参考値としてください。
サウンド チェック
『Lenovo YOGA 920』は、JBL ステレオスピーカーを搭載しています。
JBL は、ハーマンインターナショナルが有するスピーカーのブランドです。
参考までに、ハーマンインターナショナルは、家庭用オーディオ、ホームシアター、車載用、マルチメディア用などの民生機器から、映画館、スタジアム、コンサートホールなど業務用機器まで手掛ける世界最大級のオーディオメーカーです。
実際にサウンドを聴いてみた印象としては・・・
■スピーカー
低音域から高音域まで広い音域でクリアなサウンドが再生される。
低音域が少し弱い感じがするが、サウンド全体としてはとても高音質!
ボリュームを最大にしても音割れしにくい。
■ヘッドホン
低音域に伸びが出てサウンドに厚みが増す。
臨場感もアップし、迫力のあるサウンドを楽しめる。
Windows の起動・再起動・シャットダウン時間計測
Windows の起動時間、再起動時間、シャットダウン時間を それぞれ 5回ずつ計測しました。
起動とシャットダウン時間は、感覚的にもかなり「早い」です。
搭載ソフトウェア
『Lenovo YOGA 920』に搭載されている主なソフトウェアです。(クリックで拡大表示できます)
Windows標準のソフトのほか、レノボオリジナルのサポートソフト、ウィルス対策ソフト「マカフィーリブセーフ」(試用版)などがインストールされています。
インストールされているソフトウェアは必要最低限といった印象です。
まとめ
以上、『Lenovo YOGA 920』のレビュー記事をお届けしました。
スタイル自在に使えるコンバーチブルタイプの 2in1 ノートは利便性も高く、いろいろなシーンで活用できます。
とくに、『Lenovo YOGA 920』には筆圧検知のアクティブペンが同梱されており、鉛筆で描くような感覚でメモを取ったりアイデアを絵にしたりすることが手軽にできるのも魅力です。
上質なデザインにくわえ、性能面でもベンチマークの結果が示すとおり高いレベルで快適に使えます。
価格は割引クーポンを適用すれば 13万円台からと、意外にリーズナブル。
快適なパフォーマンスや、デザイン性の高さ、使いやすさ、価格など、トータルバランスとコストパフォーマンスに優れたモデルといえます。
『Lenovo YOGA 920』の価格やクーポン、キャンペーンなどの最新情報はレノボ直販サイト「レノボショッピング」でチェックできます。
レノボ直販「レノボショッピング」公式サイト ⇒ 『Lenovo YOGA 920』製品ページ |
※割引クーポンは製品ページに掲載されています。