デル XPS 13 (9310) は、第11世代インテル Core プロセッサーを搭載した高性能で高品質な 13.4型モバイルノートPC です。
XPS 13 といえば眼をひきつられる洗練されたデザインが特徴の一つですが、高い処理性能でパフォーマンスも快適に使えるパワフルさもあわせ持っています。
くわえて映像描画のキレイな液晶ディスプレイやフルサイズのキーボードなど使用感の良さも抜群です。
ちなみに、XPS 13 (9310) には姉妹モデル XPS 13 (9305) がラインナップしていますが、両者の違いはディスプレイのアスペクト比(縦横比)。
姉妹モデル 9305 が一般的なノートパソコンと同じ「16:9」であるのに対して、レビュー機 9310 のアスペクト比は「16:10」と縦方向の表示領域が広く使いやすさの点で優位なところもポイント。
関連記事
第12世代インテル Core プロセッサーを搭載した後継機種の実機レビューです。
■XPS 13 (9310) の特徴
- 第11世代インテル Core プロセッサー搭載
- CNC(コンピューター数値制御)機械加工のアルミニウムボディ
- スリム&軽量&堅牢性にすぐれデザインも洗練されていてスタイリッシュ
- フレームレス&高輝度&広色域の液晶ディスプレイ
- 標準的なレイアウトでタイピングしやすいフルサイズキーボード
- 顔認証カメラ&指紋センサーを搭載
- 高速無線LAN規格 Wi-Fi 6(IEEE802.11ax)を搭載
レビューではメーカーからお借りした実機を試用し、前半で外観デザイン/ディスプレイ/キーボードなどをチェック、後半では各種ベンチマークを使った性能評価を行います。
【 目 次 】
レビューは 2021年6月15日時点の内容です。
スペック構成
XPS 13 (9310) のおもなスペックです。
OS | Windows 10 Home (64ビット) 日本語 |
CPU | インテル Core i7-1185G7 プロセッサー |
メモリ | ■16GB 4267MHz LPDDR4x オンボード ■32GB 4267MHz LPDDR4x オンボード |
ストレージ | ■512GB SSD (M.2 PCIe NVMe) ■1TB SSD (M.2 PCIe NVMe) |
ディスプレイ | ■13.4インチ FHD+ (1920 x 1200) フレームレス 非-タッチ 非光沢 500-Nit ■13.4インチ OLED 3.5K (3456×2160) フレームレス タッチ 反射防止 400-Nit ディスプレイ ■13.4インチ UHD+ (3840 x 2400) フレームレス タッチ 反射防止 500-Nit ディスプレイディスプレイ |
グラフィックス | インテル Iris Xe グラフィックス (CPU 内蔵) |
ワイヤレス | ■Killer Wi-Fi 6 AX1650 (2×2)、Bluetooth 5.1 ■Killer Wi-fi 6 AX500-DBS (2×2) & Bluetooth 5.1 |
カメラ、マイク | ワイドスクリーンHD(720p)Webカメラ、デジタルアレイマイク |
Windows Hello | 赤外線顔認証カメラ、指紋認証リーダー |
本体サイズ(W×D×H) | 295.7×198.7×14.8 mm |
本体質量 | 約1.2kg (最小重量) |
ランナップしているモデルのスペック構成や価格など最新情報はデル直販「デルオンラインストア」公式サイトをご確認ください。
デル XPS 13 (9310)
税込 16万円台から
※クーポン適用価格
外観チェック
洗練されたデザイン
XPS 13 (9310) の洗練されたスタイリッシュなデザインには眼をひきつけられます
本体の素材はアルミニウム。軽量で堅牢性(頑丈さ)にすぐれている点も特徴の一つです。
表面はサラサラとした感触で、アルミ素材の上質感があります。
レビュー機の本体カラーはプラチナシルバー。スタイリッシュ・デザインの定番ともいえるカラーで指紋や皮脂の跡は目立ちにくいです。
本体はスリム!
また、もう一つのカラー「フロスト ホワイト」は上品で清潔感のある色合いです。
フロスト ホワイト
底面部は剛性を重視した「ユニボディ」の構造です。
底面はシンプルで見た目スッキリ
ゴム足は前後に平行して実装されています。安定感は良好です。
排気口はヒンジのあいだに実装されています。
本体の左右にモノを置いても排熱で温められることはありません。
インターフェースは少ない
XPS 13 (9310) のインターフェースをチェックします。
左側面のインターフェースなど各部名称です。
①Power Delivery搭載Thunderbolt 4 USB Type-Cポート
②microSD カード スロット
右側面のインターフェースなど各部名称です。
③Power Delivery搭載Thunderbolt 4 USB Type-Cポート
④ヘッドセット ポート
USB 3.0 Type-C ポートは映像出力や PD充電器に対応しています。
■USB Type-C ポート対応表(当サイトの検証結果)
映像出力 | 〇 |
---|---|
PD充電器(30W) | 〇(低速充電) |
PD充電器(45W) | 〇 |
PD充電器(65W) | 〇 |
※左右側面の USB Type-C ポート共通
microSDカードスロットはプッシュロック式です。
microSD カードを押し込んでロックさせ、取り出すときは再度カードを押し込んでロックを解除することでカードが出てくる仕組みです。
実装されているインターフェースは少ないです。
USB Type-C Type-A変換アダプターが同梱されていますが、実用面で不安があるときは、USB Type-C ハブを使用することで USB Type-A や HDMI など各種ポートが利用可能になり拡張性は格段にアップします。
付属の USB Type-C Type-A 変換アダプター
USB Type-C ハブでは拡張性アップ
(写真は旧モデルの XPS 13 9300)
電源ボタンは右奥に実装されています。
電源ボタン
使用中に間違って電源ボタンを押してもスリープ状態に移行するだけで、作業中のデータが破棄されることはありません。
スピーカーは底面部左右に実装されています。
スピーカーは底面部の左右に実装
顔認証や指紋認証でかんたんサインイン
XPS 13 (9310) には顔認証カメラと指紋センサーが搭載されています。(指紋センサーは電源ボタン内蔵)
顔認証と指紋認証は併用が可能で、認証精度はいずれも良好です。
顔認証でサインイン
指紋認証でサインイン
顔認証ならパソコンの前にすわるだけで Windows にサインインできますし、マスクを着用しているときは指紋センサーにタッチするだけでかんたんに Windows にサインインできます。
軽量&スリム&コンパクトなボディ
本体の大きさのイメージです。本体の下に A4コピー用紙を置き、本体上に B5版ノートを載せています。
コンパクトな本体
本体は A4サイズと同じくらい。フットプリント(設置面積)は A4 サイズよりも小さく、とてもコンパクトです。
本体を閉じたときの高さのイメージです。
本体の高さを CD ケース(通常サイズ)2枚と比較
(通常サイズの CDケースの厚さは 10mm)
本体の高さは実測で 14~16.5mm。CDケース 2枚よりも薄く とてもスリムです。
スリムなボディ
本体や電源アダプターなどの重量を実測します。
・本体:1,258g
・電源アダプター:136g
・電源コード:93g
・USB Type-C Type-A変換アダプター:10g
本体はとても軽く、持ち歩きもラクにできる重量感です。
本体はとても軽い!
電源アダプターの最大出力は 45W。こちらもコンパクトサイズです。
ディスプレイのチェック
高精細でキレイに描画できるディスプレイ
レビュー機のディスプレイは SHARP製の液晶パネルです。解像度 UHD+ (3840 x 2400) の高精細にくわえ高輝度で描画される映像もキレイです。
画像の表示例
テキストの表示例
トーンカーブは、RGB ともに 理想的な 45度の角度です。
トーンカーブ
(キャリブレーションツール「i1Display Pro」で計測)
色域の計測結果です。
色域
(色度図作成ソフト「ColorAC」にて作成)
sRGBカバー率 | 100.0% |
---|---|
Adobe RGBカバー率 | 82.5% |
DCI-P3カバー率 | 86.1% |
色調バランス・色域ともに優秀です。
フレームレス ディスプレイ
ベゼルは狭額縁です。
左右のベゼルは鉛筆の太さよりもせまく、上ベゼルには顔認証機能を搭載した IRカメラが内蔵されており、まさに「フレームレス ディスプレイ」の呼び名にふさわしいベゼルのせまさです。
映り込みは気にならない
ディスプレイの映り込み具合をチェックします。
レビュー機のディプレイは反射防止コーティングが施されているため、画面への映り込みは気になりません。
広い視野角
視野角をチェックします。
正面
右側 ディスプレイ面から30度の角度
上側 ディスプレイ面から30度の角度
水平方向、垂直方向ともに視野角は広く、斜めからもハッキリとした映像を観ることができます。
ディスプレイを開ける最大角度は十分
ディスプレイを開くことができる最大角度です。
クラムシェルタイプのノートパソコンとして十分な範囲をカバーしています。
キーボード&タッチパッドのチェック
標準的なレイアウトでタイピングしやすいキーボード
XPS 13 (9310) のキーボードレイアウトは標準的です。
本体はコンパクトながら、キーサイズが大きく、ゆとりのあるキーピッチです。(実測で 19mm)
キーピッチの仕様は横 19.05mm、縦 18.05mm
キートップの形状は中央部分が少しへこんでいる感覚があります。適度なフィット感にくわえ少しツルツルとした感触で質感も良好です。
キーストロークは平均的なノートパソコンにくらべ わずかに浅い感じがしますが、大きな違和感はありません。
タイプ音は「タッタッ」という比較的静かな音
キーの押し込む強さやキーを押し込んだ後の反発もちょうど良い感じで、タイプ感は良好です。
キーボードにはバックライトを搭載
キーボードにはバックライトが搭載されています。
キーボード・バックライトは明るさを2段階で切り替え可能です。
[F5]キー押下:点灯(明)→点灯(暗)→消灯
質感の良いパームレスト
レビュー機のパームレストは黒のカーボン ファイバー。少しツルツルしてシットリとした感じです。
感触は良好で、指紋や皮脂の跡は目立ちにくいです。
パームレストのカラー/素材
■本体カラーがプラチナシルバーのとき
パームレストは黒のカーボン ファイバー
■本体カラーがフロスト ホワイトのとき
パームレストはアークティック ホワイトのグラス ファイバー
※旧モデル XPS 13 9300 と同じ素材の組み合わせ
スベリもなめらかで反応の良いタッチパッド
タッチパッドはクリックボタンが一体化したタイプです。
タッチパッドのサイズ感(使いやすいサイズ感)
サラサラとした感触で手触り感も良好、なめらかなスベリで指2本あるいは3本を使ってのジェスチャー操作もスムーズです。
ベンチマークによる性能評価
ベンチマークでは、XPS 13 (9310) の CPU・グラフィック・ストレージ性能のほかバッテリー性能や総合的なパフォーマンスを評価します。
レビュー機の基本スペック
OS | Windows 10 Pro(64bit) |
---|---|
CPU | インテル Core i7-1165G7 プロセッサー |
メモリ | 16GB 4267MHz LPDDR4x オンボード |
ストレージ | 1TB SSD (M.2 PCIe NVMe) |
グラフィックス | インテル Iris Xe グラフィックス |
現在販売中モデルの CPU は「Core i7-1185G7」ですが、レビュー機に搭載されている CPU にくらべ動作周波数がわずかに上回る程度です。パフォーマンス的には同等とみてよいと思います。
評価に使用したベンチマークは以下のとおりです。
評価項目 | 使用するベンチマーク |
---|---|
CPU性能 | CINEBENCH R20[CPUのレンダリング性能評価] |
CPU Mark (PassMark PerformanceTest)[CPU性能の総合評価] | |
グラフィック性能 | 3DMark FireStrike |
ドラゴンクエストX[軽量級のゲーム] | |
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ[中量級のゲーム] | |
ファイナルファンタジーXV[重量級のゲーム] | |
ストレージ性能 | CrystalDiskMark |
総合的なパフォーマンス | PCMark 10 |
バッテリー | BatteryInfoView(バッテリー残量測定用) |
なお、ベンチマークの実行にあたっては、付属のソフトウェア「Dell Power Manager」のサーマル管理を[最適化]に設定して実施しています。
Dell Power Manager
(クリックで拡大表示できます)
CPU性能
CPU性能は CINEBENCH R20 と CPU Mark(PassMark PerformanceTest) のベンチマークスコアで評価します。
評価にあたっては、性能レベルを把握するため下記 CPU のスコアと比較します。
・インテル Core i7-1165G7 プロセッサー
・インテル Core i5-1135G7 プロセッサー
・インテル Core i3-1115G4 プロセッサー
・インテル Core i7-1065G7 プロセッサー
・AMD Ryzen 5 5500U プロセッサー
・AMD Ryzen 7 4700U プロセッサー
・AMD Ryzen 5 4500U プロセッサー
※当サイトで計測したスコアの平均値
なお、Core i7-1065G7 は、旧モデル XPS 13 9300 にも搭載されているプロセッサーです。性能比較の参考にしてください。
■CINEBENCH R20[CPUのレンダリング性能評価]
CPU | |
---|---|
Ryzen 5 5500U |
2789 pts
|
Ryzen 7 4700U |
2750 pts
|
Ryzen 5 4500U |
2042 pts
|
Core i7-1165G7 |
1960 pts
|
Core i5-1135G7 |
1799 pts
|
Core i7-1165G7(レビュー機) |
1705 pts
|
Core i7-1065G7 |
1682 pts
|
Core i3-1115G4 |
1224 pts
|
■CPU Mark (PassMark PerformanceTest)[CPU性能の総合評価]
CPU Mark | |
---|---|
Ryzen 7 4700U |
14790
|
Ryzen 5 5500U |
12173
|
Core i7-1165G7(レビュー機) |
11959
|
Core i7-1165G7 |
11721
|
Ryzen 5 4500U |
11071
|
Core i5-1135G7 |
10614
|
Core i7-1065G7 |
10238
|
Core i3-1115G4 |
6702
|
レビュー機の CPU 性能は、レンダリング処理は少し苦手とするものの、総合的なパフォーマンスは良好です。
おそらく、レンダリング処理のような負荷の高い処理が長時間続くことによって本体内部の排熱が追いつかず、結果的にスコアがひかえめになったと考えられます。
後述しますが、システム全体の総合的なパフォーマンス評価では優秀なスコアだったので、レンダリングのような処理は短時間で済ませるような使い方をすればパフォーマンスを最適化できるのかもしれません。
グラフィック性能
グラフィック性能はゲーム系のベンチマークで性能評価を行います。
評価にあたっては、グラフィックス性能レベルを把握するため当サイトでレビューした下記グラフィックスのスコアと比較します。
・インテル Iris Xe グラフィックス
(Core i7-1165G7搭載機)
・インテル Iris Xe グラフィックス
(Core i5-1135G7搭載機)
・インテル UHD グラフィックス
(Core i3-1115G4搭載機)
・インテル Iris Plus グラフィックス
(Core i7-1065G7搭載機)
・AMD Radeon グラフィックス
(Ryzen 7 4700U搭載機)
・AMD Radeon グラフィックス
(Ryzen 5 4500U搭載機)
※当サイトで計測したスコアの平均値
3DMark FireStrike
3DMark FireStrike のベンチマーク結果です。
Fire Strike は DirectX 11 を使用したハイパフォーマンスゲーミングPC向けのグラフィックス性能テストです。
3DMark Fire Strike | |
---|---|
インテル Iris Xe(レビュー機) |
4175
|
インテル Iris Xe(Core i7-1165G7) |
3919
|
AMD Radeon(Ryzen 7 4700U) |
2992
|
インテル Iris Xe(Core i5-1135G7) |
2948
|
インテル Iris Plus(Core i7-1065G7) |
2693
|
インテル UHD(Core i3-1115G4) |
2333
|
AMD Radeon(Ryzen 5 4500U) |
2294
|
ドラゴンクエストX[軽量級のゲーム]
ドラゴンクエストX のベンチマーク結果です。
ドラゴンクエストX | |
---|---|
インテル Iris Xe(レビュー機) |
13228
|
インテル Iris Xe(Core i7-1165G7) |
10809
|
インテル Iris Xe(Core i5-1135G7) |
8958
|
インテル Iris Plus(Core i7-1065G7) |
8832
|
AMD Radeon(Ryzen 7 4700U) |
8576
|
インテル UHD(Core i3-1115G4) |
7706
|
AMD Radeon(Ryzen 5 4500U) |
7002
|
※最高品質/解像度 1920×1080 で実施
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ[中量級のゲーム]
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズのベンチマーク結果です。
漆黒のヴィランズ | |
---|---|
インテル Iris Xe(レビュー機) |
5359
|
インテル Iris Xe(Core i7-1165G7) |
4185
|
インテル Iris Xe(Core i5-1135G7) |
3747
|
AMD Radeon(Ryzen 7 4700U) |
3546
|
インテル Iris Plus(Core i7-1065G7) |
3360
|
AMD Radeon(Ryzen 5 4500U) |
2775
|
インテル UHD(Core i3-1115G4) |
2661
|
※高品質(ノートPC)/解像度 1920×1080 で実施
ファイナルファンタジーXV[重量級のゲーム]
ファイナルファンタジーXV のベンチマーク結果です。
ファイナルファンタジーXV[スコア(評価)] | |
---|---|
インテル Iris Xe(Core i7-1165G7) |
3290
|
インテル Iris Xe(レビュー機) |
3257
|
AMD Radeon(Ryzen 7 4700U) |
3129
|
インテル Iris Xe(Core i5-1135G7) |
2687
|
AMD Radeon(Ryzen 5 4500U) |
2440
|
インテル UHD(Core i3-1115G4) |
2389
|
インテル Iris Plus(Core i7-1065G7) |
2316
|
※軽量品質/解像度 1280×720 で実施
CPU内蔵のグラフィックスは、CPU性能のほかにも搭載されているメモリ容量や構成チャネル(シングル/デュアル/クアッド)に依存します。
レビュー機のメモリ構成はクアッドチャネルのためグラフィックスパフォーマンスを最大限に発揮できています。
メモリ容量・構成
モバイルノートとして一般的な使い方(ネット・メール・オフィスソフト・動画鑑賞など)のほか、写真編集など高度なグラフィックス処理も快適に使えそうです。
(ただし、高負荷な状態が長時間継続する処理は苦手かも)
ストレージ性能
レビュー機のストレージは NVMe対応の SSD(容量 1TB) が搭載されています。
データ転送速度(CrystalDiskMark で計測)
データアクセスも超高速にできて、Windows やアプリの起動も早いです。
参考までに SSD は大容量になるほどデータ転送速度が速くなる傾向があります。目安として 512GB以上で速度の違いが顕著になってきます。
総合的なパフォーマンス
PCMark 10 Extended を使って、実際の使用を想定した性能評価を行います。
評価にあたっては、性能レベルの程度を把握するため当サイトでレビューした下記機種のスコアと比較します。
・XPS 13 (9300) プラチナ(シルバー)
・Core i7-1165G7搭載機(平均)
・Core i5-1135G7搭載機(平均)
※平均は当サイトで計測したスコアの平均値
スペック | XPS 13 (9310) (レビュー機) |
XPS 13 (9300) プラチナ |
Core i7-1165G7 搭載機 |
Core i5-1135G7 搭載機 |
---|---|---|---|---|
CPU | インテル Core i7-1165G7 | インテル Core i7-1065G7 | インテル Core i7-1165G7 | インテル Core i5-1135G7 |
メモリ | 16GBメモリ | 16GBメモリ | 8GB/16GBメモリ | 8GBメモリ |
ストレージ | 1TB SSD (NVMe) | 512GB SSD (NVMe) | 256GB/512GB/1TB SSD (NVMe) | 256GB/512GB SSD (NVMe) |
グラフィックス | インテル Iris Xe | インテル Iris Plus | インテル Iris Xe | インテル Iris Xe |
ベンチマーク結果は以下のとおり。
Total Score | |
---|---|
レビュー機 |
4481
|
XPS 13 9300 プラチナ(シルバー) |
3794
|
Core i7-1165G7搭載機 |
4224
|
Core i5-1135G7搭載機 |
3812
|
Essentials | |
レビュー機 |
9213
|
XPS 13 9300 プラチナ(シルバー) |
8640
|
Core i7-1165G7搭載機 |
9176
|
Core i5-1135G7搭載機 |
8986
|
基準値 |
4100
|
Productivity | |
レビュー機 |
6384
|
XPS 13 9300 プラチナ(シルバー) |
7005
|
Core i7-1165G7搭載機 |
6355
|
Core i5-1135G7搭載機 |
6083
|
基準値 |
4500
|
Digital Contents Creation | |
レビュー機 |
4832
|
XPS 13 9300 プラチナ(シルバー) |
3895
|
Core i7-1165G7搭載機 |
4624
|
Core i5-1135G7搭載機 |
4275
|
基準値 |
3450
|
Gaming | |
レビュー機 |
3835
|
XPS 13 9300 プラチナ(シルバー) |
2378
|
Core i7-1165G7搭載機 |
3238
|
Core i5-1135G7搭載機 |
2493
|
※テスト項目説明
・Total Score(総合的な評価)
・Essentials(普段の作業を想定した基本的なテスト)
・Productivity(ビジネスソフトの使用を想定したテスト)
・Digital Contents Creation(写真・動画編集を想定したテスト)
・Gaming(ゲーミングソフトの使用を想定したテスト)
※基準値はベンチマークソフト開発メーカーの推奨スコア
レビュー機 XPS 13 (9310) のスコアは、とても優秀です。
平均値を上回るスコアで処理性能のバランスにもすぐれています。
ふだん使いから仕事まで、また写真・動画編集などクリエイティブな作業も快適なパフォーマンスが期待できます。
バッテリー
バッテリー性能については、レビュー機のバッテリー駆動時間と充電時間を計測・評価します。
■駆動時間の測定条件
・無線LANでインターネットに接続
・YouTubeを全画面で連続再生
・画面の明るさ:最大レベル
・音量:最大レベル
■充電時間の測定条件
・測定開始はバッテリー残量がほぼゼロの状態
・電源アダプターを接続し Windows を起動
・スクリーンセーバー(ラインアート)でパソコンはアイドル状態
※スクリーンタイムアウトや PCスリープは設定しない。
バッテリーの駆動時間と充電時間の測定結果は以下のとおり。
バッテリー駆動時間 | 5時間 22分 |
---|---|
バッテリー充電時間 (50%までの充電時間) |
1時間 4分 |
バッテリー充電時間 (80%までの充電時間) |
1時間43分 |
バッテリー充電時間 (100%までの充電時間) |
2時間 47分 |
バッテリーを多く消費する条件とはいえ、5時間30分程度のバッテリー駆動はモバイルノートとして物足りなさを感じます。
おそらく、高解像度の UHD+ (3840 x 2400) にくわえ画面の明るさを最大限にしていたことでバッテリーがより多く消費されたからでしょう。
使うシーンに合わせて画面の明るさや音量を適正レベルに調整すればバッテリー駆動時間を伸ばすことができます。レビュー機の場合、もともと高輝度液晶なので、明るさを多少おさえても実用的には問題ないと思います。
なお、実際の使用にあたっては、環境や使い方などによりバッテリーの駆動時間は変動するので参考値としてください。
クリエイティブ性能の評価
クリエイティブ性能は RAWデータ現像(JPEGファイル書き出し)と動画エンコードの処理時間で評価します。
評価にあたっては、上記の総合的なパフォーマンスで使用した機種の処理時間と比較します。
・XPS 13 (9300) プラチナ(シルバー)
・Core i7-1165G7搭載機(平均)
・Core i5-1135G7搭載機(平均)
※当サイトで計測した処理時間の平均値
RAWデータ現像
RAWデータ現像に使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。
■使用ソフトウェア
CyberLink PhotoDirector
Adobe Photoshop Lightroom
Adobe Photoshop Lightroom Classic
■条件等
・RAWデータ 50ファイルをJPEG形式で一括書き出し
・RAWデータサイズ 4,592×3,056(約14MB)
・プリセット等 編集は適用しない
・ほかのアプリは起動しない(常駐アプリは除く)
PhotoDirector | |
---|---|
レビュー機 |
51秒5
|
XPS 13 9300 プラチナ(シルバー) |
42秒2
|
Core i7-1165G7搭載機 |
50秒2
|
Core i5-1135G7搭載機 |
58秒6
|
Photoshop Lightroom | |
レビュー機 |
20秒5
|
XPS 13 9300 プラチナ(シルバー) |
26秒3
|
Core i7-1165G7搭載機 |
26秒5
|
Core i5-1135G7搭載機 |
36秒5
|
Lightroom Classic | |
レビュー機 |
32秒0
|
XPS 13 9300 プラチナ(シルバー) |
33秒3
|
Core i7-1165G7搭載機 |
33秒7
|
Core i5-1135G7搭載機 |
39秒6
|
動画エンコード
動画エンコードに使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。
■使用ソフトウェア
CyberLink PowerDirector
■条件等
・AVCHD動画(1920×1080)を mp4 形式で出力(m2ts→mp4、720p、1280×720/30p 16Mbps)
・動画再生時間 10分間
・ほかのアプリは起動しない(常駐アプリは除く)
PowerDirector | |
---|---|
レビュー機 |
3分13秒6
|
XPS 13 9300 プラチナ(シルバー) |
2分55秒1
|
Core i7-1165G7搭載機 |
3分8秒2
|
Core i5-1135G7搭載機 |
3分26秒1
|
PhotoDirector や PowerDirector のように全機種で時間がかかっている処理ではパフォーマンスが少しひかえめになるようですが、おおむね満足できる結果です。
写真・動画編集などクリエイティブな作業でも快適に使えそうです。
駆動音・表面温度のチェック
駆動音のチェック
駆動音については、ベンチマーク(CINEBENCH R20 でマルチ Core を計測)実行中と動画エンコード中の音量(デシベル)を計測し、評価します。
音量計測イメージ
(使用測定器:Meterk SLM01)
■測定結果
最大音量 下段はピーク時の音量推移 |
|
---|---|
アイドル時 | 34.2 db |
CINEBENCH R20 | 36.2 db (35~36db で推移) |
動画エンコード | 39.1 db (36~38db で推移) |
※防音室での測定ではありませんが、周囲の音ができるだけ入らないようにして測定しています。
■騒音の目安
騒音の大きさ | 騒音の具体例 |
---|---|
60 デシベル | 走行中の自動車内 普通の会話 デパート店内 |
50 デシベル | 家庭用エアコンの室外機 静かな事務所の中 |
40 デシベル | 閑静な住宅地の昼 図書館内 |
30 デシベル | 深夜の郊外 鉛筆での執筆音 |
20 デシベル | 木の葉の触れ合う音 雪の降る音 |
参考:埼玉県深谷市ホームページ「騒音・振動の規制について」
平常時は静かです。高負荷時は「ヒューッ」という排熱のときのファン音が わずかに大きくなりますが耳ざわりに感じるほどではありません。
表面温度のチェック
平常時と動画エンコード時の表面温度の測定結果です。
※単位:℃、測定時の室温:25℃
※高負荷時に温度が下がっている箇所はエアフローによるもの
キーボードの表面温度【単位:℃、測定時の室温:25℃】
左側の画像:平常時(Windows起動後10分放置)
右側の画像:動画エンコード時(10分間の動画エンコード終了直前)
底面部の表面温度【単位:℃、測定時の室温:25℃】
左側の画像:平常時(Windows起動後10分放置)
右側の画像:動画エンコード時(10分間の動画エンコード終了直前)
高負荷な状態になるとキーボード上 中央寄りの温度が上がり多少の温かさを感じます。
パームレスト上は高負荷時でも温度上昇はおさえられているので不快な感じはありません。(エアフロー効果で表面温度は少し下がる)
サウンド チェック
XPS 13 (9310) には、サウンドユーティリティソフト「MaxxAudio Pro」がプリインストールされています。
サウンドに合わせたプリセットが数多く設定されているほか、スピーカーやヘッドフォンなどサウンドを再生する機器に合わせて、お好みのサウンドにチューニングすることができます。
以下は、実際にサウンドを聴いてみた印象です。
※イコライザープロファイル:フルリセットで試聴
■スピーカー
低音域から高音域まで広い音域を再現。
迫力があって高音質。
音声もシッカリと聴き取れる。
■ヘッドホン
スピーカーと同じくらい高音質。
低音域が増幅されてサウンド全体に厚みが出る。
さらに高音質なサウンドを楽しめる。
Windows の起動・再起動 時間計測
Windows の起動、再起動時間を それぞれ 5回ずつ計測しました。
起動 | 再起動 | |
---|---|---|
1回目 | 9.8秒 | 31.6秒 |
2回目 | 10.0秒 | 31.3秒 |
3回目 | 9.8秒 | 31.6秒 |
4回目 | 9.4秒 | 30.5秒 |
5回目 | 10.2秒 | 30.6秒 |
平均 | 9.8秒 | 31.1秒 |
起動は体感的にも早いですが、再起動はやや時間がかかるようです。とはいえ30秒チョットなので「起動が遅い」と感じることはないでしょう。
実際の使用にあたってはインストールしているアプリや使い方などにより起動時間は変動するので参考値としてください。
同梱品
XPS 13 (9310) の本体ほか付属品一式です。
同梱品リスト
・XPS 13 (9310) 本体
・電源アダプター
・電源コード
・ドキュメント類
なお、同梱品一式は化粧箱に収納されています。(化粧箱は外箱のなかに入っています)
まとめ
以上、XPS 13 (9310) のレビュー記事をお届けしました。
XPS 13 は、洗練されたデザインにくわえ性能レベルが高くパフォーマンスも快適に使えます。
また、高輝度・高精細のフレームレスディスプレイは映像描画がキレイで、フルサイズのキーボードはタイピングしやすく、さらに顔認証や指紋認証などセキュリティ機能も搭載されており、実際の使用感も抜群です。
まさに、性能・デザイン・使いやすさなどトップクラスの完成度で高い所有満足度を得られるモバイルノートといえます。
評価のポイントをまとめると・・・
高評価のポイント
- 洗練された高級感あふれるデザイン
- 高性能でパフォーマンスも快適に使える
- 色調バランス・色域ともに優秀な液晶ディスプレイ
- 本体はコンパクトサイズながらフルサイズでタイピングしやすいキーボード
- 顔認証や指紋認証などセキュリティ機能も搭載
- 軽量&スリム&コンパクトで持ち歩きがラクにできる
- 完成度はトップクラス!高い所有満足度を得られる
気になる点
- 高負荷な処理を長時間継続するとパフォーマンスがひかえめになるかも
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デル XPS 13 (9310)
税込 16万円台から
※クーポン適用価格