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日本HP が販売する Victus 15L (インテル) 2024年モデルは、第14世代インテル Core プロセッサーと NVIDIA GeForce RTX 40 シリーズを搭載したゲーミング・デスクトップPCです。
エントリー向けながらゲームを快適にプレイできる性能を搭載しベンチマークによる性能評価も良好です。
シンプルで落ち着いた雰囲気のあるデザインにくわえゲーミングデスクトップとしてはコンパクトで意外に軽くセッティングがラクにできるところもポイント。
- 第14世代インテル Core プロセッサー & NVIDIA GEFORCE RTX 40 シリーズを搭載(下位モデルは RTX 3050 を搭載)
- シンプルで落ち着いた雰囲気のあるデザイン
- Victus インフィニティミラーがアクセント(RGBライティングできる)
- コンパクトで意外に軽く、省スペースにラクに設置できる
- 豊富なインターフェースを搭載
- 独自ソフトウェア「OMEN Gaming Hub」でパフォーマンスモードの切り替えやライティング設定などが可能
- メモリやHDDの増設/換装ができる(本体内部へのアクセスは面倒)
本記事では当サイトで購入した実機を試用し、前半で外観デザインや本体内部をチェック、後半では各種ベンチマークを使った性能評価を行います。
【 目 次 】
レビューは 2024年7月3日時点の内容です。
スペック構成
Victus 15L (インテル) 2024年モデルのおもなスペックは以下のとおり。
シリーズ名 | Victus by HP 15L Gaming Desktop TG02-2000jp シリーズ |
OS | Windows 11 Home |
プロセッサー | ■インテル Core i5-14400F プロセッサー ■インテル Core i7-14700F プロセッサー |
メモリ | 16GB (8GB×2) DDR4-3200MHz (最大32GB) |
ストレージ | ■512GB M.2 SSD (PCIe NVMe) ■1TB M.2 SSD (PCIe NVMe) |
グラフィックス | ■NVIDIA GeForce RTX 3050 ■NVIDIA GeForce RTX 4060 ■NVIDIA GeForce RTX 4060 Ti |
LAN | 10/100/1000 Mbps オンボードネットワークコネクション |
ワイヤレス | IEEE 802.11ax (Wi-Fi 6)、Bluetooth 5.3 |
本体サイズ (W×D×H) | 約 155×297.3×337 mm (縦置き) |
重量 | 約 6.31 kg |
Victus 15L は、CPU やストレージ、グラフィックスタイプの構成により以下の3モデルがラインナップしています。
■スタンダードモデル
Core i5-14400F/ RTX 3050/ 512GB SSD
■パフォーマンスモデル
Core i7-14700F/ RTX 4060/ 1TB SSD
■パフォーマンスプラスモデル
Core i7-14700F/ RTX 4060 Ti/ 1TB SSD
なお、前モデル(2023年モデル) から更新されたおもなスペックは以下のとおり。
■プロセッサー
Core i5-13400F → Core i5-14400F
Core i7-13700F → Core i7-14700F
■ストレージ
512GB SSD+2TB HDD → 1TB SSD
詳しいスペックや価格、キャンペーンなど最新情報は日本HP公式サイトをご確認ください。
Victus 15L (インテル)
2024年モデル
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外観チェック
シックなイメージのコンパクトデザイン
Victus 15L 2024年モデルのデザインに前モデルから変更はなく、シックなイメージのデザインが継承されています。
本体のカラーは「マイカシルバー」。イメージ的にはブラックにちかいカラーで落ち着いた雰囲気のある色合いです。
前後左右からの外観です。
前面側と背面側
左側面(本体正面に向かって)
右側面(本体正面に向かって)
フロントパネルの中央には「Victus インフィニティミラー」と呼ばれるブランドマークを配置。
フロントパネル
奥行き感があるイメージでデザインされ、なにか無限の可能性を感じます。
なお、Victus インフィニティミラーは RGBライティング可能です。
ライティングは付属のアプリケーション「OMEN Gaming Hub」で設定可能。色やブリンクなどお好みのライティングに設定できます。ライティングについても前モデルから変更はありません。
OMEN Gaming Hub によるライティング設定
ライティングで照らされたVictus インフィニティミラーにより気分的にもスイッチがはいります。
なお、天面側と底面側の外観イメージは以下のとおり。
天面側
底面側
ゴム足は前面側の左右に実装されています。背面側は型取りされたボディの一部ですが安定性は良好です。
省スペースに置ける
本体の大きさは 約 155(幅)×297.3(奥行き)×337(高さ) mm。
ゲーミングデスクトップながら本体はコンパクト。奥行きが浅く高さもないのでデスク上に設置しても圧迫感は少ないと思います。
2リットルのペットボトルと大きさ比較
以下は、21.5インチモニターや 23.8インチサイズのモニターと並べたときのイメージです。
21.5インチモニターと大きさ比較
23.8インチモニターと大きさ比較
なお、サイズにくわえ質量も前モデルと同じです。
コンパクトサイズにくわえ質量 約 6.31 kg の軽さは取り回しがラクにできるメリットがあります。
インターフェースのチェック
Victus 15L のインターフェースをチェックします。
■前面側
①電源ボタン
②ヘッドフォン出力/マイク入力コンボポート
③SuperSpeed USB Type-A 5Gbps ×2
④SuperSpeed USB Type-A 10Gbps ×2
⑤SuperSpeed USB Type-C 5Gbps
■背面側
①左からマイク出力、ライン入力、ライン入力
②USB 2.0 Type-A ×4
③LANポート
④HDMI 2.1
⑤DisplayPort1.4a ×3
ポートは用途に合わせてアクセスしやすく種類・数とも必要十分です。
なお、ポートのスペック等も前モデルと同じです。
本体内部のチェック
Victus 15L の本体を分解、内部をチェックします。
2024年モデルのスペックから SSD+HDD のデュアルストレージ構成はなくなりましたが、購入後に 3.5インチHDD を増設することは可能です。ご自身で増設するときの参考にしてください。なお、増設については自己責任での作業をお願いします。
本体内部へのアクセスは少し面倒
本体内部へアクセスするためには固定しているネジをはずしてから側面カバーを背面側にスライドさせて取りはずします。
※トルクスドライバー T15 またはマイナスドライバーが必要です。
矢印の指すネジをはずす
側面カバーを背面側へスライド
本体内部の全体イメージです。
本体内部の全体イメージ
本体内部のパーツにアクセスするにはブラケットを取りはずす必要があります。ブラケットを取りはずす手順は以下のとおり。
まず、フロントパネルをはずします。
フロントパネルを固定しているツメ(矢印)をはずす
フロントパネルを開く
フロントパネルは取り外すことができます。ただし、マザーボードとフロントパネルを接続しているケーブルに注意してください。
なお、ケーブルはマザーボード側から取り外せます。(慎重に取り外してください)
ケーブルに注意
フロントパネルは取りはずせる
つぎに、黒色のブラケットを取りはずします。
矢印のネジを外す
上記写真の赤丸あたりでブラケットの出っ張りがシャーシに引っかかっているため、まずブラケットを背面側へ少しずらし引っかかりを解消してください。
ブラケットを下側に倒すように開く
上部のブラケットを取りはずします。
矢印のネジを外す
ブラケットを上側に開くように取りはずす
上部のブラケットはドライブベイも兼ねており、2.5ドライブをベイの裏側からネジ止めできます。
2.5インチドライブベイとして使える
なお、SATA電源ケーブルのコネクタは2つ空きがあり、SATAケーブルは1つだけ実装されています。
これですべてのパーツにアクセスできます。
本体内部の全体イメージ
各パーツの実装エリアをチェックします。
CPU の実装エリアです。
CPU・排熱用ファン
CPU ファンは、前モデルのトップフロー型から「サイドフロー型」に変更されています。
メモリ・SSD・ワイヤレスLANカードはフロント側に実装。
メモリ・SSD・ワイヤレスLANカードはフロント側
CPU の下には、グラフィックスボードを搭載。
レビュー機のグラフィックスボードは NVIDIA GeForce RTX 4060 Ti
電源ユニットは 80PLUS GOLD(最大出力 500W)です。
電源ユニットは 80PLUS GOLD
また、上述のとおり、2024年モデルでは HDD を搭載したモデルは販売されていないため、HDD 等のストレージ増設は自分で対応する必要があります。
3.5インチストレージはフロント側シャーシの下に実装します。
3.5インチストレージの増設はフロント下側
増設するスペースはケーブル類が場所をふさいでいます。ケーブル類をよけてスペースを確保してからストレージを装着してください。
3.5インチストレージ増設後
ストレージは矢印の指すネジで固定
本体内部のパーツへのアクセスは面倒です。ただ、パーツの増設や換装は頻繁にやる作業ではないので、それほど問題にはならないと思います。
ベンチマークによる性能評価
ベンチマークでは、レビュー機の CPU・グラフィック・ストレージ性能のほか総合的なパフォーマンスを評価します。
■レビュー機の基本スペック
OS | Windows 11 Home |
CPU | インテル Core i7-14700F |
メモリ | 16GB (8GB×2) |
ストレージ | 1TB M.2 SSD (PCIe NVMe) ※HDD 増設前(購入時の構成) |
グラフィックス | NVIDIA GeForce RTX 4060 Ti |
■使用したベンチマーク
比較項目 | 使用するベンチマーク |
---|---|
CPU性能 | CINEBENCH R23[CPUのレンダリング性能評価] |
CPU Mark (PassMark PerformanceTest)[CPU性能の総合評価] | |
グラフィック性能 | 3DMark Time Spy |
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ[中量級のゲーム] | |
ファイナルファンタジーXV[重量級のゲーム] | |
ストレージ性能 | CrystalDiskMark |
総合的なパフォーマンス | PCMark 10 |
なお、Victus 15L にはパフォーマンスなどを使い方にあわせてコントロールできるアプリケーション「OMEN Gaming Hub」がインストールされています。
ベンチマークの実施にあたっては、OMEN Gaming Hub のパフォーマンスコントロールを「初期設定」と「パフォーマンス」の2モードそれぞれに設定して実行しています(ファン速度は「自動」)。
OMEN Gaming Hub パフォーマンスコントロール
CPU性能
CPU性能は CINEBENCH R23(マルチコア/シングルコア) と CPU Mark(PassMark PerformanceTest) のベンチマークスコアで評価します。
評価にあたっては、性能レベルを把握するため下記 CPU のスコアと比較します。
・インテル Core i5-14400 プロセッサー
・インテル Core i7-13700K プロセッサー
・インテル Core i7-13700F プロセッサー
・インテル Core i5-13400 プロセッサー
・インテル Core i7-12700 プロセッサー
・インテル Core i7-12700K プロセッサー
・AMD Ryzen 5 5600X プロセッサー
・インテル Core i7-13700HX プロセッサー(*1)
・インテル Core i7-13700H プロセッサー(*1)
・インテル Core i5-13500H プロセッサー(*1)
・AMD Ryzen 7 7730U プロセッサー(*1)
・AMD Ryzen 5 7530U プロセッサー(*1)
※当サイトで計測したスコアの平均値
(*1)はノートPC 向け CPU のスコア
■CINEBENCH R23[CPUのレンダリング性能評価]
CINEBENCH R23 (マルチコア) | |
---|---|
Core i7-13700K |
28431 pts
|
Core i7-14700F(レビュー機/パフォーマンス) |
25396 pts
|
Core i7-13700F |
24151 pts
|
Core i7-12700K |
22459 pts
|
Core i7-14700F(レビュー機/初期設定) |
19418 pts
|
Core i7-12700 |
18566 pts
|
Core i7-13700HX |
17945 pts
|
Core i7-13700H |
15945 pts
|
Core i5-13400 |
14327 pts
|
Core i5-13500H |
14234 pts
|
Core i5-14400 |
13897 pts
|
Ryzen 5 5600X |
10431 pts
|
Ryzen 7 7730U |
8997 pts
|
Ryzen 5 7530U |
7627 pts
|
CINEBENCH R23 (シングルコア) | |
---|---|
Core i7-13700K |
2076 pts
|
Core i7-14700F(レビュー機/初期設定) |
2074 pts
|
Core i7-14700F(レビュー機/パフォーマンス) |
2070 pts
|
Core i7-13700F |
1997 pts
|
Core i7-12700K |
1924 pts
|
Core i7-13700H |
1880 pts
|
Core i7-12700 |
1866 pts
|
Core i7-13700HX |
1858 pts
|
Core i5-14400 |
1787 pts
|
Core i5-13400 |
1744 pts
|
Ryzen 5 5600X |
1521 pts
|
Core i5-13500H |
1501 pts
|
Ryzen 7 7730U |
1428 pts
|
Ryzen 5 7530U |
1419 pts
|
■CPU Mark(PassMark PerformanceTest)
CPU Mark | |
---|---|
Core i7-13700K |
46366
|
Core i7-13700F |
40791
|
Core i7-14700F(レビュー機/パフォーマンス) |
37684
|
Core i7-12700K |
34664
|
Core i7-12700 |
32463
|
Core i7-14700F(レビュー機/初期設定) |
31860
|
Core i7-13700HX |
31774
|
Core i7-13700H |
28429
|
Core i5-13500H |
25438
|
Core i5-14400 |
25413
|
Core i5-13400 |
21695
|
Ryzen 5 5600X |
21679
|
Ryzen 7 7730U |
18677
|
Ryzen 5 7530U |
15930
|
レビュー機のスコアは少しひかえめです。
レビュー機の「サイドフロー型」CPUファンは冷却性能にすぐれているのですが、ヒートシンクがファンにくらべ小ぶりな点が影響しているのでしょうか。予想していたほどのスコアは出ませんでした。
とはいえ、エントリークラスに搭載されているプロセッサーとしては十分なパフォーマンスが期待できるでしょう。
グラフィック性能
グラフィック性能はゲーム系のベンチマークで評価します。
評価にあたっては、グラフィックス性能レベルを把握するため当サイトでレビューした下記グラフィックスのスコアと比較します。
・NVIDIA GeForce RTX 4070 Ti
・NVIDIA GeForce RTX 4070
・NVIDIA GeForce RTX 4060 Ti
・NVIDIA GeForce RTX 3060 Ti
・NVIDIA GeForce RTX 3060
・NVIDIA GeForce RTX 2070 SUPER
・NVIDIA GeForce RTX 2060 SUPER
・NVIDIA GeForce GTX 1660 Ti
・AMD Radeon RX 6700XT
・インテル UHD グラフィックス 730
・AMD Radeon グラフィックス
※当サイトで計測したスコアの平均値
3DMark Time Spy
Time Spy は DirectX 12 を使用したハイパフォーマンスゲーミングPC向けのグラフィックス性能テストです。
3DMark Time Spy | |
---|---|
RTX 4070 Ti |
21024
|
RTX 4070 |
17196
|
RTX 4060 Ti |
13577
|
RTX 4060 Ti(レビュー機/パフォーマンス) |
13299
|
RTX 4060 Ti(レビュー機/初期設定) |
12977
|
RTX 3060 Ti |
11416
|
AMD Radeon RX 6700XT |
11272
|
RTX 2070 SUPER |
9766
|
RTX 3060 |
9211
|
RTX 2060 SUPER |
8709
|
GTX 1660 Ti |
6372
|
AMD Radeon |
920
|
インテル UHD 730 |
630
|
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ[中量級のゲーム]
漆黒のヴィランズ | |
---|---|
RTX 4070 Ti |
29917
|
RTX 4070 |
27108
|
RTX 4060 Ti |
26867
|
RTX 4060 Ti(レビュー機/パフォーマンス) |
23942
|
RTX 4060 Ti(レビュー機/初期設定) |
23127
|
AMD Radeon RX 6700XT |
22730
|
RTX 3060 Ti |
22286
|
RTX 3060 |
20666
|
RTX 2070 SUPER |
19746
|
RTX 2060 SUPER |
18464
|
GTX 1660 Ti |
14966
|
AMD Radeon |
2069
|
インテル UHD 730 |
1379
|
※最高品質/解像度 1920×1080 で実施
ファイナルファンタジーXV[重量級のゲーム]
ファイナルファンタジーXV | |
---|---|
RTX 4070 Ti |
17066
|
AMD Radeon RX 6700XT |
16014
|
RTX 4070 |
15420
|
RTX 4060 Ti |
11697
|
RTX 4060 Ti(レビュー機/パフォーマンス) |
11566
|
RTX 4060 Ti(レビュー機/初期設定) |
11402
|
RTX 3060 Ti |
10271
|
RTX 2070 SUPER |
9104
|
RTX 2060 SUPER |
7758
|
RTX 3060 |
6599
|
GTX 1660 Ti |
5851
|
AMD Radeon |
765
|
インテル UHD 730 |
542
|
※高品質/解像度 解像度 1920×1080 で実施
レビュー機のグラフィックス性能は良好です。一部のベンチマークで少しひかえめなスコアはありましたが全体的にはおおむね良好な結果です。
なお、レビュー機に搭載されている GeForce RTX 4060 Ti は、RTX 40 シリーズのなかでは下位モデルにあたりますが、たいていのゲームは快適にプレイできる性能レベルです。とくにゲーム入門機として使うなら中量級から重量級のゲームまでパワフルなパフォーマンスを実感できるはずです。
ストレージ性能
レビュー機のストレージは PCIe4.0/NVMe1.4 の SSD (容量:1TB) です。
ストレージ情報
ストレージ性能については、CrystalDiskMark を使用して計測したデータ転送速度で評価します。
データ転送速度
※OMEN Gaming Hub のパフォーマンスコントロールを「初期設定」で計測した結果。「パフォーマンス」の計測結果もほぼ同じ。
計測結果のとおり PCIe4.0/NVMe1.4 の SSD はデータアクセス速度が爆速です。
総合的なパフォーマンス
PCMark 10 Extended を使って、実際の使用を想定した性能評価を行います。
評価にあたっては、性能レベルの違いを把握するため下記機種のスコアと比較します。
・Victus 15L (インテル) 2023年モデル
・OMEN 25L Desktop (インテル) 2023年モデル
・OMEN 40L Desktop 2023年モデル
・デル Alienware Aurora R16 2024年モデル
※パフォーマンスモードに相当する設定で計測した結果
各機種の基本スペックは以下のとおり。
スペック | Victus 15L (レビュー機) |
Victus 15L 2023モデル |
OMEN 25L | OMEN 40L | Alienware Aurora |
---|---|---|---|---|---|
CPU | インテル Core i7-14700F | インテル Core i7-13700F | インテル Core i7-13700F | インテル Core i7-13700K | インテル Core i7-14700F |
メモリ | 16GB(8GB×2) | 16GB(8GB×2) | 16GB(8GB×2) | 32GB(16GB×2) | 16GB(8GB×2) |
ストレージ | 1TB SSD | 512GB SSD+2TB HDD | 1TB SSD | 2TB SSD | 1TB SSD |
グラフィックス | GeForce RTX 4060 Ti | GeForce RTX 4060 Ti | GeForce RTX 4070 | GeForce RTX 4070 Ti | GeForce RTX 4070 |
ベンチマーク結果は以下のとおり。
■ベンチマーク結果
Essentials | |
---|---|
Victus 15L (レビュー機/初期設定) |
11282
|
Victus 15L (レビュー機/パフォーマンス) |
11269
|
Victus 15L 2023 |
10734
|
OMEN 25L |
10289
|
OMEN 40L |
10293
|
Alienware Aurora |
10720
|
目標値 |
4100
|
Productivity | |
Victus 15L (レビュー機/初期設定) |
11717
|
Victus 15L (レビュー機/パフォーマンス) |
11780
|
Victus 15L 2023 |
11194
|
OMEN 25L |
10331
|
OMEN 40L |
11667
|
Alienware Aurora |
9483
|
目標値 |
4500
|
Digital Contents Creation | |
Victus 15L (レビュー機/初期設定) |
13628
|
Victus 15L (レビュー機/パフォーマンス) |
14373
|
Victus 15L 2023 |
14389
|
OMEN 25L |
14636
|
OMEN 40L |
16212
|
Alienware Aurora |
16035
|
目標値 |
3450
|
Gaming | |
Victus 15L (レビュー機/初期設定) |
24518
|
Victus 15L (レビュー機/パフォーマンス) |
25572
|
Victus 15L 2023 |
26063
|
OMEN 25L |
30581
|
OMEN 40L |
36320
|
Alienware Aurora |
32354
|
※テスト項目説明
・Essentials(普段の作業を想定した基本的なテスト)
・Productivity(ビジネスソフトの使用を想定したテスト)
・Digital Contents Creation(写真・動画編集を想定したテスト)
・Gaming(ゲーミングソフトの使用を想定したテスト)
※目標値はベンチマークソフト開発メーカーの推奨スコア
レビュー機のスコアは良好です。
前モデルとスコアが同等であることは少し残念ですが、レビュー機の CPU パフォーマンスが少しひかえめなことが関係しているのかもしれません。総合的なパフォーマンスとしては、CPU やストレージ 以外のスペックが同じであることを考えると妥当な結果といえるでしょう。
ちなみに、前モデルの Victus 15L (2023年モデル) は、ゲーミング性能やクリエイティブ性能が OMEN 25L (2022年モデル、比較対象機の前モデル) を上回るスコアでした。
前モデルと同等スコアのレビュー機も性能レベルは十分に高く、ゲーム入門者のほか中級者も満足できるパフォーマンスでプレイできるのではないでしょうか。
関連記事
クリエイティブ性能の評価
クリエイティブ性能は RAWデータ現像(JPEGファイル書き出し)と動画エンコードの処理時間で評価します。
評価にあたっては、上記の総合的なパフォーマンスで使用した機種の処理時間と比較します。
・Victus 15L (インテル) 2023年モデル
・OMEN 25L Desktop (インテル) 2023年モデル
・OMEN 40L Desktop 2023年モデル
・デル Alienware Aurora R16 2024年モデル
※パフォーマンスモードに相当する設定で計測した処理時間
RAWデータ現像
RAWデータ現像に使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。
■使用ソフトウェア
CyberLink PhotoDirector
Adobe Photoshop Lightroom
Adobe Photoshop Lightroom Classic
■条件等
・RAWデータ 50ファイルをJPEG形式で一括書き出し
・RAWデータサイズ 4,592×3,056(約14MB)
・プリセット等 編集は適用しない
・ほかのアプリは起動しない(常駐アプリは除く)
■処理結果
PhotoDirector | |
---|---|
Victus 15L (レビュー機/初期設定) |
33秒2
|
Victus 15L (レビュー機/パフォーマンス) |
33秒0
|
Victus 15L 2023 |
33秒1
|
OMEN 25L |
28秒8
|
OMEN 40L |
31秒6
|
Alienware Aurora (レビュー機/バランス) |
27秒8
|
Photoshop Lightroom | |
Victus 15L (レビュー機/初期設定) |
16秒2
|
Victus 15L (レビュー機/パフォーマンス) |
16秒0
|
Victus 15L 2023 |
15秒9
|
OMEN 25L |
8秒4
|
OMEN 40L |
8秒4
|
Alienware Aurora (レビュー機/バランス) |
7秒8
|
Lightroom Classic | |
Victus 15L (レビュー機/初期設定) |
21秒3
|
Victus 15L (レビュー機/パフォーマンス) |
20秒8
|
Victus 15L 2023 |
20秒2
|
OMEN 25L |
13秒4
|
OMEN 40L |
13秒0
|
Alienware Aurora (レビュー機/バランス) |
12秒8
|
動画エンコード
動画エンコードに使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。
■使用ソフトウェア
CyberLink PowerDirector
■条件等
・AVCHD動画(1920×1080)を mp4 形式で出力(m2ts→mp4、720p、1280×720/30p 16Mbps)
・動画再生時間 10分間
・ほかのアプリは起動しない(常駐アプリは除く)
■処理結果
PowerDirector | |
---|---|
Victus 15L (レビュー機/初期設定) |
52秒3
|
Victus 15L (レビュー機/パフォーマンス) |
51秒9
|
Victus 15L 2023 |
57秒1
|
OMEN 25L |
54秒7
|
OMEN 40L |
1分3秒4
|
Alienware Aurora (レビュー機/バランス) |
56秒3
|
実際のソフトウェアを使った検証結果も良好です。
本機はエントリー向けのゲーミングデスクトップの位置づけですが、ゲームのほかに写真・動画編集などクリエイティブな作業用途に検討してみるのも十分アリではないでしょうか。
駆動音・パーツ温度のチェック
駆動音は、下記処理中の音量(デシベル)を測定し、評価します。
・10分間動画のエンコード処理中
・ファイナルファンタジーXV (1920×1080/高品質) ベンチマーク実行中
※OMEN Gaming Hub のパフォーマンスコントロールを「初期設定」と「パフォーマンス」の2つのモードで測定(ファン速度は「自動」)
※一般住宅で周囲の音ができるだけ入らないようにして測定(室温:24℃)
音量計測イメージ
(使用測定器:Meterk SLM01)
■測定結果
モード | アイドル状態 (最小音量) |
最大音量 下段はピーク時の音量推移 |
|
---|---|---|---|
動画エンコード | ファイナルファンタジー | ||
初期設定 | 34.6db | 35.8db (35db台) |
41.8db (40~41db) |
パフォーマンス | 35.0db | 39.2db (38~39db) |
46.1db (45~46db) |
■騒音の目安
騒音の大きさ | 騒音の具体例 |
---|---|
60 デシベル | 走行中の自動車内 普通の会話 デパート店内 |
50 デシベル | 家庭用エアコンの室外機 静かな事務所の中 |
40 デシベル | 閑静な住宅地の昼 図書館内 |
30 デシベル | 深夜の郊外 鉛筆での執筆音 |
20 デシベル | 木の葉の触れ合う音 雪の降る音 |
参考:埼玉県深谷市ホームページ「騒音・振動の規制について」
平常時は、「ウーッ」というファン音がかすかに聞こえる程度でうるさくありません。
高負荷時は、「ウーッ」というモーター音と「サーッ」というファン音が大きくなります。それなりに大きい音なので うるさく感じるかもしれません。ただ、前モデルにくらべ高負荷時の駆動音が 約10db 下がっており、静音性が 大きく改善されています。
参考までに、OMEN Gaming Hub のファン速度を「最大」にしたときファン音はかなり大きくなります。負荷状況にかかわらず 53db くらいに上昇しますが、そのぶん本体内部を急速に冷却できます。こちらも前モデルにくらべると音量は 7dbくらい改善されていました。
CPUファンを「サイドフロー型」に変更したことで静音性が改善されたと考えられます。
パーツ温度のチェック
パーツ温度については、下記を実施中の CPUとdGPU(グラボ)の動作周波数と温度を計測・評価します。
・CPU ベンチマーク「CINEBENCH R23 Multi Core」10分間実行
・ファイナルファンタジーXV (1920×1080/高品質) ベンチマーク実行中
※OMEN Gaming Hub のパフォーマンスコントロールを「パフォーマンス」に設定して計測
※CPU ベンチマークでは CPU のみ計測
※計測時の室温:25℃
CPU ベンチマーク実行中
ファイナルファンタジーXV 実行中
高負荷な状態では動作周波数を少し抑えめにしつつ 60℃~70℃ くらいで推移しています。パフォーマンス的に物足りなさはあるものの、パーツ温度・パフォーマンス・静音性のバランスを考慮して制御していることが考えられます。
さらに高いパフォーマンスが必要なときは、OMEN Gaming Hub のファン速度を「最大」にするとよいでしょう。そのぶん、うるさくなりますがパフォーマンスは大きくアップするはずです。
Windows の起動・再起動・シャットダウン時間計測
Windows の起動時間、再起動時間、シャットダウン時間を それぞれ 5回ずつ計測しました。
起動 | 再起動 | シャットダウン | |
---|---|---|---|
1回目 | 12.3秒 | 23.7秒 | 4.7秒 |
2回目 | 12.1秒 | 24.5秒 | 4.5秒 |
3回目 | 12.2秒 | 24.3秒 | 4.5秒 |
4回目 | 12.2秒 | 24.3秒 | 4.2秒 |
5回目 | 12.2秒 | 24.1秒 | 4.4秒 |
平均 | 12.2秒 | 24.2秒 | 4.5秒 |
体感的にも早いです。処理待ちのストレスを感じることなくゲームを開始できます。
なお、実際の使用にあたってはインストールしているアプリや Windows Update など状態により変動するので参考値としてください。
同梱品
本体ほか同梱品一式です。
同梱品リスト
・Victus 15L 本体
・電源コード
・ドキュメント類
なお、電源コードのプラグは 3極(3P)です。一般家庭の 2極コンセントに差し込むためには 3P-2P変換アダプタなどを用意する必要があります。
3P-2P変換アダプタは付属しない
まとめ
以上、Victus 15L (インテル) のレビュー記事をお届けしました。
Victus 15L のパフォーマンスが前モデルとほぼ同等なところは少し残念ですが、エントリークラスとして十分なゲーム性能を搭載しています。
とくに、こんどのモデルではパフォーマンスや静音性のバランスが上手く制御されており、ゲームのみならず写真・動画編集などオールマイティに活用できるように改良されている印象を受けました。
ゲーム入門機を検討しているユーザーはもちろんのこと、写真・動画編集などにも幅広く活用できるデスクトップパソコンを検討しているユーザーは、ぜひチェックしてみてください。
高評価のポイント
- エントリークラスとして十分なゲーム性能を搭載
- コンパクトサイズで省スペースに設置できる
- 本体は意外に軽いのでセッティングがラク
- パフォーマンスと静音性のバランスが上手く制御されている
- RGBライティングがゲームプレイを演出
- OMEN Gaming Hub でマシンのパフォーマンスを最大化できる
気をつけておきたいところ
- パフォーマンスは前モデルとほぼ同じ
- 本体内部へのアクセスは面倒
ラインナップしているモデルや価格、キャンペーンなど最新情報は日本HP直販サイト「HP Directplus」をご確認ください。
Victus 15L (インテル)
2024年モデル
税込 11万円台から
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