レノボ ThinkPad T15g レビュー:ハイレベルな 15.6型クリエイティブノートPC

 

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貸出機材提供:レノボ・ジャパン合同会社

真正面(壁紙)

レノボ ThinkPad T15g は、第10世代インテル Core H プロセッサーと NVIDIA GeForce RTX グラフィックスを搭載した高性能で高品質なクリエイター向けの 15.6型ノートPC です。

インテル Xeon Wプロセッサーの搭載も可能で、そのハイレベルなスペック構成は、まさにワークステーション!

持ち運べるワークステーションでクリエイティブな作業を快適にこなすことができます。

■ThinkPad T15g の特徴

  • 第10世代インテル Core H プロセッサーとNVIDIA GeForce RTX グラフィックスを搭載
  • インテル Xeon Wプロセッサーも搭載できる
  • MIL-SPECのテストをクリア(落下テストや気温・気圧の変化、信号やディスプレイ部の開閉耐久性など過酷な作業環境でも使用できる)
  • 重厚感のあるデザイン
  • ハイレベルなスペック構成でも持ち運びできる重量感(最小重量が 約 2.74kg)
  • sRGB 100%相当の液晶パネルを搭載
  • 4K OLED(有機EL)ディスプレイ選択可能
  • 指紋認証センサーを搭載
  • プライバシー・シャッター付きWebカメラを搭載
  • IRカメラ搭載モデルも選べる
  • インテル Wi-Fi 6 AX201 + Bluetooth (vPro対応) 搭載
  • LTE 搭載モデルも選べる

レビューではメーカーからお借りした実機を試用し、前半で外観デザイン/ディスプレイ/キーボードなどをチェック、後半では各種ベンチマークを使った性能評価を行います。

天面(壁紙)

レビューは 2021年6月3日時点の内容です。

 

スペック構成

ThinkPad T15g のおもなスペックです。

■ThinkPad T15g のスペック

OS ・Windows 10 Home (64bit)
・Windows 10 Pro (64bit)
・Windows 10 Pro for Workstations (64bit)
CPU ・インテル Core i5-10400H プロセッサー
・インテル Core i7-10750H プロセッサー
・インテル Core i5-10400H プロセッサー vPro対応
・インテル Core i7-10850H プロセッサー vPro対応
・インテル Core i7-10875H プロセッサー vPro対応
・インテル Core i9-10885H プロセッサー vPro対応
・インテル Core i9-10980HK プロセッサー
・インテル Xeon W-10855M プロセッサー vPro対応
・インテル Xeon W-10885M プロセッサー vPro対応
メモリ 最大128GB搭載可能
・PC4-25600 DDR4 SDRAM SODIMM(実効2933MHz動作)
・PC4-23400 DDR4 ECC対応 SDRAM SODIMM
※ECC対応メモリは Xeon搭載モデルのみ対応可能
ストレージ M.2 PCIe NVMe SSD
※デュアル SSD 搭載可能、RAID 0/1 設定可能
ディスプレイ ・15.6型 FHD IPS液晶 (1920×1080) 、光沢なし、300nit
・15.6型 FHD IPS液晶 (1920×1080) 、光沢なし、500nit、HDR
・15.6型 UHD IPS液晶 (3840×2160) 、光沢なし、600nit、HDR
・15.6型 UHD OLED (有機ELディスプレイ) (3840×2160) 、光沢あり、400nit、マルチタッチ対応、HDR
グラフィックス ・NVIDIA GeForce RTX 2070 (8GB GDDR6 Max-Qデザイン)
・NVIDIA GeForce RTX 2080 (8GB GDDR6 Max-Qデザイン)
ワイヤレス インテル Wi-Fi 6 AX201 + Bluetooth (vPro対応)
カメラ、マイク ・HD720pカメラ(ThinkShutter搭載)、デジタルマイクロフォン
・HD720p+IRカメラ(ThinkShutter搭載)、デジタルマイクロフォン
バッテリー駆動時間 最大 約17.4時間(JEITA2.0による計測)
指紋センサー 搭載
本体サイズ(W×D×H) 約 375.4×252.3×24.5-31.45mm
本体質量 約 2.74kg (最小構成)

詳細なスペック構成やカスタマイズ項目、価格など最新情報はレノボ直販サイト「レノボショッピング」をご確認ください。

真正面

レノボ ThinkPad T15g
税込 26万円台から

※クーポンコードは公式サイトをご確認ください。

 

外観チェック

重厚感あるなデザイン

ThinkPad T15g は、シリーズ伝統のマットなブラックのカラーで重厚感あるデザインです。

正面側 右側

背面側 右側

指紋や皮脂の跡は目立ちやすいですが、サラサラとした感触で質感は良好です。

天面斜め(その1)

天面斜め(その2)

ワークステーション並みの高い性能を搭載しているので、一般的なノートPC にくらべるとやや厚みがあります。

 

底面部は剛性を重視した「ユニボディ」の構造です。見た目もスッキリしています。

底面側(斜め)
吸気口の面積は広め

ゴム足は前面側と背面側に平行して実装されています。本体の安定性は良好です。

クリエイティブ作業に必要十分なインターフェースを実装

ThinkPad T15g のインターフェースをチェックします。

左側面のインターフェースなど各部名称です。

インターフェース(左側面)

①HDMIポート

②USB Type-A 3.1 Gen1

③SIM トレイ

④マイクロフォン/ヘッドフォン・コンボ・ジャック

SIMトレイは nanoSIM対応です。

SIMスロット

Check

レビュー機の SIM デバイスは「Fibocom L860-GL」です。

右側面のインターフェースなど各部名称です。

インターフェース(右側面)

⑤スマートカードリーダー

⑥SDメディアカードリーダー

⑦USB Type-A 3.1 Gen1

⑧セキュリティロックスロット

SDメディアカードリーダーはプッシュロック式です。

SDカードスロット
SDカードをシッカリ挿し込んだ状態

背面側のインターフェースなど各部名称です。

インターフェース(背面側)

⑨LANコネクター

⑩USB Type-C 3.1 Gen1

⑪USB Type-C 3.1 Gen2 (Thunderbolt 3対応)×2

⑫電源ジャック

 

ThinkPad T15g には、クリエイティブ作業に必要十分なインターフェースが実装されています。

 

なお、電源ボタンはキーボード右上に実装されています。

電源ボタン

スピーカーはキーボード奥に実装。Dolby Audio 機能で意外に高音質です。

スピーカー

顔認証や指紋認証でかんたんサインイン

ThinkPad T15g は、標準搭載の指紋センサーにくわえ IRカメラ(顔認証カメラ)を搭載することができます。

レビュー機には、指紋センサーと顔認証カメラが搭載されており、併用が可能で認証精度はともに良好です。

顔認証ならパソコンの前にすわるだけで Windows にサインインできますし、マスクを着用しているときは指紋センサーにタッチするだけでかんたんに Windows にサインインできます。

顔認証でサインイン
顔認証でサインイン

指紋認証でサインイン
指紋認証でサインイン

ThinkShutter(プライバシーシャッター)でカメラを遮断できる

ThinkPad T15g には、カメラを遮断できる「ThinkShutter(プライバシーシャッター)」が付いています。

プライバシーシャッター
上の画像:シャッターが開いてカメラ有効
下の画像:シャッターが閉じてカメラを遮断
カメラの上側に切り替えスイッチがある

シャッターはスライド式(手動)です。オンライン会議などで見られたくないときはシャッターでカメラをふさぐことができます。

持ち運びできるサイズ感と重量感

本体の大きさのイメージです。本体の上に A4コピー用紙と B5版ノートを載せています。

本体の大きさイメージ

本体を閉じたときの高さのイメージです。

本体の高さ
本体の高さを CD ケース(通常サイズ)2枚と比較
(通常サイズの CDケースの厚さは 10mm)

ゴム足を含めた本体の高さは実測で 30~37(最厚部)mm。

本体や電源アダプターなどの重量を実測します。

本体の重さ
・本体:2,895g
・電源アダプター:689g
・電源コード:196g

ハイレベルなスペックを搭載しているので、それなりに本体の厚みや重量はありますが持ち運びは十分可能です。

電源アダプターの最大出力は 230W。高出力のアダプターなのでサイズは大きめです。

電源アダプターの大きさ

電源アダプターの大きさ実測

 

ディスプレイのチェック

高輝度&高精細で映像がものすごくキレイ!

ThinkPad T15g のディスプレイは 4K OLED(有機EL)です。高輝度で高精細、描画される映像はものすごくキレイです。

ディスプレイに描画された映像(気球)
画像の表示例

Microsoft Edge に表示される文字の大きさ
テキストの表示例

キャリブレーションツール「i1Display Pro」で計測したトーンカーブは、RGB ともに 理想的な45度の角度に近いかたちです

トーンカーブ
トーンカーブ

 

色域の計測結果です。

色域
色域
(色度図作成ソフト「ColorAC」にて作成)

sRGBカバー率 100.0%
Adobe RGBカバー率 95.7%
DCI-P3カバー率 100.0%

色調バランス、色域ともに優秀で、写真編集でも色味・色合いをシッカリ再現してくれます。

なお、ThinkPad T15g の液晶パネルはタッチ対応です。液晶パネルに指紋の跡が付いて色がにじんで見えることを考えると個人的に必要性は感じませんでした。

 

用途に合わせてカラーバランスを最適化できる

レビュー機には「X-Rite Pantone ファクトリー・カラー・キャリブレーション」機能が搭載されており、ユーティリティソフト「X-Rite Color Assistant」で用途に合わせて色域を最適化でます。

Color Caribrated

HP Display Control
X-Rite Color Assistant

以下は、おもなモードでの描画される映像イメージの違いです。

Color Assistant(Default)
Default

Color Assistant(sRGB)
sRGB

Color Assistant(Adobe RGB)
Adobe RGB

Color Assistant(DCI-P3)
DCI-P3

各モードごとに色あい/明るさ/あざやかさが最適化されています。

なお、上記のトーンカーブや色域は Default 設定で計測しています。

 

ベゼルは狭額じゃない

ベゼルは狭額ではなく、普通サイズです。

ベゼルは普通サイズ

少し野暮ったさを感じますが、重厚感のある本体とバランスが取れている印象もあります。

 

映り込みを感じるケースは少ない

ディスプレイの映り込み具合をチェックします。

画面映り込み(その1)

画面映り込み(その2)

レビュー機のディスプレイは反射防止コーティングが施されているため、画面に映像が映し出されている状態では映り込みは低減しています。

映り込みを感じるケースは少ないと思います。

視野角は広い

視野角をチェックします。

正面
正面

右側 ディスプレイ面から30度の角度
右側 ディスプレイ面から30度の角度

上側 ディスプレイ面から30度の角度
上側 ディスプレイ面から30度の角度

水平方向、垂直方向ともに視野角は広く、斜めからもハッキリとした映像を観ることができます。

ディスプレイはフラットに開くことができる

ThinkPad T15g のディスプレイはフラットに開くことができます。

ディスプレイを開くことのできる最大角度

ちなみに、レビュー機のモデルは 4K OLED液晶のマルチタッチ対応です。カスタマイズで「Lenovo Pen Pro」を追加すれば、ディスプレイをフラットにしてデッサン作業もできそうです。

※Lenovo Pen Pro のカスタマイズ価格は 11,000円(税込)

 

キーボード&タッチパッドのチェック

タイピングしやすいキーボード

ThinkPad T15g のキーボードレイアウトはほぼ標準的です。

キーボードレイアウト(クリックで拡大表示できます)

ただし、左[Ctrl]キーと[Fn]キーの並びが一般的なキーボードとは逆の配列です。はじめのうちは戸惑うかもしれませんが、使いなれてくれば違和感は低減すると思います。

キーピッチ(キートップの中心から隣りのキートップの中心までの距離)は実測で およそ19mm、テンキーは 17.5mm。

キーボードに両手を置いたときのイメージ

ゆったりとしていて、窮屈な感じはありません。

キートップは中央部分が少しへこんだ形状で、感触はサラサラとしています。指先のフィット感は良好です。

キートップ

キーストロークは、ノートパソコンとして平均的なストローク幅より深めです。(感覚的には 1.8mm くらい)

キーストローク
タイプ音は「タクタク」、音の大きさは静か

キーを押し込む強さはやや硬めですが、そのぶんキーを押し込んだ後の適度な反発もあってタイプ感は良好です。

 

キーボードにはバックライトを搭載

キーボードにはバックライトが搭載されています。

キーボードバックライト

キーボード・バックライトは明るさを2段階で切り替え可能です。
[Fn]+[Space]:点灯(明)→点灯(暗)→消灯

質感の良いパームレスト

パームレストの素材は天面と同じ樹脂製です。少しザラザラとした感触で ThinkPadらしいデザインと質感です。

パームレスト

指紋や皮脂の跡も目立ちやすいですが、こまめに手入れすれば気持ちよくキーボード操作ができます。

タッチパッドのサイズは小さめ

タッチパッドはクリックボタンが独立したタイプです。

タッチパッドのサイズ感
タッチパッドのサイズ感(やや小さめサイズ)

ツルツルとした感触で手触り感も良好、なめらかなスベリで指2本あるいは3本を使ってのジェスチャー操作もスムーズです。

 

ベンチマークによる性能評価

ベンチマークでは、ThinkPad T15g の CPU・グラフィック・ストレージ性能のほかバッテリー性能や総合的なパフォーマンスを評価します。

レビュー機の基本スペック

OS Windows 10 Pro for Workstations (64bit)
CPU インテル Xeon W-10855M プロセッサー
メモリ 32GB (PC4-25600 DDR4 SDRAM SODIMM)
ストレージ 512GB SSD (M.2 PCIe NVMe)
グラフィックス NVIDIA GeForce RTX 2080 (8GB GDDR6 Max-Qデザイン)

評価に使用したベンチマークは以下のとおりです。

評価項目 使用するベンチマーク
CPU性能 CINEBENCH R20[CPUのレンダリング性能評価]
CPU Mark (PassMark PerformanceTest)[CPU性能の総合評価]
グラフィック性能 3DMark FireStrike
ドラゴンクエストX[軽量級のゲーム]
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ[中量級のゲーム]
ファイナルファンタジーXV[重量級のゲーム]
ストレージ性能 CrystalDiskMark
総合的なパフォーマンス PCMark 10
Blender Benchmark
バッテリー BatteryInfoView(バッテリー残量測定用)

 

ベンチマークは、付属ソフトウェア「Lenovo Vantage」の電源スマート設定を規定値[インテリジェント・クーリング]に設定して実施しています。

Lenovo Vantage 電源スマート設定
Lenovo Vantage 電源スマート設定

なお、電源スマート設定では[自動バッテリー・モード]や[パフォーマンス・モード]などの設定が可能です。

 

CPU性能

CPU性能は CINEBENCH R20 と CPU Mark(PassMark PerformanceTest) のベンチマークスコアで評価します。

評価にあたっては、性能レベルを把握するため下記 CPU のスコアと比較します。

・インテル Core i7-10700 プロセッサー(デスクトップ向け CPU)

・インテル Core i5-10500 プロセッサー(デスクトップ向け CPU)

・インテル Core i7-1165G7 プロセッサー

・インテル Core i5-1135G7 プロセッサー

・インテル Core i9-10885H プロセッサー

・インテル Core i7-10750H プロセッサー

・インテル Core i7-10510U プロセッサー

・インテル Core i5-10210U プロセッサー

・AMD Ryzen 7 4700U プロセッサー

・AMD Ryzen 5 4500U プロセッサー

※当サイトで計測したスコアの平均値

■CINEBENCH R20[CPUのレンダリング性能評価]

CPU
Core i7-10700
4139 pts
Xeon W-10885M
3601 pts
Core i9-10885H
3169 pts
Ryzen 7 4700U
2828 pts
Core i7-10750H
2777 pts
Core i5-10500
2767 pts
Ryzen 5 4500U
2042 pts
Core i7-1165G7
1960 pts
Core i5-1135G7
1799 pts
Core i7-10510U
1500 pts
Core i5-10210U
1391 pts

■CPU Mark (PassMark PerformanceTest)[CPU性能の総合評価]

CPU Mark
Core i7-10700
17654
Core i9-10885H
16372
Xeon W-10885M
15230
Ryzen 7 4700U
15105
Core i7-10750H
12543
Core i7-1165G7
11721
Ryzen 5 4500U
11071
Core i5-10500
10645
Core i5-1135G7
10614
Core i7-10510U
8122
Core i5-10210U
7659

レビュー機に搭載されている Xeon W-10885M は、デスクトップ向け Core i7-10700 の性能には及ばないものの、モバイル向けの CPU としては非常にハイレベルです。

同じくモバイル向けの Core i9-10885H もハイレベルなので ThinkPad T15g に搭載する CPU の選択肢としても十分アリといえるでしょう。

 

グラフィック性能

グラフィック性能はゲーム系のベンチマークで性能評価を行います。

評価にあたっては、グラフィックス性能レベルを把握するため当サイトでレビューした下記グラフィックスのスコアと比較します。

・NVIDIA GeForce RTX 2060 with Max-Q

・NVIDIA GeForce GTX 1650 Ti with Max-Q

・インテル Iris Xe グラフィックス

・AMD Radeon グラフィックス

※当サイトで計測したスコアの平均値

3DMark FireStrike

3DMark FireStrike のベンチマーク結果です。

Fire Strike は DirectX 11 を使用したハイパフォーマンスゲーミングPC向けのグラフィックス性能テストです。

3DMark Fire Strike
RTX 2080 with Max-Q
16461
RTX 2060 with Max-Q
12737
GTX 1650 Ti with Max-Q
7547
インテル Iris Xe
3595
AMD Radeon
2422

ドラゴンクエストX[軽量級のゲーム]

ドラゴンクエストX のベンチマーク結果です。

ドラゴンクエストX
RTX 2060 with Max-Q
22912
RTX 2080 with Max-Q
22220
GTX 1650 Ti with Max-Q
20342
インテル Iris Xe
10472
AMD Radeon
7137

※最高品質/解像度 1920×1080 で実施

ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ[中量級のゲーム]

ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズのベンチマーク結果です。

漆黒のヴィランズ
RTX 2060 with Max-Q
16738
RTX 2080 with Max-Q
15239
GTX 1650 Ti with Max-Q
12285
インテル Iris Xe
4098
AMD Radeon
2864

※高品質(ノートPC)/解像度 1920×1080 で実施

ファイナルファンタジーXV[重量級のゲーム]

ファイナルファンタジーXV のベンチマーク結果です。

ファイナルファンタジーXV
RTX 2060 with Max-Q
8909
GTX 1650 Ti with Max-Q
6704
RTX 2080 with Max-Q
4893
インテル Iris Xe
3139
AMD Radeon
2412

※軽量品質/解像度 1280×720 で実施

 

レビュー機のグラフィックスは、重量級のゲームタイトルほどパフォーマンスがひかえめになるようです。

おそらく、レビュー機のメモリ容量は 32GB を搭載しながらシングルチャネル構成(いわゆる1枚挿し)が影響している可能性があります。同じメモリ容量を搭載した場合の処理性能は、シングルチャネル構成よりもデュアルチャネル(2枚挿し)やクアッドチャネル(4枚挿し)のほうが圧倒的に優位です。

 

ストレージ性能

レビュー機のストレージは NVMe 1.3 対応の SSD(容量 512GB) が搭載されています。

データ転送速度
データ転送速度(CrystalDiskMark で計測)

計測結果は非常に優秀です。

 

総合的なパフォーマンス

PCMark 10

PCMark 10 を使って、実際の使用を想定した性能評価を行います。

評価にあたっては、性能レベルの程度を把握するため当サイトでレビューした下記機種のスコアと比較します。

・Legion 550Pi

・DAIV 5N

ゲーミングノート「Legion 550Pi」やクリエイティブノート「DAIV 5N」とのパフォーマンスの違いをチェックしてみてください。

スペック ThinkPad T15g
(レビュー機)
Legion 550Pi DAIV 5N
CPU インテル Xeon W-10885M インテル Core i7-10750H インテル Core i7-10875H
メモリ 32GBメモリ 16GBメモリ 16GBメモリ
ストレージ 512GB SSD (NVMe) 1TB SSD (NVMe) 512GB SSD (NVMe)
グラフィックス RTX 2080 with Max-Q RTX 2060 RTX 2060

 

ベンチマーク結果は以下のとおり。

Total Score
レビュー機
6956
Legion 550Pi
7382
DAIV 5N
6578
 Essentials
レビュー機
8754
Legion 550Pi
9602
DAIV 5N
8757
基準値
4100
 Productivity
レビュー機
7090
Legion 550Pi
8036
DAIV 5N
7108
基準値
4500
 Digital Contents Creation
レビュー機
7547
Legion 550Pi
8389
DAIV 5N
6855
基準値
3450
 Gaming
レビュー機
13515
Legion 550Pi
12401
DAIV 5N
11861

※テスト項目説明

・Total Score(総合的な評価)

・Essentials(普段の作業を想定した基本的なテスト)

・Productivity(ビジネスソフトの使用を想定したテスト)

・Digital Contents Creation(写真・動画編集を想定したテスト)

・Gaming(ゲーミングソフトの使用を想定したテスト)

※基準値はベンチマークソフト開発メーカーの推奨スコア

 

いずれの機種もベンチマークの結果は優秀ですが、レビュー機の場合、ワンランク上の CPU を搭載しているだけに物足りなさを感じます。

こちらも、上述したようにメモリのシングルチャネル構成が影響しているようです。

メモリ構成はデュアルチャネル(2枚挿し)またはクアッドチャネル(4枚挿し)のほうが圧倒的に優位ですので、カスタマイズの際は注意してください。

Blender Benchmark

Blender Benchmark では、事前定義されているシーン「bmw27」のレンダリングにかかる時間で評価します。

※CUDA と OptiX のそれぞれで計測

結果は以下のとおり。

■CUDA

・ランキング:全体の 24%
・レンダリング時間:68秒

Blender Benchmark (CUDA)
Blender Benchmark (CUDA)

■OptiX

・ランキング:全体の 11%
・レンダリング時間:34秒

Blender Benchmark (OptiX)
Blender Benchmark (OptiX)

 

性能レベルの高い CPU と GPU を搭載していますがランキング的には物足りなさを感じます。

メモリ構成をデュアルチャネルまたはクアッドチャネルにすれば、さらに優秀な結果が期待できます。

 

バッテリー

バッテリー性能については、レビュー機のバッテリー駆動時間と充電時間を計測・評価します。

■駆動時間の測定条件

・無線LANでインターネットに接続

・YouTubeを全画面で連続再生

・画面の明るさ:最大レベル

・音量:最大レベル

■充電時間の測定条件

・測定開始はバッテリー残量がほぼゼロの状態

・電源アダプターを接続し Windows を起動

・スクリーンセーバー(ラインアート)でパソコンはアイドル状態

※スクリーンタイムアウトや PCスリープは設定しない。

バッテリーの駆動時間と充電時間の測定結果は以下のとおり。

バッテリー駆動時間 5時間 2分
バッテリー充電時間
(50%までの充電時間)
28分
バッテリー充電時間
(80%までの充電時間)
54分
バッテリー充電時間
(100%までの充電時間)
1時間 43分

バッテリーを多く消費する条件とはいえ、バッテリー駆動時間が 公称値の 最大約17.4時間にくらべると物足りなさを感じます。

おそらく、公称値の最大時間は FHD液晶搭載モデルです。

レビュー機の場合 4K OLED 高輝度液晶パネルなので計測した数字としては妥当かもしれませんが、バッテリーで使用するときは使うシーンに合わせて画面の明るさや音量を適正レベルにする使いかたが良いでしょう。

また、充電については 50%までの充電なら 30分程度と急速充電に対応しているようです。充電完了までの時間が一般的なノートPC にくらべ比較的短時間で終了する点は好感が持てます。

※筆者の経験値としては2時間10分~2時間30分程度が平均的。

なお、実際の使用にあたっては、環境や使い方などによりバッテリーの駆動時間は変動するので参考値としてください。

 

クリエイティブ性能の評価

クリエイティブ性能は RAWデータ現像(JPEGファイル書き出し)と動画エンコードの処理時間で評価します。

評価にあたっては、上記の総合的なパフォーマンス(PCMark 10)で比較に使用した機種の処理時間とくらべて評価します。

・Legion 550Pi

・DAIV 5N

RAWデータ現像

RAWデータ現像に使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。

■使用ソフトウェア
CyberLink PhotoDirector
Adobe Photoshop Lightroom
Adobe Photoshop Lightroom Classic

■条件等

・RAWデータ 50ファイルをJPEG形式で一括書き出し

・RAWデータサイズ 4,592×3,056(約14MB)

・プリセット等 編集は適用しない

・ほかのアプリは起動しない(常駐アプリは除く)

PhotoDirector
レビュー機
50秒7
Legion 550Pi
40秒9
DAIV 5N
38秒4
Photoshop Lightroom
レビュー機
36秒1
Legion 550Pi
26秒2
DAIV 5N
25秒0
Lightroom Classic
レビュー機
43秒8
Legion 550Pi
31秒1
DAIV 5N
30秒7

 

動画エンコード

動画エンコードに使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。

■使用ソフトウェア
CyberLink PowerDirector

■条件等

・AVCHD動画(1920×1080)を mp4 形式で出力(m2ts→mp4、720p、1280×720/30p 16Mbps)

・動画再生時間 10分間

・ほかのアプリは起動しない(常駐アプリは除く)

PowerDirector
レビュー機
2分5秒1
Legion 550Pi
1分51秒1
DAIV 5N
1分27秒8

 

比較対象機のスペックにくらべかなり高いスペックを搭載していますが、保有している性能を十分発揮できていません。

こちらもメモリのシングルチャネル構成が影響しているようです。

 

駆動音・表面温度のチェック

駆動音のチェック

駆動音については、ベンチマーク(CINEBENCH R20 でマルチ Core を計測)実行中と動画エンコード中の音量(デシベル)計測で評価します。

※付属ソフトウェア「Lenovo Vantage」の電源スマート設定で[インテリジェント・クーリング]と[パフォーマンス・モード]の 2モードで計測

騒音測定イメージ
計測イメージ
(使用測定器:Meterk SLM01)

■測定結果

モード 最大音量
中段はピーク時の音量推移
下段はベンチマーク結果/処理時間(参考値)
ベンチマーク中 動画エンコード中
アイドル時 35.1 db
 
 
インテリジェント・クーリング 49.1 db
(48~49db)
(3545 pts)
49.2 db
(48~49db)
(2分4秒)
パフォーマンス・モード 49.2 db
(48~49db)
(3490 pts)
49.2 db
(48~49db)
(2分4秒)

※防音室での測定ではありませんが、周囲の音ができるだけ入らないようにして測定しています。

■騒音の目安

騒音の大きさ 騒音の具体例
60 デシベル 走行中の自動車内
普通の会話
デパート店内
50 デシベル 家庭用エアコンの室外機
静かな事務所の中
40 デシベル 閑静な住宅地の昼
図書館内
30 デシベル 深夜の郊外
鉛筆での執筆音
20 デシベル 木の葉の触れ合う音
雪の降る音

参考:埼玉県深谷市ホームページ「騒音・振動の規制について」

平常時は静かですが、高負荷時は「サーッ」という排熱のときの気流音が大きくなります。個人差はありますが耳ざわりに感じるかもしれません。

ただ、負荷が低減すれば気流音は静かになるので駆動音についてはそれほど気にする必要はないと思います。

また、電源スマート設定を切り替えてもパフォーマンス的には同等です。[インテリジェント・クーリング]は状況にあわせたパフォーマンスを上手く最適化しているようです。

 

表面温度のチェック

平常時と動画エンコード時の表面温度の測定結果です。

※単位:℃、測定時の室温:25℃

※動画エンコード時に温度が下がっている箇所はエアフローによるもの

キーボードの表面温度

キーボードの表面温度
左側の画像:平常時(Windows起動後10分放置)
右側の画像:動画エンコード時(10分間の動画エンコード終了直前)

平常時の表面温度は一般的なノートパソコンにくらべ少し高めですが、高負荷状態でも大きく温度が上昇することなく、エアフロー効果で表面温度が下がっているところもあります。高負荷時に表面温度が気になることはないと思います。

 

サウンド チェック

ThinkPad T15g のサウンドは Dolby Audio 対応です。

Dolby ロゴ

サウンドユーティリティソフトがプリインストールされており、コンテンツにあわせたプリセットやイコライジング機能でお好みの音質にチューニングすることもできます。

サウンドユーティリティソフト
サウンド ユーティリティソフト

以下は、実際にサウンドを試聴した印象です。
※プリセット:音楽

■スピーカー
低音域から高音域まで再現した高音質サウンド。
カジュアルに楽しめてる。
音声も聞き取りやすい。

■ヘッドホン
低音域から高音域まで増幅&クリアになり、さらに高音質なサウンドを楽しめる。

 

Windows の起動・再起動・シャットダウン時間計測

Windows の起動、再起動、シャットダウン時間を それぞれ 5回ずつ計測しました。

起動 再起動 シャットダウン
1回目 20.8秒 46.0秒 11.5秒
2回目 19.1秒 45.4秒 10.6秒
3回目 20.7秒 49.4秒 11.5秒
4回目 20.2秒 49.2秒 11.3秒
5回目 19.1秒 45.3秒 11.5秒
平均 20.0秒 47.1秒 11.3秒

シャットダウンは早いですが、起動・再起動は時間がかかるようです。

レビュー機の OS が Windows 10 Pro for Workstations であることが関係しているのでしょうか。Windows サービスで Workstations 専用のサービス起動があるのかもしれません。

なお、実際の使用にあたってはインストールしているアプリや使い方などにより起動時間は変動するので参考値としてください。

 

同梱品

ThinkPad T15g の本体ほか同梱品一式です。

同梱品一式
同梱品リスト
・ThinkPad T15g 本体
・電源アダプター
・電源コード
・ドキュメント類

 

まとめ

以上、ThinkPad T15g のレビュー記事をお届けしました。

レビュー機の ThinkPad T15g は、ハイスペック構成ながらメモリ構成が 32GB のシングルチャネルのためベンチマークスコアに物足りなさを感じました。

パフォーマンス的には十分ハイレベルですが、期待以上のパフォーマンスがスコアに表れていなかったことが正直な感想です。

キャッチコピーの「クリエイティブなモバイルワークステーション」にふさわしいパフォーマンスを発揮するためにもメモリ構成はデュアルチャネルやクアッドチャネルにしておきたいところです。

MIL-SPEC テストをクリアした信頼性と耐久性にくわえ、タイピングしやすいキーボードや高輝度・広色域の液晶ディスプレイなど、クリエイティブノートとしてのレベルは高く、プロのクリエイターあるいはこだわりの創作をしたいユーザーにおすすめの機種といえそうです。

高評価のポイント

  • 性能レベルの高いスペック搭載により快適なフォーマンスで使える
  • レベルの高いスペックを搭載していても持ち運びは十分可能
  • 高輝度・広色域の液晶ディスプレイで色の忠実な再現が可能
  • 定評のある ThinkPad シリーズのキーボードはタイピングしやすい
  • 性能・品質・使いやすさなど総合的にハイレベル

注意しておきたいところ

  • 価格はやや高め
  • メモリ構成はデュアルチャネルまたはクアッドチャネル構成にしておきたい

ラインナップしているモデルや価格、クーポンなど最新情報はレノボ直販サイト「レノボショッピング」をご確認ください。

真正面

レノボ ThinkPad T15g
税込 26万円台から

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