マイクロソフト『Surface Pro』実機レビュー 後編です。
後編では、各種ベンチマーク、サウンド チェック、Windows 起動・再起動時間計測などのレビューを行います。
(後編) ベンチマーク サウンド チェック Windows の起動・再起動時間計測 搭載ソフトウェア まとめ |
レビュー内容については 2017年12月23日時点のものになります。
なお、レビュー機は「256GB SSD / Intel Core i5 / 8GBメモリ」搭載モデルです。
ベンチマーク
パソコンの基本性能や総合的なパフォーマンスのほか、CPU、グラフィック、ストレージ、バッテリーの性能を測定します。
基本性能
Windowsに搭載されているシステム評価ツール「WinSATコマンド」によるパソコン性能の測定です。
「WinSAT」による測定は、PCの性能を相対的に数値化して表現したもので、各項目の説明は次のとおりです。
CPUScore | CPU のスコア |
D3DScore | ゲーム用グラフィックスのスコア ただし、従来のゲーム用グラフィックスのスコアのため Windows 10では計測対象外(9.9というスコアは対象外) |
DiskScore | プライマリハードディスクのスコア |
GraphicsScore | グラフィックスのスコア |
MemoryScore | メモリのスコア |
TimeTaken | 前回の評価(「MostRecentAssessment」は直近の評価を表します) |
WinSATAssessmentState | 評価の状態を表す値(1:評価済み、2:要再評価) |
WinSPRLevel | 基本スコア(SPR:System Performance Rating) |
WinSAT による測定結果は、高いレベルでスコアバランスも良く、おおむね良好な印象です。実際の使用感としても、快適なパフォーマンスで軽快に動作してくれます。
総合的なパフォーマンス
「PCMark 8」を使用して、PCのアプリケーション実行における総合的なパフォーマンスを測定します。
Home Test
家庭での利用を想定したテスト内容です。
OpenCL対応の Accelerated にて測定
Creative Test
クリエイティブな利用を想定したテスト内容です。
OpenCL対応の Accelerated にて測定
総合的なパフォーマンスは、ミドルレンジクラス相当のスコアで、モバイルノートとして外出先やオフィスでも快適に使える性能です。
CPU性能
「CINEBENCH」を使って、CPU性能を測定します。
レビュー機の『Surface Pro』の CPU には、インテル Core i5-7300U プロセッサーが搭載されています。
CPU の性能を見る限りではそれなりといったところでしょうか。
また、上記画像の OpenGL のスコアは、グラフィックスの描画性能を表します。「CINEBENCH」のスコアを見る限り、CPU 内蔵のグラフィックスとしてはまずまずのスコアです。
グラフィック性能
「3DMark」「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」、4つのベンチマークソフトを使ってグラフィック性能を測定します。
まず「3DMark」での測定です。
3DMark では「Ice Storm」「Cloud Gate」「Sky Diver」「Fire Strike」「Time Spy」、各シーンの描画の滑らかさをもとにグラフィック性能を測定します。
スコアの高さは描画の快適性を表しています。
測定前に流されるデモ映像を見たイメージとしては、次のような印象でした。
Ice Storm | なめらか描画 |
Cloud Gate | なめらか描画 |
Sky Diver | 少しカクついた描画だが問題ないレベル |
Fire Strike | コマ送り描画 |
Time Spy | コマ送り描画 |
次が、「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」の測定結果。
標準品質、解像度 1280×720
最高品質、解像度 1280×720
標準品質、解像度 1920×1080
「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」の測定結果。
高品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
最高品質、解像度 1280×720、DirectX 11
さいごに、「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」の測定結果。
高品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
最高品質、解像度 1280×720、DirectX 11
4つのベンチマークソフトを使ったグラフィック性能の測定結果をみると、『Surface Pro』のグラフィック性能は、CPU内蔵グラフィックスとしては相応レベルの印象です。
相応レベルとはいえ、ビジネスシーンでのビデオチャットやテレビ会議の快適な使用はもちろんのこと、動画視聴や写真・動画の編集も気軽に楽しむことができそうです。
動作音については、ベンチマークなど負荷のかかる処理中でも静かです。
本体内部の動作熱については、負荷のかかる処理になると、タブレットの背面側が暖かくなります。(とくに画面に向かって右上)
左側は熱をあまり感じませんが、おそらくタブレットとして使うときに左手で持つことを想定しての設計だと思われます。
レビュー機の Core i5 搭載モデルには「新ファンレス冷却システム」が搭載されていますが、静音・熱対策として一定程度の効果はあるようです。
ストレージ
ストレージのベンチマークです。
ストレージは、SAMSUNG製の SSD で 容量は 512GB です。
ストレージ情報
ストレージのドライブ構成は次のようになります。
ストレージのデータ転送速度です。
ストレージのデータ転送速度
SSD が搭載されていると、Windows やアプリの起動が早くて快適です。
とくに、『Surface Pro』に搭載されている SSD は、Windows やアプリの起動などストレージへのアクセスは体感的にも爆速です。
バッテリー
『Surface Pro』に搭載されているバッテリーの性能(駆動時間と充電時間)を測定します。
■駆動時間
バッテリーでの駆動は、次の条件でバッテリーによる駆動時間を計測します。
・無線LANでインターネットに接続
・YouTubeを全画面で連続再生
・画面の明るさ:最大レベル
・音量:最大レベル
■充電時間
バッテリー充電時間の計測は以下の条件で行います。
・測定開始はバッテリー残量がほぼゼロの状態
・電源アダプターを接続し Windows を起動
・スクリーンセーバー(ラインアート)でパソコンはアイドル状態
※スクリーンタイムアウトや PCスリープは設定しない。
バッテリーの駆動時間と充電時間の測定結果は以下のようになります。
バッテリー駆動によるバッテリーの残量は大よその数字で 1時間当たり 14% くらいずつ減少し、7時間 15分経過後、Windows がバッテリー不足を検知し、パソコンはシャットダウンしました。
通常よりもバッテリーを多く消費する使用条件でもバッテリー駆動時間が 7時間を超えています。
Surface Pro 4(Core i7 モデル)では、同じ条件で 3時間半程度の駆動時間でしたので、バッテリー性能は格段にアップしています。
また、バッテリー充電については、50%まで充電するのに 1時間4分、充電完了までの所要時間は 2時間49分でした。
なお、実際の使用にあたっては、環境や条件などによりバッテリーの駆動時間は変動するので、参考値としてください。
サウンド チェック
『Surface Pro』のスピーカーは、ディスプレイの左右ベゼルに実装されています。
サウンドチューニング等のユーティリティソフトはインストールされていませんが、コンパクトなスピーカーながら、音域も広く、なかなかの高音質です。
低音域がチョット弱い感じもしますが、パソコンのサウンドとしては充分満足できるレベルです。
また、ヘッドホンなら、低音域から高音域まで増幅されメリハリの効いた厚みのあるサウンドが楽しめます。
Windows の起動・再起動時間計測
『Surface Pro』の Windows起動時間と再起動時間を それぞれ 5回ずつ計測しました。
回 | 起動時間 | 再起動時間 |
---|---|---|
1 | 10.6秒 | 33.5秒 |
2 | 10.5秒 | 33.2秒 |
3 | 10.4秒 | 25.5秒 |
4 | 10.4秒 | 25.9秒 |
5 | 10.6秒 | 25.9秒 |
マシンスペックを鑑みると、起動や再起動は早いレベルです。
搭載ソフトウェア
『Surface Pro』に搭載されているソフトウェアは、Windows標準のソフトのほか、Office Home & Business Premium プラス Office 365 サービスがインストールされています。
Surface 固有のソフトウェア等は搭載されていないようです。
まとめ
『Surface Pro』は、仕事からプライベートまで、使い方やシーンに合わせてスタイル自在に使える、パフォーマンスも快適な 2in1 モバイルノートです。
オプションのタイプカバーは、コンパクトサイズながら、タイピングもしやすく扱いやすい印象です。
タイプカバーにくわえ、Surface Arc マウス、Surface ペンなど、Surface Pro と親和性の高いオプションを組み込むことで、生産性や快適性も格段にアップします。
また、Surface Dial は、繊細なイラストなどを描くときにかなり便利に使えるほか、アイディア次第でいろいろなシーンで生産性をアップできるアイテムです。
『Surface Pro』には、Office Home & Business 2016 も標準搭載されており、性能や機能、使いやすさにくわえ、デザイン、素材の質感など、高いレベルでトータルバランスに優れたモデルといえます。
ラインナップしているモデルの詳細や価格などの最新情報は、Microsoft ストア公式サイトでチェックできます。
Microsoft ストア公式サイト ⇒ 『Surface Pro』製品ページ |