レノボ『Lenovo ideapad 720S』レビュー 薄型&軽量&快適パフォーマンスの13.3型モバイルノート(後編)

 

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貸出機材提供:レノボ・ジャパン合同会社

レノボ『Lenovo ideapad 720S』の実機レビュー 後編です。

後編は、各種ベンチマークのほか、RAWデータ現像・動画エンコード処理時間計測、起動・シャットダウン時間計測などの性能レビューを行います。

Lenovo ideapad 720S 背面側(その3)

【 目 次 】
(前編)
外観について
スペックについて
ディスプレイ
キーボード&タッチパッド
(後編)
ベンチマーク
RAWデータ現像・動画エンコード処理時間計測
駆動音・表面温度
サウンド チェック
Windows の起動・再起動・シャットダウン時間計測
搭載ソフトウェア
まとめ

レビュー内容については 2018年9月14日時点のものです。

レビュー機のスペック構成については「スペックについて」の章をご覧ください。

 

ベンチマーク

『Lenovo ideapad 720S』の基本性能や総合的なパフォーマンスのほか、CPU、グラフィック、ストレージ、バッテリーの性能を測定します。

基本性能

Windowsに搭載されているシステム評価ツール「WinSATコマンド」と、パソコンの各性能レベルを客観的に評価する「PASS MARK PerformanceTest 9.0」を使用して、パソコンの基本性能を測定します。

WinSAT

WinSAT スコア

「WinSAT」による測定は、PCの性能を相対的に数値化して表現したもので、各項目の説明は次のとおりです。

CPUScore CPU のスコア
D3DScore ゲーム用グラフィックスのスコア
ただし、従来のゲーム用グラフィックスのスコアのため Windows 10では計測対象外(9.9というスコアは無視)
DiskScore プライマリハードディスクのスコア
GraphicsScore グラフィックスのスコア
MemoryScore メモリのスコア
TimeTaken 前回の評価(「MostRecentAssessment」は直近の評価を表します)
WinSATAssessmentState 評価の状態を表す値(1:評価済み、2:要再評価)
WinSPRLevel 基本スコア(SPR:System Performance Rating)

PASS MARK PerformanceTest 9.0

PASS MARK PerformanceTest 9.0 スコア(クリックで拡大表示できます)

「PASS MARK PerformanceTest 9.0」で計測されたスコアは、全世界のパソコンがアップロードしたスコアと比較、Percentile(パーセンタイル)の数値から自分のパソコンの性能レベルを客観的に把握することができます。

上記の測定結果を例にすると、トータル性能を示す「PassMark Rating」のスコア「2766.3」のパーセンタイルは「63rd Percentile」で、計測を行った他のパソコン 63% よりも上位のスコアという意味です。

別な言い方をすると、「PASS MARK PerformanceTest 9.0」で計測しスコアをアップロードした全世界のパソコンのなかで、上位のスコアから 37%(100% - 63%)に位置するスコアということです。

ゲーミングPC やクリエイティブな高性能PC などさまざまなジャンルのパソコンのなかでもスコアランクは中の上クラスにあたり、『Lenovo ideapad 720S』の基本性能はモバイルノートながら高いレベルといえるでしょう。

CPU性能

「CINEBENCH」を使って、CPU性能を測定します。

CINEBENCH 測定結果

『Lenovo ideapad 720S』の CPU には第8世代 インテル Core i5-8250U プロセッサーが搭載されています。

前世代(第7世代)のインテル Core i5-7200U プロセッサーの CPU スコアは 320cb くらいであるのに対し、レビュー機に搭載された CPU のスコアは 510cb。

ベンチマークのスコアを見る限りでは、CPU 性能は およそ 59% アップしていることが分かります。

グラフィック性能

グラフィック性能は以下のゲーム系ベンチマークソフトを使って測定します。

■3DMark
■ドラゴンクエストX
■ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター

3DMark

3DMark は、「ICE STORM」「CLOUD GATE」「SKY DIVER」「FIRE STRIKE」「TIME SPY」、各シーンについてグラフィック性能を測定します。

結果は以下のとおり。

3DMark

ドラゴンクエストX

ドラゴンクエストX ベンチマークの結果です。

ドラクエベンチマーク(標準品質、解像度 1280×720)
標準品質、解像度 1280×720

ドラクエベンチマーク(最高品質、解像度 1280×720)
最高品質、解像度 1280×720

ドラクエベンチマーク(標準品質、解像度 1920×1080)
標準品質、解像度 1920×1080

ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター

ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマークの結果です。

ファイナルファンタジー 紅蓮のリベレーター 標準品質(ノートPC)
標準品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11

ファイナルファンタジー 紅蓮のリベレーター 高品質(ノートPC)
高品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11

 

上記のベンチマークソフトを使ったグラフィック性能の測定結果をみると、『Lenovo ideapad 720S』のグラフィック性能は、モバイルノートして高いレベルです。

ヘビーなゲームや 3Dレンダリングのような高度なグラフィック処理には不向きですが、ライトなゲームプレイや写真・動画の編集も気軽に楽しめる性能レベルなので、モバイルノートとしてなら十分といえるでしょう。

ただ、モバイルノートでもゲームや写真・動画編集の快適性をアップさせたいなら、「Lenovo Thunderbolt 3 グラフィック・ドック」のような外付けGPU を利用するのもアリです。

Lenovo Thunderbolt 3 グラフィック・ドック

ストレージ

ストレージのベンチマークです。

レビュー機に搭載されているストレージは SAMSUNG製の SSD で、容量は 256GB(PCIe NVMe M.2)です。(製品により SSD のメーカーが異なる場合もあります)

ストレージ情報
ストレージ情報

ドライブ構成は次のようになります。

ストレージのドライブ構成ストレージのドライブ構成
(クリックで拡大表示できます)

ストレージのデータ転送速度です。

データ転送速度
データ転送速度

SSD が搭載されていると、数字が示す通り Windows や アプリの起動も高速です。

とくに、『Lenovo ideapad 720S』に搭載されている SSD は、対応規格 PCIe / 転送モード NVMe なので、Windows やアプリの起動などストレージへのアクセスは、体感的にも爆速です。

NVMe は、SATA接続の SSD よりも 高速なデータアクセスが可能なインターフェースです。SSD の高速アクセスを活かしてくれるインターフェースなので、Windows や アプリもより高速に起動できます。

総合的なパフォーマンス

「PCMark 8」および「PCMark 10」を使用して、PCのアプリケーション実行における総合的なパフォーマンスを測定します。

PCMark 8(Home Test)

家庭での利用を想定したテストです。

PCMark 8 Home Test スコア

PCMark 8 Home Test スコア比較OpenCL対応の Accelerated にて測定
(テスト結果はクリックで拡大表示できます)

PCMark 8(Creative Test)

クリエイティブな利用を想定したテストです。

PCMark 8 Creative Test スコア

PCMark 8 Creative Test スコア比較OpenCL対応の Accelerated にて測定
(テスト結果はクリックで拡大表示できます)

PCMark 10 Extended

PCMark 10 Extended は、以下の 4つの Test Group のテストを実施します。
(テスト結果はクリックで拡大表示できます)

■Essentials(普段の作業を想定した基本的なテスト)
■Productivity(ビジネスソフトの使用を想定したテスト)
■Digital Content Creation(写真・動画編集を想定したテスト)
■Gaming(ゲーミングソフトの使用を想定したテスト)

PCMark 10 Extended スコア

PCMark 10 Extended スコア比較OpenCL対応の Accelerated にて測定

 

総合的なパフォーマンスは、モバイルノートとして 快適なパフォーマンスが期待できるスコアです。

とくに、PCMark 10 Extended では Essentials や Productivity のジャンルのスコアレベルの高さにくわえ、Digital Content Creation のスコアも意外に高く、普段の作業やビジネスソフトを使用した作業はもちろんのこと、写真・動画編集でも そこそこ快適に使える性能レベルです。

バッテリー

『Lenovo ideapad 720S』に搭載されているバッテリーの性能(駆動時間と充電時間)を測定します。

■駆動時間
バッテリーでの駆動は、次の条件でバッテリーによる駆動時間を計測します。
・無線LANでインターネットに接続
・YouTubeを全画面で連続再生
・画面の明るさ:最大レベル
・音量:最大レベル

■充電時間
バッテリー充電時間の計測は以下の条件で行います。
・測定開始はバッテリー残量がほぼゼロの状態
・電源アダプターを接続し Windows を起動
・スクリーンセーバー(ラインアート)でパソコンはアイドル状態
※スクリーンタイムアウトや PCスリープは設定しない。

バッテリーの駆動時間と充電時間の測定結果は以下のようになります。

バッテリー残量グラフ

バッテリーの残量は、大よその数字で 1時間当たり 15% 前後 減少しています。

バッテリーによる駆動は 6時間38分経過後、Windows がバッテリー不足を検知し、パソコンは休止状態になりました。

バッテリーを多く消費する条件とはいえ、バッテリー駆動時間が 7時間足らずであることはモバイルノートとしては若干の物足りなさを感じるかもしれません。

とはいえ、画面の明るさや音量レベルなどを通常の使用レベルに調整すれば、バッテリー駆動時間はもう少し伸びるはずです。

バッテリー充電については、50%まで充電するのに 52分、充電完了までの所要時間は 2時間22分でした。

充電に関しては意外と短時間で チョットした使用レベルまでの充電が可能です。急な外出のときにバッテリー残量が少なくても短時間充電で対応できそうです。

『Lenovo ideapad 720S』のバッテリー性能は おおむね満足できるレベルといえます。

なお、実際の使用にあたっては、環境や条件などによりバッテリーの駆動時間は変動するので、参考値としてください。

 

RAWデータ現像・動画エンコード処理時間計測

RAWデータ現像と動画エンコードの処理時間を計測します。

RAWデータ現像

RAWデータ現像に使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。

■使用ソフトウェア
CyberLink PhotoDirector 7
(筆者所有のソフトウェア)

■条件等
・RAWデータ 50ファイルを一括書き出し
・プリセット等 編集は適用しない
・撮影カメラ SONY NEX-5

■処理時間

処理時間 メモリ使用量
1分14秒4 3.7GB

※メモリ使用量は処理中の「コミット済みメモリ」(最大値)。
 (パソコンがシステム全体で実際に使用しているメモリの使用量)

動画エンコード

動画エンコードに使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。

■使用ソフトウェア
CyberLink PowerDirector 15
(筆者所有のソフトウェア)

■条件等
・AVCHD動画(1920×1080)を mp4 形式で出力
(m2ts→mp4、720p、1280×720/30p 16Mbps)
・動画再生時間 10分間

■処理時間

処理時間 メモリ使用量
4分34秒5 3.5GB

※メモリ使用量は処理中の「コミット済みメモリ」(最大値)。
 (パソコンがシステム全体で実際に使用しているメモリの使用量)

 

ハイスペックなクリエイティブ PC にくらべると処理時間はかかりますが、『Lenovo ideapad 720S』のスペックを鑑れば相応の処理時間です。

そこそこ快適に使える結果といえるでしょう。

 

駆動音・表面温度

駆動音については、負荷のかかる処理になると「サーッ」という排熱のための気流音が少し大きくなりますが、音の大きさは耳ざわりに感じるほどではありません。

負荷が低減し、本体内部の熱も下がってくれば、排気音はほとんど聞こえなくなります。

パソコンを使っているあいだ、負荷のかかる状態が終始続くわけでもないので、それほど気にすることはないと思います。

また、本体の表面温度については、負荷のかかる処理中は、キーボード中央部から奥にかけて温かくなります。

タイピングにはほとんど影響がなく、パームレストは本体内部の熱はそれほど感じないので不快な感じはありません。

ただ、底面部については若干の熱さを感じるので、膝の上での長時間の作業は避けたほうが良いかもしれません。

動作熱
左側の画像:平常時(Windows起動後10分放置)
右側の画像:動画エンコード時(10分間の動画エンコード終了直前)

 

サウンド チェック

『Lenovo ideapad 720S』には、JBLスピーカーと Dolby ATOMS のユーティリティソフトを搭載しています。

JBL ロゴ

JBL は、ハーマンインターナショナルが有するスピーカーのブランドです。ハーマンインターナショナルは、家庭用オーディオ、ホームシアター、車載用、マルチメディア用などの民生機器から、映画館、スタジアム、コンサートホールなど業務用機器まで手掛ける世界最大級のオーディオメーカーです。

また、Dolby ATOMS ユーティリティソフトには、各シーンに合わせた最適なプロファイルが設定されており、カジュアルに高音質なサウンドを楽しめます。

Dolby ATOMS

サウンドを実際に聴いてみた印象としては・・・

■スピーカー
低音域が若干弱い感じがするが、高音域まで広い音域をカバーした高音質サウンド。
プロファイルの切り替えだけでカジュアルに高音質なサウンドを楽しめる。
(イコライザー機能はあるが使う必要はないくらい最適化されている)

■ヘッドホン
重低音も強調されてサウンド全体に厚みが増し迫力もアップする。
音の伸びが格段にアップする。
重低音のきいたサウンドを楽しむなら、ヘッドホンもおすすめ。

 

Windows の起動・再起動・シャットダウン時間計測

Windows の起動時間、再起動時間、シャットダウン時間を それぞれ 5回ずつ計測しました。

Windows の起動・再起動・シャットダウン時間

感覚的にも結果が示す通り「早い」です。

 

搭載ソフトウェア

『Lenovo ideapad 720S』に搭載されている主なソフトウェアです。(クリックで拡大表示できます)

スタートメニュー

Windows標準のソフトのほか、レノボオリジナルのサポートソフト、ウィルス対策ソフト「マカフィーリブセーフ」(試用版)などがインストールされています。

インストールされているソフトウェアは必要最低限といった印象です。

 

まとめ

以上、『Lenovo ideapad 720S』のレビュー記事をお届けしました。

『Lenovo ideapad 720S』は、薄くて軽く持ち歩きもラク、性能レベルも高く快適に使えるモバイルノートです。

評価のポイントをまとめると・・・

高評価のポイント
・モバイルノートとしての性能レベルが高い
・薄くて軽いので持ち歩きもラク
・スタイリッシュなデザイン
・高精細で鮮やかな映像と高音質サウンドも楽しめる

チョット残念なところ
・電源ボタンの配置

『Lenovo ideapad 720S』はレノボ直販サイト「レノボ・ショッピング」の限定販売モデルで 価格は 91,595円(税込)~。
(価格は記事作成時点。直販サイトのクーポン適用価格)

リーズナブルな価格で、性能・デザイン・使いやすさなどトータルバランスやコストパフォーマンスにも優れています。

テレワークなど場所や時間にとらわれない柔軟な働き方にも活用できるモデルといえるでしょう。

なお、最新の価格や割引クーポンは、レノボ直販サイト「レノボ・ショッピング」でチェックできます。

 

レノボ直販「レノボショッピング」

 

 

 

Lenovo ideapad 720S 正面(その3)

 

 

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