デル『Inspironデスクトップ』は 第9世代インテル Core プロセッサーを搭載したミニタワー型のデスクトップPCです。
本体のデザインや内部構造などシンプルな仕上げながら、シッカリとした基本性能で必要十分なインタフェースを搭載しているので意外と快適に使えます。
通常価格は税込6万円台からとリーズナブル。
(クーポンを利用することでさらにお安くなります)
リビングや書斎などに置いてふだんの生活で気軽に使えるモデルです。
- シンプル設計
- 性能レベルが意外と高く快適に使える
- 奥行きが浅く省スペースに置ける
- リーズナブルな価格
レビューでは、前半で外観デザインや本体内部をチェック、後半では各種ベンチマークを使った性能レビューを行います。
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第11世代インテル Core プロセッサー搭載モデルのレビューです。
レビュー内容は 2019年10月11日時点のものです。
スペック構成
『Inspironデスクトップ』には、CPU・メモリ・ストレージ・グラフィックスのスペックの違いにより複数のモデルがラインナップしています。
OS | Windows 10 Home 64ビット 日本語 |
CPU | ■第9世代インテル Core i3-9100 プロセッサー ■第9世代インテル Core i5 9400 プロセッサー ■第9世代インテル Core i7 9700 プロセッサー |
メモリ | Core i3 搭載時 ■8GB, 8Gx1 DDR4, 2400MHz UDIMM Core i5 / Core i7 搭載時 ■8GB, 8Gx1, DDR4, 2666MHz |
ストレージ | Core i3 搭載時 ■1TB HDD(7200 rpm) Core i5 / Core i7 搭載時 ■1TB HDD(7200 rpm) ■16GB インテル Optane メモリ+1TB HDD(7200 rpm) ■256GB SSD(M.2 PCIe NVMe)+1TB HDD(7200 rpm) |
光学ドライブ | ■なし ■Tray load DVD ドライブ (DVD±RW/CD-RW) |
グラフィックス | ■インテル UHD グラフィックス 630 ■NVIDIA GeForce GTX 1650 |
LAN | 10/100/1000 Mbps オンボードEthernetコントローラ |
ワイヤレス | WiFi 802.11b/g/n、Bluetooth 4.0 |
インターフェース | ■前面 マルチカードリーダー×1、オーディオ コンボ ジャック×1、USB 3.1 Gen1 Type-A×2 ■背面 ライン入力/出力/マイク ポート×各1、VGA×1、HDMI出力×1、USB 2.0×4、LAN ポート×1 |
拡張スロット | PCIe x1スロット×2、PCIe x16スロット×1 ※NVIDIA GeForce GTX 1650搭載により使用できるポートは制限されます。 |
キーボード&マウス | USB対応キーボード&マウス |
本体サイズ(W×D×H) | 縦置き:約 160 ×294×373.7 mm |
本体質量 | 約 5.27kg |
今回のレビューでは、メーカーからお借りしたプラチナモデルを試用してレビューを行います。
■プラチナモデルの基本スペック
Core i7/8GBメモリ(2666MHz)/インテル Optane メモリー+1TB HDD/UHDグラフィックス630
なお、レビュー機は旧機種の Inspironデスクトップ(3670) ですが、最新機種の Inspironデスクトップ(3671) とスペック・デザイン・サイズなどほぼ同様の構成になっています。
モデルごとの構成や価格・クーポンなどの最新情報はデルオンラインストアをご確認ください。
外観チェック
シンプルなデザイン
『Inspironデスクトップ』のフロントパネルは光沢のあるブラックでみるからにシンプルです。
前後から見た写真です。
左右の側面です。
正面に向かって左側面
正面に向かって右側面
天面と底面です。
天面
底面
底面のゴム足は前後左右の四隅に実装されています。ちょうど良い高さのゴム足で安定性もグッドです。
奥行きが浅いので省スペースに置ける
本体の大きさのイメージです。
本体の大きさイメージ(比較対象はティシューボックス)
奥行きが浅いので、省スペースのデスクやテーブルの下に設置してもフロント側がはみ出すことはありません
インターフェース
使い勝手の良い必要十分なインターフェース
前面側と背面側のインターフェースです。
■前面側
①DVDドライブ
②電源ボタン
③SD カードスロット
④ヘッドセットポート
⑤USB 3.1 Gen 1 ポート
DVDドライブへメディアをセットしたときのイメージです。
SDカードスロットは抜き挿し方式です。
SDカードをシッカリと挿し込んだ状態
■背面側
⑥マイクポート
⑦ライン出力ポート
⑧ライン入力ポート
⑨HDMI 出力ポート
⑩VGA 出力ポート
⑪USB 2.0 ポート
⑫LAN ポート
⑬電源ポート
必要十分なインターフェースが実装されています。
とくに前面側と背面側それぞれの実装位置は使い勝手が考慮されているのも好印象です。
欲をいえば、USB Type-C ポートが前面側に実装されていれば、使い勝手の良さは将来的にも確保されていたのではないでしょうか。
本体内部
『Inspironデスクトップ』の本体内部をチェックします。
本体内部もシンプルでアクセスしやすい
サイドカバーは 2本のネジを外し背面側にスライドさせれば簡単に開けることができます。なお、工具はプラスまたはマイナスドライバーが必要です。
矢印の指すところがサイドカバーを固定しているネジ
本体内部の全体イメージです。
各パーツの実装エリアをチェックします。
CPU と メモリの実装エリアです。
CPU とメモリ
CPU にはピンポイントで吸気できるようにフードがかぶせてあり、CPU を効率よく冷却できるように工夫されています。
メモリの増設・換装もかんたんにできます。
DVDドライブの実装エリアです。
DVDドライブ
インテル Optane メモリと拡張スロットの実装エリアです。
拡張スロット
拡張スロットは、PCIe x16スロットを中段に、上段と下段に PCIe x1スロットが 2スロット実装されています。
電源ユニットと HDD は、底面に実装されています。
電源ユニットの最大出力 290W です。
また、HDD は底面側とフロント側(フロントパネルを取りはずす必要があります)からインチネジで固定されています。
本体内部もシンプルでアクセスしやすくなっており、拡張性もまずまずといったところでしょうか。
ベンチマーク
ベンチマークでは、レビュー機の『Inspironデスクトップ』の CPU・グラフィック・ストレージなど、各パーツの性能のほか、総合的なパフォーマンスを測定します。
■プラチナモデルの基本スペック
第9世代インテル Core i7 9700 プロセッサー
8GBメモリ(2666MHz)
インテル Optane メモリー+1TB HDD
インテル UHD グラフィックス 630
CPU性能
CPU性能は CINEBENCH R15 と CINEBENCH R20 を使って評価します。
比較対象は第9世代インテル Core i5 9400 プロセッサーです。
CINEBENCH R15 | Core i7 9700 | Core i5 9400 |
---|---|---|
CPU | 1286 cb | 949 cb |
CPU (Single Core) | 195 cb | 176 cb |
MP Ratio | 6.60 x | 5.39 x |
CINEBENCH R20 | Core i7 9700 | Core i5 9400 |
---|---|---|
CPU | 2991 cb | 2298 cb |
CPU (Single Core) | 468 cb | 425 cb |
MP Ratio | 6.39 x | 5.41 x |
Core i7 9700 と Core i5 9400 の性能差は意外と大きいようです。
とはいえ、Core i5 9400 の性能レベルも高いので、ふだん使いをメインとするなら Core i5 搭載モデルでも充分です。
趣味としての写真・動画編集など、高度な作業をより快適なパフォーマンスで使うなら Core i7 搭載モデルがおすすめです。
グラフィック性能
ゲーム系のベンチマーク「3DMark」でグラフィックスの性能評価を行います。
レビュー機のグラフィックスは「インテル UHD グラフィックス 630」なので、比較対象として NVIDIA GeForce GTX 1650 を搭載したモデルで実施したベンチマークスコアと比較します。
3DMark | インテル UHD 630 | GeForce GTX 1650 |
---|---|---|
Cloud Gate | 10056 | 30660 |
Night Raid | 5500 | 33227 |
Sky Diver | 4794 | 26398 |
Fire Strike | 1120 | 7900 |
Time Spy | 460 | 3657 |
3DMark の各テスト内容は以下のとおり。
Cloud Gate | ホームPCやノートPC向けで DirectX 10 を想定したグラフィックス性能テスト |
---|---|
Night Raid | DirectX 12 を使用したモバイルPCなど低スペックPC向けのグラフィックス性能テスト |
Sky Diver | DirectX 11 を使用したミドルレンジ・ゲーミングノート向けのグラフィックス性能テスト |
Fire Strike | DirectX 11 を使用したハイパフォーマンスゲーミングPC向けのグラフィックス性能テスト |
Time Spy | DirectX 12 を使用したゲーミングPC向けのグラフィックス性能テスト |
『Inspironデスクトップ』には、専用グラフィックス「NVIDIA GeForce GTX 1650」を搭載したモデルもラインナップしています。
専用グラフィックスによりグラフィックス性能は格段にアップします。
ライトなゲームプレイや一般的な動画を観る程度なら専用グラフィックスがなくてもそこそこ快適に楽しめますが、比較的重めのゲームタイトルやアクション映画のような素早い動きの映像になめらかさを求めるなら NVIDIA GeForce GTX 1650 の搭載モデルがおすすめです。
ストレージ
ストレージのベンチマークです。
レビュー機に搭載されているストレージは インテル Optane メモリ+1TB HDD です。
インテル Optane メモリを搭載することで HDD のアクセス速度が SSD なみにアップします。
そこで、CrystalDiskMark を使用してレビュー機と SSD 搭載機種のストレージについて、シーケンシャルリード(読み込み)/ライト(書き込み)のデータ転送速度を比較します。
データ転送速度 | Optane メモリ+ HDD | SSD(SATA接続) |
---|---|---|
シーケンシャルリード | 939.1 MB/s | 560.7 MB/s |
シーケンシャルライト | 180.3 MB/s | 500.5 MB/s |
比較対象は SATA接続の SSD ですが、インテル Optane メモリを搭載することで SSD なみにデータ転送速度がアップしています。
総合的なパフォーマンス
PCMark 10 を使用して、PCのアプリケーション実行における総合的なパフォーマンスを測定します。
比較対象はレノボ社製のゲーミングPC「Legion T530」です。
基本スペックは以下のとおり。
基本スペック | Inspironデスクトップ | Legion T530 |
---|---|---|
CPU | Core i7 9700 | Core i7 9700 |
メモリ | 8GBメモリ(2666MHz) | 16GBメモリ(2666MHz) |
ストレージ | インテル Optane メモリー+1TB HDD | 1TB SSD + 1TB HDD |
グラフィックス | インテル UHD グラフィックス 630 | NVIDIA GeForce GTX 1650 |
結果は以下のとおり。
PCMark 10 Extended | Inspironデスクトップ | Legion T530 |
---|---|---|
Total Score | 2953 | 5828 |
Essentials | 8908 | 8869 |
Productivity | 6781 | 7687 |
Digital Content Creation | 3648 | 7091 |
Gaming | 934 | 6450 |
※テスト項目説明
Total Score(総合的な評価)
Essentials(普段の作業を想定した基本的なテスト)
Productivity(ビジネスソフトの使用を想定したテスト)
Digital Contents Creation(写真・動画編集を想定したテスト)
Gaming(ゲーミングソフトの使用を想定したテスト)
注目したいのは、Essentials と Productivity。
スコアを見る限りでは、ふだん使いのほかオフィスソフトなどビジネスソフトを動かしているときのパフォーマンスは同等ということになります。
また、Digital Content Creation でも意外と健闘しており、Inspironデスクトップでも NVIDIA GeForce GTX 1650 を搭載すればかなりのパフォーマンスアップが見込めそうです。
搭載ソフトウェア
『Inspironデスクトップ』に搭載されている主なソフトウェアです。
Windows標準のソフトのほか、Dell サポート関連ソフトやマルチメディアコンテンツの統合パッケージ「CyberLink Media Suite Essentials」、セキュリティソフト「マカフィー リブセーブ」などがインストールされています。
CyberLink Media Suite Essentials には動画編集ソフトや DVD再生ソフト、ライティングソフトが含まれているので DVDドライブを活用したマルチメディアを気軽に楽しめます。
CyberLink Media Suite Essentials
付属品
『Inspironデスクトップ』の本体ほか電源コード、キーボードとマウス、ドキュメント類など同梱品一式です。
キーボードとマウスは USB対応ですが、Dell純正のワイヤレスキーボードとマウスをオプションで追加することもできます。
また、マニュアル類は簡易的でかんたんな内容が記載されている程度ですが、製品の使い方や取り扱いに関する詳細な情報はデル公式サイトで公開されています。
まとめ
以上、『Inspironデスクトップ』のレビュー記事をお届けしました。
『Inspironデスクトップ』は、シンプル設計ながら意外と快適に使えます。
レビュー機の使用感としても軽快な動作でパフォーマンスも快適でした。
通常価格が税込6万円台からとリーズナブルな価格も魅力です。
価格以上に性能レベルが高いのも好印象で高コスパなデスクトップPCといえます。
※クーポンの割引率によっては 15%~20%オフの価格で購入できます。
評価のポイントをまとめると・・・
高評価のポイント
・シンプル設計でも意外と快適パフォーマンス
・奥行きの浅いデザインなので省スペースに置ける
・リーズナブルな価格
残念なポイント
・USB Type-C ポートがない
(必要なときは変換アダプタで対応可)
最新の価格やクーポン割引率などの最新情報は、デル直販サイト「デルオンラインストア」をご確認ください。