日本HP『HP x360 11-ab000』実機レビュー 後編です。
後編は、各種ベンチマークによる性能レビューです。
(後編) ベンチマーク サウンド チェック Windows の起動・再起動・シャットダウン時間計測 搭載ソフトウェア 付属品 まとめ |
レビュー内容は 2018年3月28日時点のものになります。
レビュー機のスペック構成については「スペックについて」の章をご覧ください。
ベンチマーク
『HP x360 11-ab000』の基本性能や総合的なパフォーマンスのほか、CPU、グラフィック、ストレージ、バッテリーの性能を測定します。
基本性能
Windowsに搭載されているシステム評価ツール「WinSATコマンド」と、パソコンの各性能レベルを客観的に評価する「PASS MARK PerformanceTest 9.0」を使用して、パソコンの基本性能を測定します。
WinSAT
「WinSAT」による測定は、PCの性能を相対的に数値化して表現したもので、各項目の説明は次のとおりです。
CPUScore | CPU のスコア |
D3DScore | ゲーム用グラフィックスのスコア ただし、従来のゲーム用グラフィックスのスコアのため Windows 10では計測対象外(9.9というスコアは無視) |
DiskScore | プライマリハードディスクのスコア |
GraphicsScore | グラフィックスのスコア |
MemoryScore | メモリのスコア |
TimeTaken | 前回の評価(「MostRecentAssessment」は直近の評価を表します) |
WinSATAssessmentState | 評価の状態を表す値(1:評価済み、2:要再評価) |
WinSPRLevel | 基本スコア(SPR:System Performance Rating) |
PASS MARK PerformanceTest 9.0
「PASS MARK PerformanceTest 9.0」で計測されたスコアは、全世界のパソコンがアップロードしたスコアと比較、Percentile(パーセンタイル)の数値から自分のパソコンの性能レベルを客観的に把握することができます。
上記の測定結果を例にすると、トータル性能を示す「PassMark Rating」のスコア「729.6」のパーセンタイルは「11th Percentile」で、計測を行った他のパソコン 11% よりも上位のスコアという意味です。
別な言い方をすると、「PASS MARK PerformanceTest 9.0」で計測しスコアをアップロードした全世界のパソコンのなかで、上位のスコアから 89%(100% - 11%)に位置するスコアということで、スコアランクとしては下位グループということになります。
CPU性能
「CINEBENCH」を使って、CPU性能を測定します。
レビュー機『HP x360 11-ab000』の CPU にはインテル Celeron プロセッサー N3060 が搭載されています。
参考までに、CPU スコアの「69cb」は、第4世代インテル Core i7-4500U プロセッサーに相当するスコアです。
※Core i7-4500Uのスコアは68cbくらい。
グラフィック性能
「3DMark」「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」、4つのベンチマークソフトを使ってグラフィック性能を測定します。
まず「3DMark」の測定結果です。
「Ice Strom」「Cloud Gate」「Sky Diver」「Fire Strike」「Time Spy」、各シーンの描画の滑らかさをもとにグラフィック性能を測定します。
スコアの高さは描画の快適性を表しています。
測定前に流されるデモ映像を見たイメージとしては、次のような印象でした。
Ice Strom | なめらか描画 |
Cloud Gate | カクカクした描画 |
Sky Diver | カクカクした描画 |
Fire Strike | コマ送り描画 |
Time Spy | エラー |
次が、「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」の測定結果。
低品質、解像度 640×480
標準品質、解像度 640×480
「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」の測定結果。
標準品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
さいごに、「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」の測定結果。
標準品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
ベンチーマークのスコアからも分かるように『HP x360 11-ab000』のグラフィック性能レベルは高くはなく、ゲームなど高度なグラフィック処理には不向きです。
とはいえ、動画視聴やチャットなどは気軽に楽しめる性能は備えています。
ストレージ
ストレージのベンチマークです。
ストレージは SAMSUNG製の SSD で、容量は 128GB、接続規格 M.2 (Type2280) / インターフェイス SATA です。
ストレージ情報
ドライブ構成は次のようになります。
ストレージのデータ転送速度です。
データ転送速度
SSD が搭載されていると、数字が示す通り Windows や アプリの起動も高速です。
とくに、SSD が搭載されることで、『HP x360 11-ab000』の CPU の性能がそれなりでも、PC 全体のパフォーマンスを体感的にも引き上げてくれます。
総合的なパフォーマンス
「PCMark 8」を使用して、PCのアプリケーション実行における総合的なパフォーマンスを測定します。
Home Test
家庭での利用を想定したテストです。
(テスト結果はクリックで拡大表示できます)
Creative Test
クリエイティブな利用を想定したテストです。
(テスト結果はクリックで拡大表示できます)
動作音・動作熱
動作音については、ファンレスなだけに負荷のかかる処理中でも静かです。無音状態です。
熱については、負荷のかかる処理中はキーボードやヒンジ周辺が多少温かくなる程度で不快な感じはありません。
パームレストもほんのちょっと温かく感じる程度です。不快な感じはありません。
バッテリー
『HP x360 11-ab000』に搭載されているバッテリーの性能(駆動時間と充電時間)を測定します。
■駆動時間
バッテリーでの駆動は、次の条件でバッテリーによる駆動時間を計測します。
・無線LANでインターネットに接続
・YouTubeを全画面で連続再生
・画面の明るさ:最大レベル
・音量:最大レベル
■充電時間
バッテリー充電時間の計測は以下の条件で行います。
・測定開始はバッテリー残量がほぼゼロの状態
・電源アダプターを接続し Windows を起動
・スクリーンセーバー(ラインアート)でパソコンはアイドル状態
※スクリーンタイムアウトや PCスリープは設定しない。
バッテリーの駆動時間と充電時間の測定結果は以下のようになります。
バッテリーの残量は、大よその数字で 1時間当たり 11% ~ 12% 程度減少しています。
バッテリーによる駆動は 8時間 2分経過後、Windows がバッテリー不足を検知し、パソコンは休止状態になりました。
バッテリーを多く消費する条件でもバッテリー駆動時間が 8時間持続できることは、かなり高い性能といえるでしょう。
ディスプレイの明るさや音量を適度に設定するなど節電モードでの使用ならバッテリー駆動時間はもっと長くなるはずです。
バッテリー充電については、50%まで充電するのに 39分、充電完了までの所要時間は 2時間20分でした。
実際の使用にあたっては、環境や条件などによりバッテリーの駆動時間は変動するので、参考値としてください。
サウンド チェック
『HP x360 11-ab000』には、サウンドの音質を調整できるユーティリティソフト「dts Studio Sound」がインストールされています。
dts Studio Sound は、音楽、映画など、サウンドの種類に合わせた音質設定のほか、お好みの音質に調整できるプリセット機能やグラフィックイコライザー機能も搭載されています。
実際に聴いてみた印象としては・・・
■スピーカー
音質はそれなりで、動画を気軽に楽しむには十分なレベル。
ユーティリティソフトのプリセットやイコライザーはそれなりに機能するが、音質が飛躍的にアップするわけではない。
■ヘッドホン
低音域から高音域までメリハリがでてくる。
とくに、低音域がしっかりと聞こえ、サウンド全体に厚みが増す。
スピーカーで聴くよりは高音質なサウンドを楽しめる。
Windows の起動・再起動・シャットダウン時間計測
Windows の起動時間、再起動時間、シャットダウン時間を それぞれ 5回ずつ計測しました。
起動とシャットダウン時間は、感覚的にも意外と早いです。
再起動は、1分前後の時間がかかりますが、それなりといったところでしょうか。
搭載ソフトウェア
『HP x360 11-ab000』に搭載されている主なソフトウェアです。(クリックで拡大表示できます)
Windows標準のソフトのほか、HPヘルプ&サポートソフト、セキュリティソフト「マカフィー リブセーブ」などがインストールされています。
HPヘルプ&サポートソフトとしては、PCのメンテナンスや問題の回避/解決に役立つ機能が搭載された「HP Support Assistant」、パソコンのバックアップ・リカバリーに便利な「HP Recovery Manager」などがインストール。リカバリメディアを作成するツール「Recovery Media Creation」も入っています。リカバリメディアを作成しておけばコンピューターを出荷時の状態に復元することができます。
また、「HP Documentation」のアプリを使えば、かんたんにユーザーガイドを参照することができます。
付属品
『HP x360 11-ab000』の本体ほか同梱品一式(電源アダプター、電源コード、ドキュメント類)です。
付属しているドキュメント類です。
【上記写真のドキュメント類について】 ■上段右側から ・パソコン生活まるごと ガイドブック ・サービスおよびサポートを受けるには(安心してお使いいただくために) ・将来の下取りでプレミアムキャッシュバック受け取りの案内 ・製品の仕様に関する注意事項 ■中段 ・セットアップ手順 ■下段右側から ・お友達・ご家族紹介キャンペーン ・アンケートご協力のお願い ・速攻!HPパソコンナビ 特別編 |
「速攻!HPパソコンナビ 特別編」はマイナビから出版された Windows 10 の解説書で、Windows 10 の使い方や活用方法など、分かりやすく記載されています。
まとめ
以上、『HP x360 11-ab000』のレビュー記事をお届けしました。
ベンチマークのスコアはそれなりの結果ですが、インターネットやメール、動画視聴など、実際の使用感としても意外と良好で、ふだん使いとしてなら充分に使えます。
リーズナブルな価格にくわえ、ノートパソコンとしてもタブレットとしてもスタイル自在に使えるのも魅力で、いろいろなシーンで気軽に使えるモデルです。
なお、『HP x360 11-ab000』の価格やキャンペーンなどの最新情報は、日本HPの直販サイト「HP Directplus」でチェックできます。
日本HP直販「HP Directplus」公式サイト ⇒ 『HP x360 11-ab000』製品ページ |
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