日本HP『HP ENVY 13-ad100』の実機レビュー 後編です。
後編では、各種ベンチマーク、Windows 起動・シャットダウン時間計測などのレビューを行います。
当サイトでは『HP ENVY 13-ah0000』(2018年6月モデル)の実機レビューを実施しています。こちらの記事もあわせてご覧ください。 ⇒『HP ENVY 13-ah0000』 実機レビュー |
(後編) ベンチマーク BANG & OLUFSEN サウンド Windows の起動・シャットダウン時間計測(動画に収録) 搭載ソフトウェア 付属品 まとめ |
レビュー内容については 2017年12月9日時点のものになります。
今回レビューを行うのは、「パフォーマンスモデル」です。
レビュー機のスペック構成については「スペックについて」の章をご覧ください。
ベンチマーク
『HP ENVY 13-ad100』の基本性能や総合的なパフォーマンスのほか、CPU、グラフィック、ストレージ、バッテリーの性能を測定します。
基本性能
Windowsに搭載されているシステム評価ツール「WinSATコマンド」によるパソコン性能の測定です。
「WinSAT」による測定は、PCの性能を相対的に数値化して表現したもので、各項目の説明は次のとおりです。
CPUScore | CPU のスコア |
D3DScore | ゲーム用グラフィックスのスコア ただし、従来のゲーム用グラフィックスのスコアのため Windows 10では計測対象外(9.9というスコアは無視) |
DiskScore | プライマリハードディスクのスコア |
GraphicsScore | グラフィックスのスコア |
MemoryScore | メモリのスコア |
TimeTaken | 前回の評価(「MostRecentAssessment」は直近の評価を表します) |
WinSATAssessmentState | 評価の状態を表す値(1:評価済み、2:要再評価) |
WinSPRLevel | 基本スコア(SPR:System Performance Rating) |
WinSAT のスコアの上限は 9.9です。
GraphicsScore 以外、とても高いレベルです。(GraphicsScore も CPU内蔵グラフィックスとしては高いレベルです)
とくに、CPUScore は上限に近いスコアで、第8世代 Core i7 プロセッサーの性能レベルの高さが分かります。
総合的なパフォーマンス
「PCMark 8」を使用して、PCのアプリケーション実行における総合的なパフォーマンスを測定します。
Home Test
家庭での利用を想定したテスト内容です。
OpenCL対応の Accelerated にて測定
Creative Test
クリエイティブな利用を想定したテスト内容です。
OpenCL対応の Accelerated にて測定
総合的なパフォーマンスとしては、モバイルノートながら、ミドルレンジクラスのなかでも上位にランクするような高いレベルのスコアです。
CPU性能
「CINEBENCH」を使って、CPU性能を測定します。
レビュー機『HP ENVY 13-ad100』の CPU には、第8世代 インテル Core i7-8550U プロセッサーが搭載されています。
前世代(第7世代)のインテル Core i7-7500U プロセッサーの CPU スコアは 350cb 前後であるのに対し、第8世代 インテル Core i7-8550U プロセッサーは 488cb。
ベンチマークのスコアを見る限りでは、およそ 40% 性能がアップしていることが分かります。
グラフィック性能
「3DMark」「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」、4つのベンチマークソフトを使ってグラフィック性能を測定します。
まず「3DMark」での測定です。
3DMark では「Ice Storm」「Cloud Gate」「Sky Diver」「Fire Strike」「Time Spy」、各シーンの描画の滑らかさをもとにグラフィック性能を測定します。
スコアの高さは描画の快適性を表しています。
測定前に流されるデモ映像を見たイメージとしては、次のような印象でした。
Ice Storm | なめらか描画 |
Cloud Gate | なめらか描画 |
Sky Diver | 若干カクついたシーンもあるが、ほとんど気にならないレベル |
Fire Strike | コマ送りに近いカクカクとした描画 |
Time Spy | コマ送り描画 |
次が、「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」の測定結果。
標準品質、解像度 1280×720
最高品質、解像度 1280×720
標準品質、解像度 1920×1080
「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」の測定結果。
標準品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
高品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
さいごに、「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」の測定結果。
標準品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
高品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
4つのベンチマークソフトを使ったグラフィック性能の測定結果をみると、『HP ENVY 13-ad100』パフォーマンスモデルのグラフィック性能レベルは、CPU内蔵グラフィックスながら意外と高いレベルです。
ただ、ベンチマークの測定結果をみると、前世代(第7世代)インテル Core プロセッサーにくらべ、大幅にグラフィックス性能アップしたわけではないようです。
とはいえ、CPU内蔵グラフィックスでも高いレベルの性能なので、ビジネスシーンでのビデオチャットやテレビ会議などの快適な使用はもちろんのこと、動画視聴や写真・動画の編集、ライトなゲームも、気軽に楽しむことができそうです。
動作音については、負荷のかかる処理を実行しているときは、排熱のためファンがフル回転しファン音は少し大きくなります。ただ、ファン音はそれほど大きな音ではなく、ほとんど気にならないレベルです。
ストレージ
ストレージのベンチマークです。
ストレージは、東芝製の SSD で 容量は 512GB です。
ストレージ情報
ストレージのドライブ構成は次のようになります。
ストレージのデータ転送速度です。
ストレージのデータ転送速度
SSD が搭載されていると、Windows やアプリの起動が早くて快適です。
とくに、『HP ENVY 13-ad100』に搭載されている SSD は、対応規格 PCIe / 転送モード NVMe なので、Windows やアプリの起動などストレージへのアクセスは、体感的にも爆速です。
バッテリー
『HP ENVY 13-ad100』に搭載されているバッテリーの性能(駆動時間と充電時間)を測定します。
■駆動時間
バッテリーでの駆動は、次の条件でバッテリーによる駆動時間を計測します。
・無線LANでインターネットに接続
・YouTubeを全画面で連続再生
・画面の明るさ:最大レベル
・音量:最大レベル
■充電時間
バッテリー充電時間の計測は以下の条件で行います。
・測定開始はバッテリー残量がほぼゼロの状態
・電源アダプターを接続し Windows を起動
・スクリーンセーバー(ラインアート)でパソコンはアイドル状態
※スクリーンタイムアウトや PCスリープは設定しない。
バッテリーの駆動時間と充電時間の測定結果は以下のようになります。
バッテリーの残量は、大よその数字で 1時間当たり 11% くらいずつ減少しています。
バッテリーによる駆動は 8時間 36分経過後、Windows がバッテリー不足を検知し、パソコンはスリープ状態になりました。
また、バッテリー充電については、50%まで充電するのに 47分、充電完了までの所要時間は 2時間24分でした。
通常よりもバッテリーを多く消費する使用条件でもバッテリー駆動時間が 8時間を超えていますし、急速充電にも対応しているようです。
バッテリー性能としては かなり高いレベルといえます。
なお、実際の使用にあたっては、環境や条件などによりバッテリーの駆動時間は変動するので、参考値としてください。
BANG & OLUFSEN サウンド
『HP ENVY 13-ad100』は、BANG & OLUFSEN サウンドシステムを搭載し、スピーカーには B&O Play デュアルスピーカーが採用されています。
BANG & OLUFSEN のサウンドには、音質を調整できるコントロール画面があります。
BANG & OLUFSEN サウンド コントロール画面
お好みで音質を調整できるイコライジング機能は搭載されていませんが、そのままでも高音質なサウンドが出力されているので、高音域と低音域の調整でも十分といえるでしょう。
実際にサウンドを聴いてみた印象です。
■スピーカー
低音域から高音域まで再現できる音域が広く高音質。音の広がりも感じられる。
コンパクトサイズながら、臨場感あふれるサウンドが楽しめる。
欲を言えば、低音域の出力をもう少し強調した方が良いが、ボリュームを最大レベル付近まで上げると若干音割れも感じられる。(再生するサウンドにもよる)
これを差し引いても、BANG & OLUFSEN サウンドは高評価。
■ヘッドフォン
B&Oコントロール画面の出力でBang&Olufsen体験が自動的に無効化される(有効にできない)が、サウンドとしては、低音域が増幅され、サウンド全体に厚みが増す。
中音域から高音域もメリハリがでてきて音質もアップ、臨場感にくわえ迫力のあるサウンドが楽しめる。
Windows の起動・シャットダウン時間計測(動画に収録)
『HP ENVY 13-ad100』の Windows起動時間とシャットダウン時間は、次のとおりです。
・起動 : 9.4秒
・シャットダウン : 4.2秒
Windowsの起動とシャットダウンの様子を動画に収録しています。起動・シャットダウン時間を感覚でイメージできるので参考にどうぞ!
搭載ソフトウェア
『HP ENVY 13-ad100』に搭載されている主なソフトウェアです。
Windows標準のソフトのほか、HPヘルプ&サポートソフト、サウンドチューニングソフト「Bang & Olfsen Audio Control」、セキュリティソフト「マカフィー リブセーブ」などがインストールされています。
HPヘルプ&サポートソフトとしては、PCのメンテナンスや問題の回避/解決に役立つ機能が搭載された「HP Support Assistant」、パソコンのバックアップ・リカバリーに便利な「HP Recovery Manager」などがインストール。リカバリメディアを作成するツール「Recovery Media Creation」も入っています。リカバリメディアを作成しておけばコンピューターを出荷時の状態に復元することができます。
また、「HP Documentation」のアプリを使えば、かんたんにユーザーガイドを参照することができます。
動画再生ソフトや、写真・動画編集ソフトはプリインストールされていませんでした。
付属品
『HP ENVY 13-ad100』の本体ほか同梱品一式(電源アダプター、電源コード、ドキュメント類)です。
付属しているドキュメント類です。
【上記写真のドキュメント類について】 ■上段右側から ・サービスおよびサポートを受けるには(安心してお使いいただくために) ・パソコン生活まるごと ガイドブック ・HP MY ステッカーサービス ・アンケートの案内 ■中段 ・セットアップ手順 ■下段右側から ・製品の仕様に関する注意事項 ・将来の下取りでプレミアムキャッシュバック受け取りの案内 ・速攻!HPパソコンナビ 特別編 |
「速攻!HPパソコンナビ 特別編」はマイナビから出版された Windows 10 の解説書で、Windows 10 の使い方や活用方法など、分かりやすく記載されています。
まとめ
『HP ENVY 13-ad100』は、第8世代インテル Core プロセッサーを搭載した 13.3型モバイルノートです。
ベンチマークのスコアのとおりパフォーマンスも軽快で快適に動作してくれます。
持ち歩きの多いモバイルノートだけに、いろいろなシーンで、ストレスフリーで快適に使えるのは大きなアドバンテージです。
進化した性能とデザインにくわえ、コンパクトなモバイルノートながら、タイピングしやすいキーボードや鮮明でキレイな映像を描画できる液晶など使いやすさも好印象です。
高いレベルでトータルバランスに優れ、所有感も満たしてくれるモデルといえます。
ラインナップしているモデルの詳細や価格などの最新情報は、日本HPの直販サイト「HP Directplus」でチェックしてみてください。
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