HP Elite Mini 800 G9 レビュー:超小型でも良好な処理性能を搭載した省スペースデスクトップPC

 

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貸出機材提供:株式会社日本HP

右振り(壁紙)

日本HP が販売する HP Elite Mini 800 G9 は、第13世代インテル Core プロセッサーを搭載した超小型デスクトップPC です。

超コンパクトな筐体ながらビジネスシーンに十分な処理性能を搭載。快適なパフォーマンスでベンチマークによる性能評価も良好です。また、超コンパクトで省スペースに設置できることはデスクスペースを有効に活用できて作業効率の向上にもつながります。

■HP Elite Mini 800 G9 の特徴

  • 第13世代インテル Core プロセッサー(デスクトップ向けプロセッサー)を搭載
  • 超コンパクトサイズにくわえ縦置き/横置きのどちらも可能
  • ダイレクトマウントでモニターと一体化できる
  • 超小型でも豊富なインターフェースを搭載
  • 標準構成で3画面出力に対応(カスタマイズで4画面出力も可能)
  • HP Wolf Security for Business による高度なセキュリティ機能を搭載
  • USB 有線キーボードとマウスが付属

本記事では、メーカーからお借りした実機を試用し、前半で外観デザインや本体内部をチェック、後半では各種ベンチマークを使った性能評価を行います。

左振り(壁紙)

レビューは 2024年5月16日時点の内容です。

 

スペック構成

HP Elite Mini 800 G9 は、CPU/メモリ/ストレージなどの組み合わせにより複数のモデルがラインナップ。カスタマイズで使いかたや予算に合わせた構成に組み上げることも可能です。

おもなスペック構成は以下のとおり。

OS ■Windows 11 Home
■Windows 11 Pro
プロセッサー ■インテル Core i3-13100T プロセッサー
■インテル Core i5-13500T プロセッサー
■インテル Core i7-13700T プロセッサー
メモリ ■8GB(8GB×1)
■16GB(8GB×2)
■32GB(16GB×2)
※PC5-38400 (4800MT/s (最大64GB)
ストレージ ■256GB SSD (M.2 NVMe)
■512GB SSD (M.2 NVMe)
■1TB SSD (M.2 NVMe)
ストレージ2 ■なし
■500GB HDD (7,200rpm)
■1TB HDD (7,200rpm)
■2TB HDD (5,400rpm)
■256GB SSD (M.2 NVMe)
■512GB SSD (M.2 NVMe)
■1TB SSD (M.2 NVMe)
グラフィックス ■インテル UHD グラフィックス 730 (Core i3 搭載時)
■インテル UHD グラフィックス 770 (Core i5 / Core i7 搭載時)
LAN インテル I219LM ギガビット ネットワーク コネクション
ワイヤレス ■なし
■Intel AX211 Wi-Fi 6E vPro 160MHz + Bluetooth5.3 (vPro非対応)
■Intel AX211 Wi-Fi 6E vPro 160MHz + Bluetooth5.3 (vPro対応)
本体サイズ (W×D×H) 約 177×175×34 mm
重量 約 1.42kg (タワースタンド含まず)

 
詳しいスペックや価格、キャンペーンなど最新情報は日本HP公式サイトをご確認ください。

アイキャッチ

HP Elite Mini 800 G9
税込13万円台から

※HP Elite Mini 800 G9 は法人向けモデルですが、個人ユーザーや SOHO、フリーランスのユーザーも購入できます。

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外観チェック

超コンパクトなデザイン

HP Elite Mini 800 G9 はスクエアで超コンパクトなデザインです。

正面左振り(横置き)

正面右振り(横置き)

前後からの外観です。

外観(前後)
前後からの外観

左右側面です。

外観(左右)
左右側面

天面側と底面側です。

本体天面
天面側

本体底面
底面側

底面側は VESAマウントに対応するネジ穴があります。ゴム足は、VESAマウント領域の四隅に実装されており、安定感は良好です。

 

縦置きできる

HP Elite Mini 800 G9 は縦置きも可能です。縦置きするときは「タワースタンド」が必須です。安定感が大幅にアップします。

縦置き(その1)
タワースタンド

縦置き(その2)
タワースタンドで安定感がアップ

超コンパクトサイズにくわえ縦置き/横置きが可能なので置き場所に困ることはありません。デスク上のスペースを有効に活用できます。

縦置き(左振り)

 

省スペースに置ける

本体の大きさのイメージです。

本体の大きさイメージ
ティシューボックスと大きさ比較

本体はコンパクト。スリムで超コンパクトなので省スペースに設置できます。

なお、各種サイズのモニター(15.6/21.5/23.8インチ)と並べたイメージは以下のとおり。

モニター比較イメージ(15.6)
15.6インチモバイルモニターと大きさ比較

モニター比較イメージ(21.5)
21.5インチモニターと大きさ比較

モニター比較イメージ(23.8)
23.8インチモニターと大きさ比較

 

ダイレクトマウントでモニターと一体化できる

純正アクセサリーの「HP Quick Release 2」や「ダイレクトマウントブラケット」を使えば対応するモニターの背面に直接設置、モニターと一体化することもできます。

ダイレクトマウント
本体とモニターを一体化

ダイレクトマウントの詳細は公式サイトをご覧ください。

 

超軽量でモバイルノートPC なみの軽さ

本体や電源アダプターの重量(実測値)は以下のとおり。

重量の実測

・本体:1,154g
・電源アダプター:282g
・電源コード:167g

本体はモバイルノートPC なみの軽さです。

本体の重量感
本体は超軽量

電源アダプターの最大出力は 90W。そこそこコンパクトなサイズです。

電源アダプターの大きさ比較

電源アダプターの大きさ実測

 

インターフェースのチェック

コンパクトサイズでも豊富なインターフェース

HP Elite Mini 800 G9 はコンパクトサイズでも豊富なインターフェースを搭載しています。

インターフェース(前面側)

■前面側

①USB Type-C 3.2 Gen2(チャージングポート)

②USB Type-A 3.2 Gen2

③USB Type-A 3.2 Gen2(チャージングポート)

④マイク/ヘッドフォンコンボジャック

⑤電源ボタン

インターフェース(背面側)

■背面側

①DisplayPort 1.4a(DP++)×2

②HDMI 2.0b

③USB Type-A 3.2 Gen2×2

④選択可能ポート(オプション)

・HDMI

・VGA

・USB-C(DisplayPort Alt Mode対応、100W給電機能付)

⑤USB Type-A 3.2 Gen2

⑥LANポート(RJ-45)

⑦電源コネクター

筐体のサイズはコンパクトでもインターフェースは充実しています。

また、レビュー機は選択可能ポート(オプション)に「VGAポート」が実装されており、外部モニターへの出力は4画面出力が可能です。

外部モニター出力
レビュー機の構成は4画面出力が可能

選択可能ポートは「HDMI」「VGA」「USB-C(DisplayPort Alt Mode対応、100W給電機能付)」からカスタマイズできます。

選択可能ポート
選択可能ポートのカスタマイズ価格(記事作成時点)

なお、標準構成(モニター用選択ポートなし)の場合は3画面出力が可能です。

 

本体内部のチェック

HP Elite Mini 800 G9 の本体を分解、内部をチェックします。

本体内部へのアクセスはかんたん

本体内部へアクセスするためには固定している 1本のネジを外してから天面カバーを前面側にスライドさせて取りはずします。

※ネジは基本的にツールレスで外すことができますが、ネジの締め付けが固いときはマイナスドライバーまたはコインを使用してください。

カバー固定しているネジ
矢印の指すネジをはずす

ネジを取りはずす
ネジを完全にはずす

カバーをスライド
天面カバーを前面側へスライドする

カバーをはずす
前面パネルと天面カバーは一体化している

本体内部の全体イメージです。

本体内部
本体内部の全体イメージ

ファンを持ち上げるとメモリ実装エリアにアクセスできます。

メモリ実装エリア(その1)
ファンをフロント側から持ち上げる

メモリ実装エリア(その2)
メモリはシールドでカバーされている

メモリ実装エリア(その3)
メモリスロットは2つ

SSD とワイヤレスLAN の実装エリアです。

SSD 実装エリア
SSD の増設も可能

また、レビュー機には「ハードディスクドライブブラケット」が実装されていませんでしたが、HDDブラケットのイメージは以下のとおり。(別機種の写真)

HDD ブラケットのイメージ
HDD ブラケット(別機種)

将来的に HDD の増設を検討しているユーザーは HDDブラケットの選択をおすすめします。実用性や将来的な拡張性が向上します。

※購入時の初期設定は「HDDドライブブラケット」あり。本体の質量はスペックの「約 1.42kg」に近い数値になるでしょう。

なお、HDDブラケットの取りはずし方法は以下の記事をご覧ください。

※別機種のため取りはずし方法は若干異なる可能性があります。

 

本体内部へのアクセスはかんたんです。メモリや SSD、HDD の増設・換装も可能です。

※ご自身で増設・換装を行う際は保証規定をご確認のうえ自己責任での作業をお願いします。

 

ベンチマークによる性能評価

ベンチマークでは、レビュー機の CPU・グラフィック・ストレージ性能のほか総合的なパフォーマンスを評価します。

■レビュー機の基本スペック

OS Windows 11 Pro
CPU インテル Core i5-13500T
メモリ 16GB (8GB×2)
ストレージ 256GB SSD
グラフィックス インテル UHD グラフィックス 770

■使用したベンチマーク

比較項目 使用するベンチマーク
CPU性能 CINEBENCH R23[CPUのレンダリング性能評価]
CPU Mark (PassMark PerformanceTest)[CPU性能の総合評価]
グラフィック性能 3DMark Time Spy
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ[中量級のゲーム]
ファイナルファンタジーXV[重量級のゲーム]
ストレージ性能 CrystalDiskMark
総合的なパフォーマンス PCMark 10

なお、ベンチマークの実施にあたっては、電源オプションの電源プランは「HP Optimized (Modern Standby)」に設定し、電源モードを「バランス」と「最適なパフォーマンス」の2モードそれぞれで実施しています。

電源プラン
電源プランの設定

電源モード
電源モードの設定

 

CPU性能

CPU性能は CINEBENCH R23(マルチコア/シングルコア) と CPU Mark(PassMark PerformanceTest) のベンチマークスコアで評価します。

評価にあたっては、性能レベルを把握するため下記 CPU のスコアと比較します。

・インテル Core i7-14700F プロセッサー

・インテル Core i5-14400 プロセッサー

・インテル Core i7-13700F プロセッサー

・インテル Core i5-13400 プロセッサー

・インテル Core i7-12700 プロセッサー

・インテル Core i7-13700HX プロセッサー(*1)

・インテル Core i7-13700H プロセッサー(*1)

・インテル Core i5-13500H プロセッサー(*1)

・インテル Core i7-1360P プロセッサー(*1)

・インテル Core i5-1340P プロセッサー(*1)

・AMD Ryzen 7 7730U プロセッサー(*1)

・AMD Ryzen 5 7530U プロセッサー(*1)

※当サイトで計測したスコアの平均値
(*1)はノートPC 向け CPU のスコア

 
■CINEBENCH R23[CPUのレンダリング性能評価]

CINEBENCH R23 (マルチコア)
Core i7-14700F
27138 pts
Core i7-13700F
24151 pts
Core i7-12700
18566 pts
Core i7-13700HX
17945 pts
Core i7-13700H
15945 pts
Core i5-13400
14327 pts
Core i5-13500H
14234 pts
Core i5-14400
13824 pts
Core i5-13500T(レビュー機/最適なパフォーマンス)
10904 pts
Core i5-13500T(レビュー機/バランス)
10270 pts
Core i7-1360P
10095 pts
Ryzen 7 7730U
8997 pts
Core i5-1340P
8551 pts
Ryzen 5 7530U
7627 pts

 

CINEBENCH R23 (シングルコア)
Core i7-14700F
2033 pts
Core i7-13700F
1997 pts
Core i7-13700H
1880 pts
Core i7-12700
1866 pts
Core i7-13700HX
1858 pts
Core i5-14400
1783 pts
Core i5-13400
1744 pts
Core i7-1360P
1732 pts
Core i5-13500T(レビュー機/最適なパフォーマンス)
1718 pts
Core i5-13500T(レビュー機/バランス)
1711 pts
Core i5-1340P
1534 pts
Core i5-13500H
1501 pts
Ryzen 7 7730U
1428 pts
Ryzen 5 7530U
1419 pts

 
■CPU Mark(PassMark PerformanceTest)

CPU Mark
Core i7-14700F
44397
Core i7-13700F
40791
Core i7-12700
32463
Core i7-13700HX
31774
Core i7-13700H
28429
Core i5-13500H
25438
Core i5-14400
25400
Core i5-13500T(レビュー機/最適なパフォーマンス)
22980
Core i5-13500T(レビュー機/バランス)
22367
Core i5-13400
21695
Core i7-1360P
20651
Ryzen 7 7730U
18677
Core i5-1340P
16650
Ryzen 5 7530U
15930

 
レビュー機のスコアは良好です。CINEBENCH では少し低いものの、CPU Mark では良好な結果でした。

超小型デスクトップPC でこれだけのパフォーマンスがあればビジネスシーンにおいても事務的作業から多少負荷の高い作業まで快適にこなすことができるでしょう。

 

グラフィック性能

グラフィック性能はゲーム系のベンチマークで評価します。

評価にあたっては、グラフィックス性能レベルを把握するため当サイトでレビューした下記グラフィックスのスコアと比較します。

・インテル UHD グラフィックス 770

・インテル UHD グラフィックス 750

・インテル UHD グラフィックス 730

・AMD Radeon グラフィックス

・インテル Iris Xe グラフィックス(Core i7-1360P内蔵)(*1)

・インテル Iris Xe グラフィックス(Core i5-1340P内蔵)(*1)

※当サイトで計測したスコアの平均値
(*1)はノートPC 向け CPU のスコア

 

3DMark Time Spy

Time Spy は DirectX 12 を使用したハイパフォーマンスゲーミングPC向けのグラフィックス性能テストです。

3DMark Time Spy
インテル Iris Xe(Core i7-1360P)
1911
インテル Iris Xe(Core i5-1340P)
1545
AMD Radeon
920
インテル UHD 770(レビュー機/最適なパフォーマンス)
884
インテル UHD 770(レビュー機/バランス)
881
インテル UHD 770
845
インテル UHD 750
690
インテル UHD 730
668

 

ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ[中量級のゲーム]

暁月のフィナーレ
インテル Iris Xe(Core i7-1360P)
4399
インテル Iris Xe(Core i5-1340P)
3777
インテル UHD 770(レビュー機/最適なパフォーマンス)
2295
インテル UHD 770(レビュー機/バランス)
2325
インテル UHD 770
2174
AMD Radeon
1955
インテル UHD 730
1558
インテル UHD 750
1494

※最高品質/解像度 1920×1080 で実施

 

ファイナルファンタジーXV[重量級のゲーム]

ファイナルファンタジーXV
インテル Iris Xe(Core i7-1360P)
1579
インテル Iris Xe(Core i5-1340P)
1343
インテル UHD 770(レビュー機/最適なパフォーマンス)
840
インテル UHD 770(レビュー機/バランス)
835
インテル UHD 770
797
AMD Radeon
765
インテル UHD 730
622
インテル UHD 750
628

※高品質/解像度 1920×1080 で実施

 
レビュー機のスコアは良好です。

CPU内蔵のグラフィックスは CPU性能のほかにも搭載されているメモリ容量や構成チャネル(シングル/デュアル/クアッド)に依存します。レビュー機はメモリ2枚挿しのデュアルチャネル構成により、グラフィックス性能をしっかりと発揮できています。

一般的な使いかた(ネット・メール・オフィスソフト・オンライン会議など)では十分なパフォーマンスで使うことができます。

なお、メモリ1枚のシングルチャネル構成の場合、グラフィックパフォーマンスがひかえめになる点は留意してください。ただ、グラフィックパフォーマンスがひかえめな場合でもメモリ増設によりパフォーマンスを改善することが可能です。

 

ストレージ性能

レビュー機のストレージは、PCIe/NVMe 対応の SSD(容量 256GB) を搭載しています。

データ転送速度(SSD)
データ転送速度

※電源モードを「バランス」に設定して計測した結果。「最適なパフォーマンス」での計測結果も同等です。

計測結果は優秀です。体感的にも高速なアクセスでファイルの読み書きもスムーズです。

 

総合的なパフォーマンス

PCMark 10 を使って、実際の使用を想定した性能評価を行います。

評価にあたっては、性能レベルの違いを把握するため下記機種のスコアと比較します。

・デル Inspiron スモールデスクトップ 3030

・デル Inspiron デスクトップ 3020

・レノボ IdeaCentre 5i Gen 8

※当サイトで計測したスコア(パフォーマンスモードに相当する設定でのスコア)

各機種の基本スペックは以下のとおり。

スペック Elite Mini 800
(レビュー機)
Inspiron
スモールデスク
Inspiron
デスクトップ
IdeaCentre 5i
CPU インテル Core i5-13500T インテル Core i5-14400 インテル Core i5-13400 インテル Core i5-13400
メモリ 16GB(8GB×2) 16GB(16GB×1) 8GB(8GB×1) 8GB(8GB×1)
ストレージ 256GB SSD 512GB SSD 256GB SSD+1TB HDD 512GB SSD
グラフィックス インテル UHD グラフィックス 770 インテル UHD グラフィックス 730 インテル UHD グラフィックス 730 インテル UHD グラフィックス 730

 
ベンチマーク結果は以下のとおり。

Essentials
Elite Mini 800 (バランス)
8875
Elite Mini 800 (最適なパフォーマンス)
8880
Inspiron スモールデスク
10337
Inspiron デスクトップ
9849
IdeaCentre 5i
8425
目標値
4100
Productivity
Elite Mini 800 (バランス)
6906
Elite Mini 800 (最適なパフォーマンス)
6852
Inspiron スモールデスク
7611
Inspiron デスクトップ
7714
IdeaCentre 5i
6748
目標値
4500
Digital Contents Creation
Elite Mini 800 (バランス)
5641
Elite Mini 800 (最適なパフォーマンス)
5655
Inspiron スモールデスク
5824
Inspiron デスクトップ
5370
IdeaCentre 5i
5127
目標値
3450

※テスト項目説明

・Essentials(普段の作業を想定した基本的なテスト)

・Productivity(ビジネスソフトの使用を想定したテスト)

・Digital Contents Creation(写真・動画編集を想定したテスト)

※目標値はベンチマークソフト開発メーカーの推奨スコア

 
レビュー機のスコアは良好です。

超小型な筐体でも、筐体サイズが大きくエアフローが優位な機種と同等のパフォーマンスです。

一般的な事務作業(メール、ネット、オフィスソフトなど)はもちろんのことオンライン会議でも安定したパフォーマンスが期待できます。

関連記事

 

クリエイティブ性能の評価

クリエイティブ性能は RAWデータ現像(JPEGファイル書き出し)と動画エンコードの処理時間で評価します。

評価にあたっては、上記の総合的なパフォーマンスで使用した機種の処理時間と比較します。

・デル Inspiron スモールデスクトップ 3030

・デル Inspiron デスクトップ 3020

・レノボ IdeaCentre 5i Gen 8

※当サイトで計測した処理時間(パフォーマンスモードに相当する設定での処理時間)

 

RAWデータ現像

RAWデータ現像に使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。

■使用ソフトウェア

CyberLink PhotoDirector

Adobe Photoshop Lightroom

Adobe Photoshop Lightroom Classic

■条件等

・RAWデータ 50ファイルをJPEG形式で一括書き出し

・RAWデータサイズ 4,592×3,056(約14MB)

・プリセット等 編集は適用しない

・ほかのアプリは起動しない(常駐アプリは除く)

■処理結果

PhotoDirector
Elite Mini 800 (バランス)
41秒1
Elite Mini 800 (最適なパフォーマンス)
42秒0
Inspiron スモールデスク
34秒8
Inspiron デスクトップ
54秒5
IdeaCentre 5i
55秒8
Photoshop Lightroom
Elite Mini 800 (バランス)
15秒2
Elite Mini 800 (最適なパフォーマンス)
15秒3
Inspiron スモールデスク
22秒3
Inspiron デスクトップ
39秒5
IdeaCentre 5i
44秒4
Lightroom Classic
Elite Mini 800 (バランス)
21秒4
Elite Mini 800 (最適なパフォーマンス)
20秒7
Inspiron スモールデスク
23秒9
Inspiron デスクトップ
42秒4
IdeaCentre 5i
46秒4

 

動画エンコード

動画エンコードに使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。

■使用ソフトウェア

CyberLink PowerDirector

■条件等

・AVCHD動画(1920×1080)を mp4 形式で出力(m2ts→mp4、720p、1280×720/30p 16Mbps)

・動画再生時間 10分間

・ほかのアプリは起動しない(常駐アプリは除く)

■処理結果

PowerDirector
Elite Mini 800 (バランス)
1分43秒9
Elite Mini 800 (最適なパフォーマンス)
1分43秒6
Inspiron スモールデスク
1分37秒4
Inspiron デスクトップ
2分9秒1
IdeaCentre 5i
2分26秒6

 
実際のソフトウェアを使った検証も優秀です。

本格的なクリエイティブ作業には向かないものの、写真・動画を補助的に編集するケースなどでは十分に活用できます。

 

駆動音・パーツ温度のチェック

HP Elite Mini 800 G9 の駆動音とパーツ温度をチェックします。

駆動音のチェック

駆動音は、下記処理中の音量(デシベル)を測定し、評価します。

・CPU ベンチマーク「CINEBENCH R23 /マルチ Core」実行中

・10分間動画のエンコード処理中

※一般住宅で周囲の音ができるだけ入らないようにして測定(室温:25℃)

騒音測定イメージ
音量計測イメージ
(使用測定器:Meterk SLM01)

■測定結果

電源モード アイドル状態
(最小音量)
最大音量
下段はピーク時の音量推移
ベンチマーク中 動画エンコード中
バランス 34.3db 38.3db
(37~38db)
38.7db
(37~38db)
最適なパフォーマンス 34.3db 37.6db
(36~37db)
38.6db
(37~38db)

■騒音の目安

騒音の大きさ 騒音の具体例
60 デシベル 走行中の自動車内
普通の会話
デパート店内
50 デシベル 家庭用エアコンの室外機
静かな事務所の中
40 デシベル 閑静な住宅地の昼
図書館内
30 デシベル 深夜の郊外
鉛筆での執筆音
20 デシベル 木の葉の触れ合う音
雪の降る音

参考:埼玉県深谷市ホームページ「騒音・振動の規制について」

 
平常時は「サーッ」という排気音がかすかに聞こえる程度(耳を近づけて聞こえる程度)です。ほぼ無音といって良いでしょう。

高負荷時は「ウーッ」というモーター音と「サーッ」という排気音が大きくなりますが耳ざわりに感じるほどではありません。負荷状況にかかわらず駆動音が気になることはないでしょう。

なお、負荷低減後に駆動音がアイドル時の状態に戻るまでの時間は 1~2分くらいです。

 

パーツ温度のチェック

パーツ温度については、下記を実施中の CPU の動作周波数(クロック)と温度を計測・評価します。

・CPU ベンチマーク「CINEBENCH R23 Multi Core」10分間実行中

※電源モードを「バランス」に設定して計測

※計測時の室温:25℃

パーツ温度と動作周波数(その1)
CPU ベンチマーク実行中

高負荷な状態の CPU は動作周波数をおさえめにして温度を 70℃くらいにキープして推移しています。

CPUの負荷が長時間高い状態が続く場合、パフォーマンスは制限されるかもしれません。このようなケースは超小型なだけに致し方なしといえるでしょう。

なお、サーマルスロットリングは発生していませんでした。サーマルスロットリングは、いわゆる熱暴走を防止し熱によるパーツのダメージを未然に防ぐ機能です。

 

Windows の起動・再起動・シャットダウン時間計測

Windows の起動時間、再起動時間、シャットダウン時間を それぞれ 5回ずつ計測しました。

起動 再起動 シャットダウン
1回目 16.2秒 30.4秒 14.5秒
2回目 16.3秒 31.7秒 14.7秒
3回目 17.1秒 31.7秒 14.8秒
4回目 16.9秒 34.3秒 14.9秒
5回目 16.4秒 33.0秒 14.7秒
平均 16.6秒 32.2秒 14.7秒

起動とシャットダウンは体感的にも早いです。

再起動は少し時間がかかりますが、頻繁に実行する処理ではないので処理待ちのストレスを感じることはないでしょう。

なお、実際の使用にあたってはインストールしているアプリや Windows の更新など使用状況により時間は変動するので参考値としてください。

 

同梱品

本体ほか同梱品一式です。

本体ほか一式

同梱品リスト
・HP Elite Mini 800 G9 本体
・電源アダプター
・電源コード
・タワースタンド
・キーボード
・マウス
・ドキュメント類

 

まとめ

以上、HP Elite Mini 800 G9 のレビュー記事をお届けしました。

HP Elite Mini 800 G9 は超小型ながら良好な処理性能を搭載しています。メモリやストレージの増設・換装も可能で、ほど良い拡張性も備えています。

また、超コンパクトなデスクトップPCは デスクスペースを有効に活用でき作業効率を向上できるメリットもあります。

省スペースに設置できて実用性にすぐれたデスクトップPC を検討中のビジネス・ユーザーはぜひチェックしてみてください。

高評価のポイント

  • 超コンパクトでも良好な処理性能を搭載
  • ほど良い拡張性がある
  • 使いかたに合わせて縦置き/横置きができる
  • 見た目は小さいけど実用性にすぐれている

気をつけておきたいところ

  • 縦置きするならタワースタンドは必須

 
ラインナップしているモデルや価格、キャンペーンなど最新情報は日本HP直販サイト「HP Directplus」をご確認ください。

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HP Elite Mini 800 G9
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