東芝『dynabook VZ82/F』レビュー アクティブペンが快適に使える 12.5型コンバーチブル 2in1 PC(後編)

 

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貸出機材提供:Dynabook株式会社

東芝『dynabook VZ82/F』実機レビュー 後編です。

後編は、各種ベンチマークのほか、RAWデータ現像・動画エンコード処理時間計測、起動・シャットダウン時間計測などの性能レビューを行います。

dynabook VZ82/F 背面側(その3)

【 目 次 】
(前編)
外観について
スペックについて
ディスプレイ
キーボード&タッチパッド
アクティブペン
(後編)
ベンチマーク
RAWデータ現像・動画エンコード処理時間計測
サウンド チェック
Windows の起動・再起動・シャットダウン時間計測
搭載ソフトウェア
付属品
まとめ

レビュー内容は 2018年8月3日時点のものになります。

レビュー機のスペック構成については「スペックについて」の章をご覧ください。

 

ベンチマーク

『dynabook VZ82/F』の基本性能や総合的なパフォーマンスのほか、CPU、グラフィック、ストレージ、バッテリーの性能を測定します。

基本性能

Windowsに搭載されているシステム評価ツール「WinSATコマンド」と、パソコンの各性能レベルを客観的に評価する「PASS MARK PerformanceTest 9.0」を使用して、パソコンの基本性能を測定します。

WinSAT

WinSAT スコア

「WinSAT」による測定は、PCの性能を相対的に数値化して表現したもので、各項目の説明は次のとおりです。

CPUScore CPU のスコア
D3DScore ゲーム用グラフィックスのスコア
ただし、従来のゲーム用グラフィックスのスコアのため Windows 10では計測対象外(9.9というスコアは無視)
DiskScore プライマリハードディスクのスコア
GraphicsScore グラフィックスのスコア
MemoryScore メモリのスコア
TimeTaken 前回の評価(「MostRecentAssessment」は直近の評価を表します)
WinSATAssessmentState 評価の状態を表す値(1:評価済み、2:要再評価)
WinSPRLevel 基本スコア(SPR:System Performance Rating)

PASS MARK PerformanceTest 9.0

PASS MARK PerformanceTest 9.0 スコア(クリックで拡大表示できます)

「PASS MARK PerformanceTest 9.0」で計測されたスコアは、全世界のパソコンがアップロードしたスコアと比較、Percentile(パーセンタイル)の数値から自分のパソコンの性能レベルを客観的に把握することができます。

上記の測定結果を例にすると、トータル性能を示す「PassMark Rating」のスコア「2876.3」のパーセンタイルは「67th Percentile」で、計測を行った他のパソコン 67% よりも上位のスコアという意味です。

別な言い方をすると、「PASS MARK PerformanceTest 9.0」で計測しスコアをアップロードした全世界のパソコンのなかで、上位のスコアから 33%(100% - 67%)に位置するスコアということです。

3D Graphics Mark のスコアは今ひとつですが、そのほかのスコアはレベルが高く、コンバーチブルタイプの 2in1 モバイルノートとしては十分な性能レベルを備えているといって良いでしょう。

CPU性能

「CINEBENCH」を使って、CPU性能を測定します。

CINEBENCH 測定結果

レビュー機『dynabook VZ82/F』の CPU には第8世代インテル Core i7-8550U プロセッサーが搭載されています。

前世代(第7世代)のインテル Core i7-7500U プロセッサーの CPU スコアは 350cb 前後であるのに対し、レビュー機に搭載された CPU のスコアは 501cb。

ベンチマークのスコアを見る限りでは、およそ 43% 性能がアップしていることが分かります。

グラフィック性能

グラフィック性能は以下のゲーム系ベンチマークソフトを使って測定します。

■3DMark
■ドラゴンクエストX
■ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド
■ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター

3DMark

3DMark は、「ICE STORM」「CLOUD GATE」「SKY DIVER」「FIRE STRIKE」「TIME SPY」、各シーンについてグラフィック性能を測定します。

結果は以下のとおり。

3DMark

測定前に流されるデモ映像を見たイメージとしては、次のような印象でした。

Ice Strom なめらか描画
Cloud Gate なめらか描画
Sky Diver おおむねなめらか描画。一部カクついたシーンもあったが問題ないレベル
Fire Strike カクカクした描画
Time Spy コマ送り描画

ドラゴンクエストX

ドラゴンクエストX ベンチマークの結果です。

ドラクエベンチマーク(標準品質、解像度 1280×720)
標準品質、解像度 1280×720

ドラクエベンチマーク(最高品質、解像度 1280×720)
最高品質、解像度 1280×720

ドラクエベンチマーク(標準品質、解像度 1920×1080)
標準品質、解像度 1920×1080

ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド

ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマークの結果です。

ファイナルファンタジー 標準品質(ノートPC) 解像度 1280×720
標準品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11

ファイナルファンタジー 高品質(ノートPC) 解像度 1280×720
高品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11

ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター

ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマークの結果です。

ファイナルファンタジー 紅蓮のリベレーター 標準品質(ノートPC) 解像度 1280×720
標準品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11

ファイナルファンタジー 紅蓮のリベレーター 高品質(ノートPC) 解像度 1280×720
高品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11

 

上記、4つのベンチマークソフトを使ったグラフィック性能のスコアをみると、『dynabook VZ82/F』のグラフィック性能レベルはモバイルノートして高いレベルといえるでしょう。

ヘビーなゲームや 3Dレンダリングのような高度なグラフィック処理には不向きですが、動画視聴はもちろんのこと、ビデオチャットや写真・動画の編集、ライトなゲームも気軽に楽しむことができるレベルです。

ストレージ

ストレージのベンチマークです。

レビュー機に搭載されているストレージは 東芝製の SSD で、容量は 512GB(SATA接続)です。

ストレージ情報
ストレージ情報

ドライブ構成は次のようになります。

ストレージのドライブ構成ドライブ構成
(クリックで拡大表示できます)

ストレージのデータ転送速度の測定結果です。

データ転送速度
データ転送速度

SSD が搭載されていると、測定結果が示す通り Windows や アプリの起動も高速です。

総合的なパフォーマンス

「PCMark 8」および「PCMark 10」を使用して、PCのアプリケーション実行における総合的なパフォーマンスを測定します。

PCMark 8(Home Test)

家庭での利用を想定したテストです。

PCMark 8 Home Test スコア

PCMark 8 Home Test スコア比較PCMark 8(Home Test) OpenCL対応の Accelerated にて測定
(テスト結果はクリックで拡大表示できます)

PCMark 8(Creative Test)

クリエイティブな利用を想定したテストです。

PCMark 8 Creative Test スコア

PCMark 8 Creative Test スコア比較PCMark 8(Creative Test) OpenCL対応の Accelerated にて測定
(テスト結果はクリックで拡大表示できます)

PCMark 10 Extended

PCMark 10 Extended は、以下の 4つの Test Group のテストを実施します。
(テスト結果はクリックで拡大表示できます)

■Essentials(普段の作業を想定した基本的なテスト)
■Productivity(ビジネスソフトの使用を想定したテスト)
■Digital Contents Creation(写真・動画編集を想定したテスト)
■Gaming(ゲーミングソフトの使用を想定したテスト)

PCMark 10 Extended スコア

PCMark 10 Extended スコア比較PCMark 10 Extended

 

総合的なパフォーマンスとしては、モバイルノートとして快適に使えるスコアです。

とくに、PCMark 10 Extended では Essentials や Productivity のジャンルのスコアレベルは高く、普段の作業やビジネスソフトを使用した作業は快適なパフォーマンスが期待できそうです。

動作音・動作熱

動作音については、負荷のかかる処理中でも「サーッ」という排熱の音が大きくなります。個人差はありますが耳ざわりに感じるかもしれません。

ただ、平常時は静かである点や、負荷のかかる処理が終始続くわけではないので、それほど気にすることもないと思います。

動作熱については、負荷のかかる処理中は、排気口近くが少し熱くなるので、膝に置いての作業は避けた方が良いでしょう。

また、キーボード上は多少温かさを感じる程度で、パームレストは本体内部の熱の影響をほとんど受けないので不快な感じはありませんでした。

動作熱
左側の画像:平常時(Windows起動後10分放置)
右側の画像:動画エンコード時(10分間の動画エンコード終了直前)

バッテリー

『dynabook VZ82/F』に搭載されているバッテリーの性能(駆動時間と充電時間)を測定します。

■駆動時間
バッテリーでの駆動は、次の条件でバッテリーによる駆動時間を計測します。
・無線LANでインターネットに接続
・YouTubeを全画面で連続再生
・画面の明るさ:最大レベル
・音量:最大レベル

■充電時間
バッテリー充電時間の計測は以下の条件で行います。
・測定開始はバッテリー残量がほぼゼロの状態
・電源アダプターを接続し Windows を起動
・スクリーンセーバー(ラインアート)でパソコンはアイドル状態
※スクリーンタイムアウトや PCスリープは設定しない。

バッテリーの駆動時間と充電時間の測定結果は以下のようになります。

バッテリー残量グラフ

バッテリーの残量は、大よその数字で 1時間当たり 12% ~ 13% 減少しています。

バッテリーによる駆動は 7時間42分経過後、Windows がバッテリー不足を検知し、パソコンは休止状態になりました。

バッテリーを多く消費する条件でもバッテリー駆動時間が 7時間以上なら、モバイルノートとしてはまずまずの性能といえるでしょう。

画面の明るさや音量レベルなどを通常の使用レベルに調整すれば、バッテリー駆動時間はもう少し伸びるはずです。

バッテリー充電については、50%まで充電するのに 41分、充電完了までの所要時間は 2時間26分でした。

50%までの充電時間は意外と短く、急な外出のときにバッテリー残量が少なくても短時間充電で対応できそうです。

なお、実際の使用にあたっては、環境や使い方などによりバッテリーの駆動時間は変動するので、参考値としてください。

 

RAWデータ現像・動画エンコード処理時間計測

RAWデータ現像と動画エンコードの処理時間を計測します。

RAWデータ現像

RAWデータ現像に使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。

■使用ソフトウェア
CyberLink PhotoDirector 8 for TOSHIBA
(レビュー機にプリインストールされていたソフトウェア)

■条件等
・RAWデータ 50ファイルを一括書き出し
・プリセット等 編集は適用しない
・撮影カメラ SONY NEX-5

■処理時間

処理時間 メモリ使用量
1分 1秒3 4.5GB

※メモリ使用量は処理中の「コミット済みメモリ」(最大値)。
 (パソコンがシステム全体で実際に使用しているメモリの使用量)

動画エンコード

動画エンコードに使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。

■使用ソフトウェア
CyberLink PowerDirector 15 DVD for TOSHIBA
(レビュー機にプリインストールされていたソフトウェア)

■条件等
・AVCHD動画(1920×1080)を mp4 形式で出力
(m2ts→mp4、720p、1280×720/30p 16Mbps)
・動画再生時間 10分間

■処理時間

処理時間 メモリ使用量
1分13秒6 3.5GB

※メモリ使用量は処理中の「コミット済みメモリ」(最大値)。
 (パソコンがシステム全体で実際に使用しているメモリの使用量)

 

処理時間は短く、写真や動画編集にも快適に使えそうです。

 

サウンド チェック

『dynabook VZ82/F』には、ハーマン・インターナショナル社と東芝が共同開発した専用のスピーカーユニットとスピーカーボックスが搭載されています。

harman/kardon ロゴ

参考までに、ハーマンインターナショナルは、家庭用オーディオ、ホームシアター、車載用、マルチメディア用などの民生機器から、映画館、スタジアム、コンサートホールなど業務用機器まで手掛ける世界最大級のオーディオメーカーです。

サウンドユーティリティソフトには「DTS Studio Sound」を採用。サラウンド設定や低音域の増幅も可能で、臨場感と迫力ある音響効果や、お好みの音質のサウンド環境を構築できる機能が搭載されています。

DTS Sound

実際にサウンドを聴いてみた印象としては・・・

■スピーカー
全体的にこじんまりとした印象だが・・・
低音域から高音域まで広い音域でクリアなサウンドが再生される。
低音域が少し弱い感じがするが、サウンド自体は高音質。

■ヘッドホン
低音域に伸びが出てサウンドに厚みが増し、高音質もさらにアップする。
臨場感と迫力のあるサウンドを楽しめる。

 

Windows の起動・再起動・シャットダウン時間計測

Windows の起動時間、再起動時間、シャットダウン時間を それぞれ 5回ずつ計測しました。

Windows の起動・再起動・シャットダウン時間

起動とシャットダウン時間は、感覚的にもかなり「早い」です。

 

搭載ソフトウェア

『dynabook VZ82/F』に搭載されている主なソフトウェアです。(クリックで拡大表示できます)

スタートメニュー(その1)

スタートメニュー(その2)

Windows標準のソフトのほか、東芝オリジナルのサポートソフトやユーティリティーソフト、写真・動画編集ソフト、ウィルス対策ソフト(ウイルスバスタークラウド 90日版)など、数多くのソフトウェアがインストールされています。

東芝オリジナルのソフトウェアには、パソコンとスマートフォンが連携できる「東芝スマートフォンリンク」のほか「TruRecorder」などもインストール。

「TruRecorder」は会議の内容を出席者の声ごとに認識して録音することができます。ビジネスシーンで議事録を作成するときなどに役立つ便利な機能です。

TruRecorderTruRecorder
(クリックで拡大表示できます)

また、「TruNote」は手書きメモの作成にくわえ、「TruRecorder」や「TruCapture」など東芝アプリで作成したコンテンツを「TruNote」上で連携することもできる便利なアプリです。

TruNoteTruNote
(クリックで拡大表示できます)

ちなみに、「TruCapture」はホワイトボードや本などを斜めから撮影した画像も読みやすく補正してくれる、こちらも実用性の高いアプリです。

TruCaptureTruCapture
(クリックで拡大表示できます)

 

付属品

『dynabook VZ82/F』には、本体のほか電源アダプター、電源コード、マニュアル類が同梱されています。

『dynabook VZ82/F』本体セット

付属しているドキュメントは「スタートアップガイド」や「取扱説明書」など、あんしんしてパソコンを使う上で必要なドキュメントが揃っています。

 

まとめ

以上、『dynabook VZ82/F』のレビュー記事をお届けしました。

『dynabook VZ82/F』は、高いレベルの性能を搭載したコンバーチブルタイプの 2in1 ノートPC です。

スタイル自在に使えるコンバーチブルタイプの 2in1 ノートは利便性も高く、プライベートからビジネスまでいろいろなシーンで活用できます。

とくに、『dynabook VZ82/F』には筆圧検知のアクティブペンにくわえ、アクティブペンが快適に使える便利なアプリもたくさんインストールされています。

評価のポイントをまとめると・・・

高評価のポイント
・第8世代CPUでパフォーマンスも快適
・アクティブペンが使いやすく快適に使えるアプリも揃っている
・スタイル自在に場所や時間にとらわれない使い方ができる
・映像が高精細で鮮やか

チョット残念なところ
・キートップのサイズが横長
・高負荷時の排気音が少し大きく感じるかも

『dynabook VZ82/F』の価格は、Dynabook Direct(旧東芝ダイレクト)の会員なら 税込 15万円台~(Core i7/8GBメモリ/512GB SSD)[価格は記事作成時点]

性能/機能レベルの高さにくわえ、スタイル自在にアクティブペンも快適に使える使い勝手の良さは、テレワークなど場所や時間にとらわれない柔軟な働き方にマッチしたパソコンといえます。

ラインナップしているモデルや価格などの最新情報は、Dynabook 直販サイト「Dynabook Direct」(旧東芝ダイレクト)でチェックしてください。

 


Dynabook Direct(旧東芝ダイレクト)公式サイト
⇒ 『dynabook VZ82』製品ページ
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dynabook VZ82/F 4つのスタイル

 

 

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