東芝『dynabook VZ82/F』実機レビュー 前編です。
『dynabook VZ82/F』は、ディスプレイ面を 360度回転させることでノートパソコンやタブレットなどスタイル自在に使えるコンバーチブルタイプの 12.5型 2in1 ノートパソコンです。
モバイルノートとして高いレベルの性能を搭載し、同梱されているアクティブペンの描き心地もなめらかで快適に使えます。
アクティブペンで描いたメモ書きは写真や録音データと連携することも可能で、ビジネスシーンでも有効に活用できる機能も搭載されています。
こちらの機種も dynabook UZ63/F と並び、テレワークなど場所や時間にとらわれない柔軟な働き方に適したパソコンといえるでしょう。
前編は、外観デザインや、スペック、ディスプレイ、キーボードなどのレビューを行います。
なお、後編では、『dynabook VZ82/F』の性能レビューを実施しています。
(後編) ベンチマーク RAWデータ現像・動画エンコード処理時間計測 サウンド チェック Windows の起動・再起動・シャットダウン時間計測 搭載ソフトウェア 付属品 まとめ |
レビュー内容は 2018年8月3日時点のものになります。
<参考>
『dynabook VZ82/F』は、Dynabook 直販サイト「Dynabook Direct」(旧東芝ダイレクト)で販売している Web専用モデル(2018年春モデル)です。
本体カラーは「オニキスブルー」と「プレシャスシルバー」2つのカラーバリエーション。
CPU にインテル Core i7-8550U プロセッサーを搭載、メモリやストレージのスペックにより以下の 5つのモデルがラインナップしています。
■オニキスブルー
・16GBメモリ/1TB SSD(PCI Express 対応)
・16GBメモリ/512GB SSD(Serial ATA 対応)
■プレシャスシルバー
・16GBメモリ/1TB SSD(PCI Express 対応)
・16GBメモリ/512GB SSD(Serial ATA 対応)
・8GBメモリ/512GB SSD(Serial ATA 対応)
今回レビューするのは「16GBメモリ/512GB SSD(Serial ATA 対応)」搭載モデル(プレシャスシルバー)です。
レビュー機のスペック構成については「スペックについて」の章をご覧ください。
各モデルのスペック構成や価格は、Dynabook Direct(旧東芝ダイレクト)でもチェックできます。
Dynabook Direct(旧東芝ダイレクト)公式サイト
⇒ 『dynabook VZ82』製品ページ
外観について
『dynabook VZ82/F』のデザインはシンプルでスタイリッシュ。プレシャスシルバーのカラーはホワイトに近い明るめのシルバーで、清潔感にくわえ爽やかな印象のあるカラーです。
本体の素材にはマグネシウム合金が採用されており、コンパクトで薄型ながら堅牢性にも優れています。
手で触れた感触はサラサラとして質感も良好、指紋や皮脂の跡も目立ちにくいです。
天面を見てみます。
底面部です。
底面部は「ユニボディ」といわれる一つのユニットで構成されています。パーツの継ぎ目を極力排除し剛性を重視した構造で、見た目もスッキリしています。
ゴム足は四隅に実行されており、安定性も良好です。
矢印の指すところがゴム足
バッテリーは本体内蔵のため取り外し不可ですが、『dynabook VZ82/F』には長時間駆動できるバッテリーが搭載されています。
バッテリー駆動による動作時間は、レビュー後編の「ベンチマーク・バッテリー」をご覧ください。
次に、ヒンジを見てみます。
ヒンジのトルクは ほど良い感じで、天面の開け閉めや 360度の回転もやりやすく、またタイピング中でも画面のグラつきを感じることはありませんでした。
前後左右の側面からみてみます。
前面側
背面側
左側面
右側面
次に、インターフェース等を見てみます。
左側面のインターフェース類です。
①Thunderbolt 3(USB Type-C)コネクタ(電源コネクタ)
②マイク入力/ヘッドホン出力端子
右側面のインターフェース類です。
③電源スイッチ
④USB3.0コネクタ(スリープアンドチャージ)
⑤セキュリティロック・スロット
電源ボタンは LED内蔵で、電源オンのときに点灯します。
本体のインターフェースは必要最低限ですが、『dynabook VZ82/F』には USB Type-C アダプターが標準で同梱されています。
USB Type-C アダプターに実装されているインターフェースです。
①有線LANコネクタ
②USB3.0コネクタ
③HDMI出力端子
④RGBコネクタ
⑤電源コネクタ
すべてのポートを使用しても干渉することはありません。
SDカードスロットが実装されていないのは筆者としては残念な点ですが、USB Type-C アダプターの電源コネクタに電源アダプターをつなげば、USB Type-C アダプターを使用中でも『dynabook VZ82/F』本体を充電することもできます。
スピーカーは、底面部 前面側の左右に実装されています。
矢印の指すところがスピーカー
排気口は、キーボード奥 ヒンジのあいだに実装されています。
Webカメラとマイクです。
IRカメラ(赤外線カメラ)も搭載しているので、顔認証でかんたんに Windows にサインインできます。
IRカメラ(赤外線カメラ)にくわえ、タッチ方式の指紋センサーも搭載されています。
IRカメラと指紋リーダーは併用することも可能で、認証精度はいずれも良好です。
ちなみに、顔認証と指紋認証の両方が使えるメリットとしては、たとえば外出先でマスクを着用しているときは顔認証できませんが、指紋認証でサインインできることが挙げられます。
持ち歩くことの多いモバイルノートだけに、セキュリティを確保しつつ、わずらわしいパスワード入力をせずに Windows に かんたんにサインインできるので利便性が高まります。
次に、『dynabook VZ82/F』のスタイルを切り替えてみます。
ノートパソコン
スタンド
テント
タブレット
本体を閉じたときの高さのイメージです。
『dynabook VZ82/F』の高さを CD ケース(通常サイズ)2枚と比較
『dynabook VZ82/F』の高さは CD ケース(通常サイズ)2枚より薄く、実測値で 17mm(最薄部)~17.5mm(最厚部)。実際に手で持ってみた印象としても「薄い」です。
本体の大きさのイメージです。本体の上には A4コピー用紙と B5版ノートを載せています。
本体の下の白い紙がA4コピー用紙
本体の大きさは A4 サイズといって良いでしょう。
次に、本体や電源アダプターなどの重さを計測してみます。
本体の重さは 1,035g。USB Type-C アダプター、電源アダプター、電源コードの重さは、それぞれ 100g、190g、51g です。
本体は持ち歩きもラクにできる軽さです。
なお、電源アダプターの最大出力は 約45W(15V, 3A / 20V, 2.25A)。
省電力タイプの電源アダプターなので、その大きさは手のひらサイズです。
スペックについて
レビューに使用した『dynabook VZ82/F』のスペックです。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
CPU | 第8世代インテル Core i7-8550U プロセッサー |
メモリ | 16GBメモリ、LPDDR3-2133 対応 SDRAM |
ストレージ | 512GB SSD (Serial ATA 対応) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | タッチパネル付き 12.5型ワイド(16:9) FHD 高輝度・高色純度・広視野角 TFTカラー LED液晶(IPS〈In Plane Switching〉方式)(ノングレア)(省電力LEDバックライト)1,920×1,080ドット |
グラフィックス | インテル UHD グラフィックス 620(CPUに内蔵) |
ワイヤレス | IEEE802.11a/b/g/n/ac準拠、Bluetooth Ver4.1 |
Webカメラ | 有効画素数 約92万画素、デュアルマイク |
本体サイズ(W×D×H) | 約299.0×219.0×15.4 mm (突起部含まず) |
質量 | 約 1,099 g |
CPUやメモリなど、ハードウェアの詳細な情報をキャプチャーした結果は次のようになります。
CPU
キャッシュ
メインボード
メモリ
グラフィックス(CPU内蔵)
モバイルノートとして、軽快な動作が期待できるスペック構成です。
CPU に搭載されている第8世代インテル Core i7-8550U プロセッサーは、省電力タイプの「Uプロセッサ」ながら、4コア(クアッドコア)/8スレッド処理が可能なプロセッサーです。
前世代(第7世代)の省電力タイプのプロセッサーでは 2コア(デュアルコア)だったものが 2倍にアップ。性能レベルが単純に2倍にアップするわけではありませんが、インテルによると第7世代にくらべ 40%パフォーマンスがアップするそうです。
また、メモリも大容量の16GBを搭載しているので、写真や動画編集のようなメモリをたくさん使用するソフトウェアを並行して動かしても快適な動作が期待できます。
ディスプレイ
『dynabook VZ82/F』のディスプレイは 12.5インチサイズのフルHD液晶ディスプレイです。
高輝度・高色純度の液晶ディスプレイなので、描画される映像は高精細で鮮やか、とてもキレイです。
ディスプレイの映り込み具合を見てみます。
非光沢液晶で高輝度なので映り込みはかなり軽減されているのが分かります。使う場所にもよりますが映り込みを気にすることはないといって良いでしょう。
次に、視野角を確認してみます。
正面
右側 ディスプレイ面から45度の角度
右側 ディスプレイ面から30度の角度
上側 ディスプレイ面から45度の角度
上側 ディスプレイ面から30度の角度
水平、垂直方向ともに視野角は広く、斜めからでも鮮やかでキレイな映像を見ることができます。
次に、ディスプレイに表示される文字の大きさを確認してみます。
下の画像は、Microsoft Edge に『dynabook VZ82/F』の製品ページを表示したものです。
Microsoft Edge の拡大設定でのデフォルト値は 100%、Windows 設定のディスプレイに表示するテキストスケーリングの推奨値は 125% です。
表示される文字の大きさは、筆者のように小さい文字が苦手なユーザーには少し小さく感じるかもしれませんが、テキストスケーリングを 150% にすればラクに見ることができます。
キーボード&タッチパッド
『dynabook VZ82/F』のキーボードのレイアウトです。
パームレストを手で触れた感触は天面と同じくサラサラとしています。指紋や皮脂の跡も目立ちにくく、質感や感触は良好です。
キートップの表面は少しへこんでいてツルツルに近い感触です。指先のフィット感は良好です。
ただ、縦方向のサイズが若干小さめで長方形に近い形状です。個人的には気になりませんでしたがキートップの横長の形状はチェックしておいた方が良いかもしれません。
キーストロークは浅くなくシッカリとした打鍵感でタイピングできます。(仕様では 約1.5mm)
キーピッチ(キートップの中心から隣りのキートップの中心までの距離)は実測で およそ19mm(仕様でも 19mm)。ゆったりとした感じで窮屈さはありません。
キーレイアウトに大きなクセもなく、タイピングしやすいキーボードです。
また、キーボードにはバックライトが搭載されています。
バックライト点灯
キーボード・バックライトは[FN]+[Z]キー押下により 点灯/消灯 を切り替えられます。
キーボードのバックライトは地味な機能ですが、薄暗いところでタイピングするときにはとても役立ちます。
なお、バックライトの明るさの調整は、プリインストールされているユーティリティソフト「東芝セッティング」で 3段階の設定が可能です。
次がタッチパッド。
タッチパッドはクリックボタンが一体化したタイプで、タッチパッドの大きさもちょうど良いサイズです。
いたって普通のタッチパッドですが、スベリや反応も良く全体的な扱いやすさも良好です。
アクティブペン
『dynabook VZ82/F』には、2,048段階の筆圧を検知できるアクティブペンが同梱されています。
ペンに実装されているボタンは親指のかかる箇所 上下 2つ。
アクティブペンの質量は実測値で 17g。
アクティブペンの電源は単6型(AAAA)の乾電池です。ペン上部をクルクル回すと電池交換ができます。
アクティブペンにはペン先を保護するキャップも付いています。
アクティブペンの描き心地はとてもなめらか。描画のレスポンスも良好です。
筆圧を検知できるので、鉛筆で描くような感覚で線の濃さを変えて描くことができますし、手書きノートアプリ「TruNote」も使いやすさを感じます。
手書きにくわえ、カメラアプリ「TruCapture」やボイスレコーダーアプリ「TruRecorder」との連携も便利で、思いついたアイディアや作業メモを簡単に分かりやすくメモしておくことができます。
レビュー前編は以上です。
後編では、『dynabook VZ82/F』の機能・性能についてレビューしています。
Dynabook Direct(旧東芝ダイレクト)公式サイト ⇒ 『dynabook VZ82』製品ページ |
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