マウスコンピューター『m-Book B400H』の実機レビュー 後編です。
後編は、各種ベンチマークのほか、RAWデータ現像・動画エンコード処理時間計測、起動・再起動時間計測など、『m-Book B400H』の性能レビューを行います。
なお、レビュー機のスペックは「スペック構成」の章をご覧ください。
(後編) ベンチマーク RAWデータ現像・動画エンコード処理時間計測 駆動音・表面温度 サウンド チェック Windows の起動・再起動・シャットダウン時間計測 搭載ソフトウェア 付属品 まとめ |
レビュー内容は 2019年1月31日時点のもので、掲載している販売価格は台数限定の特別価格です。
ベンチマーク
『m-Book B400H』の基本性能にくわえ、CPU・グラフィック・ストレージ性能のほか、バッテリー性能や総合的なパフォーマンスを測定します。
基本性能
パソコンの各性能レベルを客観的に評価する「PASS MARK PerformanceTest 9.0」を使用して、パソコンの基本性能を測定します。
PASS MARK PerformanceTest 9.0
「PASS MARK PerformanceTest 9.0」で計測されたスコアは、全世界のパソコンがアップロードしたスコアと比較、Percentile(パーセンタイル)の数値から自分のパソコンの性能レベルを客観的に把握することができます。
上記の測定結果を例にすると、トータル性能を示す「PassMark Rating」のスコア「3102.8」のパーセンタイルは「67th Percentile」で、計測を行った他のパソコン 67% よりも上位のスコアという意味です。
別な言い方をすると、「PASS MARK PerformanceTest 9.0」で計測しスコアをアップロードした全世界のパソコンのなかで、上位のスコアから 33%(100% - 67%)に位置するスコアということです。
ゲーミングPC やクリエイティブな作業に使うPC などさまざまなカテゴリーのパソコンが混在するなかでもミドルレンジクラスの上位に相当するスコアです。
CPU性能
「CINEBENCH」を使って、CPU性能を測定します。
レビュー機『m-Book B400H』の CPU には 第8世代(Kaby Lake R 世代)のインテル Core i7-8550U プロセッサーが搭載されています。
参考までに、別機種に搭載されていた同じ第8世代(Whiskey Lake 世代)のインテル Core i7-8565U プロセッサーのスコアと比較します。
Core i7-8550U | Core i7-8565U | |
---|---|---|
OpenGL | 42.46 fps | 56.66 fps |
Ref.Match | 97.8 % | 97.8 % |
CPU | 554 cb | 580 cb |
CPU (Single Core) | 170 cb | 179 cb |
MP Ratio | 3.27 x | 3.25 x |
レビュー機に搭載されている CPU は、Whiskey Lake 世代の Core i7 プロセッサーにくらべ性能はわずかに及ばないものの、ほぼ同等レベルであることが分かります。
なお、CINEBENCH を実行中の動作環境としては、CINEBENCH 以外のアプリは起動せず、常駐アプリは初期設定のままで計測しています。
グラフィック性能
グラフィック性能は以下のベンチマークソフトを使って測定します。
■3DMark
■ドラゴンクエストX
■ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター
3DMark
3DMark のベンチマーク結果です。
各テストの内容は以下のとおり。
Cloud Gate | ホームPCやノートPC向けで DirectX 10 を想定したグラフィックス性能テスト |
---|---|
Night Raid | DirectX 12 を使用したモバイルPCなど低スペックPC向けのグラフィックス性能テスト |
Sky Diver | DirectX 11 を使用したミドルレンジ・ゲーミングノート向けのグラフィックス性能テスト |
Fire Strike | DirectX 11 を使用したハイパフォーマンスゲーミングPC向けのグラフィックス性能テスト |
Time Spy | DirectX 12 を使用したゲーミングPC向けのグラフィックス性能テスト |
ドラゴンクエストX
ドラゴンクエストX ベンチマークの結果です。
標準品質、解像度 1280×720
最高品質、解像度 1280×720
ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター
ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマークの結果です。
標準品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
高品質(ノートPC) 解像度 1280×720、DirectX 11
上記のベンチマークソフトを使ったグラフィック性能の測定結果をみると、『m-Book B400H』のグラフィック性能レベルは、ミドルレンジクラスのノートパソコンとして十分満足できるレベルです。
ライトなゲームタイトルや写真・動画編集など、ある程度の高度なグラフィック処理も気軽に楽しめる性能レベルです。
ストレージ
ストレージのベンチマークです。
レビュー機に搭載されているストレージは KINGSTON製の SSD で、容量は 256GB(SATA接続)です。
ストレージ情報
(デバイスマネージャーから抜粋)
ドライブ構成は次のようになります。
ストレージのデータ転送速度です。
データ転送速度
SSD が搭載されていると、測定結果が示す通り Windows や アプリの起動も高速です。
総合的なパフォーマンス
「PCMark 8」および「PCMark 10」を使用して、PCのアプリケーション実行における総合的なパフォーマンスを測定します。
PCMark 8(Home Test)
家庭での利用を想定したテストです。
OpenCL対応の Accelerated にて測定
(テスト結果はクリックで拡大表示できます)
PCMark 8(Creative Test)
クリエイティブな利用を想定したテストです。
OpenCL対応の Accelerated にて測定
(テスト結果はクリックで拡大表示できます)
PCMark 10 Extended
PCMark 10 Extended は、以下の 4つの Test Group のテストを実施します。
(テスト結果はクリックで拡大表示できます)
■Essentials(普段の作業を想定した基本的なテスト)
■Productivity(ビジネスソフトの使用を想定したテスト)
■Digital Contents Creation(写真・動画編集を想定したテスト)
■Gaming(ゲーミングソフトの使用を想定したテスト)
総合的なパフォーマンスは、ミドルレンジクラスながら快適なパフォーマンスが期待できるスコアです。
とくに、PCMark 10 Extended では Essentials や Productivity のほか Digital Contents Creation も良好な結果です。(スコア 2000 を快適性の目安としています)
バッテリー
『m-Book B400H』に搭載されているバッテリーの性能(駆動時間と充電時間)を測定します。
■駆動時間
バッテリーでの駆動は、次の条件でバッテリーによる駆動時間を計測します。
・無線LANでインターネットに接続
・YouTubeを全画面で連続再生
・画面の明るさ:最大レベル
・音量:最大レベル
■充電時間
バッテリー充電時間の計測は以下の条件で行います。
・測定開始はバッテリー残量がほぼゼロの状態
・電源アダプターを接続し Windows を起動
・スクリーンセーバー(ラインアート)でパソコンはアイドル状態
※スクリーンタイムアウトや PCスリープは設定しない。
バッテリーの駆動時間と充電時間の測定結果は以下のようになります。
バッテリー駆動時間 | 6時間 56分 |
---|---|
バッテリー充電時間 (50%) |
56分 |
バッテリー充電時間 (100%) |
3時間 16分 |
バッテリー性能としては、駆動時間/充電時間ともに十分満足できるレベルといえるでしょう。
また、使うシーンに合わせて画面の明るさや音量を適正レベルに調整すればバッテリー駆動時間を伸ばすことができます。
なお、実際の使用にあたっては、環境や使い方などによりバッテリーの駆動時間は変動するので、参考値としてください。
RAWデータ現像・動画エンコード処理時間計測
『m-Book B400H』で、RAWデータ現像と動画エンコードの処理時間を計測します。
RAWデータ現像
RAWデータ現像に使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。
■使用ソフトウェア
CyberLink PhotoDirector 7
(筆者所有のソフトウェア)
■条件等
・RAWデータ 50ファイルを一括書き出し
・プリセット等 編集は適用しない
・RAWデータサイズ 4,592×3,056(約14MB)
・ほかのアプリは起動しない(常駐アプリは除く)
■処理時間
処理時間 | メモリ使用量 |
---|---|
1分19秒7 | 3.8GB |
※メモリ使用量は処理中の「コミット済みメモリ」(最大値)。
(パソコンがシステム全体で実際に使用しているメモリの使用量)
動画エンコード
動画エンコードに使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。
■使用ソフトウェア
CyberLink PowerDirector 15
(筆者所有のソフトウェア)
■条件等
・AVCHD動画(1920×1080)を mp4 形式で出力
(m2ts→mp4、720p、1280×720/30p 16Mbps)
・動画再生時間 10分間
・ほかのアプリは起動しない(常駐アプリは除く)
■処理時間
処理時間 | メモリ使用量 |
---|---|
4分 1秒0 | 3.7GB |
※メモリ使用量は処理中の「コミット済みメモリ」(最大値)。
(パソコンがシステム全体で実際に使用しているメモリの使用量)
レビュー機の『m-Book B400H』のスペックを鑑みると相応の処理時間です。
メモリを 16GB以上にカスタマイズすれば、さらに高速な処理が期待できます。本機で写真・動画編集の快適度をアップするならメモリのカスタマイズをおすすめします。
駆動音・表面温度
駆動音については、負荷のかかる処理でも静かです。日常生活のなかでは全然わからないくらいの静かさです。
本体の表面温度については、負荷のかかる処理になると、キーボード奥側 排気口近くがわずかに温かくなります。
キーボード上は手のひらを置いてみると温かいかな?と感じる程度(ほとんど感じないくらい)、パームレストは本体内部の熱の影響がほとんどないので不快な感じはありません。
駆動音、表面温度ともに気にすることなく快適に使えます。
キーボードの表面温度(単位:℃)
左側の画像:平常時(Windows起動後10分放置)
右側の画像:動画エンコード時(10分間の動画エンコード終了直前)
底面部の表面温度(単位:℃)
左側の画像:平常時(Windows起動後10分放置)
右側の画像:動画エンコード時(10分間の動画エンコード終了直前)
サウンド チェック
『m-Book B400H』には サウンドユーティリティソフトとして「Realtek Audio Console」がインストールされています。
Realtek Audio Console には、サウンドに合わせたプリセットが数多く設定されているほか、スピーカーやヘッドフォンなどサウンドを再生する機器に合わせて、お好みのサウンドにチューニングすることもできます。
Realtek Audio Console ユーティリティソフト
実際にサウンドを聴いてみた印象としては・・・
■スピーカー
再現できる音域、音質ともにそれなりだが、カジュアルにならそこそこ楽しめるレベル。
■ヘッドホン
スピーカーよりは高音質サウンドを楽しめるレベル。
Windows の起動・再起動・シャットダウン時間計測
Windows の起動時間、再起動時間を それぞれ 5回ずつ計測しました。
起動 | 再起動 | シャットダウン | |
---|---|---|---|
1回目 | 11.2秒 | 28.8秒 | 7.3秒 |
2回目 | 11.1秒 | 29.0秒 | 6.5秒 |
3回目 | 11.6秒 | 25.0秒 | 7.0秒 |
4回目 | 10.9秒 | 28.6秒 | 6.5秒 |
5回目 | 10.8秒 | 28.9秒 | 6.6秒 |
平均 | 11.1秒 | 28.1秒 | 6.8秒 |
感覚的にも結果が示す通り「かなり早い」です。
搭載ソフトウェア
『m-Book B400H』に搭載されている主なソフトウェアです。(クリックで拡大表示できます)
ここで注目したいのが「乃木坂マウスギャラリー」!
乃木坂マウスギャラリーを実行すると乃木坂メンバーの映像がスライドショーとして画面に描画されます。
設定した待ち時間(1分/3分/5分から選択可能)が経過すれば乃木坂マウスギャラリーが起動されスクリーンセーバー代わりに乃木坂メンバーの映像をスライドショーで観ることができます。
なお、乃木坂マウスギャラリーは、基本的に現在販売中のマウスコンピューターすべての Windows10 製品にインストールされているそうです(タブレットなど一部例外あり)。
インストールされていない場合はダウンロードも可能です。
付属品
『m-Book B400H』の本体ほか同梱品一式(電源アダプター、電源コード、ドキュメント類など)です。
付属しているドキュメント類は以下のとおりです。
【上記写真のドキュメント類について】 ■上段左側から ・サポートマニュアル ・ファーストステップガイド ・製品仕様書 ■下段左側から ・保証書 ・U-NEXT プレミアムチケット |
サポートマニュアルには、初回設定手順のほか、サポートセンターへの問い合わせ方法についても詳細に記載されています。
サポートマニュアル
サポートセンターへは、電話、メール、FAX での問い合わせが可能で、製品の技術的な問い合わせも OK です。
サポートマニュアル(問い合わせ方法)
電話による問い合わせが 24時間365日対応しているのにくわえ、マウスコンピューターはユーザーが抱えている問題やトラブルの解決を目的としたサポートをしてくれるので、安心してパソコンを使うことができます。
まとめ
以上、『m-Book B400H』のレビュー記事をお届けしました。
『m-Book B400H』は 第8世代インテル Core i7 プロセッサーの搭載により軽快な動作で快適に使えます。
高性能でアルミ素材の上質感あるデザインのわりにリーズナブルな価格が好印象。高いレベルでコストパフォーマンスに優れたモデルといえます。
評価のポイントをまとめると・・・
高評価のポイント
・性能レベルが高く動作も軽快
・スタイリッシュでオシャレ、上質感のあるデザイン
・乃木坂のスライドショーを観ることができる
・リーズナブルな価格
チョット残念なところ
・[Enter]キー周辺のレイアウト
詳細はマウスコンピューターの公式サイトをご確認ください。
2019.2.19 追記
128GB SSD 搭載モデルや 1TB HDD 搭載モデルが追加されました!