東芝『dynabook UZ63/F』レビュー 性能が進化!快適に使える13.3型モバイルノート(後編)

 

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貸出機材提供:Dynabook株式会社

東芝『dynabook UZ63/F』の実機レビュー 後編です。

後編は、各種ベンチマークのほか、RAWデータ現像・動画エンコード処理時間計測、起動・シャットダウン時間計測などの性能レビューを行います。

dynabook UZ63/F 背面側(その3)

【 目 次 】
(前編)
外観について
スペックについて
ディスプレイ
キーボード&タッチパッド
(後編)
ベンチマーク
RAWデータ現像・動画エンコード処理時間計測
サウンド チェック
Windows の起動・再起動・シャットダウン時間計測
搭載ソフトウェア
付属品
まとめ

レビュー内容については 2018年8月1日時点のものです。

レビュー機のスペック構成については「スペックについて」の章をご覧ください。

 

ベンチマーク

『dynabook UZ63/F』の基本性能や総合的なパフォーマンスのほか、CPU、グラフィック、ストレージ、バッテリーの性能を測定します。

基本性能

Windowsに搭載されているシステム評価ツール「WinSATコマンド」と、パソコンの各性能レベルを客観的に評価する「PASS MARK PerformanceTest 9.0」を使用して、パソコンの基本性能を測定します。

WinSAT

WinSAT スコア

「WinSAT」による測定は、PCの性能を相対的に数値化して表現したもので、各項目の説明は次のとおりです。

CPUScore CPU のスコア
D3DScore ゲーム用グラフィックスのスコア
ただし、従来のゲーム用グラフィックスのスコアのため Windows 10では計測対象外(9.9というスコアは無視)
DiskScore プライマリハードディスクのスコア
GraphicsScore グラフィックスのスコア
MemoryScore メモリのスコア
TimeTaken 前回の評価(「MostRecentAssessment」は直近の評価を表します)
WinSATAssessmentState 評価の状態を表す値(1:評価済み、2:要再評価)
WinSPRLevel 基本スコア(SPR:System Performance Rating)

PASS MARK PerformanceTest 9.0

PASS MARK PerformanceTest 9.0 スコア(クリックで拡大表示できます)

「PASS MARK PerformanceTest 9.0」で計測されたスコアは、全世界のパソコンがアップロードしたスコアと比較、Percentile(パーセンタイル)の数値から自分のパソコンの性能レベルを客観的に把握することができます。

上記の測定結果を例にすると、トータル性能を示す「PassMark Rating」のスコア「2665.6」のパーセンタイルは「63rd Percentile」で、計測を行った他のパソコン 63% よりも上位のスコアという意味です。

別な言い方をすると、「PASS MARK PerformanceTest 9.0」で計測しスコアをアップロードした全世界のパソコンのなかで、上位のスコアから 37%(100% - 63%)に位置するスコアということです。

個別のスコアで見るとグラフィックスのスコアが足を引っ張った結果となっていますが、さまざまなジャンルのパソコンのなかでもスコアランクは上位クラスにあたり、『dynabook UZ63/F』の基本性能はモバイルノートながら高いレベルといえるでしょう。

CPU性能

「CINEBENCH」を使って、CPU性能を測定します。

CINEBENCH 測定結果

『dynabook UZ63/F』の CPU には第8世代 インテル Core i7-8550U プロセッサーが搭載されています。

前世代(第7世代)のインテル Core i7-7500U プロセッサーの CPU スコアは 350cb 前後であるのに対し、レビュー機に搭載された CPU のスコアは 485cb。

ベンチマークのスコアを見る限りでは、CPU 性能は およそ 38% アップしていることが分かります。

グラフィック性能

グラフィック性能は以下のゲーム系ベンチマークソフトを使って測定します。

■3DMark
■ドラゴンクエストX
■ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド
■ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター

3DMark

3DMark は、「ICE STORM」「CLOUD GATE」「SKY DIVER」「FIRE STRIKE」「TIME SPY」、各シーンについてグラフィック性能を測定します。

結果は以下のとおり。

3DMark

測定前に流されるデモ映像を見たイメージとしては、次のような印象でした。

Ice Strom なめらか描画
Cloud Gate なめらか描画
Sky Diver おおむねなめらか描画。若干カクついたシーンもあったが問題ないレベル
Fire Strike カクカクした描画
Time Spy コマ送り描画

ドラゴンクエストX

ドラゴンクエストX では、HD解像度(1280×720) の標準品質と最高品質、フルHD解像度(1920×1080) の標準品質で測定します。

結果は以下のとおり。

ドラクエベンチマーク(標準品質、解像度 1280×720)
標準品質、解像度 1280×720

ドラクエベンチマーク(最高品質、解像度 1280×720)
最高品質、解像度 1280×720

ドラクエベンチマーク(標準品質、解像度 1920×1080)
標準品質、解像度 1920×1080

ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド

ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルドでは、HD解像度(1280×720) / DirectX 11 の 標準品質(ノートPC) と高品質(ノートPC) で測定します。

結果は以下のとおり。

ファイナルファンタジー 標準品質(ノートPC)
標準品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11

ファイナルファンタジー 高品質(ノートPC)
高品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11

ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター

ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーターでも、HD解像度(1280×720) / DirectX 11 の 標準品質(ノートPC) と高品質(ノートPC) で測定します。

結果は以下のとおり。

ファイナルファンタジー 紅蓮のリベレーター 標準品質(ノートPC)
標準品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11

ファイナルファンタジー 紅蓮のリベレーター 高品質(ノートPC)
高品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11

 

上記、4つのベンチマークソフトを使ったグラフィック性能の測定結果をみると、『dynabook UZ63/F』のグラフィック性能レベルは、モバイルノートして高いレベルです。

ヘビーなゲームや 3Dレンダリングのような高度なグラフィック処理には不向きですが、動画視聴はもちろんのこと、写真・動画の編集やライトなゲームも気軽に楽しめる性能レベルです。

ストレージ

ストレージのベンチマークです。

レビュー機に搭載されているストレージは 東芝製の SSD で、容量は 256GB(SATA接続)です。

ストレージ情報
ストレージ情報

ドライブ構成は次のようになります。

ストレージのドライブ構成ストレージのドライブ構成
(クリックで拡大表示できます)

SSD のデータ転送速度です。

データ転送速度
データ転送速度

SSD が搭載されていると、数字が示す通り Windows や アプリの起動も高速です。

総合的なパフォーマンス

「PCMark 8」および「PCMark 10」を使用して、PCのアプリケーション実行における総合的なパフォーマンスを測定します。

PCMark 8(Home Test)

家庭での利用を想定したテストです。

PCMark 8 Home Test スコア

PCMark 8 Home Test スコア比較OpenCL対応の Accelerated にて測定
(テスト結果はクリックで拡大表示できます)

PCMark 8(Creative Test)

クリエイティブな利用を想定したテストです。

PCMark 8 Creative Test スコア

PCMark 8 Creative Test スコア比較OpenCL対応の Accelerated にて測定
(テスト結果はクリックで拡大表示できます)

PCMark 10 Extended

PCMark 10 Extended は、以下の 4つの Test Group のテストを実施します。
(テスト結果はクリックで拡大表示できます)

■Essentials(普段の作業を想定した基本的なテスト)
■Productivity(ビジネスソフトの使用を想定したテスト)
■Digital Contents Creation(写真・動画編集を想定したテスト)
■Gaming(ゲーミングソフトの使用を想定したテスト)

PCMark 10 Extended スコア

PCMark 10 Extended スコア比較OpenCL対応の Accelerated にて測定

 

総合的なパフォーマンスは、モバイルノートとして 快適なパフォーマンスが期待できるスコアです。

とくに、PCMark 10 Extended では Essentials や Productivity のジャンルのスコアレベルは高く、普段の作業やビジネスソフトを使用した作業は快適に使えそうですし、写真・動画編集でも そこそこ快適に使える性能レベルであることが分かります。

動作音・動作熱

動作音については、負荷のかかる処理になると「サーッ」という排熱のための気流音が大きくなります。個人差はあるが、耳ざわりに感じるかもしれません。

ただ、負荷が低減すると即応するように気流音も静かになってきます。負荷のかかる状態が終始続くわけでもないので、それほど気にすることはないと思います。

また、動作熱については、負荷のかかる処理中は、ヒンジのあいだの排気口周辺が少し熱くなります。

キーボード上は少し温かさを感じる程度、パームレストは本体内部の熱の影響をほとんど受けないので不快な感じはありません。

動作熱
左側の画像:平常時(Windows起動後10分放置)
右側の画像:動画エンコード時(10分間の動画エンコード終了直前)

バッテリー

『dynabook UZ63/F』に搭載されているバッテリーの性能(駆動時間と充電時間)を測定します。

■駆動時間
バッテリーでの駆動は、次の条件でバッテリーによる駆動時間を計測します。
・無線LANでインターネットに接続
・YouTubeを全画面で連続再生
・画面の明るさ:最大レベル
・音量:最大レベル

■充電時間
バッテリー充電時間の計測は以下の条件で行います。
・測定開始はバッテリー残量がほぼゼロの状態
・電源アダプターを接続し Windows を起動
・スクリーンセーバー(ラインアート)でパソコンはアイドル状態
※スクリーンタイムアウトや PCスリープは設定しない。

バッテリーの駆動時間と充電時間の測定結果は以下のようになります。

バッテリー残量グラフ

バッテリーの残量は、大よその数字で 1時間当たり 10% ~ 12% 程度減少しています。

バッテリーによる駆動は 9時間7分経過後、Windows がバッテリー不足を検知し、パソコンは休止状態になりました。

バッテリーを多く消費する条件でもバッテリー駆動時間が 9時間以上持続できることは、モバイルノートとして充分ともいえる性能です。

画面の明るさや音量レベルなどを通常の使用レベルに調整すれば、バッテリー駆動時間はもう少し伸びるはずです。

バッテリー充電については、50%まで充電するのに 51分、充電完了までの所要時間は 2時間41分でした。

『dynabook UZ63/F』のバッテリー性能は かなり高いレベルといえます。

なお、実際の使用にあたっては、環境や条件などによりバッテリーの駆動時間は変動するので、参考値としてください。

 

RAWデータ現像・動画エンコード処理時間計測

RAWデータ現像と動画エンコードの処理時間を計測します。

RAWデータ現像

RAWデータ現像に使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。

■使用ソフトウェア
CyberLink PhotoDirector 8 for TOSHIBA
(レビュー機にプリインストールされていたソフトウェア)

■条件等
・RAWデータ 50ファイルを一括書き出し
・プリセット等 編集は適用しない
・撮影カメラ SONY NEX-5

■処理時間

処理時間 メモリ使用量
1分10秒0 4.2GB

※メモリ使用量は処理中の「コミット済みメモリ」(最大値)。
 (パソコンがシステム全体で実際に使用しているメモリの使用量)

動画エンコード

動画エンコードに使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。

■使用ソフトウェア
CyberLink PowerDirector 15 DVD for TOSHIBA
(レビュー機にプリインストールされていたソフトウェア)

■条件等
・AVCHD動画(1920×1080)を mp4 形式で出力
(m2ts→mp4、720p、1280×720/30p 16Mbps)
・動画再生時間 10分間

■処理時間

処理時間 メモリ使用量
1分24秒7 3.3GB

※メモリ使用量は処理中の「コミット済みメモリ」(最大値)。
 (パソコンがシステム全体で実際に使用しているメモリの使用量)

 

処理時間は短く、写真や動画編集にも快適に使えそうです。

 

サウンド チェック

『dynabook UZ63/F』には、ハーマン・インターナショナル社と東芝が共同開発した専用のスピーカーボックスが搭載されています。

harman/kardon ロゴ

また、サウンドユーティリティソフトとして「DTS Studio Sound」がインストールされています。

DTS Sound

サラウンド設定や低音域の増幅も可能で、臨場感と迫力ある音響効果や、お好みの音質のサウンド環境を構築することができます。

サウンドを実際に聴いてみた印象としては・・・

■スピーカー
低音域が若干弱い感じもするが、再現できる音域も広く高音質。
ボリュームを最大にしても音割れしない。(サウンドにもよるが)
モバイルノートながら高音質なサウンドを楽しめる。

■ヘッドホン
低音域がシッカリと聞こえ、サウンド全体もクリアに再現される。
臨場感と迫力あるサウンドをかなりの高音質で楽しめる。

 

Windows の起動・再起動・シャットダウン時間計測

Windows の起動時間、再起動時間、シャットダウン時間を それぞれ 5回ずつ計測しました。

Windows の起動・再起動・シャットダウン時間

感覚的にも結果が示す通り「早い」です。

 

搭載ソフトウェア

『dynabook UZ63/F』に搭載されている主なソフトウェアです。(クリックで拡大表示できます)

スタートメニュー(その1)

スタートメニュー(その2)

Windows標準のソフトのほか、東芝オリジナルのサポートソフトやユーティリティーソフト、写真・動画編集ソフト、ウィルス対策ソフト(ウイルスバスタークラウド 90日版)など、数多くのソフトウェアがインストールされています。

東芝オリジナルのソフトウェア「TruRecorder」は会議の内容を出席者の声ごとに認識して録音することができます。ビジネスシーンで議事録を作成するときなどに役立つ便利な機能です。

TruRecorderTruRecorder
(クリックで拡大表示できます)

また、「東芝スマートフォンリンク」もインストールされています。

東芝スマートフォンリンク東芝スマートフォンリンク
(クリックで拡大表示できます)

スマートフォンの音楽をパソコンのスピーカーで聴いたり、パソコンでスマートフォンの通話操作など、パソコンとスマホの連携ができます。

 

付属品

『dynabook UZ63/F』には、本体のほか電源アダプター、電源コード、マニュアル類が同梱されています。

『dynabook UZ63/F』本体セット

付属しているドキュメントは「スタートアップガイド」や「取扱説明書」など、あんしんしてパソコンを使う上で必要なドキュメントが揃っています。

 

まとめ

以上、『dynabook UZ63/F』のレビュー記事をお届けしました。

『dynabook UZ63/F』は、オニキスブルーの落ち着いた雰囲気とオシャレ感のあるデザインで、性能レベルの高いモバイルノートです。

評価のポイントをまとめると・・・

高評価のポイント
・第8世代CPUでパフォーマンスがアップしている
・派手派手しさのない落ち着いた大人のデザイン
・バッテリー長持ち
・場所や時間にとらわれない使い方ができる
・高精細で鮮やかな映像と高音質サウンドも楽しめる

チョット残念なところ
・高負荷時の排気音が少し大きく感じるかも

『dynabook UZ63/F』の価格は、Dynabook Direct(旧東芝ダイレクト)の会員なら 税込 10万円台~。快適パフォーマンスのモバイルノートながらリーズナブルな価格です。(価格は記事作成時点)

性能・機能・使い勝手・価格などトータルバランスに優れたモバイルノートといえます。

ラインナップしているモデルや価格などの最新情報は、Dynabook 直販サイト「Dynabook Direct」(旧東芝ダイレクト)でチェックできます。

 


Dynabook Direct(旧東芝ダイレクト)公式サイト
⇒ dynabook UZシリーズ
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dynabook UZ63/F 正面(その3)

 

 

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