東芝『dynabook RZ83/D』実機レビュー 後編です。
後編では、ベンチマーク、サウンド チェック、Windows 起動・シャットダウン時間計測などのレビューを行います。
(後編) ベンチマーク サウンド チェック Windows の起動・シャットダウン時間計測(動画に収録) 搭載ソフトウェア 付属品 まとめ |
レビュー内容については 2017年11月29日時点のものになります。
レビュー機のスペック構成については「スペックについて」の章をご覧ください。
ベンチマーク
パソコンの基本性能や総合的なパフォーマンスのほか、CPU、グラフィック、ストレージ、バッテリーの性能を測定します。
基本性能
Windowsに搭載されているシステム評価ツール「WinSATコマンド」によるパソコン性能の測定です。
「WinSAT」による測定は、PCの性能を相対的に数値化して表現したもので、各項目の説明は次のとおりです。
CPUScore | CPU のスコア |
D3DScore | ゲーム用グラフィックスのスコア ただし、従来のゲーム用グラフィックスのスコアのため Windows 10では計測対象外(9.9というスコアは対象外) |
DiskScore | プライマリハードディスクのスコア |
GraphicsScore | グラフィックスのスコア |
MemoryScore | メモリのスコア |
TimeTaken | 前回の評価(「MostRecentAssessment」は直近の評価を表します) |
WinSATAssessmentState | 評価の状態を表す値(1:評価済み、2:要再評価) |
WinSPRLevel | 基本スコア(SPR:System Performance Rating) |
WinSAT による測定結果は、GraphicsScore スコア以外、高いレベルでスコアバランスも良く、おおむね良好な結果です。
GraphicsScore スコアが意外に伸びませんでしたが、ヘビーなゲームなど高度なグラフィックス処理には不向きなだけで、YouTube の動画視聴などの通常使用なら快適に使える性能レベルです。
総合的なパフォーマンス
「PCMark 8」を使用して、PCのアプリケーション実行における総合的なパフォーマンスを測定します。
Home Test
家庭での利用を想定したテスト内容です。
OpenCL対応の Accelerated にて測定
Creative Test
クリエイティブな利用を想定したテスト内容です。
OpenCL対応の Accelerated にて測定
パソコン全体の総合的なパフォーマンスとしてはミドルレンジクラス相当の性能レベルですが、モバイルノートとしてはレベルの高いスコアです。
ビジネスからプライベートまで、いろいろなシーンで快適に使えるスコアです。
CPU性能
「CINEBENCH」を使って、CPU性能を測定します。
レビュー機の『dynabook RZ83/D』の CPU には、インテル Core i7-7500U プロセッサーが搭載されており、相応のスコアの印象です。
グラフィック性能
「3DMark」「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」、4つのベンチマークソフトを使ってグラフィック性能を測定します。
まず「3DMark」での測定です。
3DMark では「Ice Storm」「Cloud Gate」「Sky Diver」「Fire Strike」「Time Spy」、各シーンの描画の滑らかさをもとにグラフィック性能を測定します。
スコアの高さは描画の快適性を表しています。
測定前に流されるデモ映像を見たイメージとしては、次のような印象でした。
Ice Storm | なめらか描画 |
Cloud Gate | なめらか描画 |
Sky Diver | カクついた描画だが、何とか我慢できるレベル。。 |
Fire Strike | コマ送り描画 |
Time Spy | コマ送り描画 |
次が、「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」の測定結果。
標準品質、解像度 1280×720
最高品質、解像度 1280×720
「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」の測定結果。
標準品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
高品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
さいごに、「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」の測定結果。
標準品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
高品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
4つのベンチマークソフトを使ったグラフィック性能の測定結果をみると、『dynabook RZ83/D』のグラフィック性能は、CPU内蔵グラフィックスとしては相応レベルの印象です。
相応レベルとはいえ、ビジネスシーンでのビデオチャットやテレビ会議の快適な使用はもちろんのこと、動画視聴や写真・動画の編集も気軽に楽しむことができそうです。
動作音については、ベンチマークなど負荷のかかる処理中はファンがフル回転し、排熱するときの気流の音(サーッという音)が少し大きくなり、耳ざわりに感じるかもしれません。
ただ、パソコンの負荷が低減すると、即応するようにファンの回転は落ち着いてきます。
実際の使用においては、終始、パソコンに負荷のかかる状態が続くわけではないので、動作音が気になるのは一時的なものと考えて良いでしょう。
また、本体内部の熱は、右側面の排気口から排熱されます。
排気口の出口やキーボードの奥(キーボードのさらに奥)では多少の温かさを感じますが、パームレストなどキーボード上で熱さを感じることはありませんでした。
ストレージ
ストレージのベンチマークです。
ストレージは、東芝製の SSD で 容量は 256GB です。
ストレージ情報
ストレージのドライブ構成は次のようになります。
ストレージのデータ転送速度です。
ストレージのデータ転送速度
SSD が搭載されていると、数字が示す通り Windows や アプリの起動も高速です。
バッテリー
『dynabook RZ83/D』に搭載されているバッテリーの性能(駆動時間と充電時間)を測定します。
■駆動時間
バッテリーでの駆動は、次の条件でバッテリーによる駆動時間を計測します。
・無線LANでインターネットに接続
・YouTubeを全画面で連続再生
・画面の明るさ:最大レベル
・音量:最大レベル
■充電時間
バッテリー充電時間の計測は以下の条件で行います。
・測定開始はバッテリー残量がほぼゼロの状態
・電源アダプターを接続し Windows を起動
・スクリーンセーバー(ラインアート)でパソコンはアイドル状態
※スクリーンタイムアウトや PCスリープは設定しない。
バッテリーの駆動時間と充電時間の測定結果は以下のようになります。
バッテリー駆動によるバッテリーの残量は大よその数字で 1時間当たり 15% くらいずつ減少し、6時間 40分経過後、Windows がバッテリー不足を検知し、パソコンはスリープ状態になりました。
スペック上の 約14.0時間(JEITAバッテリ動作時間測定法 Ver.2.0)にくらべ大きく下回る結果ですが、レビューではバッテリーをより多く消費する条件で測定しています。
画面の明るさや音量レベルなどを通常使用レベルに調整すれば、バッテリー駆動時間はもっと伸びるはずです。
また、バッテリー充電については、50%まで充電するのに 1時間、充電完了までの所要時間は 3時間3分でした。(99%に達したのは 2時間35分後)
なお、実際の使用にあたっては、環境や条件などによりバッテリーの駆動時間は変動するので、参考値としてください。
サウンド チェック
『dynabook RZ83/D』には、チューニングソフト「dts Studio Sound」がインストールされています。
低音域や高音域、イコライザーなどで、お好みのサウンドに調整することができます。
実際にサウンドを聴いた印象です。
■スピーカー
悪くはないものの「それなり」の印象です。
■ヘッドフォン
スピーカーにくらべ音質がアップ。まずまずのサウンドが楽しめます。
Windows の起動・シャットダウン時間計測(動画に収録)
『dynabook RZ83/D』の Windows起動時間とシャットダウン時間は、次のとおりです。
・起動 : 13.0秒
・シャットダウン : 13.6秒
Windowsの起動とシャットダウンの様子を動画に収録しています。起動・シャットダウン時間を感覚でイメージできるので参考にどうぞ!
搭載ソフトウェア
『dynabook RZ83/D』に搭載されている主なソフトウェアです。
Windows標準のソフトのほか、写真や動画編集を楽しめる CyberLink製のソフトウェア、東芝のサポート関連ソフトウェア、スマートフォンの写真取り込みや整理・閲覧ができる「思い出フォトビューア」、はがき作成ソフト「筆ぐるめ」など、趣味や実用に使えるソフトが豊富に搭載されています。
写真編集ソフトには「CyberLink PhotoDirector 7 for TOSHIBA」が、動画編集ソフトには「CyberLink PowerDirector 14 BD for TOSHIBA」がインストールされています。趣味としての写真や動画の編集も、気軽に楽しむことができます。
CyberLink PhotoDirector 7 for TOSHIBA
CyberLink PowerDirector 14 BD for TOSHIBA
なお、CyberLink PowerDirector 14 for TOSHIBA で表示される文字の大きさは、若干小さめです。小さい文字が苦手な人はチェックしておいたほうが良いでしょう。
また、東芝オリジナルのソフトウェア「TruRecorder」は会議の内容を出席者の声ごとに認識して録音することができます。
こういった機能は、ビジネスシーンで議事録を作成するときなどに役立つ便利な機能です。
ソフトウェアがたくさんインストールされているときに役立つソフトが「おたすけナビ」です。「おたすけナビ」は、使いたいソフトをかんたんに探すことができる便利なソフトです。
アプリのリンクをクリックするとアプリが起動します
付属品
『dynabook RZ83/D』の本体、キーボードドックほか同梱品一式です。
電源アダプター、電源コード、専用クロス、ドキュメント類が同梱されています。
付属しているドキュメント類です。
【上記写真のドキュメント類について】 ■上段右側から ・dynabook RZ83シリーズをお使いのかたへ ・ウィルスバスターの紹介パンフレット ・技術基準適合 更新のお知らせ ・スタートアップガイド ■下段右側から ・安心してお使いいただくために ・dynabookガイド(取扱説明書) ・東芝PCあんしんサポート連絡先 ・U-NEXT プレミアムチケット ※保証書は梱包箱に貼り付けられています。 |
スタートアップガイドや dynabookガイド(取扱説明書)など、印刷されたドキュメントの内容も分かりやすく記載されています。
スタートアップガイド
まとめ
『dynabook RZ83/D』は、仕事からプライベートまで、快適なパフォーマンスで使える モバイルノートです。
13.3インチのコンパクトサイズながら光学ドライブを内蔵、充実のインターフェースや豊富なソフトウェアなど、機能性にも優れています。
価格は、東芝ダイレクトの会員なら 10万円台(税込)~、レビュー機(オフィスなしモデル)のスペックでも 13万円台(税込)と、高いレベルの性能ながら意外とリーズナブルな価格です。
総括すると、『dynabook RZ83/D』は性能・機能・使いやすさ・価格など、トータルバランスに優れたモデルといえます。
なお、ラインナップしているモデルや価格、キャンペーン等の最新情報は、東芝の直販サイト「東芝ダイレクト」でチェックすることができます。
Dynabook Direct(旧東芝ダイレクト)公式サイト ⇒ 『dynabook RZ83』 製品ページ |