日本HP『HP Spectre x2 12-c000』実機レビュー 後編です。
後編では、ベンチマーク、BANG & OLUFSEN サウンド、Windows 起動・再起動時間計測などのレビューを行います。
(後編) ベンチマーク BANG & OLUFSEN サウンド Windows の起動・再起動時間計測 搭載ソフトウェア 付属品 まとめ |
レビュー内容については 2017年11月7日時点のものになります。
なお、レビュー機はスタンダードモデル(Core i5 / 8GBメモリ / 512GB SSD)になります。
レビュー機のスペック構成については「スペックについて」の章をご覧ください。
ベンチマーク
パソコンの基本性能や総合的なパフォーマンスのほか、CPU、グラフィック、ストレージ、バッテリーの性能を測定します。
基本性能
Windowsに搭載されているシステム評価ツール「WinSATコマンド」によるパソコン性能の測定です。
「WinSAT」による測定は、PCの性能を相対的に数値化して表現したもので、各項目の説明は次のとおりです。
CPUScore | CPU のスコア |
D3DScore | ゲーム用グラフィックスのスコア ただし、従来のゲーム用グラフィックスのスコアのため Windows 10では計測対象外(9.9というスコアは対象外) |
DiskScore | プライマリハードディスクのスコア |
GraphicsScore | グラフィックスのスコア |
MemoryScore | メモリのスコア |
TimeTaken | 前回の評価(「MostRecentAssessment」は直近の評価を表します) |
WinSATAssessmentState | 評価の状態を表す値(1:評価済み、2:要再評価) |
WinSPRLevel | 基本スコア(SPR:System Performance Rating) |
WinSAT による測定結果は、高いレベルでスコアバランスも良く、おおむね良好な印象です。
使用感としても、全体的には軽快な動作でパフォーマンスも良好です。
総合的なパフォーマンス
「PCMark 8」を使用して、PCのアプリケーション実行における総合的なパフォーマンスを測定します。
Home Test
家庭での利用を想定したテスト内容です。
OpenCL対応の Accelerated にて測定
Creative Test
クリエイティブな利用を想定したテスト内容です。
OpenCL対応の Accelerated にて測定
総合的なパフォーマンスは、一般的なノートパソコンを大きく上回る性能で、ノートパソコンのなかでもハイレベルなスコアです。
ビジネスからプライベートまで、いろいろなシーンで快適に使える性能を備えている印象です。
CPU性能
「CINEBENCH」を使って、CPU性能を測定します。
レビュー機の『HP Spectre x2 12-c000』スタンダードモデルの CPU には、インテル Core i5-7260U プロセッサーが搭載されています。
CPU の性能を見る限りではそれなりといったところでしょうか。
また、上記画像の OpenGL のスコアは、グラフィックスの描画性能を表します。「CINEBENCH」のスコアを見る限り、CPU 内蔵のグラフィックスとしては良いスコアです。
グラフィック性能
「3DMark」「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」、4つのベンチマークソフトを使ってグラフィック性能を測定します。
まず「3DMark」での測定です。
3DMark では「Ice Storm」「Cloud Gate」「Sky Diver」「Fire Strike」「Time Spy」、各シーンの描画の滑らかさをもとにグラフィック性能を測定します。
スコアの高さは描画の快適性を表しています。
測定前に流されるデモ映像を見たイメージとしては、次のような印象でした。
Ice Storm | なめらか描画 |
Cloud Gate | なめらか描画 |
Sky Diver | 少しカクついた描画だが我慢できるレベル |
Fire Strike | コマ送り描画 |
Time Spy | コマ送り描画 |
次が、「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」の測定結果。
標準品質、解像度 1280×720
最高品質、解像度 1280×720
「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」の測定結果。
標準品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
高品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
さいごに、「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」の測定結果。
標準品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
高品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
4つのベンチマークソフトを使ったグラフィック性能の測定結果をみると、『HP Spectre x2 12-c000』スタンダードモデルのグラフィック性能レベルは、一般的なCPU内蔵グラフィックスにくらべ良好な印象です。「インテル Iris Plus グラフィックス 640」を搭載していることが好結果につながっているようです。
ビジネスシーンでのビデオチャットやテレビ会議の快適な使用はもちろんのこと、動画視聴や写真・動画の編集、ライトなゲームなども、気軽に楽しむことができそうです。
動作音については、ベンチマークなど負荷のかかる処理中はファンがフル回転し、排熱するときの気流の音(サーッという音)が少し大きくなります。ただ、音の大きさ自体、それほど大きくはないので、気にはならないレベルだと思います。
また、本体内部の熱は、タブレット上部の排気口から排熱されますが、その周辺の温度は熱いという感じはありませんでした。
ストレージ
ストレージのベンチマークです。
ストレージは、SAMSUNG製の SSD で 容量は 512GB です。
ストレージ情報
ストレージのドライブ構成は次のようになります。
ストレージのデータ転送速度です。
ストレージのデータ転送速度
『HP Spectre x2 12-c000』に搭載されている SSD は、対応規格 PCIe / 転送モード NVMe です。
Windows やアプリの起動などストレージへのアクセスは、体感的にも爆速です。
バッテリー
『HP Spectre x2 12-c000』に搭載されているバッテリーの性能(駆動時間と充電時間)を測定します。
■駆動時間
バッテリーでの駆動は、次の条件でバッテリーによる駆動時間を計測します。
・無線LANでインターネットに接続
・YouTubeを全画面で連続再生
・画面の明るさ:最大レベル
・音量:最大レベル
■充電時間
バッテリー充電時間の計測は以下の条件で行います。
・測定開始はバッテリー残量がほぼゼロの状態
・電源アダプターを接続し Windows を起動
・スクリーンセーバー(ラインアート)でパソコンはアイドル状態
※スクリーンタイムアウトや PCスリープは設定しない。
バッテリーの駆動時間と充電時間の測定結果は以下のようになります。
バッテリー駆動によるバッテリーの残量は大よその数字で 1時間当たり 26~29% くらいずつ減少し、3時間 14分経過後、Windows がバッテリー不足を検知し、パソコンはスリープ状態になりました。
通常よりもバッテリーを多く消費する使用条件ではあるものの、意外にもバッテリー駆動時間は長くはないようです。
とはいえ、節電設定での通常使用レベルなら、バッテリー駆動時間はもっと伸びるはずです。
また、バッテリー充電については、50%まで充電するのに 30分、充電完了までの所要時間は 1時間56分でした。
急な外出のときでも短時間充電で対応できそうです。パソコンを電源オフした状態なら充電時間はさらに短縮できるはずです。
なお、実際の使用にあたっては、環境や条件などによりバッテリーの駆動時間は変動するので、参考値としてください。
BANG & OLUFSEN サウンド
『HP Spectre x2 12-c000』には、BANG & OLUFSEN サウンドシステムが搭載されています。
BANG & OLUFSEN のサウンドには、音質を調整できるコントロール画面があります。サウンドごとに最適化されたプリセットをベースに、お好みで音質を調整することができます。
BANG & OLUFSEN サウンド コントロール画面
実際にサウンドを聴いた印象です。
■スピーカー
低音域から高音域まで音域が広く高音質な印象です。
欲を言えば低音域がもう少し強調されれば良いが、小型のスピーカーでここまでのサウンドを出せるなら、満足度はかなり高いと思います。
■ヘッドフォン
各音域が増幅されメリハリがアップし、より高音質なサウンドが楽しめます。
特に低音域がより強調されて、サウンドの迫力もアップします。
通常のヘッドホンで十分楽しめると思います。
Windows の起動・再起動時間計測
『HP Spectre x2 12-c000』の Windows起動時間と再起動時間を それぞれ 5回ずつ計測しました。
回 | 起動時間 | 再起動時間 |
---|---|---|
1 | 19.0秒 | 33.7秒 |
2 | 15.5秒 | 37.3秒 |
3 | 18,7秒 | 33.8秒 |
4 | 18.8秒 | 33.9秒 |
5 | 16.9秒 | 37.4秒 |
マシンスペックを鑑みると、起動時間や再起動時間は、それなりといったところでしょうか。
搭載ソフトウェア
『HP Spectre x2 12-c000』に搭載されている主なソフトウェアです。
Windows標準のソフトのほか、HPヘルプ&サポートソフト、サウンドチューニングソフト「Bang & Olfsen Audio Control」、セキュリティソフト「McAfee LiveSafe」などがインストールされています。
HPヘルプ&サポートソフトとしては、PCのメンテナンスや問題の回避/解決に役立つ機能が搭載された「HP Support Assistant」、パソコンのバックアップ・リカバリーに便利な「HP Recovery Manager」などがインストール。リカバリメディアを作成するツール「Recovery Media Creation」も入っています。リカバリメディアを作成しておけばコンピューターを出荷時の状態に復元することができますし、システムが不安定になったときの初期化にも有用です。
また、「HP Documentation」を使えば、ユーザーガイドを参照することができます。
付属品
『HP Spectre x2 12-c000』の本体、キーボードドックほか同梱品一式です。
アクティブペン、電源アダプター、電源コード、ダックヘッド、USB Type-C to USB A変換アダプター、専用ケース、ドキュメント類が同梱されています。
付属しているドキュメント類です。
【上記写真のドキュメント類について】 ■上段右側から ・製品の仕様に関する注意事項 ・サービスおよびサポートを受けるには(安心してお使いいただくために) ・アンケートご協力のお願い ・HP MY ステッカーサービス ■下段右側から ・セットアップ手順 ・パソコン生活まるごと ガイドブック ・アクティブペン説明書 ・将来の下取りでプレミアムキャッシュバック受け取りの案内 ・速攻!HPパソコンナビ 特別編 |
「速攻!HPパソコンナビ 特別編」はマイナビから出版された Windows 10 の解説書で、Windows 10 の使い方や活用方法などが分かりやすく記載されています。
まとめ
『HP Spectre x2 12-c000』は、仕事からプライベートまで、使い方やシーンに合わせてスタイル自在に使える 2in1 モバイルノートです。
レビュー機のスタンダードモデルではアクティブペンの描画レスポンスに少し残念なところがあったものの、全体的には快適なパフォーマンスで使いやすく高級感あふれるデザインは、所有感を満たしてくれます。
デザイン性やパフォーマンスを兼ね備えた 2in1 モバイルノートを検討しているなら、候補に挙げておきたいモデルといえます。
なお、ラインナップしているモデルの詳細や価格などの最新情報は、日本HPの直販サイト「HP Directplus」でチェックすることができます。
日本HP直販「HP Directplus」公式サイト ⇒ 『HP Spectre x2』 製品ページ |
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