デル『Inspiron 24 5000 (5475)』の実機レビュー 後編です。
後編では、各種ベンチマーク、RAWデータ現像・動画エンコード処理時間計測、起動・シャットダウン時間計測などのレビューを行います。
(後編) ベンチマーク RAWデータ現像・動画エンコード処理時間計測 サウンド チェック Windows の起動・シャットダウン時間計測(動画に収録) 搭載ソフトウェア 付属品 まとめ |
※記事内容は 2017年9月27日時点のものになります。
今回レビューを行うのは、第7世代 AMD A10-9700E APU 搭載の「プレミアムモデル」です。
スペックについては、「スペックについて」の章をご覧ください。
ベンチマーク
パソコンの基本性能や、グラフィック性能、ストレージについての性能を測定します。
基本性能
Windowsに搭載されているシステム評価ツール「WinSATコマンド」によるパソコン性能の測定です。
「WinSAT」による測定は、PCの性能を相対的に数値化して表現したもので、各項目の説明は次のとおりです。
CPUScore | CPU のスコア |
D3DScore | ゲーム用グラフィックスのスコア ただし、従来のゲーム用グラフィックスのスコアのため Windows 10では計測対象外(9.9というスコアは対象外) |
DiskScore | プライマリハードディスクのスコア |
GraphicsScore | グラフィックスのスコア |
MemoryScore | メモリのスコア |
TimeTaken | 前回の評価(「MostRecentAssessment」は直近の評価を表します) |
WinSATAssessmentState | 評価の状態を表す値(1:評価済み、2:要再評価) |
WinSPRLevel | 基本スコア(SPR:System Performance Rating) |
総合的なパフォーマンス
「PCMark 8」を使用して、PCのアプリケーション実行における総合的なパフォーマンスを測定します。
Home Test
家庭での利用を想定したテストです。
OpenCL対応の Accelerated にて測定
Creative Test
クリエイティブな利用を想定したテストです。
OpenCL対応の Accelerated にて測定
総合的なパフォーマンスとしては、エントリークラスを多少上回る性能と言ったところでしょうか。
グラフィック性能
「3DMark」「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」、4つのベンチマークソフトを使ってグラフィック性能を測定します。
まず「3DMark」での測定です。
3DMark では「Ice Storm」「Cloud Gate」「Sky Diver」「Fire Strike」「Time Spy」、各シーンの描画の滑らかさをもとにグラフィック性能を測定します。
スコアの高さは描画の快適性を表しています。
測定前に流されるデモ映像を見たイメージとしては、次のような印象でした。
Ice Storm | なめらか描画 |
Cloud Gate | なめらか描画 |
Sky Diver | おおむねなめらか描画。ときどきカクつく感じもあったが問題ないレベル。 |
Fire Strike | コマ送り描画 |
Time Spy | コマ送り描画 |
次が、「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」の測定結果。
標準品質、解像度 1280×720
最高品質、解像度 1280×720
標準品質、解像度 1920×1080
最高品質、解像度 1920×1080
「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」の測定結果。
高品質(デスクトップPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
最高品質、解像度 1280×720、DirectX 11
さいごに、「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」の測定結果。
高品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
最高品質、解像度 1280×720、DirectX 11
4つのベンチマークソフトの測定スコアから、『Inspiron 24 5000』プレミアムモデルのグラフィックス性能は、エントリークラスの上位相当のレベルといえます。
ライトなゲームや趣味としての写真・動画編集も、そこそこ快適に楽しめそうです。
ストレージ
ストレージのベンチマークです。
まず、ストレージのドライブ構成をチェックします。
ストレージのドライブ構成
ストレージは、HGST製の HDDで 容量は 1TB、回転数は 7,200rpm です。
ストレージ情報
ストレージのデータ転送速度です。
データ転送速度
7,200回転/分の HDD としては、数値上、若干低めですが、体感的にはデータの読み書きが遅いといった印象はありませんでした。
RAWデータ現像・動画エンコード処理時間計測
『Inspiron 24 5000』プレミアムモデルで、RAWデータ現像と動画エンコードの処理時間を計測してみます。
RAWデータ現像
RAWデータ現像に使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。
■使用ソフトウェア
CyberLink PhotoDirector 7
■条件等
・RAWデータ 50ファイルを一括書き出し
・プリセット等 編集は適用しない
・撮影カメラ SONY NEX-5
■処理時間
処理時間 | メモリ使用量 |
---|---|
2分13秒 | 4.3GB |
※メモリ使用量は処理中の「コミット済みメモリ」を計測。
(パソコンがシステム全体で実際に使用しているメモリの使用量)
動画エンコード
動画エンコードに使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。
■使用ソフトウェア
CyberLink PowerDirector 15
■条件等
・AVCHD動画(1920×1080)を mp4 形式で出力
(m2ts→mp4、720p、1280×720/30p 16Mbps)
・動画再生時間 10分間
■処理時間
処理時間 | メモリ使用量 |
---|---|
7分00秒 | 4.2GB |
※メモリ使用量は処理中の「コミット済みメモリ」を計測。
(パソコンがシステム全体で実際に使用しているメモリの使用量)
サウンド チェック
『Inspiron 24 5000』のサウンドには Waves MaxxAudio Pro が搭載されています。
Waves MaxxAudio はイスラエルのデジタル音声&音響技術メーカーで、そのサウンドは パソコンやタブレット、スマートフォンなど幅広く採用されています。
Waves MaxxAudio Pro コントロール画面
実際に聴いてみた印象は次のとおりです。
■スピーカー
音の広がりがあり高音質。
個人的には低音域がもう少し強調したほうが良いかも。
イコライジング機能もあり、お好みのサウンドに調整することも可能。
■ヘッドフォン
各音域が強調(増幅)され、とくに低音域が増幅されサウンド全体に厚みが増し、迫力あるサウンドになる。
通常のヘッドホンで十分楽しめる。
Windows の起動・シャットダウン時間計測(動画に収録)
『Inspiron 24 5000 (5475)』プレミアムモデルの Windows起動時間とシャットダウン時間は、次のとおりです。
・起動 :41.0秒
・シャットダウン:15.9秒
Windowsの起動とシャットダウンの様子を動画に収録しています。起動・シャットダウン時間を感覚でイメージできるので参考にどうぞ!
搭載ソフトウェア
『Inspiron 24 5000』に標準搭載されているソフトウェアは、Windows標準のソフトのほか、Dell サポート関連ソフト、セキュリティソフト「マカフィー リブセーブ」などがインストールされています。(写真・動画編集ソフトはインストールされていませんでした。)
「Dell Help & Support」には、Windows 10 の操作方法、ワイヤレスや周辺機器への接続方法などを参照することができ、はじめて Windows 10 を使うときでもあんしんです。
また、プロセッサー内蔵のグラフィックス機能を使い方に合わせて設定できる「AMD Radeon Settings」も入っています。ゲーム環境の最適化や、ディスプレイ映像の描画調整などが可能です。
付属品
『Inspiron 24 5000』には、本体、キーボード、マウスのほか、電源アダプター、電源コード、ドキュメント類が同梱されています。
電源アダプターの出力ワット数は 130W。その分、サイズも大きめです。
なお、電源アダプターには、コードを束ねておくゴムバンドが付いています。
ドキュメント類としては、クイックスタートガイドや、安全および認可機関に関する情報など、かんたんなマニュアルが同梱されていますが、製品の使い方や取り扱いに関する詳細な情報は、デル公式サイトで公開しており、ブラウザで閲覧できるほか、PDF ファイルとしてダウンロードすることもできます。
まとめ
『Inspiron 24 5000 (5475)』は、第7世代 AMDプロセッサーを搭載し、快適なパフォーマンスで映像もキレイな大画面オールインワンPCです。
Windows 起動に多少時間がかかりますが、立ち上げ後はモッサリ感もなく動作も軽快です。
とくに、フレームレスで描画される映像はキレイで、映像への没入感がとても高いのが印象的です。
また、HDMI ポートが入力用と出力用、両方実装されているのは意外と大きなアドバンテージで、2画面ディスプレイに拡張することや専用ゲーム機をつないでプレイすることも可能です。
趣味としての写真・動画編集やゲームなど、エンターテイメントも快適に楽しめるオールインワンPCといえます。
ラインナップしているモデルや価格などの最新情報は、デル直販サイト「デルオンラインストア」でチェックしてみてください。
デル直販「HP Directplus」公式サイト ⇒ New_Inspiron 24 5000(5475)(2017/6/13発売) |