デル Inspiron 14 5000 (5490) は第10世代インテル Core プロセッサーを搭載した 14インチサイズながら薄くて軽くて持ち歩きができるノートPCです。
デザインもスタイリッシュ!
モバイルノートの主流サイズ 13インチより一回り大きい画面でも3辺スリムベゼルの採用により本体サイズがコンパクトなところもポイント。
今回のレビューはメーカーからお借りした「プラチナモデル」を試用、以前レビューしたスタンダードモデルの続編という位置づけでレビューを行います。
- 第10世代インテル Core i7 プロセッサーとNVIDIA GeForce MX230を搭載
- スリムで軽くてコンパクト
- スタイリッシュなデザイン
- カバーオープンセンサーで天面を開けば Windowsが自動で起動
- 3辺ナローベゼルの液晶ディスプレイ
- 指紋センサーで Windows へかんたんサインイン
レビューでは、各種ベンチマークを使って以下のモデルとの性能比較を中心に行います。
■性能比較対象機種
・Inspiron 14 7000 (7490) プラチナ
[レビュー機の上位機種]
・Inspiron 14 5000 (5490) スタンダード
[レビュー機の下位モデル]
なお、Inspiron 14 5000 (5490) の外観デザイン、ディスプレイ、キーボードのレビュー詳細はスタンダードモデルのレビュー記事を参考にしてください。
レビュー内容は 2020年2月17日時点のものです。
スペック構成
Inspiron 14 5000(5490) のおもなスペック構成です。
OS | Windows 10 Home 64 bit |
CPU | ■第10世代インテル Core i3-10110U プロセッサー ■第10世代インテル Core i5-10210U プロセッサー ■第10世代インテル Core i7-10510U プロセッサー |
メモリ | ■4GB, オンボード, DDR4, 2666MHz ■8GB (4G オンボード+ 4Gx1), DDR4, 2666MHz |
ストレージ | ■256GB SSD(M.2 PCIe NVMe) ■512GB SSD(M.2 PCIe NVMe) |
ディスプレイ | 14.0インチ FHD (1920 x 1080) 非光沢 LED バックライト ノンタッチ スリムベゼル広視野角ディスプレイ |
グラフィックス | ■インテル UHD グラフィックス ■NVIDIA GeForce MX230 グラフィックス |
ワイヤレス | 802.11ac 1×1 Wi-Fi & Bluetooth |
カメラ、マイク | HD 720p カメラ、デジタルアレイ デュアル デジタル マイク アレイマイク |
本体サイズ(W×D×H) | 約 321.77×217×17.29 mm |
重量 | 約 1.42kg |
本体カラー | ■プラチナ シルバー ■アイス ライラック ■アイス ゴールド ■アイス ミント |
今回レビューする「プラチナ」の基本スペックは以下のとおりです。
■レビュー機の基本スペック
Core i7/8GBメモリ/256GB SSD/GeForce MX230
(カラー:プラチナ シルバー)
モデルごとの価格・クーポンなどの最新情報はデルオンラインストアでチェックできます。
ベンチマークによる性能評価
ベンチマークによる性能評価では、レビュー機の CPU・グラフィック・ストレージ性能のほか総合的なパフォーマンスなどを測定します。
測定結果については、性能レベルの程度を把握しやすくするため、冒頭で記載したとおり以下のモデルのスコアと比較・評価します。
■性能比較対象機種
・Inspiron 14 7000 (7490) プラチナ
[レビュー機の上位機種]
・Inspiron 14 5000 (5490) スタンダード
[レビュー機の下位モデル]
レビュー機を含めた 3機種の基本スペックは以下のとおり。
スペック | Ins 14 5490 プラチナ (レビュー機) |
Ins 14 7490 プラチナ |
Ins 14 5490 スタンダード |
---|---|---|---|
CPU | インテル Core i7-10510U | インテル Core i7-10510U | インテル Core i3-10110U |
メモリ | 8GBメモリ | 16GBメモリ | 4GBメモリ |
ストレージ | 256GB SSD(NVMe) | 512GB SSD(NVMe) | 256GB SSD(NVMe) |
グラフィックス | NVIDIA GeForce MX230 | NVIDIA GeForce MX250 | インテル UHD 620 グラフィックス |
使用したベンチマークは以下のとおりです。
比較項目 | 使用するベンチマーク |
---|---|
CPU性能 | CINEBENCH R20 |
CPU Mark (PassMark PerformanceTest) | |
グラフィック性能 | 3DMark FireStrike |
ドラゴンクエストX[軽量級] | |
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ[中量級] | |
ファイナルファンタジーXV[重量級] | |
ストレージ性能 | CrystalDiskMark ※レビュー機のみ掲載 |
総合的なパフォーマンス | PCMark 10 |
バッテリー | BatteryInfoView(バッテリー残量測定用) ※レビュー機のみ掲載 |
Inspiron 14 5000 (5490) プラチナの正面側
CPU性能
CPU性能は CINEBENCH R20 と CPU Mark(PassMark PerformanceTest) のベンチマークスコアで比較・評価します。
Core i7 と Core i3 の比較になりますが、両者の性能には大きな差があり実際の使用においても負荷の高い作業では体感的な違いが出てきます。
■CINEBENCH R20
CPU | |
---|---|
Ins 14 5490 プラチナ |
1561 cb
|
Ins 14 7490 プラチナ |
1552 cb
|
Ins 14 5490 スタンダード |
906 cb
|
■CPU Mark(PassMark PerformanceTest)
CPU Mark | |
---|---|
Ins 14 5490 プラチナ |
10594.4
|
Ins 14 7490 プラチナ |
10778.0
|
Ins 14 5490 スタンダード |
5497.0
|
Inspiron 14 5000 (5490) プラチナの背面側
グラフィック性能
グラフィック性能はゲーム系のベンチマークを使って GeForce MX250/GeForce MX230/インテル UHD グラフィックスの性能評価を行います。
MX250 と MX230 はインテル UHD にくらべると性能レベルの違いは意外と大きく、そのぶん なめらかな映像描画が期待できます。
MX250 と MX230 の性能レベルは大きな違いはなく、MX250 に若干の優位性があるといったところでしょうか。
3DMark FireStrike
3DMark FireStrike のベンチマーク結果です。
Fire Strike は DirectX 11 を使用したハイパフォーマンスゲーミングPC向けのグラフィックス性能テストです。
3DMark Fire Strike | |
---|---|
Ins 14 5490 プラチナ |
2422
|
Ins 14 7490 プラチナ |
3325
|
Ins 14 5490 スタンダード |
804
|
ドラゴンクエストX[軽量級]
ドラゴンクエストX のベンチマーク結果です。
ドラゴンクエストX[スコア(評価)] | |
---|---|
Ins 14 5490 プラチナ |
6642(快適)
|
Ins 14 7490 プラチナ |
8358(とても快適)
|
Ins 14 5490 スタンダード |
3277(普通)
|
※標準品質/解像度 1920×1080で実施
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ[中量級]
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズのベンチマーク結果です。
漆黒のヴィランズ[スコア(評価)] | |
---|---|
Ins 14 5490 プラチナ |
6444(とても快適/44fps)
|
Ins 14 7490 プラチナ |
8159(非常に快適/56fps)
|
Ins 14 5490 スタンダード |
952(動作困難/6fps)
|
※標準品質(ノートPC)/解像度 1920×1080で実施
ファイナルファンタジーXV[重量級]
ファイナルファンタジーXV のベンチマーク結果です。
ファイナルファンタジーXV[スコア(評価)] | |
---|---|
Ins 14 5490 プラチナ |
2756(やや重い)
|
Ins 14 7490 プラチナ |
3278(普通)
|
Ins 14 5490 スタンダード |
899(動作困難)
|
※軽量品質/解像度 1280×720で実施
ストレージ性能
レビュー機のストレージは NVMe対応の SSD が搭載されています。
データ転送速度(CrystalDiskMark で計測)
NVMe対応の SSD は SATA対応の SSD にくらべデータアクセスも超高速で Windows やアプリの起動も早いです。
上記のベンチマーク(CrystalDiskMark)の計測結果ではシーケンシャルリード/ライトで 3倍から5倍くらい高速にアクセスできます。
総合的なパフォーマンス
PCMark 10 Extended を使って、実際の使用を想定した性能評価を行います。
Inspiron 14 5000 (5490) プラチナのキーボード
スタンダードモデルには電源ボタンのマークはプリントされていない
(電源ボタンはキーボード右上に配置)
それぞれのモデルのスペック構成の違いはスコアにもはっきりと表れています。
Total Score | |
---|---|
Ins 14 5490 プラチナ |
3222
|
Ins 14 7490 プラチナ |
3791
|
Ins 14 5490 スタンダード |
2165
|
Essentials | |
Ins 14 5490 プラチナ |
7964
|
Ins 14 7490 プラチナ |
8635
|
Ins 14 5490 スタンダード |
6767
|
Productivity |
Ins 14 5490 プラチナ |
7112
|
Ins 14 7490 プラチナ |
7452
|
Ins 14 5490 スタンダード |
5303
|
Digital Contents Creation |
Ins 14 5490 プラチナ |
2588
|
Ins 14 7490 プラチナ |
3124
|
Ins 14 5490 スタンダード |
2447
|
Gaming |
Ins 14 5490 プラチナ |
1987
|
Ins 14 7490 プラチナ |
2779
|
Ins 14 5490 スタンダード |
677
|
※テスト項目説明
Total Score(総合的な評価)
Essentials(普段の作業を想定した基本的なテスト)
Productivity(ビジネスソフトの使用を想定したテスト)
Digital Contents Creation(写真・動画編集を想定したテスト)
Gaming(ゲーミングソフトの使用を想定したテスト)
バッテリー
バッテリー性能については、レビュー機 Inspiron 14 5000 (5490) プラチナのバッテリー駆動時間と充電時間を掲載します。
■駆動時間の測定条件
・無線LANでインターネットに接続
・YouTubeを全画面で連続再生
・画面の明るさ:最大レベル
・音量:最大レベル
■充電時間の測定条件
バッテリー充電時間の計測は以下の条件で、充電完了までの時間を計測します。
・測定開始はバッテリー残量がほぼゼロの状態
・電源アダプターを接続し Windows を起動
・スクリーンセーバー(ラインアート)でパソコンはアイドル状態
※スクリーンタイムアウトや PCスリープは設定しない。
バッテリーの駆動時間と充電時間の測定結果は以下のとおり。
バッテリー駆動時間 | 9時間 32分 |
---|---|
バッテリー充電時間 (50%までの充電時間) |
1時間 4分 |
バッテリー充電時間 (80%までの充電時間) |
1時間 41分 |
バッテリー充電時間 (100%までの充電時間) |
2時間 49分 |
バッテリーを多く消費する条件でバッテリーで 9時間30分持続できるなら十分といえます。使うシーンに合わせて画面の明るさや音量を適正レベルに調整すればバッテリー駆動時間を伸ばすことができます。
また、バッテリーは急速充電に対応していない点は残念なところ。充電完了まで意外と時間がかかることはチェックしておいたほうが良いでしょう。
なお、実際の使用にあたっては環境や使い方などによりバッテリーの駆動時間は変動するので、参考値としてください。
クリエイティブ性能の評価
クリエイティブ性能はレビュー機 Inspiron 14 5000 (5490) プラチナの RAWデータ現像(JPEGファイル書き出し)と動画エンコードの処理時間の計測で評価します。
RAWデータ現像
RAWデータ現像に使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。
■使用ソフトウェア
CyberLink PhotoDirector
Adobe Photoshop Lightroom
Adobe Photoshop Lightroom Classic
■条件等
・RAWデータ 50ファイルをJPEG形式で一括書き出し
・RAWデータサイズ 4,592×3,056(約14MB)
・プリセット等 編集は適用しない
・ほかのアプリは起動しない(常駐アプリは除く)
処理時間 | |
---|---|
PhotoDirector | 49.4秒 |
Photoshop Lightroom | 52.1秒 |
Lightroom Classic | 54.3秒 |
動画エンコード
動画エンコードに使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。
■使用ソフトウェア
CyberLink PowerDirector
■条件等
・AVCHD動画(1920×1080)を mp4 形式で出力
(m2ts→mp4、720p、1280×720/30p 16Mbps)
・動画再生時間 10分間
・ほかのアプリは起動しない(常駐アプリは除く)
処理時間 | 3分12秒9 |
---|
クリエイティブ性能レベルは意外と優秀です。クリエイティブ性能の高い機種の処理時間とほぼ同等です。
駆動音・表面温度のチェック
駆動音のチェック
高負荷時は「サーッ」という排熱のための気流音が大きくなります。個人差はありますが耳ざわりに感じるかもしれません。
ただ、平常時は静かであることや、高負荷な状態がパソコンを使っているあいだ続くわけではないので、駆動音についてはそれほど気にすることはないと思います。
ちなみに、Core i3 を搭載したスタンダードモデルにくらべ、排熱のための気流音が多少大きいように感じます。Core i7 は高負荷時の動作周波数が高く(そのぶん処理も早い)発熱量も大きくなるためと推察します。
表面温度のチェック
本体の表面温度については、負荷のかかる処理になると、キーボード奥 中央付近が温かくなりますがタイピングに影響があるほどではありません。
パームレストは本体内部の熱の影響がないので不快な感じはありません。
以下は平常時と動画エンコード時の表面温度の測定結果です。
キーボードの表面温度【単位:℃、測定時の室温:24℃】
左側の画像:平常時(Windows起動後10分放置)
右側の画像:動画エンコード時(10分間の動画エンコード終了直前)
底面部の表面温度【単位:℃、測定時の室温:24℃】
左側の画像:平常時(Windows起動後10分放置)
右側の画像:動画エンコード時(10分間の動画エンコード終了直前)
Windows の起動・再起動 時間計測
Windows の起動、再起動時間を それぞれ 5回ずつ計測しました。
起動 | 再起動 | |
---|---|---|
1回目 | 17.1秒 | 31.9秒 |
2回目 | 16.6秒 | 32.2秒 |
3回目 | 16.2秒 | 33.0秒 |
4回目 | 17.0秒 | 32.8秒 |
5回目 | 17.8秒 | 30.5秒 |
平均 | 16.9秒 | 32.1秒 |
体感的にも結果が示す通り「早い」です。待ちのストレスを感じることはほとんどないと思います。
なお、実際の使用にあたってはインストールしているアプリや使い方などにより起動時間は変動するときもあるので参考値としてください。
付属品
Inspiron 14 5000 (5490) プラチナモデルの本体ほか同梱品一式です。
電源アダプター、電源コード、ドキュメント類が付属しています。
プラチナモデルの電源アダプターの最大出力は 65W。その大きさは手のひらに収まるサイズです。
ちなみに、スタンダードモデルの最大出力は 45W です。(大きさはほぼ同じ)
なお、マニュアル類は簡易的でかんたんな内容が記載されている程度ですが、製品の使い方や取り扱いに関する詳細な情報はデル公式サイトで公開されています。
まとめ
以上、Inspiron 14 5000 (5490) プラチナのレビュー記事をお届けしました。
Inspiron 14 5000 (5490) は14インチサイズとは思えない薄さと軽さで持ち歩きもラクにできます。
13.3インチサイズのノートPC にくらべディスプレイが一回り大きく画面に表示される情報量が多いところもポイント。
今回レビューしたプラチナモデルは性能レベルが高く、負荷の高い処理も意外と快適にこなすことができます。とくに高負荷な処理になるほどスタンダードモデルにくらべ快適性は格段に違ってきます。
プラチナモデルとスタンダードモデルの価格差は 3万円前後(クーポン割引率で多少変動します)ですが、プラチナモデルは Core i7 や NVIDIA GeForce MX230 の搭載など価格差以上に快適性をアップさせて高コスパに仕上げられたモデルといえます。
ラインナップしているモデルや価格、クーポン割引率などの最新情報は、デル直販サイト「デルオンラインストア」でチェックできます。