レノボが販売する IdeaPad Pro 5i Gen 9 (14型 Intel) は、インテル Core Ultra H シリーズ・プロセッサーを搭載した 14型ノートパソコンです。
インテル Core Ultra H シリーズ・プロセッサーの搭載により性能レベルは高くてパワフル! パフォーマンスは快適でベンチマークによる性能評価も優秀です。
高輝度・広色域 2.8K ディスプレイや顔認証対応 FHDカメラ、長時間駆動バッテリーなど、実用性にもすぐれています。
■IdeaPad Pro 5i Gen 9 の特徴
- インテル Core Ultra H シリーズ・プロセッサーを搭載
- 堅牢性にすぐれたボディ
- 少し重量感はあるがモバイルも可能
- 2.8K OLED (有機ELディスプレイ)を搭載(下位モデルは 2.8K IPS液晶ディスプレイ)
- 顔認証対応 FHDカメラ(プライバシーシャッター付き)
- ドルビーアトモス 対応のステレオスピーカー
- 使いかたや予算に合わせた柔軟なカスタマイズが可能
本記事では、メーカーからお借りした実機を試用し、前半で外観デザイン/ディスプレイ/キーボードなどをチェック、後半では各種ベンチマークを使った性能評価を行います。
【 目 次 】
レビューは 2025年1月28日時点の内容です。
スペック構成
IdeaPad Pro 5i Gen 9 のおもなスペック構成は以下のとおり。
| OS | ■Windows 11 Home 64bit ■Windows 11 Pro 64bit |
| CPU | ■インテル Core Ultra 5 プロセッサー 125H ■インテル Core Ultra 7 プロセッサー 155H ■インテル Core Ultra 9 プロセッサー 185H |
| メモリ | ■16 GB LPDDR5X-7467MHz (オンボード) ■32 GB LPDDR5X-7467MHz (オンボード) |
| ストレージ | ■512 GB SSD M.2 2242 PCIe-NVMe Gen4 TLC ■1TB SSD M.2 2242 PCIe-NVMe Gen4 TLC |
| ディスプレイ | ■14型 2.8K液晶 (2880 x 1800) IPS, 光沢なし, マルチタッチ非対応, 100% sRGB, 400 nit, 120Hz, ブルーライト軽減パネル ■14型 2.8K OLED(有機ELディスプレイ) (2880 x 1800) 光沢あり, マルチタッチ非対応, HDR500, 100% DCI-P3, 400 nit, 120Hz |
| グラフィックス | インテル Arcグラフィックス |
| LAN | 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T |
| 無線LAN/ Bluetooth | Wi-Fi 6E 対応 (IEEE802.11ax/ac/a/b/g/n 準拠)、Bluetooth v5.3 |
| カメラ | FHD 1080p カメラ、IRカメラ、プライバシーシャッター付き |
| バッテリー駆動時間 | ■Core Ultra 5 搭載モデル 約10.5時間(動画再生時)/ 約22.7時間(アイドル時) ■Core Ultra 7 搭載モデル 約10.4時間(動画再生時)/ 約24.9時間(アイドル時) ※JEITAバッテリ動作時間測定法Ver.3.0 |
| 本体サイズ(W×D×H) | 約 312x221x15.99mm (最薄部) |
| 本体質量 | 約 1.46kg |
詳しいスペックや価格など最新情報はレノボ直販サイト「レノボショッピング」をご確認ください。

IdeaPad Pro 5i Gen 9
(14型 Intel)
税込 12万円台から
関連リンク
そのほかの取り扱い公式ショップは以下のリンクからご確認ください。
外観チェック
外観は少し地味なイメージ
IdeaPad Pro 5i Gen 9 のデザインはスタイリッシュです。


本体のカラーは「アークティックグレー」。良く言えば落ち着いた雰囲気のあるカラーですが、グレーに近い色合いで少し地味なイメージです。


ただ、性能や実用性を重視するなら本体カラーは気にならないでしょう。

なお、手で触れた感触はサラサラとしていて、上質感ある仕上がりです。指紋や皮脂の跡は目立ちにくいです。
本体は、そこそこスリムでバッグへの出し入れもスムーズにできます。



本体はスリム
底面カバーは「ユニボディ」の構造。見ためはシンプルですが剛性にもすぐれています。


ゴム足は前面側左右に2箇所と背面側左右にまたがるゴム足の合計3箇所に実装。本体の安定感は良好です。
排気口はヒンジのあいだに実装されています。

排気口(ヒンジのあいだ)
ちなみに、背面側のゴム足は排気口から出された温かい空気が再び吸気口に入り込むのを防ぐ役割も兼ねています。これにより本体内部の効果的な冷却が期待できます。

吸気口(底面カバー側)と排気口
天面は片手で開けられる
Legion 7i Gen 9 は、天面を開くときに指がかかりやすい形状にデザインされています。

天面を開きやすいデザイン
また、天面は片手でスムーズに開くことができます。

天面の開きやすさは、使いやすさにもつながります。
必要十分なインターフェース
IdeaPad Pro 5i Gen 9 は必要十分なインターフェースを実装しています。

右側面
①マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック
②4-in-1メディアカードリーダー
③USB 3.2 Gen1 ×2

左側面
④HDMI
⑤USB 3.2 Gen2 Type-C
⑥Thunderbolt4 ポート
以下、インターフェースについての補足です。
メディアカードリーダーは抜き差し方式です。

SDカードをしっかりと挿入した状態(意外に出っ張る)
USB Type-C と Thunderbolt4 ポートの映像出力/PD充電器対応の検証結果は以下のとおり。
■USB Type-C 対応表(2ポート共通:当サイトの検証結果)
| 映像出力 | 〇(4K出力可能) |
|---|---|
| PD充電器(30W) | × |
| PD充電器(45W) | × |
| PD充電器(65W) | △(低速) |
※レビュー機の電源アダプターの最大出力ワット数は 100W のため、PD充電器のワット数もそれなりの出力が必要です。
また、HDMI は 4K出力に対応していました。
電源ボタンはキーボード上にレイアウト
電源ボタンはキーボード右上にレイアウトされています。

電源ボタンは LED内蔵
電源ボタンの形状は少し細長いため多少の押しにくさはありますが、慣れれば押しにくさは軽減すると思います。
顔認証カメラを搭載
IdeaPad Pro 5i Gen 9 は、顔認証カメラを標準搭載しています。

顔認証でサインイン
認証精度は良好です。
また、カメラには「プライバシーシャッター」が付いています。

上の画像:シャッターを開いてカメラ有効
下の画像:シャッターを閉じてカメラを遮断
シャッターはスライド式(手動)ですがスムーズなスライドが可能。オンライン会議などで こちらの光景を見られたくないときもスムーズに操作できます(切替スイッチはカメラの上側)。
ちなみに、プライバシーシャッターでカメラを閉じていると顔認証機能は使えません。サインインするときはプライバシーシャッターを開くか PINコードやパスワードを入力してください。
存在検知機能を搭載
IdeaPad Pro 5i Gen 9 は、存在検知機能(プレゼンスセンシング)を搭載しています。

存在検知の設定
プレゼンスセンシングは、離着席時にパソコン画面を自動でロック/解除できる機能です、顔認証情報を登録しておけば着席時に自動で顔認証機能が起動しそのままサインインできます。
実際に使ってみましたが、とても便利な機能で利便性を実感できました。顔認証カメラとあわせて使うことでプライバシーやセキュリティの強化にも役立ちます。
スピーカーはキーボード左右に搭載
スピーカーはキーボード左右に搭載されています。

スピーカーはキーボード左右に搭載
スピーカーから出力されるサウンドは、低音域から高音域まで再現される音域が広く高音質です。
A4 より一回り大きいくらいのサイズ感
本体の大きさのイメージです。本体の上に A4コピー用紙と B5版ノートを載せています。

本体のサイズ感
本体のフットプリントは A4 より一回り大きいくらいのサイズ感です。
本体を閉じたときの高さのイメージは以下のとおり。

本体の高さを CD ケース(通常サイズ)2枚と比較
(通常サイズの CDケースの厚さは 10mm)
ゴム足を含めた本体の高さは実測で 約23.5mm(最厚部)。手で持った印象としては、そこそこスリムです。
また、本体や電源アダプターなど質量の実測値は以下のとおり。

・本体:1,475g
・電源アダプター:265g
・電源コード:105g
本体の質量は少し重さはあるものの、持ち歩きが十分可能な重量感です。

持ち歩きも十分可能
電源アダプターの最大出力は 100W。一般的なノートPC にくらべ出力ワット数が大きいぶん、手のひらより少し大きいサイズです。


ディスプレイのチェック
高輝度&広色域 OLED(有機ELディスプレイ)
レビュー機のディスプレイは Lenovo製 OOED (有機ELディスプレイ) パネル[型番:LEN8ABA LEN140WQ+]。
描画される映像は色鮮やかで自然な色合いです。描画イメージは以下のとおり。

画像の表示例(その1)

画像の表示例(その2)

テキストの表示例

テキスト表示を拡大
OLED パネルはコントラスト比が高く、黒をより黒く表現できるため映像全体を鮮明に描画できるメリットがあります。
トーンカーブは RGB ともに理想的な45度の直線に近い形状で色調バランスは良好です。

トーンカーブ
(キャリブレーションツール「i1Display Pro」で計測)
輝度の計測結果はディスプレイの明るさ設定 100 のとき「408 nit」。かなりの高輝度で実際に見ても とても明るいです。屋外のように周囲が明るい環境で使っても画面が見えにくく感じることはないと思います。
色域の計測結果は以下のとおり。

色域
(色度図作成ソフト「ColorAC」にて作成)
| 規格 | カバー率 | 比 |
|---|---|---|
| sRGB | 100.0% | 156.4% |
| Adobe RGB | 98.6% | 116.0% |
| DCI-P3 | 100.0% | 115.3% |
広色域で色再現性にもすぐれています。写真編集などシビアな色再現が必要な作業にもしっかり対応できます。
狭額縁ベゼル
ベゼルは狭額縁です。

上部ベゼルは少し厚みがありますが、左右のベゼルは鉛筆の太さよりも細くて画面周りは全体的にスッキリとしています。
映り込みが気になる場合があるかも
レビュー機のディスプレイは光沢です。


上記写真のとおり、映像の色味によっては映り込みが気になるかもしれません。
広い視野角
視野角をチェックします。

正面

右側 ディスプレイ面から30度の角度

上側 ディスプレイ面から30度の角度
水平方向、垂直方向ともに視野角は広く、斜めからも描画されている映像をはっきり確認できます。
天面は ほぼフラットまで開くことができる
天面はほぼフラットまで開くことができます。

ディスプレイがフラットになれば、打ち合わせなどで画面共有に便利です。
キーボード&タッチパッドのチェック
タイピングしやすいキーボード
IdeaPad Pro 5i Gen 9 のキーボードレイアウトは標準的です。

キーピッチは実測で 約19mm。フルサイズキーボードと同等のキーピッチで窮屈な感じはありません。

キートップの形状はフラットで、表面は少しツルツルした感触です。指先のタッチ感はまずまずです。

キーストロークは(感覚的には)1.3mm くらい。少し浅い感じはありますが、しっかりとした打鍵感を得られます。

タイプ音は「タクタク」という音。音の大きさは静か
キーを押し込む強さや跳ね返りもちょうど良い感じです。キーストロークは浅めですが、そこそこタイピングしやすいキーボードです。
Copilotキー搭載
IdeaPad Pro 5i Gen 9 には「Copilotキー」が搭載されています。

矢印の指すところが Copilotキー
Copilotキーを押すと Microsoft の AIアシスタントをすばやく起動することができます。

Copilotキーを押すだけで AIアシスタントが起動
Copilot はとても便利な機能でユーザーの質問に対して適切な回答を返してくれます。Copilot は日々進化しており、プライベートからビジネスまで有効に活用できます。
キーボードバックライトを搭載
キーボードにはバックライトが搭載されています。

キーボード・バックライトの明るさは切り替え可能です。
[Fn]+[Space]キー押下:点灯(自動)→点灯(暗)→点灯(明)→オフ
※キーボード・バックライトの設定は Lenovo Vantage でも可能。
なお、点灯(自動)に設定すると周囲の明るさに応じて自動的に点灯します。
質感のよいパームレスト
パームレストはサラサラとした感触で質感も良好です。

指紋や皮脂の跡は目立ちにくいので、汚れを気にすることなく快適なキーボード操作が可能です。
なめらかなスベリのタッチパッド
タッチパッドはツルツルとした感触でスベリもなめらかです。

タッチパッドのサイズ感
大きめサイズ感で扱いやすさも良好です。
ベンチマークによる性能評価
ベンチマークでは、レビュー機の CPU・グラフィックス・ストレージ性能のほかバッテリー性能や総合的なパフォーマンスを評価します。
レビュー機の基本スペック
| CPU | インテル Core Ultra 7 プロセッサー 155H |
|---|---|
| メモリ | 32 GB LPDDR5X-7467MHz |
| ストレージ | 1TB SSD M.2 2242 PCIe-NVMe Gen4 TLC |
| グラフィックス | インテル Arc グラフィックス |
評価に使用したベンチマークは以下のとおり。
| 評価項目 | 使用するベンチマーク |
|---|---|
| CPU性能 | CINEBENCH R23[CPUのレンダリング性能評価] |
| CPU Mark (PassMark PerformanceTest)[CPU性能の総合評価] | |
| グラフィック性能 | 3DMark Time Spy |
| ファイナルファンタジーXV[重量級のゲーム] | |
| ストレージ性能 | CrystalDiskMark |
| 総合的なパフォーマンス | PCMark 10 |
| バッテリー | BatteryInfoView(バッテリー残量測定用) |
なお、ベンチマークの実施にあたっては、付属ソフトウェア「Lenovo Vantage」の[電源モード]を「適応パワー・モード」と「パフォーマンス」それぞれのモードに設定して計測しています。

Lenovo Vantage 電源モード
CPU性能
CPU性能は CINEBENCH R23(マルチコア/シングルコア)と CPU Mark(PassMark PerformanceTest) のベンチマークスコアで評価します。
評価にあたっては、性能レベルを把握するため下記 CPU のスコアと比較します。
・インテル Core Ultra 7 プロセッサー 155H
・インテル Core Ultra 5 プロセッサー 125H
・インテル Core Ultra 7 プロセッサー 155U
・インテル Core Ultra 5 プロセッサー 125U
・インテル Core i7-1360P プロセッサー
・インテル Core i5-1340P プロセッサー
・インテル Core i7-1355U プロセッサー
・インテル Core i5-1335U プロセッサー
・AMD Ryzen 7 8840HS プロセッサー
・AMD Ryzen 7 8840U プロセッサー
・AMD Ryzen 7 7730U プロセッサー
・AMD Ryzen 5 7530U プロセッサー
※当サイトで計測したスコアの平均値
CINEBENCH R23[CPUのレンダリング性能評価]
| CINEBENCH R23 (マルチコア) | |
|---|---|
| Core Ultra 7 155H(レビュー機/適応パワー・モード) |
16893 pts
|
| Core Ultra 7 155H(レビュー機/パフォーマンス) |
15877 pts
|
| Core Ultra 7 155H |
12915 pts
|
| Ryzen 7 8840HS |
12647 pts
|
| Ryzen 7 8840U |
12259 pts
|
| Core i7-1360P |
10095 pts
|
| Core Ultra 5 125H |
9920 pts
|
| Ryzen 7 7730U |
9117 pts
|
| Core Ultra 7 155U |
8991 pts
|
| Core i5-1340P |
8551 pts
|
| Ryzen 5 7530U |
7627 pts
|
| Core i7-1355U |
7342 pts
|
| Core i5-1335U |
6875 pts
|
| Core Ultra 5 125U |
6508 pts
|
| CINEBENCH R23 (シングルコア) | |
|---|---|
| Core Ultra 7 155H(レビュー機/パフォーマンス) |
1774 pts
|
| Core Ultra 7 155H(レビュー機/適応パワー・モード) |
1752 pts
|
| Core i7-1355U |
1750 pts
|
| Core i7-1360P |
1732 pts
|
| Ryzen 7 8840HS |
1725 pts
|
| Core Ultra 7 155U |
1714 pts
|
| Ryzen 7 8840U |
1713 pts
|
| Core Ultra 7 155H |
1695 pts
|
| Core Ultra 5 125H |
1661 pts
|
| Core Ultra 5 125U |
1564 pts
|
| Core i5-1335U |
1546 pts
|
| Core i5-1340P |
1534 pts
|
| Ryzen 7 7730U |
1431 pts
|
| Ryzen 5 7530U |
1419 pts
|
CPU Mark (PassMark PerformanceTest)[CPU性能の総合評価]
| CPU Mark (PassMark PerformanceTest) | |
|---|---|
| Core Ultra 7 155H(レビュー機/パフォーマンス) |
31588
|
| Core Ultra 7 155H(レビュー機/適応パワー・モード) |
29134
|
| Core Ultra 7 155H |
26117
|
| Ryzen 7 8840U |
25969
|
| Ryzen 7 8840HS |
25442
|
| Core Ultra 5 125H |
21632
|
| Core i7-1360P |
20651
|
| Core Ultra 7 155U |
19132
|
| Ryzen 7 7730U |
18677
|
| Core i5-1340P |
16650
|
| Core i7-1355U |
16487
|
| Ryzen 5 7530U |
15930
|
| Core Ultra 5 125U |
15296
|
| Core i5-1335U |
14508
|
レビュー機のスコアは優秀です。平均値を大きく上回るスコアが出ています。
Core Ultra 7 155H プロセッサーを搭載した機種の電源アダプターは 65W が一般的であるのに対し、本機種の電源アダプターは 100W です。供給できる電力量が大きいぶんパフォーマンスが最大化されています。
一般的な使いかた(オフィスソフト・メール・ネット検索・オンライン会議など)はもちろんのこと、負荷の高い作業でも非常にパワフルなパフォーマンスが期待できます。
グラフィック性能
グラフィック性能はゲーム系のベンチマークで性能評価を行います。
評価にあたっては、グラフィックス性能レベルを把握するため当サイトでレビューした下記グラフィックスのスコアと比較します。
・インテル Arc グラフィックス(Core Ultra 7 155H搭載機)
・インテル Arc グラフィックス(Core Ultra 5 125H搭載機)
・インテル グラフィックス(Core Ultra 7 155U搭載機)
・インテル グラフィックス(Core Ultra 5 125U搭載機)
・インテル Iris Xe グラフィックス(Core i7-1360P搭載機)
・インテル Iris Xe グラフィックス(Core i5-1340P搭載機)
・インテル Iris Xe グラフィックス(Core i7-1355U搭載機)
・インテル Iris Xe グラフィックス(Core i5-1335U搭載機)
・AMD Radeon 780M グラフィックス(Ryzen 7 8840HS搭載機)
・AMD Radeon 780M グラフィックス(Ryzen 7 8840U搭載機)
・AMD Radeon グラフィックス(Ryzen 7 7730U搭載機)
・AMD Radeon グラフィックス(Ryzen 5 7530U搭載機)
※当サイトで計測したスコアの平均値
3DMark Time Spy
Time Spy は DirectX 12 を使用したハイパフォーマンスゲーミングPC向けのグラフィックス性能テストです。
| 3DMark Time Spy | |
|---|---|
| インテル Arc(レビュー機/パフォーマンス) |
4184
|
| インテル Arc(レビュー機/適応パワー・モード) |
4165
|
| インテル Arc(Core Ultra 7 155H) |
3573
|
| インテル Arc(Core Ultra 5 125H) |
3119
|
| AMD Radeon 780M(Ryzen 7 8840HS) |
2857
|
| AMD Radeon 780M(Ryzen 7 8840U) |
2790
|
| インテルグラフィックス(Core Ultra 7 155U) |
2115
|
| インテルグラフィックス(Core Ultra 5 125U) |
2049
|
| インテル Iris Xe(Core i7-1360P) |
1911
|
| インテル Iris Xe(Core i7-1355U) |
1691
|
| インテル Iris Xe(Core i5-1340P) |
1545
|
| AMD Radeon(Ryzen 7 7730U) |
1354
|
| インテル Iris Xe(Core i5-1335U) |
1312
|
| AMD Radeon(Ryzen 5 7530U) |
1255
|
ファイナルファンタジーXV[重量級のゲーム]
| ファイナルファンタジーXV | |
|---|---|
| インテル Arc(レビュー機/パフォーマンス) |
6974
|
| AMD Radeon 780M(Ryzen 7 8840HS) |
6419
|
| インテル Arc(レビュー機/適応パワー・モード) |
5804
|
| AMD Radeon 780M(Ryzen 7 8840U) |
5665
|
| インテル Arc(Core Ultra 7 155H) |
5636
|
| インテル Arc(Core Ultra 5 125H) |
5176
|
| インテル Iris Xe(Core i7-1360P) |
4225
|
| インテル Iris Xe(Core i7-1355U) |
3848
|
| インテルグラフィックス(Core Ultra 7 155U) |
3820
|
| AMD Radeon(Ryzen 7 7730U) |
3608
|
| インテル Iris Xe(Core i5-1340P) |
3451
|
| インテルグラフィックス(Core Ultra 5 125U) |
3282
|
| AMD Radeon(Ryzen 5 7530U) |
3103
|
| インテル Iris Xe(Core i5-1335U) |
2930
|
※軽量品質/解像度 1280×720 で実施
レビュー機はグラフィックス性能も優秀です。
こちらも、100W 電源アダプターの効果により供給できる電力量が大きいぶん、グラフィックス・パフォーマンスが最大化されています。
内蔵グラフィックスとしては非常に高い性能レベルで、写真・動画編集などクリエイティブ作業はもちろんのこと、ライトなゲームプレイも快適なパフォーマンスで楽しむことができるでしょう。
ストレージ性能
レビュー機のストレージは PCIe-NVMe Gen4 対応の SSD(容量 1TB)を搭載しています。

ストレージ情報
(シリアルナンバーは隠しています)
ストレージ性能は、CrystalDiskMark を使用しデータ転送速度を計測・評価します。

データ転送速度
※電源モードを「適応パワー・モード」に設定して計測した結果。「パフォーマンス」モードでの計測結果も同等です。
計測結果は優秀です。PCIe-NVMe Gen4 対応の SSD は、体感的にも高速なアクセスでファイルの読み書きがとてもスムーズです。
総合的なパフォーマンス
PCMark 10 で実際の使用を想定した性能評価を行います。
評価にあたっては、性能レベルの程度を把握するため当サイトでレビューした下記機種のスコアと比較します。
・dynabook RZ/HX
・ThinkPad E14 Gen 6
・Yoga 7 2-in-1 Gen 9
・HP Pavilion Aero 13-bg
※当サイトで計測したスコア(パフォーマンスモードに相当した設定で計測したスコア)
おもなスペックは以下のとおり。
| スペック | IdeaPad Pro 5i (レビュー機) |
dynabook RZ | ThinkPad E14 | Yoga 7 2-in-1 | Pavilion Aero 13 |
|---|---|---|---|---|---|
| CPU | インテル Core Ultra 7 155H | インテル Core Ultra 7 155H | インテル Core Ultra 5 125H | AMD Ryzen 7 8840HS | AMD Ryzen 7 8840U |
| メモリ | 32GBメモリ | 32GBメモリ | 16GBメモリ | 32GBメモリ | 16GBメモリ |
| ストレージ | 1TB SSD (NVMe) | 1TB SSD (NVMe) | 512GB SSD (NVMe) | 1TB SSD (NVMe) | 1TB SSD (NVMe) |
| グラフィックス | Intel Arc Graphics | Intel Arc Graphics | Intel Arc Graphics | AMD Radeon 780M | AMD Radeon 780M |
ベンチマーク結果は以下のとおり。
| Essentials | |
|---|---|
| IdeaPad Pro 5i(適応パワー・モード) |
9233
|
| IdeaPad Pro 5i Gen 9(パフォーマンス) |
9114
|
| dynabook RZ |
9599
|
| ThinkPad E14 |
9362
|
| Yoga 7 2-in-1 |
11017
|
| Pavilion Aero 13 |
9958
|
| 目標値 |
4100
|
| Productivity | |
| IdeaPad Pro 5i(適応パワー・モード) |
8529
|
| IdeaPad Pro 5i Gen 9(パフォーマンス) |
8163
|
| dynabook RZ |
9800
|
| ThinkPad E14 |
8253
|
| Yoga 7 2-in-1 |
10000
|
| Pavilion Aero 13 |
10337
|
| 目標値 |
4500
|
| Digital Contents Creation | |
| IdeaPad Pro 5i(適応パワー・モード) |
9752
|
| IdeaPad Pro 5i Gen 9(パフォーマンス) |
9729
|
| dynabook RZ |
7814
|
| ThinkPad E14 |
7863
|
| Yoga 7 2-in-1 |
8903
|
| Pavilion Aero 13 |
8064
|
| 目標値 |
3450
|
| Gaming | |
| IdeaPad Pro 5i(適応パワー・モード) |
7375
|
| IdeaPad Pro 5i Gen 9(パフォーマンス) |
7383
|
| dynabook RZ |
6381
|
| ThinkPad E14 |
4681
|
| Yoga 7 2-in-1 |
6400
|
| Pavilion Aero 13 |
5946
|
※テスト項目説明
・Essentials(普段の作業を想定した基本的なテスト)
・Productivity(ビジネスソフトの使用を想定したテスト)
・Digital Contents Creation(写真・動画編集を想定したテスト)
・Gaming(ゲーミングソフトの使用を想定したテスト)
※目標値はベンチマークソフト開発メーカーの推奨スコア
実際の使用を想定したテストも優秀です。高いレベルで性能バランスにもすぐれていることが分かります。
とくに、クリエイティブ性能のテストやゲーミング性能のテストで非常に優秀なスコアが出ている点は着目しておきたいところ。負荷の高い処理ほど、よりパワフルなパフォーマンスが期待できます。
関連記事
バッテリー
バッテリー性能については、レビュー機のバッテリー駆動時間と充電時間を計測・評価します。
※電源モードを「バランス」に設定して実施。
■駆動時間の測定条件
・無線LANでインターネットに接続
・YouTubeを全画面で連続再生
・画面の明るさ:最大レベル
・音量:最大レベル
■充電時間の測定条件
・測定開始はバッテリー残量がほぼゼロの状態
・電源アダプターを接続し Windows を起動
・スクリーンセーバー(ラインアート)でパソコンはアイドル状態
※スクリーンタイムアウトや PCスリープは設定しない。
バッテリーの駆動時間と充電時間の計測結果は以下のとおり。
| バッテリー駆動時間 | 14時間 23分 |
| バッテリー充電時間 (50%までの充電時間) |
31分 |
| バッテリー充電時間 (80%までの充電時間) |
57分 |
| バッテリー充電時間 (100%までの充電時間) |
1時間 52分 |
バッテリーを多く消費する条件のなかで 14時間以上使うことができれば十分といえます。バッテリー駆動で使用するときは画面の明るさを調整するなどバッテリー消費を抑える使いかたをすれば、バッテリー駆動時間をさらに伸ばすこともできます。
また、急速充電に対応していることも好印象です。バッテリー残量が少ないときでも短時間の充電で長い時間バッテリーで使うことができれば、よりアクティブに使えるメリットがあるからです。
なお、実際の使用にあたっては、環境や使い方などによりバッテリーの駆動時間は変動するため参考値としてください。
クリエイティブ性能の評価
クリエイティブ性能は RAWデータ現像(JPEGファイル書き出し)と動画エンコードの処理時間で評価します。
評価にあたっては、上記の総合的なパフォーマンスで使用した機種の処理時間と比較します。
・dynabook RZ/HX
・ThinkPad E14 Gen 6
・Yoga 7 2-in-1 Gen 9
・HP Pavilion Aero 13-bg
※当サイトで計測した処理時間(パフォーマンスモードに相当した設定で計測)
RAWデータ現像
RAWデータ現像に使用したソフトウェアや条件、処理結果は以下のとおりです。
■使用ソフトウェア
Adobe Lightroom
Adobe Lightroom Classic
■条件等
・RAWデータ 50ファイルをJPEG形式で一括書き出し
・RAWデータサイズ 4,592×3,056(約14MB)
・プリセット等 編集は適用しない
・ほかのアプリは起動しない(常駐アプリは除く)
■処理結果
| Lightroom | |
|---|---|
| IdeaPad Pro 5i(適応パワー・モード) |
24秒4
|
| IdeaPad Pro 5i Gen 9(パフォーマンス) |
22秒9
|
| dynabook RZ |
23秒9
|
| ThinkPad E14 |
16秒4
|
| Yoga 7 2-in-1 |
18秒9
|
| Pavilion Aero 13 |
18秒6
|
| Lightroom Classic | |
| IdeaPad Pro 5i(適応パワー・モード) |
22秒3
|
| IdeaPad Pro 5i Gen 9(パフォーマンス) |
21秒7
|
| dynabook RZ |
27秒3
|
| ThinkPad E14 |
15秒9
|
| Yoga 7 2-in-1 |
16秒9
|
| Pavilion Aero 13 |
22秒3
|
動画エンコード
動画エンコードに使用したソフトウェアや条件、処理結果は以下のとおりです。
■使用ソフトウェア
CyberLink PowerDirector
■条件等
・AVCHD動画(1920×1080)を mp4 形式で出力(m2ts→mp4、720p、1280×720/30p 16Mbps)
・動画再生時間 10分間
・ほかのアプリは起動しない(常駐アプリは除く)
■処理結果
| PowerDirector | |
|---|---|
| IdeaPad Pro 5i(適応パワー・モード) |
1分12秒5
|
| IdeaPad Pro 5i Gen 9(パフォーマンス) |
1分15秒8
|
| dynabook RZ |
1分24秒2
|
| ThinkPad E14 |
1分15秒5
|
| Yoga 7 2-in-1 |
1分14秒2
|
| Pavilion Aero 13 |
1分7秒0
|
実際のソフトウェアを使ったクリエイティブ性能評価は良好です。
総合的なパフォーマンスの評価結果ほどではありませんでしたが、ソフトウェアの相性が影響している可能性が考えられます。
それでも処理性能としては十分な結果です。写真編集や動画編集にも十分パワフルなパフォーマンスで活用することができるでしょう。
駆動音・表面温度のチェック
駆動音のチェック
駆動音は、下記処理中の音量(デシベル)を測定し、評価します
・CPU ベンチマーク「CINEBENCH R23 /マルチ Core」実行中
・10分間動画のエンコード処理中
※一般住宅で周囲の音ができるだけ入らないようにして測定(室温:25℃)

音量計測イメージ
(使用測定器:Meterk SLM01)
■測定結果
| モード | アイドル状態 (最小音量) |
最大音量 下段はピーク時の音量推移 |
|
|---|---|---|---|
| ベンチマーク中 | 動画エンコード中 | ||
| 適応パワー・ モード |
33.8db | 46.1db (45~46db) |
46.1db (45~46db) |
| パフォーマンス | 33.9db | 48.7db (48db台) |
48.8db (48db台) |
■騒音の目安
| 騒音の大きさ | 騒音の具体例 |
|---|---|
| 60 デシベル | 走行中の自動車内 普通の会話 デパート店内 |
| 50 デシベル | 家庭用エアコンの室外機 静かな事務所の中 |
| 40 デシベル | 閑静な住宅地の昼 図書館内 |
| 30 デシベル | 深夜の郊外 鉛筆での執筆音 |
| 20 デシベル | 木の葉の触れ合う音 雪の降る音 |
参考:埼玉県深谷市ホームページ「騒音・振動の規制について」
アイドル時の駆動音は静かです。ほぼ無音といって良いでしょう。
高負荷な状態では「サーッ」という排気音が大きくなります。とくにパフォーマンスモードのときは音が大きく、うるさく感じるかもしれません。
なお、負荷低減後に排気音が静かになるまでの時間は 2分くらいです。(適応パワー・モード、パフォーマンスモードともに同じくらい)
※使用環境やパソコンの状態により変動します。
表面温度のチェック
表面温度については、下記を実施したときの表面温度を測定し評価します。
・アイドル状態で10分放置後
・Youtube 動画 30分間視聴後
・10分間動画のエンコード実行後
※単位:℃、測定時の室温:25℃
※電源モードを「バランス」に設定して実施
※写真の左がキーボード表面、右が底面側の計測結果
■アイドル状態で10分間放置

■Youtube 動画 30分間視聴後

■10分間動画エンコード実行後

高負荷な状態ではキーボード奥の中央寄りの表面温度が上昇し、少し温かさを感じます。ただ、パームレストは表面温度に大きな変化がないため、高負荷時のタイピングでも不快に感じることはありませんでした。
サウンド チェック
IdeaPad Pro 5i Gen 9 にはサウンドユーティリティソフト「Dolby Access」がインストールされています。

Dolby Access
「Dolby Access」は、コンテンツに合わせたプリセットが用意されているほかカスタム機能を使ってお好みのサウンドにチューニングすることもできます。
以下は、実際にサウンドを試聴した印象です。
※プリセット「ミュージック」で試聴
■スピーカー
・低音域から高音域まで広い音域をカバーし高音質
・音声もはっきり明瞭に聴き取れる
・音量最大でも音割れしない
■ヘッドホン
・スピーカー同様に高音質
また、ノイズキャンセル機能は、Lenovo Vantage に組み込まれています。

Lenovo Vantage ノイズキャンセル機能
プライベートモードや複数会話モードなど、オンライン会議のスタイルに合わせた柔軟な設定が可能です。
Windows の起動・再起動・シャットダウン時間計測
Windows の起動、再起動、シャットダウン時間を それぞれ 5回ずつ計測しました。
| 回 | 起動 | 再起動 | シャットダウン |
|---|---|---|---|
| 1回目 | 11.6秒 | 29.0秒 | 9.9秒 |
| 2回目 | 12.1秒 | 28.9秒 | 10.1秒 |
| 3回目 | 12.0秒 | 29.2秒 | 9.9秒 |
| 4回目 | 12.2秒 | 28.7秒 | 9.4秒 |
| 5回目 | 12.1秒 | 28.1秒 | 9.4秒 |
| 平均 | 12.0秒 | 28.8秒 | 9.7秒 |
実際の使用にあたってはインストールしているアプリや Windows の更新など使用状況により時間は変動するので参考値としてください。
同梱品
IdeaPad Pro 5i Gen 9 の本体ほか同梱品一式です。

同梱品リスト
・IdeaPad Pro 5i Gen 9 本体
・電源アダプター
・電源コード
・ドキュメント類
まとめ
以上、IdeaPad Pro 5i Gen 9 のレビュー記事をお届けしました。
IdeaPad Pro 5i Gen 9 のベンチマークのスコアは非常に高く、その性能レベルの高さには目を見張るものがあります。さまざまなシーンで非常にパワフルなパフォーマンスを発揮できるでしょう。
ただ、デザイン面では本体カラーが ほぼグレーのため、少し地味な印象を受けました。
とはいえ、処理性能の高さで群を抜いていることに違いはありません。性能重視の 14型ノートを検討しているなら、ぜひチェックしておきたいモデルです。
高評価のポイント
- 処理性能がとても優秀でパワフル
- 長時間駆動できるバッテリー
- 高音質スピーカー
- 価格以上に高性能で高コスパ
気をつけておきたい点
- 本体カラーは地味なイメージ
詳しいスペックや価格など最新情報はレノボ直販サイト「レノボショッピング」をご確認ください。

IdeaPad Pro 5i Gen 9
(14型 Intel)
税込 12万円台から
関連リンク
そのほかの取り扱い公式ショップは以下のリンクからご確認ください。


