レノボ IdeaPad Slim 170 14型 (AMD) レビュー:性能&価格がお手頃なふだん使いに適した 14型ノートPC

 

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貸出機材提供:レノボ・ジャパン合同会社

正面斜め

レノボ IdeaPad Slim 170 14型 (AMD) [以下、IdeaPad Slim 170 と記載]は、AMD Ryzen 5 7520U プロセッサーを搭載した 14型ノートPCです。

AMD Ryzen 7000 シリーズを搭載しているとはいえ、AMD Ryzen 5 7520U の性能レベルはそれほど高くはなく、ベンチマークによる性能評価もそこそこです。

ややプラスチック感の残る筐体や液晶ディスプレイにTNパネルを採用しているなどコストが抑えられていますが、そのぶん安価に入手することが可能。ふだん使いとしてなら十分活用できるモデルといえるでしょう。

■IdeaPad Slim 170 14型 (AMD) の特徴

  • AMD Ryzen 5 7520U プロセッサーを搭載
  • クラウドグレーとサンドの2色のカラーがラインナップ
  • プライバシーシャッター搭載
  • Wi-Fi 6 対応 (IEEE802.11ax/ac/a/b/g/n 準拠) のワイヤレスLAN
  • Dolby Audio対応のオーディオ機能とステレオスピーカー(1.5W×2)

レビューではメーカーからお借りした実機を試用して、前半で外観デザイン/ディスプレイ/キーボードなどをチェック、後半では各種ベンチマークを使った性能評価を行います。

天面斜め上

レビューは 2023年6月7日時点の内容です。

 

スペック構成

IdeaPad Slim 170 14型 (AMD) のおもなスペック構成は以下のとおり。

本体カラー ■クラウドグレー
■サンド
OS Windows 11 Home 64bit
CPU ■AMD Ryzen 3 7320U プロセッサー
■AMD Ryzen 5 7520U プロセッサー
メモリ 8GB (オンボード) LPDDR5
ストレージ ■256GB (PCIe NVMe/M.2)
■512GB (PCIe NVMe/M.2)
ディスプレイ ■14.0 型 FHD TN 液晶 (1920×1080ドット、約 1,677 万色)、光沢なし
■14.0 型 FHD IPS 液晶 (1920×1080ドット、約 1,677 万色)、光沢なし
グラフィックス AMD Radeon 610M グラフィックス (CPUに内蔵)
LAN なし
ワイヤレス Wi-Fi 6 対応 (IEEE802.11ax/ac/a/b/g/n 準拠)、Bluetooth v5.1
カメラ、マイク HD 720p カメラ (プライバシーシャッター付き)、デジタルアレイ マイクロホン
指紋センサー なし
バッテリー駆動時間 約 12.0 時間 (JEITA測定法Ver2.0)
本体サイズ(W×D×H) 約 325.3×x216.5×17.9 mm
本体質量 約 1.38kg

 

ラインナップしているモデルのスペック詳細、価格など最新情報はレノボ直販サイト「レノボショッピング」をご確認ください。

真正面

IdeaPad Slim 170 14型 (AMD)
税込 4万円台から

関連リンク

 

そのほかの取り扱いショップは以下のリンクから検索してください。

 

 

外観チェック

スタイリッシュなデザイン

IdeaPad Slim 170 はスタイリッシュなデザインです。

正面側 右側

背面側 右側

本体のカラーはクラウドグレー。シルバーに近いカラーでスタイリッシュさと落ち着いた雰囲気を兼ね備えた色合いです。

天面真上

天面斜め(その1)

天面はツルツルした感触で指紋や皮脂の跡は目立ちません。

筐体の素材は樹脂製(プラスチック製)。ややプラスチック感はあるものの、仕上がりは良好でチープな印象はありません。

天面斜め(半開き)

天面斜め(ロゴ)
シンプルデザインの天面は Lenovo ロゴがアクセント

筐体の厚みは意外になくスリムです。バッグへの出し入れもスムーズにできそうです。

スリムボディ(その1)

スリムボディ(その2)
本体はスリム

 

底面側もシンプルデザイン。

底面真上

底面(斜め)

プラスチック感が少し強く残る印象ですが、堅牢性にすぐれたユニボディの構造です。

ゴム足は前面側左右2箇所と背面側左右にまたがる1箇所、合計3箇所に実装されています。本体の安定感は良好です。

ゴム足
背面側のゴム足は左右両端にまたがり高さが 5mmくらいある

排気口はヒンジのあいだに実装されています。

排気口
排気口(ヒンジのあいだ)

ちなみに、背面側のゴム足は排気口から排熱された空気が再び吸気口に入り込むことを遮断する役割も兼ねています。これにより本体内部を効果的に冷却できるメリットがあります。

吸気口と排気口
吸気口と排気口(排気口はヒンジのあいだ)

必要十分なインターフェース

IdeaPad Slim 170 は必要十分なインターフェースを実装しています。

インターフェース(左側面)

左側面

①電源ジャック

②USB 3.2 Gen1

③HDMI

④USB 3.2 Gen1 Type-C

⑤マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック

インターフェース(右側面)

右側面

⑥4-in-1メディアカードリーダー

⑦USB 2.0

以下、インターフェースについての補足です。

USB Type-C コネクタはデータ転送機能のみで映像出力や PD充電器には対応していません。

また、メディアカードリーダーは抜き差し方式です。カードをシッカリ挿し込んだ状態でも意外に出っ張りますが、そのぶんカードは取り出しやすいです。

SDカードスロット
SDカードをシッカリ挿し込んだ状態

スピーカーは底面の前面側左右に搭載

スピーカーは底面の前面側左右に搭載されています。

スピーカー

スピーカー(拡大)

低音域から高音域まで広い音域を再現しており意外に高音質。音声も明瞭に聴こえます。

プライバシーシャッターでカメラを遮断できる

カメラには「プライバシーシャッター」が付いています。

カメラシャッター
上の画像:シャッターを開いてカメラ有効
下の画像:シャッターを閉じてカメラを遮断

シャッターはスライド式(手動)ですがスムーズなスライドが可能。オンライン会議などで こちらの光景を見られたくないときもスムーズに操作できます(スライドスイッチはカメラの上側にある)。

持ち歩きもできるサイズ感と重量感

本体の大きさのイメージです。本体の上に A4コピー用紙と B5版ノートを載せています。

本体の大きさイメージ
本体のサイズ感

本体のサイズ感は、奥行きが A4 縦とほぼ同じ、幅は A4 横より少し大きい程度でそこそこコンパクトです。

本体を閉じたときの高さのイメージです。

本体の高さ
本体の高さを CD ケース(通常サイズ)2枚と比較
(通常サイズの CDケースの厚さは 10mm)

ゴム足を含めた本体の高さは実測で 18~21(最厚部)mm。CDケース 2枚程度でスリムです。

本体や電源アダプターなどの重量の実測は以下のとおり。

本体の重さ
・本体:1,374g
・電源アダプター:232g
・電源コード:105g

本体は 14インチサイズとしては意外に軽量。部屋間の移動はもちろんのこと持ち歩きも十分可能な重量感です。

本体の重量感
本体はそこそこ軽量

電源アダプターは最大出力が 65W。その大きさは手のひらに収まるくらいのサイズです。

電源アダプターの大きさ比較

電源アダプターの大きさ

 

ディスプレイのチェック

一般的な用途には十分な液晶ディスプレイ

レビュー機の液晶パネルは Lenovo製[型番:LEN9021 LEN140FHD]。

映像の描画(気球)
画像の表示例

文字の描画
テキストの表示例

トーンカーブは大きくうねった形状です。

トーンカーブ
トーンカーブ
(キャリブレーションツール「i1Display Pro」で計測)

輝度の計測結果はディスプレイの明るさ設定 100 のとき「239 nit」。

 

色域の計測結果は以下のとおり。

色域
色域
(色度図作成ソフト「ColorAC」にて作成)

規格 カバー率
sRGB 64.4% 64.9%
Adobe RGB 48.1% 48.1%

色域は広くありません。

液晶パネルは、ネット検索や動画鑑賞、オフィスソフトなど一般的な用途には十分な性能レベルです。

 

狭額縁ベゼル

ベゼルは狭額縁です。

左右のベゼルは狭額縁

上部ベゼルはカメラユニットを搭載しているためか少し太さはありますが、全体的に画面周りはスッキリしています。

 

映り込みは気にならない

ディスプレイの映り込み具合をチェックします。

画面映り込み(その1)

画面映り込み(その2)

レビュー機は非光沢液晶です。映り込みが気になることはほとんどなく眼への負担も軽減できます。

視野角は狭い

視野角をチェックします。

正面
正面

右側 ディスプレイ面から45度の角度
右側 ディスプレイ面から45度の角度

上側 ディスプレイ面から45度の角度
上側 ディスプレイ面から45度の角度

水平方向は ある程度斜めからでも映像確認することができますが映像が白っぽく見えます。また、垂直方向は少し斜めから見るだけで映像の白っぽさが強くなります。

視野角は狭いですが、真正面から見るぶんには問題はありません。

ディスプレイを開く角度は十分な範囲をカバー

天面を開くことのできる最大角度は約 166度。

ディスプレイの最大角度

フラットに近い角度まで開くことができますが、視野角は狭いので、打ち合わせなどでの画面共有に活用できるかは疑問が残ります。あくまでも自身がパソコンを操作しやすい角度に調整できる範囲が広いと考えた方が良さそうです。

 

キーボード&タッチパッドのチェック

タイピングしやすいキーボード

IdeaPad Slim 170 のキーボードレイアウトは標準的です。

キーボードレイアウト(クリックで拡大表示できます)

キーピッチは実測で 約19mm(仕様は非公開)。フルサイズキーボードと同等のキーピッチで、窮屈な感じはありません。

キーボードに両手を置いたときのイメージ

ただ、[¥]や[Back space]キーの横サイズが小さく隣接している点は慣れが必要かもしれません。

キートップの形状はフラット。感触はサラサラしています。

キートップ

キーストロークは浅めです。

キーストローク
タイプ音は「タクタク」という音。音の大きさは静か

(感覚的に)ノートPC の平均的なストローク幅 1.5mm より浅いですが、キーの押し込む強さやキーを押し込んだ後の反発もちょうど良い感じです。

なお、キーボードバックライトは非搭載です。

質感の良いパームレスト

パームレストはツルツルした感触で質感も良好です。

パームレスト

指紋や皮脂の跡も目立ちません。

なめらかスベリのタッチパッド

タッチパッドの感触はツルツルしています。パームレストよりはサラサラ感はあるものの、なめらかなスベリで指2本あるいは3本を使ってのジェスチャー操作もスムーズです。

タッチパッドのサイズ感
タッチパッドのサイズ感

ちょうど良いサイズ感で扱いやすさも良好です。

 

ベンチマークによる性能評価

ベンチマークでは、レビュー機の CPU・グラフィック・ストレージ性能のほかバッテリー性能や総合的なパフォーマンスを評価します。

レビュー機の基本スペック

CPU AMD Ryzen 5 7520U プロセッサー
メモリ 8GB (オンボード) LPDDR5
ストレージ 256GB SSD (PCIe NVMe/M.2)
グラフィックス AMD Radeon 610M グラフィックス

評価に使用したベンチマークは以下のとおり。

評価項目 使用するベンチマーク
CPU性能 CINEBENCH R20[CPUのレンダリング性能評価]
CPU Mark (PassMark PerformanceTest)[CPU性能の総合評価]
グラフィック性能 3DMark FireStrike
ドラゴンクエストX[軽量級のゲーム]
ストレージ性能 CrystalDiskMark
総合的なパフォーマンス PCMark 10
バッテリー BatteryInfoView(バッテリー残量測定用)

なお、ベンチマークは、付属ソフトウェア Lenovo Vantage の電源およびパフォーマンス[スマート・パワー]を「エクストリーム・パフォーマンス」と「インテリジェント・クーリング」2つのモードに設定して実施しています。

※コントロールパネル[電源オプション]の電源プランや、Windows 標準設定の[電源とバッテリー]の電源モードは、いずれも「バランス」に設定して実施。

Lenovo Vantage スマート・パワー
Lenovo Vantage の電源およびパフォーマンス

「エクストリーム・パフォーマンス」と「インテリジェント・クーリング」の項目説明は以下のとおり。

モード 説明
エクストリーム・パフォーマンス システム・パフォーマンスを最大化できるモード。ファンの回転速度が速いときに大きな騒音が発生する可能性がある。
インテリジェント・クーリング ファン速度とシステム・パフォーマンスのバランスが取れた状態で最高のエクスペリエンスを実現できるモード。ゲーム中はパフォーマンスが最大化され、オフィス作業は騒音が軽減される。
バッテリー省電力 ディスプレイの明るさや電源設定を変更し高度な画像処理機能の無効化などにより消費電力をおさえ、バッテリー駆動時間を延ばすモード。

 

CPU性能

CPU性能は CINEBENCH R20 と CPU Mark(PassMark PerformanceTest) のベンチマークスコアで評価します。

評価にあたっては、性能レベルを把握するため下記 CPU のスコアと比較します。

・AMD Ryzen 7 5825U プロセッサー

・AMD Ryzen 5 5625U プロセッサー

・AMD Ryzen 7 5800U プロセッサー

・AMD Ryzen 5 5600U プロセッサー

・AMD Ryzen 3 5400U プロセッサー

・インテル Core i7-1260P プロセッサー

・インテル Core i5-1240P プロセッサー

・インテル Core i7-1255U プロセッサー

・インテル Core i5-1235U プロセッサー

※当サイトで計測したスコアの平均値

■CINEBENCH R20[CPUのレンダリング性能評価]

CPU
Ryzen 7 5825U
4078 pts
Core i7-1260P
3627 pts
Ryzen 7 5800U
3535 pts
Core i5-1240P
3412 pts
Ryzen 5 5600U
2999 pts
Ryzen 5 5625U
2974 pts
Core i5-1235U
2760 pts
Core i7-1255U
2340 pts
Ryzen 3 5400U
2230 pts
Ryzen 5 7520U(レビュー機/エクストリームパフォーマンス)
1699 pts
Ryzen 5 7520U(レビュー機/インテリジェントクーリング)
1634 pts

■CPU Mark (PassMark PerformanceTest)[CPU性能の総合評価]

CPU Mark
Ryzen 7 5825U
20320
Core i7-1260P
19117
Ryzen 7 5800U
18835
Core i5-1240P
17932
Ryzen 5 5600U
16487
Ryzen 5 5625U
16291
Core i5-1235U
14100
Core i7-1255U
13869
Ryzen 3 5400U
11525
Ryzen 5 7520U(レビュー機/エクストリームパフォーマンス)
9203
Ryzen 5 7520U(レビュー機/インテリジェントクーリング)
9027

レビュー機に搭載されている Ryzen 5 7520U の性能は、旧世代の Ryzen 3 5400U よりも低いレベルです。

Ryzen 7000 シリーズとは言っても、同シリーズにラインナップしている ほかのプロセッサーほどの性能レベルではないため、過度な期待はしないほうが良さそうです。

とはいえ、ふだん使いとしてなら十分な性能を保有しており、一般的な使いかた(ネット検索・メール・動画鑑賞・オフィスソフトなど)なら十分にこなせるでしょう。

 

グラフィック性能

グラフィック性能はゲーム系のベンチマークで性能評価を行います。

評価にあたっては、グラフィックス性能レベルを把握するため当サイトでレビューした下記グラフィックスのスコアと比較します。

・AMD Radeon グラフィックス(Ryzen 7 5825U搭載機)

・AMD Radeon グラフィックス(Ryzen 5 5625U搭載機)

・AMD Radeon グラフィックス(Ryzen 7 5800U搭載機)

・AMD Radeon グラフィックス(Ryzen 5 5600U搭載機)

・AMD Radeon グラフィックス(Ryzen 3 5400U搭載機)

・インテル Iris Xe グラフィックス(Core i7-1260P搭載機)

・インテル Iris Xe グラフィックス(Core i5-1240P搭載機)

・インテル Iris Xe グラフィックス(Core i7-1255U搭載機)

・インテル Iris Xe グラフィックス(Core i5-1235U搭載機)

※当サイトで計測したスコアの平均値

3DMark FireStrike

3DMark FireStrike のベンチマーク結果です。

Fire Strike は DirectX 11 を使用したハイパフォーマンスゲーミングPC向けのグラフィックス性能テストです。

3DMark Fire Strike
インテル Iris Xe(Core i7-1260P)
4769
インテル Iris Xe(Core i5-1240P)
4134
インテル Iris Xe(Core i7-1255U)
3678
インテル Iris Xe(Core i5-1235U)
3610
AMD Radeon(Ryzen 7 5800U)
3491
AMD Radeon(Ryzen 7 5825U)
3425
AMD Radeon(Ryzen 5 5625U)
2995
AMD Radeon(Ryzen 5 5600U)
2971
AMD Radeon(Ryzen 3 5400U)
1933
AMD Radeon 610M(レビュー機/エクストリームパフォーマンス)
1527
AMD Radeon 610M(レビュー機/インテリジェントクーリング)
1524

ドラゴンクエストX[軽量級のゲーム]

ドラゴンクエストX のベンチマーク結果です。

ドラゴンクエストX
AMD Radeon(Ryzen 7 5800U)
10644
AMD Radeon(Ryzen 7 5825U)
10526
AMD Radeon(Ryzen 5 5600U)
9998
AMD Radeon(Ryzen 5 5625U)
9531
インテル Iris Xe(Core i7-1260P)
9444
インテル Iris Xe(Core i7-1255U)
8647
インテル Iris Xe(Core i5-1240P)
6792
インテル Iris Xe(Core i5-1235U)
6540
AMD Radeon(Ryzen 3 5400U)
5812
AMD Radeon 610M(レビュー機/エクストリームパフォーマンス)
4052
AMD Radeon 610M(レビュー機/インテリジェントクーリング)
2516

※最高品質/解像度 1920×1080 で実施

 

グラフィックス性能も それほど高くはありません。

Ryzen 3 5400U 内蔵グラフィックスより少し低く、こちらも一般的な使いかた(ネット・メール・オフィスソフト・動画閲覧など)なら十分に使える程度の性能レベルです。

 

ストレージ性能

レビュー機のストレージは NVMe/PCIe3.0対応の SSD(容量 256GB) を搭載しています。

ストレージ性能は、CrystalDiskMark を使用しデータ転送速度を計測・評価します。

データ転送速度
データ転送速度

※インテリジェント・クーリングで計測した結果。エクストリーム・パフォーマンスでの計測結果も同等です。

測定結果は良好です。

参考までに SSD は大容量になるほどデータ転送速度が速くなる傾向があります。目安として 512GB以上で速度の違いが顕著になってきます。

 

総合的なパフォーマンス

PCMark 10 で実際の使用を想定した性能評価を行います。

評価にあたっては、性能レベルの程度を把握するため当サイトでレビューした下記機種のスコアと比較します。

・IdeaPad Slim 570

・HP 14s-fq

・IdeaPad Slim 370i

※当サイトで計測したスコア

おもなスペックは以下のとおり。

スペック IdeaPad Slim 170
(レビュー機)
IdeaPad Slim 570 HP 14s-fq IdeaPad Slim 370i
CPU AMD Ryzen 5 7520U AMD Ryzen 5 5625U AMD Ryzen 5 5500U インテル Core i5-1235U
メモリ 8GBメモリ 8GBメモリ 8GBメモリ 8GBメモリ
ストレージ 256GB SSD (NVMe) 256GB SSD (NVMe) 256GB SSD (NVMe) 256GB SSD (NVMe)
グラフィックス AMD Radeon 610M AMD Radeon AMD Radeon Intel UHD

 

ベンチマーク結果は以下のとおり。

Essentials
IdeaPad Slim 170(バランス)
7055
IdeaPad Slim 170(最適なパフォーマンス)
7202
IdeaPad Slim 570
9222
HP 14s-fq
7935
IdeaPad Slim 370i
8647
目標値
4100
Productivity
IdeaPad Slim 170(バランス)
6946
IdeaPad Slim 170(最適なパフォーマンス)
6936
IdeaPad Slim 570
9333
HP 14s-fq
7043
IdeaPad Slim 370i
6313
目標値
4500
Digital Contents Creation
IdeaPad Slim 170(バランス)
3430
IdeaPad Slim 170(最適なパフォーマンス)
3504
IdeaPad Slim 570
5730
HP 14s-fq
5137
IdeaPad Slim 370i
5258
目標値
3450

※テスト項目説明

・Essentials(普段の作業を想定した基本的なテスト)

・Productivity(ビジネスソフトの使用を想定したテスト)

・Digital Contents Creation(写真・動画編集を想定したテスト)

※目標値はベンチマークソフト開発メーカーの推奨スコア

 

実際の使用を想定した検証結果でも AMD Ryzen 5 7520U プロセッサーへの過度な期待は禁物ということがわかります。

ただし、ふだん使いやビジネスソフトの使用などには十分活用できる性能レベルです。価格的に安価であればふだん使いに十分活用できて高コスパであることに違いはありません。

関連記事

 

バッテリー

バッテリー性能については、レビュー機のバッテリー駆動時間と充電時間を計測・評価します。

■駆動時間の測定条件

・無線LANでインターネットに接続

・YouTubeを全画面で連続再生

・画面の明るさ:最大レベル

・音量:最大レベル

■充電時間の測定条件

・測定開始はバッテリー残量がほぼゼロの状態

・電源アダプターを接続し Windows を起動

・スクリーンセーバー(ラインアート)でパソコンはアイドル状態

※スクリーンタイムアウトや PCスリープは設定しない。

 

バッテリーの駆動時間と充電時間の測定結果は以下のとおり。

バッテリー駆動時間 4時間 22分
バッテリー充電時間
(50%までの充電時間)
28分
バッテリー充電時間
(80%までの充電時間)
48分
バッテリー充電時間
(100%までの充電時間)
1時間 45分

バッテリーを多く消費する条件とはいえ、駆動時間がスペックで公開されている 12時間の 36%程度とかなり短く物足りなさを感じます。

バッテリー駆動で使用するときは画面の明るさを調整するなどバッテリー消費を抑えるような使いかたをしたほうがよいでしょう。

また、充電については 付属ソフトウェア Lenovo Vantage で急速充電設定が可能です。

Lenovo Vantage 急速充電設定
電源モードの設定

検証では急速充電「有効」で実施しており、結果のとおり かなりの短時間で充電が可能です。

実際の使用にあたっては、環境や使い方などによりバッテリーの駆動時間は変動するため参考値としてください。

 

クリエイティブ性能の評価

クリエイティブ性能は RAWデータ現像(JPEGファイル書き出し)と動画エンコードの処理時間で評価します。

評価にあたっては、上記の総合的なパフォーマンスで使用した機種の処理時間と比較します。

・IdeaPad Slim 570

・HP 14s-fq

・IdeaPad Slim 370i

※当サイトで計測した処理時間

RAWデータ現像

RAWデータ現像に使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。

■使用ソフトウェア
CyberLink PhotoDirector
Adobe Photoshop Lightroom
Adobe Photoshop Lightroom Classic

■条件等

・RAWデータ 50ファイルをJPEG形式で一括書き出し

・RAWデータサイズ 4,592×3,056(約14MB)

・プリセット等 編集は適用しない

・ほかのアプリは起動しない(常駐アプリは除く)

PhotoDirector
IdeaPad Slim 170(バランス)
1分30秒2
IdeaPad Slim 170(最適なパフォーマンス)
1分27秒0
IdeaPad Slim 570
55秒0
HP 14s-fq
1分6秒1
IdeaPad Slim 370i
59秒1
Photoshop Lightroom
IdeaPad Slim 170(バランス)
53秒3
IdeaPad Slim 170(最適なパフォーマンス)
52秒0
IdeaPad Slim 570
33秒5
HP 14s-fq
46秒4
IdeaPad Slim 370i
45秒6
Lightroom Classic
IdeaPad Slim 170(バランス)
58秒8
IdeaPad Slim 170(最適なパフォーマンス)
57秒5
IdeaPad Slim 570
35秒9
HP 14s-fq
51秒8
IdeaPad Slim 370i
50秒4

 

動画エンコード

動画エンコードに使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。

■使用ソフトウェア
CyberLink PowerDirector

■条件等

・AVCHD動画(1920×1080)を mp4 形式で出力(m2ts→mp4、720p、1280×720/30p 16Mbps)

・動画再生時間 10分間

・ほかのアプリは起動しない(常駐アプリは除く)

PowerDirector
IdeaPad Slim 170(バランス)
3分1秒4
IdeaPad Slim 170(最適なパフォーマンス)
2分50秒5
IdeaPad Slim 570
2分13秒8
HP 14s-fq
2分12秒3
IdeaPad Slim 370i
2分40秒6

 

実際のソフトウェアを使った検証でもレビュー機のクリエイティブ性能はそれなりです。

写真・動画編集に使えないわけではありませんが、それなりに処理時間がかかることは留意してください。

 

駆動音・表面温度のチェック

駆動音のチェック

駆動音は、下記処理中の音量(デシベル)を測定し、評価します

・CPU ベンチマーク「CINEBENCH R20 /マルチ Core」実行中

・10分間動画のエンコード処理中

※一般住宅で周囲の音ができるだけ入らないようにして測定(室温:25℃)

騒音測定イメージ
音量計測イメージ
(使用測定器:Meterk SLM01)

■測定結果

モード アイドル状態
(最小音量)
最大音量
下段はピーク時の音量推移
ベンチマーク中 動画エンコード中
インテリジェント・
クーリング
33.5db 38.3db
(37~38db)
40.4db
(39~40db)
エクストリーム・
パフォーマンス
33.8db 40.7db
(40db前後)
42.6db
(40~42db)

■騒音の目安

騒音の大きさ 騒音の具体例
60 デシベル 走行中の自動車内
普通の会話
デパート店内
50 デシベル 家庭用エアコンの室外機
静かな事務所の中
40 デシベル 閑静な住宅地の昼
図書館内
30 デシベル 深夜の郊外
鉛筆での執筆音
20 デシベル 木の葉の触れ合う音
雪の降る音

参考:埼玉県深谷市ホームページ「騒音・振動の規制について」

 

平常時は無音状態で静かです。

高負荷な状態では「サーッ」という排気音が大きくなります。個人差はありますが うるさく感じるかもしれません。

負荷低減後は、(状況にもよりますが)30秒から60秒程度で排気音は静かになり平常時の状態に戻ります。

 

表面温度のチェック

表面温度については、下記を実施したときの表面温度を測定し評価します。

・アイドル状態で10分放置後

・Youtube 動画 30分間視聴後

・10分間動画のエンコード実行後

※単位:℃、測定時の室温:25℃

※Lenovo Vantage の電源およびパフォーマンスを「インテリジェント・クーリング」に設定して実施

※写真の左がキーボード表面、右が底面側の計測結果

■アイドル状態で10分間放置

アイドル状態で10分放置の表面温度

■Youtube 動画 30分間視聴後

Youtube 動画 30分間視聴後の表面温度

■10分間動画エンコード実行後

10分間動画エンコード実行後の表面温度

高負荷な状態になるとキーボード奥 中央寄りの表面温度が上昇し多少温かさを感じますがタイピングに影響はありません。また、パームレストは本体内部の熱の影響が少なく、高負荷な状態でタイピングしても不快に感じることはないでしょう。

 

サウンド チェック

IdeaPad Slim 170 にはサウンドユーティリティソフト「ドルビーオーディオ」がプリインストールされています。

サウンドユーティリティソフト

ドルビーオーディオでは、スピーカーから出力されるサウンドのコンテンツに合わせたプリセットでお好みの音質に変更することができます。

以下は、実際にサウンドを試聴した印象です。

※プリセット「ミュージック」で試聴

■スピーカー
低音域から高音域まで再現しており意外に高音質。音声も明瞭に聞き取れる。
ただし、タイピング中はスピーカーをふさぐ形になるため音がこもる。

■ヘッドホン
低音域から高音域までさらに増幅、周囲の音が聞こえいないぶんクリアになって高音質なサウンドを楽しめる。

 

Windows の起動・再起動・シャットダウン時間計測

Windows の起動、再起動、シャットダウン時間を それぞれ 5回ずつ計測しました。

※起動、再起動はサインイン画面表示まで、シャットダウンは電源オフまでの時間を計測。

起動 再起動 シャットダウン
1回目 10.2秒 26.2秒 10.9秒
2回目 9.6秒 30.3秒 10.9秒
3回目 9.7秒 25.1秒 11.0秒
4回目 9.5秒 29.1秒 11.0秒
5回目 9.5秒 29.2秒 10.9秒
平均 9.7秒 28.0秒 10.9秒

体感的にも早く、処理待ちのストレスを感じることはないでしょう。

なお、実際の使用にあたってはインストールしているアプリや Windows の更新など使用状況により時間は変動するので参考値としてください。

 

同梱品

IdeaPad Slim 170 の本体ほか付属品一式です。

同梱品一式
同梱品
・IdeaPad Slim 170 本体
・電源アダプター
・電源コード
・ドキュメント類

 

まとめ

以上、IdeaPad Slim 170 14型 (AMD) のレビュー記事をお届けしました。

IdeaPad Slim 170 の性能は、ふだん使いレベルです。

AMD Ryzen 7000 シリーズを搭載しているとはいえ AMD Ryzen 5 7520U の性能レベルはそれほど高くはなく、過度な期待は禁物です。ディスプレイに TN パネルを採用している点も留意しておきたいところ。

しかしながら、ふだん使いとしてならちょうど良い性能レベルで価格的にも安価です。性能・価格ともにお手頃な ふだん使いに適したデバイスといえるのではないでしょうか。

 

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真正面

IdeaPad Slim 170 14型 (AMD)
税込 4万円台から

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