日本HP『HP ProBook 470 G5 Notebook PC』の実機レビュー 後編です。
後編は各種ベンチマークによる性能レビューです。
(後編) ベンチマーク サウンド チェック Windows の起動・再起動・シャットダウン時間計測 搭載ソフトウェア 付属品 まとめ |
レビュー内容については 2018年6月22日時点のものです。
レビュー機のスペック構成については「スペックについて」の章をご覧ください。
ベンチマーク
『HP ProBook 470 G5 Notebook PC』の基本性能や総合的なパフォーマンスのほか、CPU、グラフィック、ストレージ、バッテリーの性能を測定します。
基本性能
Windowsに搭載されているシステム評価ツール「WinSATコマンド」と、パソコンの各性能レベルを客観的に評価する「PASS MARK PerformanceTest 9.0」を使用して、パソコンの基本性能を測定します。
WinSAT
「WinSAT」による測定は、PCの性能を相対的に数値化して表現したもので、各項目の説明は次のとおりです。
CPUScore | CPU のスコア |
D3DScore | ゲーム用グラフィックスのスコア ただし、従来のゲーム用グラフィックスのスコアのため Windows 10では計測対象外(9.9というスコアは無視) |
DiskScore | プライマリハードディスクのスコア |
GraphicsScore | グラフィックスのスコア |
MemoryScore | メモリのスコア |
TimeTaken | 前回の評価(「MostRecentAssessment」は直近の評価を表します) |
WinSATAssessmentState | 評価の状態を表す値(1:評価済み、2:要再評価) |
WinSPRLevel | 基本スコア(SPR:System Performance Rating) |
PASS MARK PerformanceTest 9.0
「PASS MARK PerformanceTest 9.0」で計測されたスコアは、全世界のパソコンがアップロードしたスコアと比較、Percentile(パーセンタイル)の数値から自分のパソコンの性能レベルを客観的に把握することができます。
上記の測定結果を例にすると、トータル性能を示す「PassMark Rating」のスコア「2264.0」のパーセンタイルは「54th Percentile」で、計測を行った他のパソコン 54% よりも上位のスコアという意味です。
別な言い方をすると、「PASS MARK PerformanceTest 9.0」で計測しスコアをアップロードした全世界のパソコンのなかで、上位のスコアから 46%(100% - 54%)に位置するスコアということです。
ゲーミングPC やクリエイティブな作業に使うPC など、さまざまなジャンルのパソコンのなかでもスコアランクは中程度のクラスにあたり、レビュー機の『HP ProBook 470 G5 Notebook PC』の基本性能はまずまずのレベルといえるでしょう。
CPU性能
「CINEBENCH」を使って、CPU性能を測定します。
レビュー機『HP ProBook 470 G5 Notebook PC』の CPU には「インテル Core i5-8250U プロセッサー」が搭載されています。
前世代(第7世代)のインテル Core i5-7200U プロセッサーの CPU スコアは 320cb くらいであるのに対し、レビュー機に搭載された CPU のスコアは 569cb。
ベンチマークのスコアを見る限りでは、およそ 78% 性能がアップしていることが分かります。
グラフィック性能
グラフィック性能は以下のゲーム系ベンチマークソフトを使って測定します。
■3DMark
■ドラゴンクエストX
■ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド
■ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター
3DMark
3DMark は、「ICE STORM」「CLOUD GATE」「SKY DIVER」「FIRE STRIKE」「TIME SPY」、各シーンについてグラフィック性能を測定します。
結果は以下のとおり。
測定前に流されるデモ映像を見たイメージとしては、次のような印象でした。
Ice Strom | なめらか描画 |
Cloud Gate | なめらか描画 |
Sky Diver | なめらか描画 |
Fire Strike | カクついた描画 |
Time Spy | カクカクした描画 |
ドラゴンクエストX
ドラゴンクエストX では、HD解像度(1280×720) の標準品質と最高品質で測定します。
結果は以下のとおり。
標準品質、解像度 1280×720
最高品質、解像度 1280×720
ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド
ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルドでは、HD解像度(1280×720) / DirectX 11 の 高品質(ノートPC) と最高品質 で測定します。
結果は以下のとおり。
高品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
最高品質、解像度 1280×720、DirectX 11
ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター
ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーターでも、HD解像度(1280×720) / DirectX 11 の 標準品質(ノートPC) と高品質(ノートPC) で測定します。
結果は以下のとおり。
高品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
最高品質、解像度 1280×720、DirectX 11
上記、4つのベンチマークソフトを使ったグラフィック性能の測定結果をみると、『HP ProBook 470 G5 Notebook PC』のグラフィック性能は、NVIDIA GeForce 930MX の搭載効果により、ビジネスノートとして高い性能レベルです。
ビジネスに必要なビデオチャットやテレビ会議、動画視聴はもちろんのこと、3Dレンダリングのような高度なグラフィック処理も快適に使える性能を備えています。
ストレージ
ストレージのベンチマークです。
ストレージは WESTERN DIGITAL製の HDD で、容量は 500GB、、回転数は 7200rpm です。
ストレージ情報
ドライブ構成は次のようになります。
ストレージのデータ転送速度です。
データ転送速度
SSD にくらべデータ転送速度は遅いものの、HDD が搭載されているノートPC の多くは回転数が 5400rpm なので、それらにくらべればアクセス速度は体感的にも早い印象です。
総合的なパフォーマンス
「PCMark 8」および「PCMark 10」を使用して、PCのアプリケーション実行における総合的なパフォーマンスを測定します。
PCMark 8(Home Test)
家庭での利用を想定したテストです。
(テスト結果はクリックで拡大表示できます)
PCMark 8(Creative Test)
クリエイティブな利用を想定したテストです。
(テスト結果はクリックで拡大表示できます)
PCMark 10 Extended
PCMark 10 Extended は、以下の 4つのジャンルのテストを実施します。
(テスト結果はクリックで拡大表示できます)
■Essentials(普段の作業を想定した基本的なテスト)
■Productivity(ビジネスソフトの使用を想定したテスト)
■Digital Contents Creation(写真・動画編集を想定したテスト)
■Gaming(ゲーミングソフトの使用を想定したテスト)
総合的なパフォーマンスは、ビジネスノートとして快適なパフォーマンスが期待できるスコアです。
実際に使ってみた印象としても、SSD になれたユーザーにとっては Windows の起動に若干遅さを感じるものの、Windows 起動後システムが安定すればモッサリ感もなく動きも軽快でした。(レビュー機の場合、Windows 起動後システムが安定するまで 1,2分くらい)
また、PCMark 10 Extended のジャンルごとのスコアを見れば、Gaming ジャンル以外は比較的高いレベルでバランスの良いスコアです。ビジネスシーンで快適に使える性能レベルであることが分かります。
動作音・動作熱
動作音については、負荷のかかる処理になるとファンがフル回転し排熱のための「サーッ」という気流音が大きくなります。個人差はありますが耳ざわりに感じるかもしれません。
ただ、負荷が低減してくるとファンの回転も落ち着いてきて気流音も小さくなります。
パソコンを使っているあいだ、終始、高負荷な状態が続くわけではないので、それほど気にすることもないと思います。
動作熱については、高負荷のときでもキーボード左上の排気口周辺が多少温かくなる程度です。
キーボード上もタイピング中に本体内部の熱を感じることもなく、手のひらをキーボード上において温かさを感じる程度です。
また、ヒンジ周辺やパームレストは本体内部の熱の影響を感じることはありませんでした。
左側の画像:平常時(Windows起動後10分放置)
右側の画像:動画エンコード時(10分間の動画エンコード終了直前)
バッテリー
『HP ProBook 470 G5 Notebook PC』に搭載されているバッテリーの性能(駆動時間)を測定します。
■駆動時間
バッテリーでの駆動は、次の条件でバッテリーによる駆動時間を計測します。
・無線LANでインターネットに接続
・YouTubeを全画面で連続再生
・画面の明るさ:最大レベル
・音量:最大レベル
バッテリー駆動時間の測定結果は以下のようになります。
バッテリーの残量は、大よその数字で 1時間当たり 10% ~ 11% 程度減少しています。
バッテリーによる駆動は 8時間36分経過後、Windows がバッテリー不足を検知し、パソコンは休止状態になりました。
バッテリーを多く消費する条件でも 8時間30分くらいバッテリーが持続するので、ビジネスシーンで会議室など場所を変えて作業する際もバッテリーの残量を気にする必要はなさそうです。
なお、実際の使用にあたっては、環境や条件などによりバッテリーの駆動時間は変動するので、参考値としてください。
サウンド チェック
『HP ProBook 470 G5 Notebook PC』には、音質を調整できるユーティリティソフトがインストールされています。
ユーティリティソフトの画面は BANG & OLUFSEN と同等で、音声、音楽、映画など、サウンドの種類に合わせた音質設定のほか、お好みの音質に調整できるプリセット機能やグラフィックイコライザー機能も搭載されています。
実際に聴いてみた印象としては・・・
■スピーカー
低音域が若干弱い感じがするが音質自体は悪くない。それなりに楽しめる。
■ヘッドホン
低音域~中音域がしっかりと聞こえ、サウンドに厚みが増し、臨場感と迫力あるサウンドを楽しめる。
また、ユーティリティソフトには、内蔵マイクで拾う音の範囲を「私の声のみ」「会議」から選択できる機能も搭載されています。ビデオ会議などで活用できそうです。
Windows の起動・再起動・シャットダウン時間計測
Windows の起動時間、再起動時間、シャットダウン時間の計測結果です。(それぞれ 5回ずつ計測)
再起動は多少時間がかかるものの、起動とシャットダウンについては遅いという感じはありませんでした。
搭載ソフトウェア
『HP ProBook 470 G5 Notebook PC』に搭載されている主なソフトウェアです。(クリックで拡大表示できます)
Windows標準のソフトのほか、HPソフトウェアパックや HPヘルプ&サポートソフトなど HP 独自ソフトウェアなどがインストールされています。
HPソフトウェアパック「HP SoftPaq Download Manager」では、本モデル向けに HP で提供している各種ソフトウェアやドライバなどのダウンロード、バージョンの管理が可能で、ソフトウェアを最新の状態に維持することができます。
HPヘルプ&サポートソフトとしては、PCのメンテナンスや問題の回避/解決に役立つ機能が搭載された「HP Support Assistant」、パソコンのバックアップ・リカバリーに便利な「HP Recovery Manager」などがインストール。リカバリメディアを作成するツール「Recovery Media Creation」も入っています。リカバリメディアを作成しておけばコンピューターを出荷時の状態に復元することができます。
「HP WorkWise」は、スマートフォンと連携することで、パソコンへの不正アクセスを通知したり、席を離れる時にパソコンを自動ロックするなどパソコンのセキュリティを強化してくれます。
また、「HP Client Security」では、パソコンやデータ、ユーザー認証情報の保護などセキュリティを強化することができます。
HP Client Security(クリックで拡大表示できます)
とくに、ビジネスシーンにおいてはセキュリティ対策を強化できる機能は魅力です。
付属品
『HP ProBook 470 G5 Notebook PC』の本体ほか同梱品一式(電源アダプター、ドキュメント類)です。
付属しているドキュメント類は以下のとおりです。
【上記写真のドキュメント類について】 ■上段右側から ・同梱物一覧 ・セットアップ手順 ・安心してお使いいただくために ■下段 ・HP Notebook PC サービスおよびサポートを受けるために ・アクセサリー紹介のパンフ |
まとめ
以上、『HP ProBook 470 G5 Notebook PC』のレビュー記事をお届けしました。
高評価のポイントと残念なポイントをまとめると・・・
高評価のポイント
・ビジネスシーンで快適に使える高い性能レベル
・ビジネスシーンであんしんのセキュリティ機能
・大画面なので表示される文字が大きく見やすい
・大画面でもスタイリッシュなデザイン
残念なポイント
・テンキーエリアとの区切りにスペースがないのでテンキーの位置が把握しにくい
総評としては、『HP ProBook 470 G5 Notebook PC』は性能レベルも高くセキュリティ対策を強化できる機能も搭載されており、ビジネスシーンであんしんして使える大画面ノートといえます。
ラインナップしているモデルや価格、キャンペーンなどの最新情報は、日本HPの直販サイト「HP Directplus」でチェックできます。
日本HP直販「HP Directplus」公式サイト ⇒ 『HP ProBook 470 G5 Notebook PC』製品ページ |
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