マウスコンピューター「DAIV-NG5720シリーズ」の実機レビュー 後編です。
後編では、DAIV-NG5720シリーズにラインナップするデュアルストレージモデル『DAIV-NG5720S1-SH2』の各種ベンチマーク、RAWデータ現像・動画エンコード処理時間計測、起動・シャットダウン時間計測などのレビューを行います。
(後編) ベンチマーク RAWデータ現像・動画エンコード処理時間計測 Sound Blaster X-Fi MB5 サウンド Windows の起動・シャットダウン時間計測(動画に収録) 搭載ソフトウェア 付属品 まとめ |
実機はマウスコンピューターからの貸出機です。
レビュー内容については 2017年6月23日時点のもので、実機の製品仕様・販売価格については変更される場合があります。
ベンチマーク
『DAIV-NG5720S1-SH2』の基本性能やトータルパフォーマンス、グラフィック性能、ストレージ、バッテリーについての性能を測定します。
基本性能
Windowsに搭載されているシステム評価ツール「WinSATコマンド」によるパソコン性能の測定です。
「WinSAT」による測定は、PCの性能を相対的に数値化して表現したもので、各項目の説明は次のとおりです。
CPUScore | CPU のスコア |
D3DScore | ゲーム用グラフィックスのスコア ただし、従来のゲーム用グラフィックスのスコアのため Windows 10では計測対象外(9.9というスコアは無視) |
DiskScore | プライマリハードディスクのスコア |
GraphicsScore | グラフィックスのスコア |
MemoryScore | メモリのスコア |
TimeTaken | 前回の評価(「MostRecentAssessment」は直近の評価を表します) |
WinSATAssessmentState | 評価の状態を表す値(1:評価済み、2:要再評価) |
WinSPRLevel | 基本スコア(SPR:System Performance Rating) |
総合的なパフォーマンス
「PCMark 8」を使用して、PCのアプリケーション実行における総合的なパフォーマンスを測定します。
Home Test
家庭での利用を想定したテスト内容です。
OpenCL対応の Accelerated にて測定
PCMark 8 Home Test で計測した全PC の 87% よりも良いスコアで、4KゲーミングPC レベルにも近いスコアです。
Creative Test
クリエイティブな利用を想定したテスト内容です。
OpenCL対応の Accelerated にて測定
PCMark 8 Home Test で計測した全PC の 90% よりも良いスコアで、かなり高いレベルです。
グラフィック性能
「3DMark」「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」、3つのベンチマークソフトを使ってグラフィック性能を測定します。
まず「3DMark」での測定です。
3DMark では「Ice Storm」「Cloud Gate」「Sky Diver」「Fire Strike」「Time Spy」、各シーンの描画の滑らかさをもとにグラフィック性能を測定します。
スコアの高さは描画の快適性を表しています。
測定前に流されるデモ映像を見たイメージとしては、次のような印象でした。
Ice Strom | なめらか描画 |
Cloud Gate | なめらか描画 |
Sky Diver | なめらか描画。カクカクとした感じは一切なし。 |
Fire Strike | なめらか描画。こちらもカクカクとした感じが一切なし。細部までの描画をシッカリ見ることができた。 |
Time Spy | なめらか描画。カクカクとした感じはないと思われる。こちらも細部までの描画をシッカリ見ることができた。 |
次が、「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」の測定結果。
標準品質、解像度 1920×1080
最高品質、解像度 1920×1080
さいごに、「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」の測定結果。
高品質(ノートPC)、解像度 1280×720
最高品質、解像度 1280×720
3つのベンチマークソフトを使ったグラフィック性能の測定結果をみると、『DAIV-NG5720S1-SH2』のグラフィック性能は かなりのハイレベルであることが分かります。
写真や動画編集、DTM(デスクトップミュージック)など、クリエイティブな作業もパワフルにこなしてくれる性能を備えている印象です。
また、『DAIV-NG5720S1-SH2』に搭載されている専用グラフィックス「GeForce GTX 1060」は VR 対応です。VR パフォーマンステスト結果も良好です。
VR パフォーマンステスト結果
動作音については、グラフィック系のベンチマークなど負荷のかかる処理を実行しているあいだはファンがフル稼働しています。
ファンがフル稼働しているあいだはファン音が少し気になるかもしれませんが、排熱は効率よく行われており、高負荷状態から通常の状態に戻ったときには意外と早く動作音は静かになります。
ストレージ
ストレージのベンチマークです。
『DAIV-NG5720S1-SH2』には、高速ストレージ SSD と 大容量ストレージ HDD がデュアルドライブで搭載されています。
ストレージのドライブ構成は次のようになります。
まず、Cドライブに割り当てられている SSD から見てみます。
SSD は、Kingston製で 容量は 256GB です。
ストレージ情報(SSD)
SSD のデータ転送速度です。
ストレージのデータ転送速度(SSD)
SSD が搭載されていると、数字が示す通り Windows や アプリの起動も高速です。
次に、Dドライブに割り当てられている HDD を見てみます。
HDD は、Western Digital製で 容量は 1TB です。
ストレージ情報(HDD)
HDD のデータ転送速度です。
ストレージのデータ転送速度(HDD)
高速ストレージ SSD と 大容量ストレージ HDD のデュアルドライブ構成は、Windows や アプリは SSD から素早く起動できますし、写真や動画などサイズの大きいデータは HDD にたくさん保存できる、効率の良い構成です。
バッテリー
『DAIV-NG5720S1-SH2』に搭載されているバッテリーの性能を測定してみます。
測定は、次の条件で周期的にバッテリーの残量を測定しバッテリー駆動時間を算出します。
・無線LANでインターネットに接続
・YouTubeを全画面で連続再生
・画面の明るさ:最大レベル
・音量:最大レベル
バッテリーの残量は、大よその数字で 1時間当たり 36% くらいずつ減少しています。
バッテリーによる駆動は 2時間 35分経過後、Windows がバッテリー不足を検知し、パソコンはスリープ状態になりました。
バッテリーの消費量は意外と多い印象です。
なお、実際の使用にあたっては、環境や条件などによりバッテリーの駆動時間は変動するので、参考値としてください。
RAWデータ現像・動画エンコード処理時間計測
『DAIV-NG5720S1-SH2』で、RAWデータ現像と動画エンコードの処理時間を計測してみます。
RAWデータ現像
RAWデータ現像に使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。
■使用ソフトウェア
CyberLink PhotoDirector 7
■条件等
・RAWデータ 50ファイルを一括書き出し
・プリセット等 編集は適用しない
・撮影カメラ SONY NEX-5
■処理時間
50秒(1ファイルあたり 1.0秒)
■書き出し中のメモリ使用量(コミット済み)
最大 4.7GB(PC 全使用量)
RAWデータの書き出し
動画エンコード
動画エンコードに使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。
■使用ソフトウェア
CyberLink PowerDirector 15
■条件等
・AVCHD動画(1920×1080)を mp4 形式で出力
(m2ts→mp4、720p、1280×720/30p 16Mbps)
・動画再生時間 10分間
■処理時間
2分 56秒
■エンコード中のメモリ使用量(コミット済み)
最大 4.5GB(PC 全使用量)
AVCHD動画を mp4 形式で出力
なお、処理時間は環境や条件などにより変動します。
ちなみに、上記の「コミット済みメモリ」とはパソコンがシステム全体として実際に使用しているメモリの使用量です。
Sound Blaster X-Fi MB5 サウンド
『DAIV-NG5720S1-SH2』には、Sound Blaster X-Fi MB5 が搭載されています。
Sound Blaster X-Fi MB5 は、最先端のオーディオ技術を搭載したパワフルなオーディオプラットフォームで、立体感のあるサウンド再生や、お好みのサウンド環境を構築することができます。
Sound Blaster X-Fi MB5
実際に聴いてみた印象は次のとおりです。
■スピーカー
・音量は控えめな感じだが高音質。
・音の広がりもまずまず。
・中高音域はカバーされているが、
若干、低音域が弱いイメージ。
・音域の強弱については、SoundBlasterのチューニング機能で
充分カバーでき、お好みのサウンドを楽しめる。
■ヘッドフォン
・低音域から高音域まで、全音域が明瞭になり、
メリハリのある迫力あるサウンドになる。
・ヘッドホンにもよるが、
通常のヘッドホンなら充分楽しめる。
Windows の起動・シャットダウン時間計測(動画に収録)
『DAIV-NG5720S1-SH2』の Windows起動時間とシャットダウン時間は、次のとおりです。
・起動 : 13.2秒
・再起動 : 13.8秒
Windowsの起動とシャットダウンの様子を動画に収録しています。起動・シャットダウン時間を感覚でイメージできるので参考にどうぞ!
搭載ソフトウェア
『DAIV-NG5720S1-SH2』に搭載されている主なソフトウェアです。
Windows標準のソフトのほか、サウンド関連の Creative ソフト、専用グラフィックス関連の NVIDIA、セキュリティソフト「マカフィー リブセーブ」などがインストールされています。
また、Windows 10 の操作説明書として「Windows 10 ユーザーガイド」や、『DAIV-NG5720S1-SH2』の取扱説明書として「ハードウェアマニュアル」が、PDFファイルで入っており、それぞれスタートメニューから開くことができます。
付属品
『DAIV-NG5720S1-SH2』の本体ほか同梱品一式です。
付属しているドキュメント類です。
【上記写真のドキュメント類について】 ■上段左側から ・ファーストステップガイド ・製品仕様書 ・色域出荷データシート ■下段左側から ・サポートマニュアル ・保証書 |
サポートマニュアルには、初回設定手順も詳細に記載されています。
サポートマニュアルをチラ見
まとめ
DAIV-NG5720シリーズは、写真や動画編集など、クリエイティブな作業もパワフルにこなしてくれる性能を備えており、とくに、グラフィックス性能はデスクトップPC クラスのハイレベルな印象です。
また、sRGB比95%に対応したフルHD液晶パネルに描画される映像もキレイで、写真や動画の高度な編集も快適にできそうです。
外出時の持ち歩きは厳しいものの、自宅やオフィスなどでの移動はラクにできます。
DAIV ブランドは「クリエイター向け」の位置づけですが、決して敷居の高いブランドではなく、今回レビューした『DAIV-NG5720S1-SH2』の価格は 税込17万円台~と、一般的な高性能ノートPC と同等な価格帯です。(むしろ安いかも)
クリエイティブな作業も快適にできる高いレベルの性能や快適性、使いやすさ、価格など、トータルバランスを鑑みても、コストパフォーマンスに優れたモデルといえます。
DAIV-NG5720シリーズにラインナップしているモデルやスペック、価格など最新情報については、マウスコンピューター公式サイトをご確認ください。