レノボが販売する Legion 7i Gen 9 (16型 Intel) は、第14世代インテル Core HX シリーズ・プロセッサーと NVIDIA GeForce RTX 40 シリーズを搭載した高性能でパワフルな 16型ゲーミングノートパソコンです。
パワフルなゲーム性能の搭載にくわえ Lenovo AI Engine+ や Legion ColdFront Hyperテクノロジーにより重量級のゲームタイトルのほとんどをプレイ可能。
高解像度・高リフレッシュレートの大画面ディスプレイや操作性にすぐれた Lenovo Legion TrueStrike キーボードなど快適なゲームプレイを体験できます。
■Legion 7i Gen 9 (16型 Intel) の特徴
- 第14世代インテル Core HX シリーズ・プロセッサーと NVIDIA GeForce RTX 40 シリーズを搭載
- Lenovo AI Engine+ によってゲーム性能を最大化
- Legion ColdFront Hyper テクノロジーによるすぐれた冷却性能
- アルマイト加工アルミニウムの頑丈ボディ
- 重厚感とスタイリッシュ感をあわせもつデザイン
- リフレッシュレート最大240Hz & WQXGA (2560×1600、アスペクト比 16:10)ディスプレイ
- すぐれた操作性の Legion TrueStrike キーボード(カスタマイズ可能な RGBライティングが可能)
- 電子式プライバシーシャッター付きフルHDカメラ (1080p) を搭載
- ゲームサウンドに定評のある Nahimicオーディオを採用
レビューではメーカーからお借りした実機を試用して、前半で外観デザイン/ディスプレイ/キーボードなどをチェック、後半では各種ベンチマークを使った性能評価を行います。
【 目 次 】
レビューは 2024年12月21日時点の内容です。
スペック構成
Legion 7i Gen 9 は、CPU/メモリ/ストレージ/グラフィックスなど使いかたや予算に合わせたカスタマイズが可能です。
おもなスペックは以下のとおり。
カラー | エクリプスブラック |
OS | ■Windows 11 Home 64bit ■Windows 11 Pro 64bit |
CPU | ■インテル Core i7-14700HX プロセッサー ■インテル Core i9-14900HX プロセッサー |
メモリ | ■16GB (8GBx2) DDR5-5600MHz (SODIMM) ■32GB (16GB×2) DDR5-5600MHz (SODIMM) |
ストレージ | ■512GB SSD (M.2 2280 PCIe-NVMe Gen4 TLC) ■1TB SSD (M.2 2280 PCIe-NVMe Gen4 TLC) |
ディスプレイ | ■16型 WQXGA液晶 (2560 x 1600) IPS, 光沢なし, マルチタッチ非対応, HDR400, 100%sRGB, 500 nit, 240Hz, ブルーライト軽減パネル ■16型 3.2K液晶 (3200 x 2000) IPS, 光沢なし, マルチタッチ非対応, 100%DCI-P3, 430 nit, 165Hz, ブルーライト軽減パネル |
グラフィックス | ■NVIDIA GeForce RTX 4060 Laptop グラフィックス (8GB GDDR6) ■NVIDIA GeForce RTX 4070 Laptop グラフィックス (8GB GDDR6) |
ワイヤレス | Wi-Fi 6E 対応 (IEEE802.11ax/ac/a/b/g/n 準拠)、Bluetooth v5.3 |
カメラ | FHD 1080p カメラ、プライバシーシャッター(電子式) |
本体サイズ(W×D×H) | 約 357.7×262.5×17.6~19.8(最厚部) mm |
本体質量 | 約 2.24 kg |
詳しいスペックや価格など最新情報はレノボ直販サイト「レノボショッピング」をご確認ください。
Legion 7i Gen 9 (16型 Intel)
税込 22万円台から
関連リンク
そのほかの取り扱い公式ショップは以下のリンクからご確認ください。
外観チェック
重厚感とスタイリッシュ感をあわせもつデザイン
Legion 7i Gen 9 は、ゲーミングノートらしい重厚感にくわえスタイリッシュ感をあわせもつデザインです。
本体のカラー「エクリプスブラック」はマットなブラックのイメージ。重厚でスタイリッシュなデザインにマッチしています。
天面はサラサラとした感触で上質感のある仕上がりです。
スタイリッシュなフォルム
マットなブラックのカラーは指紋や皮脂の跡が目立ちやすいところが難点。とはいえ、汚れが気になったときは柔らかいクロスなどでかんたんにふき取れます。
シンプルデザインの天面は LEGIONブランドロゴと Lenovo ロゴがアクセント。
本体は 16インチながら意外にスリムです。
本体の厚みは意外に少ない
底面カバーは剛性を重視した「ユニボディ」の構造です。
ゴム足は前面側左右に2箇所と背面側左右にまたがるゴム足の合計3箇所に実装。本体の安定感は良好です。
また、排気口は背面側に実装。
排気口(背面側左右に2箇所)
背面側のゴム足は排気口から出された温かい空気が再び吸気口に入り込むのを防ぐ役割も兼ねています。これにより本体内部の効果的な冷却が期待できます。
なお、Legion 7i Gen 9 の冷却システムは「 Legion ColdFront Hyper テクノロジー」を採用。吸気口内の左右のファンが逆方向に回転することで吸入された空気は筐体内部の中央を通るエアフローを実現しています。エアフローのイメージは以下のとおり。
天面は片手で開けられる
Legion 7i Gen 9 は、天面を開くときに指がかかりやすい形状にデザインされています。
天面を開きやすいデザイン
また、天面は片手でスムーズに開くことができます。
天面の開きやすさは、使いやすさにもつながります。片手がふさがっているときなどにぜひ試してみてください。
インターフェースにLANポートはない
Legion 7i Gen 9 のインターフェースをチェックします。
右側面
①SDカードリーダー
②USB3.2 Gen1 Type-C
③プライバシーシャッター(電子式)スイッチ
④USB3.2 Gen1
左側面
⑤USB3.2 Gen1
⑥USB3.2 Gen2 Type-C
⑦Thunderbolt 4 ポート
⑧マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック
背面側
⑨HDMI
⑩電源コネクタ
LANポートが実装されていない点はチェックしておきたいところ。無線LAN が Wi-Fi 6E に対応していますが、LANケーブルを接続できる環境なら安定通信が可能な USB対応のLANアダプターを用意したほうが良いかもしれません。
なお、SDカードリーダーは抜き差し方式です。
SDカードをしっかりと挿入した状態(意外に出っ張る)
また、プライバシーシャッターは電子制御式です。
左の画像:シャッターが開いてカメラ有効
右の画像:シャッターが閉じてカメラを遮断
切り替え時、画面上にカメラの状態アイコンが5秒程度表示されます。カメラの見た目に変化はありませんが内部的(回路的)にはカメラ機能が切断されています。
電源ボタンに指紋センサーを内蔵
電源ボタンはキーボード奥センターにレイアウトされています。
電源ボタンには指紋センサーを内蔵。指紋センサーは電源オンと同時に指紋を読み込むことができます。サインイン画面で再度指紋センサーにタッチする必要はなく、そのまま Windows にサインインできます。
指紋認証でサインイン
スピーカーは底面側左右に搭載
Legion 7i Gen 9 のスピーカーは 底面側 左右に搭載されています。
スピーカー(底面側左右)
スピーカーの拡大写真
スピーカーから出力されるサウンドは、低音域から高音域まで広い音域をカバーし高音質です。
それなりのサイズ感と重量感
本体の大きさのイメージです。本体の下に B5版ノートを2冊置いています。
本体のサイズ感
本体のフットプリントは B5版ノート2冊くらい。16インチサイズながら意外にコンパクトです。
本体を閉じたときの高さのイメージは以下のとおり。
本体の高さを CD ケース(通常サイズ)2枚と比較
(通常サイズの CDケースの厚さは 10mm)
ゴム足を含めた本体の高さは実測で 20~26(最厚部)mm。イメージ的には CDケース2枚半くらいで、ゲーミングノートながら意外にスリムです。
また、本体や電源アダプターなど重量の実測値は以下のとおり。
・本体:2,234g
・電源アダプター:698g
・電源コード:171g
本体は 16インチのゲーミングノートとしては軽量です。部屋間の移動はラクですが、外出先への持ち出しについては電源アダプターやコードもセットして 約3kgと考えると少したいへんかもしれません。
電源アダプターの最大出力は 230W。
大容量のアダプターなので大きさはそれなりにデカいです。
ディスプレイのチェック
高輝度・広色域・高リフレッシュレート ディスプレイ
レビュー機のディスプレイは 3.2K (3200 x 2000) 液晶を搭載。CSOT製(華星光電)の液晶パネルが採用されています[型番:MNG007ZA1-2]。ディスプレイに描画される映像は高精細で自然な色合いです。
画像の表示例(その1)
画像の表示例(その2)
テキストの表示例
テキストの表示例(拡大)
キャリブレーション機能も搭載。ユーティリティソフト「X-Rite Color Assistant」の設定により、用途に合わせて色域を最適化できます。
X-Rite Color Assistant
以下は、X-Rite Color Assistant で設定可能なカラープロファイルです。
・Adobe RGB
・DCI-P3
・P3
・sRGB
・Defaut(Adobe RGB と同じガンマ修正。ブライトネスが最大)
なお、X-Rite Color Assistant を起動しない状態で色域を計測した結果は以下のとおり。
トーンカーブ
(キャリブレーションツール「i1Display Pro」で計測)
色域
(計測したカラープロファイルを色度図作成ソフト「ColorAC」にて作成)
規格 | カバー率 | 比 |
---|---|---|
sRGB | 99.9% | 132.7% |
Adobe RGB | 88.7% | 98.4% |
DCI-P3 | 96.8% | 97.9% |
液晶パネルは広色域で色再現性にもすぐれています。彩り鮮やかなゲームシーンをキレイに描画できるほか、シビアな色再現が必要な写真・動画編集にも活用できます。
なお、レビュー機のディスプレイ(3.2K 液晶)の最大リフレッシュレートは 165Hz です。
※WQXGA液晶 (2560 x 1600) 搭載時の最大リフレッシュレートは 240Hz。
レビュー機のリフレッシュレート
狭額縁ベゼル
ベゼルは狭額縁です。
16インチの大画面でもベゼルは細く、画面周りはすっきりとしています。
映り込みは気にならない
ディスプレイの映り込み具合をチェックします。
レビュー機のディスプレイは非光沢液晶です。映り込みはかなり低減されているため、映り込みが気になることはなく眼への負担も軽減できます。
広い視野角
視野角をチェックします。
正面
右側 ディスプレイ面から30度の角度
上側 ディスプレイ面から30度の角度
水平方向、垂直方向ともに視野角は広く、斜めからもハッキリとした映像を観ることができます。
ディスプレイはフラットちかくまで開くことができる
ディスプレイは フラットちかくまで開くことができます。
ディスプレイをフラットちかくまで開けば、仲間とゲームシーンを共有することもできます。
キーボード&タッチパッドのチェック
ゲームもタイピングも操作しやすい Legion TrueStrike キーボード
Legion 7i Gen 9 のキーボードレイアウトは標準的です。
テンキーは4列レイアウトでクセはありません。
キーピッチの実測値は 約 19mm(テンキーは 約 16mm)。メインキーはフルサイズキーボードと同等のキーピッチで窮屈な感じはありません。
キートップは中央部分が少しへこんだ形状でサラサラした感触です。
キーストロークは感覚的に 1.5mm くらい。しっかりとした打鍵感を得られます。
タイプ音は「タクタク」という音。音の大きさは普通
Legion TrueStrike キーボードの操作性は良好です。キーの押し込む強さやキーを押し込んだ後の反発もちょうど良くゲームプレイのときの操作性もなかなかのものです。
Copilotキー搭載
Legion 7i Gen 9 には「Copilotキー」も搭載されています。
矢印の指すキーが Copilotキー
Copilotキーを押すと Microsoft の AIアシスタントをすばやく起動することができます。
Copilotキーを押すだけで AIアシスタントが起動
Copilot はとても便利な機能で、人気のゲームタイトルや攻略方法などゲームに関する質問などにも適切な回答を返してくれます。
※Copilot は日々進化しており、会話形式の質問のほかキーワードを羅列する質問にも適切な回答を返してくれます。
RGBライティングできるキーボード
キーボードは RGBライティングが可能です。
[Fn]+[Space]キーでライティング・プロファイルの切り替えができるほか、ライティング設定をカスタマイズすることもできます(ライティング設定は付属のソフト「Lenovo Vantage」に組み込まれている)。
質感の良いパームレスト
パームレストはサラサラした感触で上質感のある仕上がりです。
指紋や皮脂の跡は目立ちやすいですが、汚れが気になったときは柔らかいクロスなどでかんたんにふき取れます。
スベリもなめらかで反応の良いタッチパッド
タッチパッドの感触はツルツルしてスベリはなめらかです。
タッチパッドのサイズ感
大きめサイズで操作性も良好です。
ベンチマークによる性能評価
ベンチマークでは、レビュー機の CPU・グラフィック・ストレージ性能のほかバッテリー性能や総合的なパフォーマンスを評価します。
レビュー機の基本スペック
OS | Windows 11 Home |
---|---|
CPU | インテル Core i7-14700HX プロセッサー |
メモリ | 16GB (8GBx2) DDR5-5600MHz (SODIMM) |
ストレージ | 512GB SSD (M.2 2280 PCIe-NVMe Gen4 TLC) |
グラフィックス | NVIDIA GeForce RTX 4060 Laptop グラフィックス |
評価に使用したベンチマークは以下のとおり。
評価項目 | 使用するベンチマーク |
---|---|
CPU性能 | CINEBENCH R23[CPUのレンダリング性能評価] |
CPU Mark (PassMark PerformanceTest)[CPU性能の総合評価] | |
グラフィック性能 | 3DMark Time Spy |
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ[中量級のゲーム] | |
ファイナルファンタジーXV[重量級のゲーム] | |
ストレージ性能 | CrystalDiskMark |
総合的なパフォーマンス | PCMark 10 |
バッテリー | BatteryInfoView(バッテリー残量測定用) |
なお、付属のソフト「Lenovo Vantage」にはパフォーマンスなどを使い方にあわせてコントロールできる機能が組み込まれています。
ベンチマークの実施にあたっては、Lenovo Vantage のサーマルモードを「パフォーマンス・モード」と「バランス・モード」の2モードそれぞれで実施しています。
Lenovo Vantage サーマルモード
サーマルモードの設定
※「パフォーマンス・モード」のとき GPUクロックアップが自動的に有効に切り替わります。パフォーマンス・モードでは GPUクロックアップを有効の状態でベンチマークを実施しています。
※「バランス・モード」では Lenovo AI Engine+ と AI Core スマートFPSブーストを有効にしてベンチマークを実施しています。
CPU性能
CPU性能は CINEBENCH R23(マルチコア/シングルコア) と CPU Mark(PassMark PerformanceTest) のベンチマークスコアで評価します。
評価にあたっては、性能レベルを把握するため下記 CPU のスコアと比較します。
・インテル Core Ultra 9 プロセッサー 185H
・インテル Core Ultra 7 プロセッサー 155H
・インテル Core Ultra 5 プロセッサー 125H
・インテル Core Ultra 7 プロセッサー 155U
・インテル Core Ultra 5 プロセッサー 125U
・インテル Core i7-13700HX プロセッサー
・インテル Core i7-13700H プロセッサー
・インテル Core i5-13500H プロセッサー
・インテル Core i7-1360P プロセッサー
・インテル Core i5-1340P プロセッサー
・AMD Ryzen 7 8840HS プロセッサー
・AMD Ryzen 7 8840U プロセッサー
・AMD Ryzen 7 7730U プロセッサー
・AMD Ryzen 5 7530U プロセッサー
※当サイトで計測したスコアの平均値
■CINEBENCH R23[CPUのレンダリング性能評価]
CINEBENCH R23 (マルチコア) | |
---|---|
Core i7-14700HX(レビュー機/パフォーマンス) |
26084 pts
|
Core i7-14700HX(レビュー機/バランス) |
25335 pts
|
Core Ultra 9 185H |
18901 pts
|
Core i7-13700HX |
17945 pts
|
Core i7-13700H |
15945 pts
|
Core i5-13500H |
14234 pts
|
Ryzen 7 8840HS |
12647 pts
|
Core Ultra 7 155H |
12346 pts
|
Ryzen 7 8840U |
12259 pts
|
Core i7-1360P |
10095 pts
|
Core Ultra 5 125H |
9920 pts
|
Ryzen 7 7730U |
9117 pts
|
Core Ultra 7 155U |
8886 pts
|
Core i5-1340P |
8551 pts
|
Ryzen 5 7530U |
7627 pts
|
Core Ultra 5 125U |
6508 pts
|
CINEBENCH R23 (シングルコア) | |
---|---|
Core i7-13700H |
1880 pts
|
Core i7-13700HX |
1858 pts
|
Core Ultra 9 185H |
1803 pts
|
Core i7-1360P |
1732 pts
|
Core Ultra 7 155U |
1727 pts
|
Ryzen 7 8840HS |
1725 pts
|
Ryzen 7 8840U |
1713 pts
|
Core i7-14700HX(レビュー機/バランス) |
1703 pts
|
Core Ultra 7 155H |
1687 pts
|
Core i7-14700HX(レビュー機/パフォーマンス) |
1686 pts
|
Core Ultra 5 125H |
1661 pts
|
Core Ultra 5 125U |
1564 pts
|
Core i5-1340P |
1534 pts
|
Core i5-13500H |
1501 pts
|
Ryzen 7 7730U |
1431 pts
|
Ryzen 5 7530U |
1419 pts
|
■CPU Mark (PassMark PerformanceTest)[CPU性能の総合評価]
CPU Mark (PassMark PerformanceTest) | |
---|---|
Core i7-14700HX(レビュー機/パフォーマンス) |
43302
|
Core i7-14700HX(レビュー機/バランス) |
42165
|
Core Ultra 9 185H |
32124
|
Core i7-13700HX |
31774
|
Core i7-13700H |
28429
|
Ryzen 7 8840U |
25969
|
Core Ultra 7 155H |
25686
|
Ryzen 7 8840HS |
25442
|
Core i5-13500H |
25438
|
Core Ultra 5 125H |
21632
|
Core i7-1360P |
20651
|
Core Ultra 7 155U |
19049
|
Ryzen 7 7730U |
18677
|
Core i5-1340P |
16650
|
Ryzen 5 7530U |
15930
|
Core Ultra 5 125U |
15296
|
レビュー機の CPU パフォーマンスは優秀です。
シングルコアのスコアは少しひかえめですが大きな差はないので問題になることはないでしょう。
何よりも、ほかのベンチマークにおいては比較対象のプロセッサーを大きく上回るスコアが出ており、負荷の高いゲームでも非常にパワフルなパフォーマンスが期待できます。
グラフィック性能
グラフィック性能はゲーム系のベンチマークで性能評価を行います。
評価にあたっては、グラフィックス性能レベルを把握するため当サイトでレビューした下記グラフィックスのスコアと比較します。
・NVIDIA GeForce RTX 4080 グラフィックス
・NVIDIA GeForce RTX 4070 グラフィックス
・NVIDIA GeForce RTX 4060 グラフィックス
・NVIDIA GeForce RTX 4050 グラフィックス
・NVIDIA GeForce RTX 3060 グラフィックス
・NVIDIA GeForce RTX 3050 Ti グラフィックス
・NVIDIA GeForce RTX 3050 グラフィックス
・NVIDIA GeForce RTX 3050 with Max-Q グラフィックス
・NVIDIA GeForce RTX 2080 with Max-Q グラフィックス
・NVIDIA GeForce RTX 2060 with Max-Q グラフィックス
・NVIDIA GeForce GTX 1650 Ti グラフィックス
・NVIDIA GeForce GTX 1650 Ti with Max-Q グラフィックス
※当サイトで計測したスコアの平均値(Laptop向けGPU のスコア)
3DMark Time Spy
Time Spy は DirectX 12 を使用したハイパフォーマンスゲーミングPC向けのグラフィックス性能テストです。
3DMark Time Spy | |
---|---|
RTX 4080 |
13681
|
RTX 4070 |
11942
|
RTX 4060(レビュー機/パフォーマンス) |
11337
|
RTX 4060(レビュー機/バランス) |
10551
|
RTX 4060 |
9135
|
RTX 3060 |
8397
|
RTX 4050 |
8010
|
RTX 2080 with Max-Q |
7171
|
RTX 2060 with Max-Q |
5347
|
RTX 3050 with Max-Q |
4954
|
RTX 3050 |
4913
|
RTX 3050 Ti |
4460
|
GTX 1650 Ti |
3687
|
GTX 1650 Ti with Max-Q |
3229
|
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ[中量級のゲーム]
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ | |
---|---|
RTX 4060(レビュー機/パフォーマンス) |
23155
|
RTX 4060(レビュー機/バランス) |
22735
|
RTX 4080 |
21157
|
RTX 4070 |
19700
|
RTX 4060 |
19325
|
RTX 3060 |
17750
|
RTX 4050 |
16928
|
RTX 2060 with Max-Q |
14226
|
RTX 2080 with Max-Q |
13815
|
RTX 3050 |
12204
|
RTX 3050 Ti |
11883
|
RTX 3050 with Max-Q |
10004
|
GTX 1650 Ti |
9694
|
GTX 1650 Ti with Max-Q |
8740
|
※最高品質/解像度 1920×1080 で実施
ファイナルファンタジーXV[重量級のゲーム]
ファイナルファンタジーXV | |
---|---|
RTX 4080 |
11259
|
RTX 4070 |
10267
|
RTX 4060(レビュー機/パフォーマンス) |
9382
|
RTX 4060(レビュー機/バランス) |
9227
|
RTX 4060 |
7933
|
RTX 3060 |
7694
|
RTX 4050 |
6779
|
RTX 2060 with Max-Q |
5441
|
RTX 3050 |
4583
|
RTX 3050 Ti |
4216
|
RTX 2080 with Max-Q |
4205
|
RTX 3050 with Max-Q |
3780
|
GTX 1650 Ti |
3612
|
GTX 1650 Ti with Max-Q |
3185
|
※高品質/解像度 1920×1080 で実施
レビュー機のグラフィックス・パフォーマンスは優秀です。レビュー機のスコアは平均値を大きく上回っており、保有している性能が最大化されています。
GeForce RTX 4060 は GeForce RTX 40 シリーズのなかではエントリークラスですが、性能が最大化されていればパフォーマンス的には十分です。重量級ゲームタイトルの多くを快適にプレイすることができるでしょう。
ストレージ性能
レビュー機に搭載されている SSD は SAMSUNG製(容量 512GB)。ストレージ情報は以下のとおり。
レビュー機のストレージ情報
(シリアルナンバーは隠しています)
ストレージ性能は、CrystalDiskMark を使用しデータ転送速度を計測・評価します。
レビュー機のデータ転送速度
※Lenovo Vantage のサーマルモードを「バランス・モード」で計測した結果。パフォーマンス・モードで計測した場合も結果は同等です。
計測結果は優秀です。
レビュー機のストレージは PCIe Gen4x4 NVMe の SSD を搭載していることからデータアクセスは体感的にも爆速です。
総合的なパフォーマンス
PCMark 10 Extended を使って、実際の使用を想定した性能評価を行います。
評価にあたっては、性能レベルの程度を把握するため当サイトでレビューした下記機種のスコアと比較します。
・Alienware m16 R2 (2024年モデル)
・OMEN Transcend 14 (2024年モデル)
・OMEN 16 (インテル) (2023年モデル)
・Victus 16 (インテル) (2023年モデル)
※当サイトで計測したスコア(パフォーマンスに相当するモードのスコア)
おもなスペックは以下のとおり。
スペック | Legion 7i Gen 9 (レビュー機) |
Alienware m16 | OMEN Transcend 14 | OMEN 16 | Victus 16 |
---|---|---|---|---|---|
CPU | インテル Core i7-14700HX | インテル Core Ultra 9 185H | インテル Core Ultra 7 155H | インテル Core i7-13700HX | インテル Core i7-13700HX |
メモリ | 16GBメモリ | 32GBメモリ | 16GBメモリ | 16GBメモリ | 16GBメモリ |
ストレージ | 512GB SSD | 1TB SSD | 1TB SSD | 1TB SSD | 512GB SSD |
グラフィックス | NVIDIA GeForce RTX 4060 Laptop | NVIDIA GeForce RTX 4070 Laptop | NVIDIA GeForce RTX 4060 Laptop | NVIDIA GeForce RTX 4080 Laptop | NVIDIA GeForce RTX 4070 Laptop |
ベンチマーク結果は以下のとおり。
Essentials | |
---|---|
Legion 7i(バランス) |
10492
|
Legion 7i(パフォーマンス) |
9862
|
Alienware m16 |
10152
|
OMEN Transcend 14 |
9755
|
OMEN 16 |
9910
|
Victus 16 |
10205
|
目標値 |
4100
|
Productivity | |
Legion 7i(バランス) |
10994
|
Legion 7i(パフォーマンス) |
8770
|
Alienware m16 |
9806
|
OMEN Transcend 14 |
8862
|
OMEN 16 |
9881
|
Victus 16 |
9595
|
目標値 |
4500
|
Digital Contents Creation | |
Legion 7i(バランス) |
13802
|
Legion 7i(パフォーマンス) |
13140
|
Alienware m16 |
12905
|
OMEN Transcend 14 |
9791
|
OMEN 16 |
13894
|
Victus 16 |
9424
|
目標値 |
3450
|
Gaming | |
Legion 7i(バランス) |
20583
|
Legion 7i(パフォーマンス) |
21888
|
Alienware m16 |
22966
|
OMEN Transcend 14 |
16015
|
OMEN 16 |
28004
|
Victus 16 |
21363
|
※テスト項目説明
・Essentials(普段の作業を想定した基本的なテスト)
・Productivity(ビジネスソフトの使用を想定したテスト)
・Digital Contents Creation(写真・動画編集を想定したテスト)
・Gaming(ゲーミングソフトの使用を想定したテスト)
※目標値はベンチマークソフト開発メーカーの推奨スコア
レビュー機のゲーミング性能は優秀です。
ライバル機でグラフィックス性能が高い Alienware m16 に匹敵するスコアが出ています。ほとんどの重量級ゲームの快適プレイが可能で、中級者から上級者まで満足できるパワフルなゲーム・パフォーマンスが期待できます。
関連記事
バッテリー
バッテリー性能については、バッテリー駆動時間と充電時間を計測・評価します。
※Lenovo Vantage のサーマルモードを「バランス・モード」に設定して実施。
■駆動時間の測定条件
・無線LANでインターネットに接続
・YouTubeを全画面で連続再生
・画面の明るさ:最大レベル
・音量:最大レベル
■充電時間の測定条件
・測定開始はバッテリー残量がほぼゼロの状態
・電源アダプターを接続し Windows を起動
・スクリーンセーバー(ラインアート)でパソコンはアイドル状態
※スクリーンタイムアウトや PCスリープは設定しない。
バッテリーの駆動時間と充電時間の測定結果は以下のとおり。
バッテリー駆動時間 | 2時間 22分 |
---|---|
バッテリー充電時間 (50%までの充電時間) |
19分 |
バッテリー充電時間 (80%までの充電時間) |
36分 |
バッテリー充電時間 (100%までの充電時間) |
1時間 29分 |
検証結果をみると、バッテリー駆動でゲーム以外の一般的な用途(ネット・メール・オフィスソフト・動画鑑賞など)で使うなら2時間程度が目安です。また、充電については急速充電に対応しており、思いのほか短時間での満充電が可能です。
さすがにバッテリー駆動でのゲームプレイはムリがありため、バッテリー駆動でゲーム以外の用途に使用する際の参考値としてください。
クリエイティブ性能の評価
クリエイティブ性能は RAWデータ現像(JPEGファイル書き出し)と動画エンコードの処理時間で評価します。
評価にあたっては、上記の総合的なパフォーマンスで使用した機種の処理時間と比較します。
・Alienware m16 R2 (2024年モデル)
・OMEN Transcend 14 (2024年モデル)
・OMEN 16 (インテル) (2023年モデル)
・Victus 16 (インテル) (2023年モデル)
※当サイトで計測した処理時間(パフォーマンスに相当するモードでの処理時間)
RAWデータ現像
RAWデータ現像に使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。
■使用ソフトウェア
Adobe Photoshop Lightroom
Adobe Photoshop Lightroom Classic
■条件等
・RAWデータ 50ファイルをJPEG形式で一括書き出し
・RAWデータサイズ 4,592×3,056(約14MB)
・プリセット等 編集は適用しない
・ほかのアプリは起動しない(常駐アプリは除く)
■処理結果
Lightroom | |
---|---|
Legion 7i(バランス) |
17秒0
|
Legion 7i(パフォーマンス) |
17秒1
|
Alienware m16 |
18秒9
|
OMEN Transcend 14 |
18秒4
|
OMEN 16 |
10秒0
|
Victus 16 |
17秒0
|
Lightroom Classic | |
Legion 7i(バランス) |
16秒6
|
Legion 7i(パフォーマンス) |
16秒0
|
Alienware m16 |
22秒1
|
OMEN Transcend 14 |
23秒4
|
OMEN 16 |
15秒1
|
Victus 16 |
22秒2
|
動画エンコード
動画エンコードに使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。
■使用ソフトウェア
CyberLink PowerDirector
■条件等
・AVCHD動画(1920×1080)を mp4 形式で出力(m2ts→mp4、720p、1280×720/30p 16Mbps)
・動画再生時間 10分間
・ほかのアプリは起動しない(常駐アプリは除く)
■処理結果
PowerDirector | |
---|---|
Legion 7i(バランス) |
1分26秒9
|
Legion 7i(パフォーマンス) |
1分25秒9
|
Alienware m16 |
55秒6
|
OMEN Transcend 14 |
56秒4
|
OMEN 16 |
1分2秒4
|
Victus 16 |
1分43秒7
|
レビュー機は、動画エンコードが比較対象機にくらべ少し時間がかかるものの極端に遅いわけではなく、JPEGファイル書き出しについてはかなりスピーディです。クリエイティブ性能は良好といえるでしょう。
また、本機種は高輝度・広色域の液晶ディスプレイにくわえ SDカードスロットが搭載されています。ゲームプレイのほか写真・動画編集などクリエイティブ作業をメインとした使いかたも十分アリです。
駆動音・表面温度のチェック
駆動音のチェック
駆動音は、下記処理中の音量(デシベル)を測定し、評価します。
・10分間動画のエンコード処理中
・ファイナルファンタジーXV ベンチマーク(FHD・高品質)実行中
※Lenovo Vantage のサーマルモードを「バランス・モード」と「パフォーマンス・モード」それぞれに設定して測定
※一般住宅で周囲の音ができるだけ入らないようにして測定(室温:25℃)
音量計測イメージ
(使用測定器:Meterk SLM01)
■測定結果
モード | アイドル状態 (最小音量) |
最大音量 下段はピーク時の音量推移 |
|
---|---|---|---|
動画エンコード中 | FF XV ベンチ実行中 | ||
バランス | 34.4db | 52.5db (51~52db) |
55.9db (55db台) |
パフォーマンス | 34.4db | 55.8db (55db台) |
56.0db (55~56db) |
■騒音の目安
騒音の大きさ | 騒音の具体例 |
---|---|
60 デシベル | 走行中の自動車内 普通の会話 デパート店内 |
50 デシベル | 家庭用エアコンの室外機 静かな事務所の中 |
40 デシベル | 閑静な住宅地の昼 図書館内 |
30 デシベル | 深夜の郊外 鉛筆での執筆音 |
20 デシベル | 木の葉の触れ合う音 雪の降る音 |
参考:埼玉県深谷市ホームページ「騒音・振動の規制について」
アイドル時は「ヒューッ」という気流音がかすかに聞こえる程度で静かです。
高負荷な状態では「サーッ」という気流音が大きくうるさいです。ゲーミングPCなので致し方なしとは思いますが、うるさく感じるときはヘッドセットを装着するとよいでしょう。
ちなみに、Lenovo Vantage のサーマルモードで「カスタム・モード」にし「ファン速度:フル」に設定したときの音量は 61db台と かなりの轟音になります。
サーマルモードの設定
気流音はそれなりにうるさいですが、そのぶん本体内部の冷却効果はかなり高いので状況に応じて設定するとよいでしょう。
表面温度のチェック
表面温度については、下記を実施したときの表面温度を測定し評価します。
・アイドル状態で10分放置後
・Youtube 動画 30分間視聴後
・10分間動画のエンコード実行後
・ファイナルファンタジーXV ベンチマーク(FHD・高品質)1回実行後
※単位:℃、測定時の室温:25℃
※Lenovo Vantage のサーマルモードを「バランス・モード」に設定して測定。(ファイナルファンタジーXV ベンチマークは「パフォーマンス・モード」で実施)
■アイドル状態で10分放置
■Youtube 動画 30分間視聴後
■10分間動画エンコード実行後
■ファイナルファンタジーXV実行後
一般的な使いかたでもキーボード上の表面温度は少し高めです。タイピング中にも多少の温かさを感じるかもしれません。また、ゲーム中はキーボード上の温度がそれなりに上昇するため長時間キーボードを操作するゲームプレイのときは留意してください。
なお、ファイナルファンタジーXV ベンチマーク実行時のパーツ(CPUとdGPU)温度と動作周波数の推移は以下のとおり。
ファイナルファンタジーXV ベンチマーク(FHD・高品質)
CPUは ある温度(おそらく80度)を超えると動作周波数を一瞬抑制していますが、温度が下がると動作周波数を上げハイ・パフォーマンスに戻しています。一方、GPUは パーツ温度/動作周波数ともに安定して推移しています。
システム全体がハイ・パフォーマンスで推移しており、Legion ColdFront Hyper テクノロジーによる冷却性能が効果的に作用していることが分かります。
サウンド チェック
Legion 7i Gen 9 は、ゲームサウンドに定評のある Nahimicオーディオを採用しています。
Nahimicオーディオのサウンドユーティリティソフトは、コンテンツにあわせたプリセットが用意されているほか各プリセットをお好みの音質にチューニングすることもできます。
音楽プリセット
ゲームプリセット
以下は、実際にサウンドを聴いた印象です。
※プリセット「音楽」で試聴
■スピーカー
・低音域から高音域まで広い音域をカバーしクリアで高音質
・音声もはっきり明瞭に聴き取れる
・音量最大でも音割れしない
■ヘッドホン
・スピーカーと同様に高音質
Windows の起動・再起動・シャットダウン時間計測
Windows の起動、再起動、シャットダウン時間を それぞれ 5回ずつ計測しました。
起動 | 再起動 | シャットダウン | |
---|---|---|---|
1回目 | 13.9秒 | 42.6秒 | 9.8秒 |
2回目 | 14.1秒 | 41.2秒 | 9.5秒 |
3回目 | 14.5秒 | 42.8秒 | 9.7秒 |
4回目 | 14.7秒 | 42.5秒 | 10.0秒 |
5回目 | 14.1秒 | 41.6秒 | 9.5秒 |
平均 | 14.3秒 | 42.1秒 | 9.7秒 |
実際の使用にあたってはインストールしているアプリや Windows Update など状態により変動するので参考値としてください。
同梱品
Legion 7i Gen 9 の本体ほか付属品一式です。
同梱品リスト
・Legion 7i Gen 9 本体と化粧箱
・電源アダプター
・電源コード
・ドキュメント類
なお、本体とドキュメント類は化粧箱に収納されています。
まとめ
以上、Legion 7i Gen 9 (16型 Intel) のレビュー記事をお届けしました。
Legion 7i Gen 9 はパワフルなゲーム性能を搭載しています。
今回のレビュー機のスペック「Core i7-14700HX+RTX 4060 Laptop」はミドルレンジクラス(エントリー寄り)ですが、ゲームパフォーマンスは高く、重量級ゲームも快適なプレイが可能です。
性能・デザイン・実用性など全体的な仕上がりは優秀で、多くのゲームプレイヤーが高い満足度を得られるゲーミングノートといえるでしょう。
高評価のポイント
- パワフルなゲームパフォーマンス
- ゲーミングノートとしてはとてもスリム
- 高輝度・広色域・高リフレッシュレート ディスプレイ
- Nahimicオーディオのサウンドは秀逸
気をつけておきたい点
- キーボード上は少し温かい
- LANポートは非搭載
Legion 7i Gen 9 (16型 Intel)
税込 22万円台から
関連リンク
そのほかの取り扱い公式ショップは以下のリンクからご確認ください。