デル『Inspiron 15 5000 (5570)』実機レビュー 後編です。
後編では、各種ベンチマークによる性能レビューなどを行います。
(後編) ベンチマーク サウンド チェック Windows の起動・再起動時間計測 搭載ソフトウェア 付属品 まとめ |
レビュー内容については 2018年2月13日時点のものになります。
今回レビューを行うのは、「プラチナ・SSD搭載モデル」です。
レビュー機のスペック構成については「スペックについて」の章をご覧ください。
ベンチマーク
『Inspiron 15 5000』の基本性能や総合的なパフォーマンスのほか、CPU、グラフィック、ストレージ、バッテリーの性能を測定します。
基本性能
Windowsに搭載されているシステム評価ツール「WinSATコマンド」と、パソコンの各性能レベルを客観的に評価する「PASS MARK PerformanceTest 9.0」を使用して、パソコンの基本性能を測定します。
WinSAT
「WinSAT」による測定は、PCの性能を相対的に数値化して表現したもので、各項目の説明は次のとおりです。
CPUScore | CPU のスコア |
D3DScore | ゲーム用グラフィックスのスコア ただし、従来のゲーム用グラフィックスのスコアのため Windows 10では計測対象外(9.9というスコアは無視) |
DiskScore | プライマリハードディスクのスコア |
GraphicsScore | グラフィックスのスコア |
MemoryScore | メモリのスコア |
TimeTaken | 前回の評価(「MostRecentAssessment」は直近の評価を表します) |
WinSATAssessmentState | 評価の状態を表す値(1:評価済み、2:要再評価) |
WinSPRLevel | 基本スコア(SPR:System Performance Rating) |
PASS MARK PerformanceTest 9.0
「PASS MARK PerformanceTest 9.0」で計測されたスコアは、全世界のパソコンがアップロードしたスコアと比較、Percentile(パーセンタイル)の数値から自分のパソコンの性能レベルを客観的に把握することができます。
上記の測定結果を例にすると、画像の右上「CPU Mark」のスコア「9003.0」のパーセンタイルは「76th Percentile」で、計測を行った他のパソコン 76% よりも上位のスコアという意味です。
別な言い方をすると、「PASS MARK PerformanceTest 9.0」で計測しスコアをアップロードした全世界のパソコンのなかで、上位のスコアから 24%(100% - 76%)に位置するスコアということです。
これらの結果を見ると『Inspiron 15 5000』の基本性能はスタンダードノートとしてまずまずの性能レベルであることが分かります。
CPU性能
「CINEBENCH」を使って、CPU性能を測定します。
レビュー機『Inspiron 15 5000』の CPU には第8世代 インテル Core i7-8550U プロセッサーが搭載されています。
前世代(第7世代)のインテル Core i7-7500U プロセッサーの CPU スコアは 350cb 前後であるのに対し、レビュー機に搭載された CPU のスコアは 601cb。
ベンチマークのスコアを見る限りでは、およそ 71% 性能がアップしていることが分かります。
グラフィック性能
「3DMark」「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」、4つのベンチマークソフトを使ってグラフィック性能を測定します。
まず「3DMark」での測定です。
3DMark では「Ice Storm」「Cloud Gate」「Sky Diver」「Fire Strike」「Time Spy」、各シーンの描画の滑らかさをもとにグラフィック性能を測定します。
スコアの高さは描画の快適性を表しています。
測定前に流されるデモ映像を見たイメージとしては、次のような印象でした。
Ice Storm | なめらか描画 |
Cloud Gate | なめらか描画 |
Sky Diver | なめらか描画 |
Fire Strike | カクカクした描画 |
Time Spy | カクカクした描画 |
次が、「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」の測定結果。
標準品質、解像度 1280×720
最高品質、解像度 1280×720
標準品質、解像度 1920×1080
「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」の測定結果。
高品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
最高品質、解像度 1280×720、DirectX 11
さいごに、「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」の測定結果。
高品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
最高品質、解像度 1280×720、DirectX 11
4つのベンチマークソフトを使ったグラフィック性能の測定結果をみると、『Inspiron 15 5000』プラチナ・SSD搭載モデルのグラフィック性能レベルは、専用グラフィックス「AMD Radeon 530 グラフィックス」を搭載しているものの、大幅なスコアアップにはつながっていないようです。
とはいえ、スタンダードノートしての快適性は充分で、ビジネスシーンでのビデオチャットやテレビ会議のほか、プライベートでも動画視聴や写真・動画の編集、ライトなゲームも、気軽に楽しむことができそうです。
また、専用グラフィックスのユーティリティソフトがインストールされているので、各種設定を調整すれば描画の快適性をアップさせることもできます。
AMD RADEON SETTINGS ユーティリティソフト
ストレージ
ストレージのベンチマークです。
ストレージは SK Hynix製の SSD(容量 256GB、SATA接続)です。
ストレージ情報
ストレージのドライブ構成は次のようになります。
ストレージのドライブ構成
ストレージのデータ転送速度です。
ストレージのデータ転送速度
SSD が搭載されていると、Windows やアプリの起動が早くて快適です。
ただ、SSD の容量 256GB は、持ち歩くことの少ない 15.6型ノートとしては若干少なめです。写真や動画などサイズの大きいファイルやデータを扱う場合は、大容量の外付け HDD と併用したほうが良いでしょう。
総合的なパフォーマンス
「PCMark 8」を使用して、PCのアプリケーション実行における総合的なパフォーマンスを測定します。
Home Test
家庭での利用を想定したテスト内容です。
OpenCL対応の Accelerated にて測定
Creative Test
クリエイティブな利用を想定したテスト内容です。
OpenCL対応の Accelerated にて測定
総合的なパフォーマンスとしては、一般的なノートパソコンのスコアを大幅に上回る高いレベルのスコアで、実際に使ってみても軽快な動作でパフォーマンスも快適でした。
動作音・動作熱
動作音については、ベンチマークなど負荷のかかる処理中は本体内部の熱を排気するときの「サーッ」という気流音が大きくなります。個人差はありますが少し耳障りに感じるかもしれません。
ただ、負荷が低減すれば(=本体内部の温度が下がってくれば)即応するように排気音も静かになってきます。
実際の使用に際しては、ゲームや動画エンコードなど負荷のかかるときは排気音が大きくなりますが、パソコンを使っているあいだ負荷のかかる状態が終始続くわけではないので、それほど気になることはないと思います。
動作熱については、負荷のかかる処理中は、本体内部の熱を排気するため、排気口周辺が温かくなります。
また、キーボードの奥やヒンジ周辺は多少温かくなる程度で、キーボードのスキマからも本体内部から若干温かさが伝わってきます。とはいえ、パームレストはヒンヤリとしたままなので、不快な感じはありません。
バッテリー
『Inspiron 15 5000』に搭載されているバッテリーの性能(駆動時間)を測定します。
測定は、次の条件で周期的にバッテリーの残量を測定しバッテリー駆動時間を算出します。
・無線LANでインターネットに接続
・YouTubeを全画面で連続再生
・画面の明るさ:最大レベル
・音量:最大レベル
バッテリー駆動時間の測定結果は以下のようになります。
バッテリーの残量は、大よその数字で 1時間当たり 20~23% 程度減少しています。
バッテリーによる駆動は 5時間 4分経過後、Windows がバッテリー不足を検知し、パソコンは休止状態になりました。
バッテリーを多く消費する条件でもバッテリー駆動時間が 5時間くらい持続できることは、15.6型スタンダードノートクラスとしてのバッテリー性能はまずまずと言えるでしょう。
また、画面の明るさや音量レベルなどを通常使用レベルに調整すれば、バッテリー駆動時間はもう少し伸びると思いますし、別な言い方をすれば、モバイルノートではないので、バッテリー駆動時間としては十分とも言えるのではないでしょうか。
なお、実際の使用にあたっては、環境や条件などによりバッテリーの駆動時間は変動するので、参考値としてください。
サウンド チェック
『Inspiron 15 5000』には、サウンドユーティリティソフト「Waves MaxxAudio Pro」が搭載されています。
Waves MaxxAudio Pro には、サウンドのジャンルに合わせたプリセットが数多く設定されているほか、スピーカーやヘッドフォンなどサウンドを再生する機器に合わせて、お好みのサウンドにチューニングすることもできます。
Waves MaxxAudio Pro サウンド ユーティリティソフト
ちなみに、サウンドユーティリティソフトを開発した Waves MaxxAudio はイスラエルのデジタル音声&音響技術メーカーで、そのサウンドは パソコンやタブレット、スマートフォンなど幅広く採用されています。
実際にサウンドを聴いてみた印象です。
■スピーカー
悪くはないがそれなりの印象。
音量を上げると音割れする場合がある。
(80を超えたあたりから。サウンドの種類にもよるが)
■ヘッドフォン
低音域から高音域まで音域が広く、厚みのあるサウンドを楽しめる。
Windows の起動・再起動 時間計測
『Inspiron 15 5000』の Windows起動時間と再起動時間を それぞれ 5回ずつ計測しました。
回 | 起動時間 | 再起動時間 |
---|---|---|
1 | 14.9秒 | 30.0秒 |
2 | 14.8秒 | 25.7秒 |
3 | 14.6秒 | 25.9秒 |
4 | 14.8秒 | 25.8秒 |
5 | 14.8秒 | 25.6秒 |
Windows の起動と再起動は、感覚的にも「早い」という印象でした。
搭載ソフトウェア
『Inspiron 15 5000』に搭載されている主なソフトウェアです。
Windows標準のソフトのほか、Dell サポート関連ソフト、マルチメディアコンテンツの統合パッケージ CyberLink製の「Media Suite Essentials」、セキュリティソフト「マカフィー リブセーブ」などがインストールされています。
「Dell Help & Support」には、Windows 10 の操作方法、ワイヤレスや周辺機器への接続方法などを参照することができ、はじめて Windows 10 を使うときでもあんしんです。
「Support Assist」には、ドライバなどソフトウェアのアップデートやシステム全体を最適化してくれる機能も搭載されており、快適なパフォーマンスを維持することができます。
また、CyberLink製の「Media Suite Essentials」には、動画・音楽などのメディア再生ソフト「Power Media Player」、動画編集ソフト「PowerDirector 14」、ライティングソフト「Power2Go」が入っています。
Media Suite Essentials for Dell
DVD での動画鑑賞や、ビデオやスマートフォンなどで撮影した動画の編集も気軽に楽しめます。
付属品
『Inspiron 15 5000』の本体ほか同梱品一式(電源アダプター、電源コード、ドキュメント類)です。
付属しているドキュメントは「クイックスタートガイド」と「安全および認可機関に関する情報」などです。
クイックスタートガイドは簡単な内容が記載されている程度ですが、製品の使い方や取り扱いに関する詳細な情報はデル公式サイトで公開しており、ブラウザで閲覧できるほか、PDF ファイルとしてダウンロードすることもできます。
まとめ
『Inspiron 15 5000』は、シンプルでスタイリッシュな 15.6型スタンダードノートです。
性能面でも第8世代インテル Core プロセッサーや動作周波数の高い DDR4 メモリを搭載するなど基本性能も高く、軽快な動作でパフォーマンスも快適です。
価格面では 97,178円(税込・配送料込) ~と、性能レベルの高いスタンダードノートながらもリーズナブルな価格です。
キーボードの若干クセやディスプレイの色味が今ひとつであることは少し残念ですが、性能や機能、価格などトータルバランスを見てもコストパフォーマンスに優れたモデルといえます。
なお、デル直販サイト「デルオンラインストア」で発行しているクーポンを利用すれば、通常価格よりもさらにお買い得価格になります。
ラインナップしているモデルの詳細やクーポンなどの最新情報は、デルオンラインストアでチェックしてください。
デル直販「デルオンラインストア」公式サイト ⇒ New_Inspiron_15_5000_5570(2017/10/3発売) |