デル『Inspiron 15 5000ゲーミング(5576 Gaming)』の実機レビュー 後編です。
後編では、『Inspiron 15 5000ゲーミング』プラチナ・RX560搭載モデルの各種ベンチマーク、起動・シャットダウン時間計測などのレビューを行います。
(後編) ベンチマーク RAWデータ現像・動画エンコード処理時間計測 サウンド チェック Windows の起動・シャットダウン時間計測(動画に収録) 搭載ソフトウェア 付属品 まとめ |
※レビュー内容は 2017年10月13日時点のものになります。
ベンチマーク
『Inspiron 15 5000ゲーミング』の基本性能やトータルパフォーマンス、グラフィック性能、ストレージ、バッテリーについての性能を測定します。
基本性能
Windowsに搭載されているシステム評価ツール「WinSATコマンド」によるパソコン性能の測定です。
「WinSAT」による測定は、PCの性能を相対的に数値化して表現したもので、各項目の説明は次のとおりです。
CPUScore | CPU のスコア |
D3DScore | ゲーム用グラフィックスのスコア ただし、従来のゲーム用グラフィックスのスコアのため Windows 10では計測対象外(9.9というスコアは対象外) |
DiskScore | プライマリハードディスクのスコア |
GraphicsScore | グラフィックスのスコア |
MemoryScore | メモリのスコア |
TimeTaken | 前回の評価(「MostRecentAssessment」は直近の評価を表します) |
WinSATAssessmentState | 評価の状態を表す値(1:評価済み、2:要再評価) |
WinSPRLevel | 基本スコア(SPR:System Performance Rating) |
総合的なパフォーマンス
「PCMark 8」を使用して、PCのアプリケーション実行における総合的なパフォーマンスを測定します。
なお、PCMark 8 では、『Inspiron 15 5000ゲーミング』に搭載されている CPU「第7世代 AMD FX 9830P クワッド- コア APU」とグラフィックス「AMD Radeon RX560」を認識できませんでした。ただし、スコアはシッカリ計測されています。
Home Test
家庭での利用を想定したテスト内容です。
OpenCL対応の Accelerated にて測定
Creative Test
クリエイティブな利用を想定したテスト内容です。
OpenCL対応の Accelerated にて測定
総合的なパフォーマンスとしては、スコアはまずまずですが、ハイレベルなゲーミングPC のスコアと少し差があるようです。一般的なノートパソコンのミドルレンジの上位クラスといったところでしょうか。
グラフィック性能
『Inspiron 15 5000ゲーミング』プラチナ・RX560搭載モデルには、第7世代 AMD FX 9830P クワッド- コア APU と AMD Radeon RX560 グラフィックスが搭載されています。
「3DMark」「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」、4つのベンチマークソフトを使ってグラフィック性能を測定します。
まず「3DMark」での測定です。
3DMark では「Ice Storm」「Cloud Gate」「Sky Diver」「Fire Strike」「Time Spy」、各シーンの描画の滑らかさをもとにグラフィック性能を測定します。
スコアの高さは描画の快適性を表しています。
測定前に流されるデモ映像を見たイメージとしては、次のような印象でした。
Ice Storm | なめらか描画 |
Cloud Gate | なめらか描画 |
Sky Diver | なめらか描画 |
Fire Strike | なめらか描画。厳しく見れば、少しだけカクついた描画もあったが全然問題ないレベル。 |
Time Spy | 全体的にカクついた描画だが、何とか我慢できるレベル。 |
次が、「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」の測定結果。
標準品質、解像度 1280×720
最高品質、解像度 1280×720
標準品質、解像度 1920×1080
最高品質、解像度 1920×1080
「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」の測定結果。
高品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
最高品質、解像度 1280×720、DirectX 11
さいごに、「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」の測定結果。
高品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
最高品質、解像度 1280×720、DirectX 11
4つのベンチマークソフトを使ったグラフィック性能の測定結果をみると、『Inspiron 15 5000ゲーミング』のグラフィック性能は、ゲーミングPC としてまずまずのレベルです。
ヘビーなゲームには少し厳しいものの、ミドルレンジクラスのゲームまでなら、快適なパフォーマンスで楽しめる性能を備えている印象です。
なお、AMD Radeon RX560 グラフィックスは VR には対応していません。(念のため)
動作音については、ベンチマークなど負荷のかかる処理を実行しているときは、排熱のためファンがフル回転しファン音が大きくなります。
個人差はありますが、耳ざわりに感じるときもあるかもしれません。
また、熱については、負荷のかかる処理中はキーボード奥側が少し熱くなるものの、パームレストは熱さを感じず、快適に使えます。
ストレージ
ストレージのドライブ構成です。
ストレージは、東芝製の SSD で 容量は 256GB です。
ストレージのデータ転送速度です。
SSD が搭載されていると、数字が示す通り Windows や アプリの起動も高速です。
バッテリー
『Inspiron 15 5000ゲーミング』に搭載されているバッテリーの性能を測定してみます。
測定は、次の条件で周期的にバッテリーの残量を測定しバッテリー駆動時間を算出します。
・無線LANでインターネットに接続
・YouTubeを全画面で連続再生
・画面の明るさ:最大レベル
・音量:最大レベル
バッテリーの残量は、大よその数字で 1時間当たり 15% くらいずつ減少しています。
バッテリーによる駆動は 6時間 18分経過後、Windows がバッテリー不足を検知し、パソコンはスリープ状態になりました。
消費電力が比較的高めのゲーミングPC ながら、バッテリー駆動時間は意外と長い印象です。
ただし、実際の使用にあたっては、環境や条件などによりバッテリーの駆動時間は変動するので、参考値としてください。
RAWデータ現像・動画エンコード処理時間計測
『Inspiron 15 5000ゲーミング』プラチナ・RX560搭載モデルで、RAWデータ現像と動画エンコードの処理時間を計測してみます。
RAWデータ現像
RAWデータ現像に使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。
■使用ソフトウェア
CyberLink PhotoDirector 7
■条件等
・RAWデータ 50ファイルを一括書き出し
・プリセット等 編集は適用しない
・撮影カメラ SONY NEX-5
■処理時間
処理時間 | メモリ使用量 |
---|---|
2分23秒 | 最大 4.6GB |
※メモリ使用量は処理中の「コミット済みメモリ」を計測。
(パソコンがシステム全体で実際に使用しているメモリの使用量)
動画エンコード
動画エンコードに使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。
■使用ソフトウェア
CyberLink PowerDirector 15
■条件等
・AVCHD動画(1920×1080)を mp4 形式で出力
(m2ts→mp4、720p、1280×720/30p 16Mbps)
・動画再生時間 10分間
■処理時間
処理時間 | メモリ使用量 |
---|---|
7分23秒 | 最大 4.3GB |
※メモリ使用量は処理中の「コミット済みメモリ」を計測。
(パソコンがシステム全体で実際に使用しているメモリの使用量)
サウンド チェック
『Inspiron 15 5000ゲーミング』には、Waves MaxxAudio Pro が搭載されています。
Waves MaxxAudio はイスラエルのデジタル音声&音響技術メーカーで、そのサウンドは パソコンやタブレット、スマートフォンなど幅広く採用されています。
Waves MaxxAudio Pro のコントロール画面では、スピーカー、ヘッドフォンなど、サウンドを再生する機器に合わせて、お好みのサウンドにチューニングすることができます。
Waves MaxxAudio Pro コントロール画面
実際に聴いてみた印象は次のとおりです。
■スピーカー
低音域から高音域まで音域が広く高音質。
底面にウーファーを搭載しているだけに、一般的なノートパソコンの低音域の弱さをカバーしている。
ただし、専用のオーディオ機器ほどの重低音ではない。
■ヘッドフォン
ヘッドホンで聞くサウンドは、すべての音域が増幅され、臨場感もアップ。迫力のサウンドが楽しめる。
通常のヘッドホンで充分楽しめる。
Windows の起動・シャットダウン時間計測(動画に収録)
『Inspiron 15 5000ゲーミング』の Windows起動時間とシャットダウン時間は、次のとおりです。
・起動 : 19.5秒
・再起動 : 8.0秒
Windowsの起動とシャットダウンの様子を動画に収録しています。起動・シャットダウン時間を感覚でイメージできるので参考にどうぞ!
搭載ソフトウェア
『Inspiron 15 5000ゲーミング』に搭載されている主なソフトウェアです。
Windows標準のソフトのほか、Dell サポート関連ソフト、セキュリティソフト「マカフィー リブセーブ」などがインストールされています。(写真・動画編集ソフトはインストールされていませんでした。)
「Dell Help & Support」には、Windows 10 の操作方法、ワイヤレスや周辺機器への接続方法などを参照することができ、はじめて Windows 10 を使うときでもあんしんです。
また、プロセッサー内蔵のグラフィックス機能を使い方に合わせて設定できる「AMD Radeon Settings」も入っています。ゲーム環境の最適化や、ディスプレイ映像の描画調整などが可能です。
付属品
『Inspiron 15 5000ゲーミング』の本体ほか同梱品一式(電源アダプター、電源コード、ドキュメント類)です。
付属しているドキュメントは、「クイックスタートガイド」と「安全および認可機関に関する情報」でマルチ言語対応版です。
いずれも、かんたんな内容が記載されている程度ですが、製品の使い方や取り扱いに関する詳細な情報は、デル公式サイトで公開しており、ブラウザで閲覧できるほか、PDF ファイルとしてダウンロードすることもできます。
まとめ
『Inspiron 15 5000ゲーミング』のグラフィックス性能は、気軽に楽しめるゲーミングノートとしては、高いレベルの印象です。
写真・動画編集については、今ひとつの印象です。(おそらく CPU の性能によるものと推察されます)
とはいえ、ゲーミングノートの入門機としては、リーズナブルな価格のわりに使い勝手も良くパフォーマンスもおおむね快適です。
性能・機能・価格などトータルバランスを見ても、コストパフォーマンスにも優れたゲーミングノートといえます。
ラインナップしているモデルや価格などの最新情報は、デル直販サイト「デルオンラインストア」でチェックしてみてください。
デル オンラインストア 公式サイト ⇒ New_Inspiron_15_5000ゲーミング_5576 |