デル『Inspiron 13 7000』実機レビュー 後編です。
後編では、各種ベンチマークによる性能レビューを行います。
(後編) ベンチマーク サウンド チェック Windows の起動・再起動 時間計測 搭載ソフトウェア 付属品 まとめ |
レビュー内容については 2018年2月8日時点のものになります。
スペック構成については「スペックについて」の章をご覧ください。
ベンチマーク
『Inspiron 13 7000』の基本性能や総合的なパフォーマンスのほか、CPU、グラフィック、ストレージ、バッテリーの性能を測定します。
基本性能
Windowsに搭載されているシステム評価ツール「WinSATコマンド」と、パソコンの各性能レベルを客観的に評価する「PASS MARK PerformanceTest 9.0」を使用して、パソコンの基本性能を測定します。
WinSAT
「WinSAT」による測定は、PCの性能を相対的に数値化して表現したもので、各項目の説明は次のとおりです。
CPUScore | CPU のスコア |
D3DScore | ゲーム用グラフィックスのスコア ただし、従来のゲーム用グラフィックスのスコアのため Windows 10では計測対象外(9.9というスコアは無視) |
DiskScore | プライマリハードディスクのスコア |
GraphicsScore | グラフィックスのスコア |
MemoryScore | メモリのスコア |
TimeTaken | 前回の評価(「MostRecentAssessment」は直近の評価を表します) |
WinSATAssessmentState | 評価の状態を表す値(1:評価済み、2:要再評価) |
WinSPRLevel | 基本スコア(SPR:System Performance Rating) |
PASS MARK PerformanceTest 9.0
「PASS MARK PerformanceTest 9.0」で計測されたスコアは、全世界のパソコンがアップロードしたスコアと比較、Percentile(パーセンタイル)の数値から自分のパソコンの性能レベルを客観的に把握することができます。
上記の測定結果を例にすると、画像の右上「CPU Mark」のスコア「9581.0」のパーセンタイルは「82nd Percentile」で、計測を行った他のパソコン 82% よりも上位のスコアという意味です。
別な言い方をすると、「PASS MARK PerformanceTest 9.0」で計測しスコアをアップロードした全世界のパソコンのなかで、上位のスコアから 18%(100% - 82%)に位置するスコアということです。
これらの結果から、『Inspiron 13 7000』の基本性能は高いレベルのスコアであることが分かります。
CPU性能
「CINEBENCH」を使って、CPU性能を測定します。
レビュー機『Inspiron 13 7000』の CPU には第8世代 インテル Core i7-8550U プロセッサーが搭載されています。
前世代(第7世代)のインテル Core i7-7500U プロセッサーの CPU スコアは 350cb 前後であるのに対し、レビュー機に搭載された CPU のスコアは 560cb。
ベンチマークのスコアを見る限りでは、およそ 60% 性能がアップしていることが分かります。
グラフィック性能
「3DMark」「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」、4つのベンチマークソフトを使ってグラフィック性能を測定します。
まず「3DMark」での測定です。
3DMark では「Ice Storm」「Cloud Gate」「Sky Diver」「Fire Strike」「Time Spy」、各シーンの描画の滑らかさをもとにグラフィック性能を測定します。
スコアの高さは描画の快適性を表しています。
測定前に流されるデモ映像を見たイメージとしては、次のような印象でした。
Ice Storm | なめらか描画 |
Cloud Gate | なめらか描画 |
Sky Diver | なめらか描画。ときどき少しだけカクついたシーンもあったが問題ないレベル。 |
Fire Strike | カクカクした描画 |
Time Spy | カクカクした描画 |
次が、「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」の測定結果。
標準品質、解像度 1280×720
最高品質、解像度 1280×720
標準品質、解像度 1280×1080
「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」の測定結果。
標準品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
高品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
さいごに、「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」の測定結果。
標準品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
高品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
4つのベンチマークソフトを使ったグラフィック性能の測定結果をみると、『Inspiron 13 7000』スプレマシーモデルのグラフィック性能レベルは、CPU内蔵グラフィックスながら意外と高いレベルです。
モバイルノートしての快適性は充分で、ビジネスシーンでのビデオチャットやテレビ会議のほか、プライベートでも動画視聴や写真・動画の編集、ライトなゲームも、気軽に楽しむことができそうです。
ストレージ
ストレージのベンチマークです。
ストレージは SAMSUNG製の SSD で 容量は 512GB、接続規格 M.2 (Type2280) / 対応規格 PCIe / 転送モード NVMe です。
ストレージ情報
ストレージのドライブ構成は次のようになります。
ストレージのデータ転送速度です。
ストレージのデータ転送速度
SSD が搭載されていると、Windows やアプリの起動が早くて快適です。
とくに、『Inspiron 13 7000』に搭載されている SSD は、対応規格 PCIe / 転送モード NVMe なので、Windows やアプリの起動などストレージへのアクセスは、体感的にも爆速です。
総合的なパフォーマンス
「PCMark 8」を使用して、PCのアプリケーション実行における総合的なパフォーマンスを測定します。
Home Test
家庭での利用を想定したテスト内容です。
OpenCL対応の Accelerated にて測定
Creative Test
クリエイティブな利用を想定したテスト内容です。
OpenCL対応の Accelerated にて測定
総合的なパフォーマンスとしては、モバイルノートながら、高いレベルで快適なパフォーマンスが期待できるスコアです。
動作音・動作熱
動作音については、負荷のかかる処理中は「サーッ」という排熱するときの気流音が大きくなります。個人差はありますが少し耳障りに感じるかもしれません。
ただ、通常の状態での動作音は静かです。使っているあいだ負荷のかかる状態が終始続くわけではないので、それほど気になることはないでしょう。
また、動作熱については、負荷のかかる処理中は、キーボードの奥、ヒンジ(排気口)周辺が多少熱くなります。
キーボードやパームレストも少し温かくなりますが不快な感じはありません。
バッテリー
『Inspiron 13 7000』に搭載されているバッテリーの性能(駆動時間と充電時間)を測定します。
■駆動時間
バッテリーでの駆動は、次の条件でバッテリーによる駆動時間を計測します。
・無線LANでインターネットに接続
・YouTubeを全画面で連続再生
・画面の明るさ:最大レベル
・音量:最大レベル
■充電時間
バッテリー充電時間の計測は以下の条件で行います。
・測定開始はバッテリー残量がほぼゼロの状態
・電源アダプターを接続し Windows を起動
・スクリーンセーバー(ラインアート)でパソコンはアイドル状態
※スクリーンタイムアウトや PCスリープは設定しない。
バッテリーの駆動時間と充電時間の測定結果は以下のようになります。
バッテリーで駆動しているとき、バッテリーの残量は大よその数字で 1時間当たり 23% くらいずつ減少しています。
バッテリーによる駆動は 3時間 53分経過後、Windows がバッテリー不足を検知し、パソコンは休止状態になりました。
通常よりもバッテリーを多く消費する使用条件ということもありますが、モバイルPC としては少し短い気がします。また、休止状態になる直前にバッテリー残量が大幅に減少している点はチェックが必要です。
バッテリー充電については、50%まで充電するのに 1時間11分、充電完了までの所要時間は 3時間18分でした。
バッテリー性能としては高いレベルではなさそうです。
ただし、ディスプレイの明るさや音量を適度に設定するなど節電モードでの使用ならバッテリー駆動時間はもっと長くなるはずです。
なお、実際の使用にあたっては、環境や条件などによりバッテリーの駆動時間は変動するので、参考値としてください。
サウンド チェック
『Inspiron 13 7000』には、サウンドユーティリティソフト「Waves MaxxAudio Pro」が搭載されています。
Waves MaxxAudio Pro には、サウンドに合わせたプリセットが数多く設定されているほか、スピーカーやヘッドフォンなどサウンドを再生する機器に合わせて、お好みのサウンドにチューニングすることもできます。
Waves MaxxAudio Pro サウンド ユーティリティソフト
ちなみに、サウンドユーティリティソフトを開発した Waves MaxxAudio はイスラエルのデジタル音声&音響技術メーカーで、そのサウンドは パソコンやタブレット、スマートフォンなど幅広く採用されています。
実際にサウンドを聴いてみた印象です。
■スピーカー
再現できる音域、音の広がり、音質ともにまずまず。悪くはない。
ただ、高音質とまでは言い切れない。
■ヘッドフォン
低音域から高音域まで音域が広く高音質。
とくに低音域がシッカリ出ているのでサウンドに厚み、迫力が増す。
Windows の起動・再起動 時間計測
『Inspiron 13 7000』 Windows起動時間と再起動時間を それぞれ 5回ずつ計測しました。
回 | 起動時間 | 再起動時間 |
---|---|---|
1 | 11.8秒 | 29.5秒 |
2 | 11.4秒 | 30.0秒 |
3 | 11.4秒 | 30.0秒 |
4 | 11.5秒 | 25.1秒 |
5 | 11.4秒 | 25.0秒 |
Windows の起動と再起動は、感覚的にも「早い」という印象でした。
搭載ソフトウェア
『Inspiron 13 7000』に搭載されている主なソフトウェアです。
Windows標準のソフトのほか、Dell サポート関連ソフト、セキュリティソフト「マカフィー リブセーブ」などがインストールされています。
「Dell Help & Support」には、Windows 10 の操作方法、ワイヤレスや周辺機器への接続方法などを参照することができ、はじめて Windows 10 を使うときでもあんしんです。
また、「Support Assist」にはシステム全体を最適化してくれる機能も搭載されており、快適なパフォーマンスを維持することができます。
なお、動画再生ソフトや、写真・動画編集ソフトはプリインストールされていませんでした。
付属品
『Inspiron 13 7000』の本体ほか同梱品一式(電源アダプター、電源コード、ドキュメント類)です。
付属しているドキュメントは、「クイックスタートガイド」と「安全および認可機関に関する情報」でマルチ言語対応版です。
いずれも、かんたんな内容が記載されている程度ですが、製品の使い方や取り扱いに関する詳細な情報はデル公式サイトで公開しており、ブラウザで閲覧できるほか、PDF ファイルとしてダウンロードすることもできます。
まとめ
『Inspiron 13 7000』は、第8世代インテル Core プロセッサーを搭載した 13.3型モバイルノートです。
スタイリッシュでオシャレなデザインにくわえ、快適なパフォーマンスで軽快に動作してくれます。ストレスフリーで快適に使えるのは大きなアドバンテージです。
また、持ち歩きの多いモバイルノートだけにデザイン性の高さは意外と大切で、周りから見ても「オシャレ」と思えるようなパソコンを使っていると、所有感もアップし気持ちよく使えます。
価格をみても 114,458円(税込・配送料込) ~の価格は、性能やデザイン性の高さのわりにリーズナブルな価格で、コストパフォーマンスにも優れたモデルといえます。
なお、デル直販サイト「デルオンラインストア」で発行しているクーポンを利用すれば、さらにお買い得価格になります。
ラインナップしているモデルの詳細やクーポンなどの最新情報は、デルオンラインストアでチェックしてください。
デル直販「デルオンラインストア」公式サイト ⇒ New_Inspiron_13_7000_7370(2017/9/29発売) |