レノボ『ideapad 520』の実機レビュー 後編です。
後編は各種ベンチマークによる性能レビューです。
(後編) ベンチマーク サウンド チェック Windows の起動・再起動・シャットダウン時間計測 搭載ソフトウェア まとめ |
レビュー内容は 2018年5月10日時点のものです。
レビュー機のスペック構成については「スペックについて」の章をご覧ください。
ベンチマーク
『ideapad 520』の基本性能や総合的なパフォーマンスのほか、CPU、グラフィック、ストレージ、バッテリーの性能を測定します。
基本性能
Windowsに搭載されているシステム評価ツール「WinSATコマンド」と、パソコンの各性能レベルを客観的に評価する「PASS MARK PerformanceTest 9.0」を使用して、パソコンの基本性能を測定します。
WinSAT
「WinSAT」による測定は、PCの性能を相対的に数値化して表現したもので、各項目の説明は次のとおりです。
CPUScore | CPU のスコア |
D3DScore | ゲーム用グラフィックスのスコア ただし、従来のゲーム用グラフィックスのスコアのため Windows 10では計測対象外(9.9というスコアは無視) |
DiskScore | プライマリハードディスクのスコア |
GraphicsScore | グラフィックスのスコア |
MemoryScore | メモリのスコア |
TimeTaken | 前回の評価(「MostRecentAssessment」は直近の評価を表します) |
WinSATAssessmentState | 評価の状態を表す値(1:評価済み、2:要再評価) |
WinSPRLevel | 基本スコア(SPR:System Performance Rating) |
PASS MARK PerformanceTest 9.0
「PASS MARK PerformanceTest 9.0」で計測されたスコアは、全世界のパソコンがアップロードしたスコアと比較、Percentile(パーセンタイル)の数値から自分のパソコンの性能レベルを客観的に把握することができます。
上記の測定結果を例にすると、トータル性能を示す「PassMark Rating」のスコア「2958.4」のパーセンタイルは「68th Percentile」で、計測を行った他のパソコン 68% よりも上位のスコアという意味です。
別な言い方をすると、「PASS MARK PerformanceTest 9.0」で計測しスコアをアップロードした全世界のパソコンのなかで、上位のスコアから 32%(100% - 68%)に位置するスコアということです。
個別のスコアでみると 3D Graphics Mark のスコアが足を引っ張った結果ですが、さまざまなジャンルのパソコンのなかでもトータルスコアのランクは上位クラスで、レビュー機の『ideapad 520』の基本性能はスタンダードノートながら高いレベルの性能であることが分かります。
CPU性能
「CINEBENCH」を使って、CPU性能を測定します。
レビュー機『ideapad 520』の CPU には第8世代 インテル Core i5-8250U プロセッサーが搭載されています。
前世代(第7世代)のインテル Core i5-7200U プロセッサーの CPU スコアは 320cb くらいであるのに対し、レビュー機に搭載された CPU のスコアは 530cb。
ベンチマークのスコアを見る限りでは、およそ 65% 性能がアップしていることが分かります。
グラフィック性能
グラフィック性能は以下のゲーム系ベンチマークソフトを使って測定します。
■3DMark
■ドラゴンクエストX
■ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド
■ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター
■ファイナルファンタジーXV
3DMark
3DMark は、「ICE STORM」「CLOUD GATE」「SKY DIVER」「FIRE STRIKE」「TIME SPY」、各シーンについてグラフィック性能を測定します。
結果は以下のとおり。
測定前に流されるデモ映像を見たイメージとしては、次のような印象でした。
Ice Strom | なめらか描画 |
Cloud Gate | なめらか描画 |
Sky Diver | おおむねなめらか描画。ときどきカクついた描画もあったが問題ないレベル |
Fire Strike | カクカクした描画 |
Time Spy | カクカクした描画(コマ送りに近い) |
ドラゴンクエストX
ドラゴンクエストX ベンチマークの結果です。
標準品質、解像度 1280×720
最高品質、解像度 1280×720
標準品質、解像度 1920×1080
最高品質、解像度 1920×1080
ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド
ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマークの結果です。
標準品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
高品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
最高品質、解像度 1280×720、DirectX 11
ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター
ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマークの結果です。
標準品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
高品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
最高品質、解像度 1280×720、DirectX 11
ファイナルファンタジーXV
ファイナルファンタジーXV は、解像度 1280×720 / 軽量品質でも動作困難という結果でした。
解像度 1280×720、軽量品質
上記、5つのベンチマークソフトを使ったグラフィック性能の測定結果をみると、『ideapad 520』のグラフィック性能レベルは、スタンダードノートとしての快適性は充分で、動画視聴はもちろんのこと、写真・動画の編集やライトなゲームも気軽に楽しむことができるレベルです。
ストレージ
レビュー機のストレージには Ramaxel製の SSD(容量 256GB、SATA接続)が搭載されています。
ストレージ情報
ドライブ構成は次のようになります。
ストレージのデータ転送速度の測定結果です。
データ転送速度
SSD が搭載されていると、数字が示す通り Windows や アプリの起動も高速です。
総合的なパフォーマンス
「PCMark 8」および「PCMark 10」を使用して、PCのアプリケーション実行における総合的なパフォーマンスを測定します。
PCMark 8(Home Test)
家庭での利用を想定したテスト内容です。
(テスト結果はクリックで拡大表示できます)
PCMark 8(Home Test) OpenCL対応の Accelerated にて測定
PCMark 8(Creative Test)
クリエイティブな利用を想定したテスト内容です。
(テスト結果はクリックで拡大表示できます)
PCMark 8(Creative Test) OpenCL対応の Accelerated にて測定
PCMark 10 Extended
PCMark 10 Extended は、以下の 4つの Test Group のテストを実施します。
(テスト結果はクリックで拡大表示できます)
■Essentials(普段の作業を想定した基本的なテスト)
■Productivity(ビジネスソフトの使用を想定したテスト)
■Digital Contents Creation(写真・動画編集を想定したテスト)
■Gaming(ゲーミングソフトの使用を想定したテスト)
総合的なパフォーマンスは、スタンダードノートとして快適なパフォーマンスが期待できるスコアです。
なお、PCMark 10 Extended では Digital Contents Creation や Gaming のジャンルも含めた評価のため、総合スコアが低めに出ていますが、それらを除けば、高い性能レベルであることが分かります。
動作音・動作熱
動作音については、負荷のかかる処理中は本体内部の排熱のため「サーッ」というファン音が大きくなります。個人差はありますが少し耳障りに感じるかもしれません。
ただ、負荷が低減するとファン音は小さくなり、ほとんど気にならなくなります。
負荷のかかる処理が終始続いているわけではないことを考慮すると、動作音はそれほど気にすることもないと思います。
動作熱については、負荷のかかる処理中でもキーボードの奥 ヒンジ近く(排気口)周辺が少し温かくなる程度です。(温かいかな?と感じる程度)
また、キーボード上はキーの隙間からわずかに本体内部の熱を感じる程度で、パームレストは本体内部の熱の影響を受けず ともに不快な感じはありません。
バッテリー
『ideapad 520』に搭載されているバッテリーの性能(駆動時間)を測定します。
■駆動時間
バッテリーでの駆動は、次の条件でバッテリーによる駆動時間を計測します。
・無線LANでインターネットに接続
・YouTubeを全画面で連続再生
・画面の明るさ:最大レベル
・音量:最大レベル
バッテリー駆動時間の測定結果は以下のようになります。
バッテリーの残量は、大よその数字で 1時間当たり 21% ~ 25% 減少しています。
バッテリーによる駆動は 4時間12分経過後、Windows がバッテリー不足を検知し、パソコンは休止状態になりました。
バッテリーを多く消費する条件でもバッテリー駆動時間が 4時間くらい持続できれば 15.6型ノートならまずまずといえるでしょう。
なお、画面の明るさや音量レベルなどを通常の使用レベルに調整すれば、バッテリー駆動時間はもう少し伸びるはずです。
実際の使用にあたっては、環境や条件などによりバッテリーの駆動時間は変動するので、参考値としてください。
サウンド チェック
『ideapad 520』には Harman(ハーマンインターナショナル)製ステレオスピーカーが搭載されています。
また、サウンドユーティリティソフトには Dolby Audio がインストールされています。
映画、音楽、ゲームなど、サウンドの種類に合わせた音質設定のほか、パーソナライズでお好みの音質に調整できるグラフィックイコライザー機能も搭載されています。
実際に聴いてみた印象としては・・・
■スピーカー
再現できる音域は広いが低音域の出力が弱い。
音質自体はまずまずだが、若干こもった感じに聞こえる。
カジュアルにサウンドを聞くなら、それなりに楽しめる。
■ヘッドホン
低音域から高音域まで広い音域で高音質なサウンドを楽しめる。
サウンドを楽しむならヘッドホンがおすすめ。
Windows の起動・再起動・シャットダウン時間計測
Windows の起動時間、再起動時間、シャットダウン時間を それぞれ 5回ずつ計測しました。
感覚的にも結果が示す通り「早い」です。
搭載ソフトウェア
『ideapad 520』に搭載されている主なソフトウェアです。(クリックで拡大表示できます)
Windows標準のソフトのほか、レノボオリジナルのサポートソフト、CyberLink製のライティングソフト「CyberLinkPower2Go」、動画再生ソフト「CyberLink PowerDVD」などがインストールされています。
また、ウィルス対策ソフトには「マカフィーリブセーフ」(試用版)がインストールされています。
インストールされているソフトウェアは必要最低限といった印象です。
まとめ
以上、『ideapad 520』のレビュー記事をお届けしました。
『ideapad 520』は性能レベルが高く快適パフォーマンスで軽快に動作してくれます。
高いレベルの性能にくわえ、薄型でデザインもスタイリッシュ。
価格はレビュー機のスペックでもクーポン適用で 7万円台とリーズナブル。性能・デザイン・価格などトータルバランスをみてもコスパ抜群のモデルといえます。(価格は記事作成時点)
ラインナップしているモデルや価格、クーポンなどの最新情報はレノボ直販サイト「レノボショッピング」でチェックしてください。
レノボ直販「レノボショッピング」公式サイト ⇒ 『ideapad 520』製品ページ |
※製品ページには割引クーポンも掲載されています。