日本HP『HP Pavilion Gaming Desktop 790』の実機レビュー 後編です。
後編では、パフォーマンスプラスモデルを使って、各種ベンチマークのほか、RAWデータ現像・動画エンコード処理時間計測、起動・シャットダウン時間計測などの性能レビューを行います。
なお、レビュー機のスペック構成については「スペックについて」の章をご覧ください。
(後編) ベンチマーク RAWデータ現像・動画エンコード処理時間計測 Windows の起動・再起動・シャットダウン時間計測 搭載ソフトウェア 付属品 まとめ |
レビュー内容については 2018年11月10日時点のものです。
ベンチマーク
『HP Pavilion Gaming Desktop 790』パフォーマンスプラスモデルの基本性能や総合的なパフォーマンスのほか、CPU、グラフィック、ストレージの性能を測定します。
基本性能
Windowsに搭載されているシステム評価ツール「WinSATコマンド」を使用して、パソコンの基本性能を測定します。
WinSAT
「WinSAT」による測定は、PCの性能を相対的に数値化して表現したもので、各項目の説明は次のとおりです。
CPUScore | CPU のスコア |
D3DScore | ゲーム用グラフィックスのスコア ただし、従来のゲーム用グラフィックスのスコアのため Windows 10では計測対象外(9.9というスコアは無視) |
DiskScore | プライマリハードディスクのスコア |
GraphicsScore | グラフィックスのスコア |
MemoryScore | メモリのスコア |
TimeTaken | 前回の評価(「MostRecentAssessment」は直近の評価を表します) |
WinSATAssessmentState | 評価の状態を表す値(1:評価済み、2:要再評価) |
WinSPRLevel | 基本スコア(SPR:System Performance Rating) |
CPU性能
「PASS MARK PerformanceTest」と「CINEBENCH」を使って、CPU性能を測定します。
PASS MARK PerformanceTest
CINEBENCH 測定結果
レビュー機『HP Pavilion Gaming Desktop 790』の CPU には第8世代インテル Core i7-8700 プロセッサーが搭載されています。
「PASS MARK PerformanceTest」のスコア「16074」のパーセンタイルは 98%、計測を行った他のパソコン 98% よりも上位のスコアという意味です。
別な言い方をすると、「PASS MARK PerformanceTest」で計測しスコアをアップロードした全世界のパソコンのなかで、CPU のスコアは上位から 2%(100% - 98%)に位置するスコアということです。
また、「CINEBENCH」についてもレベルの高いスコアで、第8世代インテル Core i5-8400 プロセッサーのスコアと比較しても、レベルの高さが伺えます。
Core i7-8700 | Core i5-8400 | |
---|---|---|
OpenGL | 127.08 fps | 47.54 fps |
Ref.Match | 99.6 % | 97.8 % |
CPU | 1331 cb | 930 cb |
CPU (Single Core) | 199 cb | 172 cb |
MP Ratio | 6.69 x | 5.40 x |
第8世代インテル Core i7-8700 プロセッサーの性能レベルの高さが際立ちます。
グラフィック性能
グラフィック性能は以下のベンチマークソフトを使って測定します。
■3DMark
■ドラゴンクエストX
■ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター
■ファイナルファンタジーXV
■SteamVR パフォーマンステスト
■VRMark
3DMark
3DMark のベンチマーク結果です。
ドラゴンクエストX
ドラゴンクエストX ベンチマークの結果です。
最高品質、解像度 1280×720
最高品質、解像度 1920×1080
ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター
ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマークの結果です。
最高品質、解像度 1280×720、DirectX 11
最高品質、解像度 1920×1080、DirectX 11
ファイナルファンタジーXV
ファイナルファンタジーXV ベンチマークの結果です。
標準品質、解像度 1280×720
標準品質、解像度 1920×1080
SteamVR パフォーマンステスト
SteamVR パフォーマンステスト結果です。
SteamVR パフォーマンステスト
VRMark
VRMark を使用して、VR性能を測定します。
(テスト結果はクリックで拡大表示できます)
Orange Room
Orange Room は VRアプリケーションを快適に楽しめるか標準的負荷のテストです。
Blue Room
Blue Room は VRアプリケーションで利用される典型的なグラフィックス処理を高クオリティで処理させる高負荷なテストです。
Cyan Room
Cyan Room は Orange Room と Blue Room の中間的な負荷のテストで、DirectX 12 でどの程度の VRパフォーマンスを発揮できるかを判定するテストです。
上記のベンチマークソフトを使ったグラフィック性能の測定結果をみると、『HP Pavilion Gaming Desktop 790』パフォーマンスプラスモデルのグラフィック性能レベルは、ゲーミングノートとして非常に高いレベルで、ヘビーなゲームタイトルから VR までほとんどのコンテンツを快適に楽しめる性能レベルです。
ストレージ
『HP Pavilion Gaming Desktop 790』のストレージは、高速ストレージ SSD と 大容量ストレージ HDD のデュアルドライブ構成です。
ストレージのドライブ構成は次のようになります。
まず、SSD から見てみます。
SSD は Intel製で 容量 512GB(PCIe NVMe M.2)です。
(ほかのメーカーのSSDが搭載される可能性もあります)
ストレージ情報(SSD)
SSD のデータ転送速度です。
データ転送速度(SSD)
SSD が搭載されていると、Windows やアプリの起動が早くて動作も軽快です。
とくに、『HP Pavilion Gaming Desktop 790』に搭載されている SSD は、対応規格 PCIe / 転送モード NVMe なので、Windows やアプリの起動などストレージへのアクセスは、体感的にも爆速です。
NVMe は、SATA接続の SSD よりも 高速なデータアクセスが可能なインターフェースです。SSD の高速アクセスを活かしてくれるインターフェースなので、Windows や アプリもより高速に起動できます。
次に、HDD を見てみます。
HDD は、東芝製で 容量は 2TB、回転数は 7200rpm です。
(ほかのメーカーのHDDが搭載される可能性もあります)
ストレージ情報(HDD)
HDD のデータ転送速度です。
データ転送速度(HDD)
回転数が 7200rpm の HDD としては、とても良好なスコアです。
SSD と HDD のデュアルドライブ構成は、Windows や アプリは SSD から素早く起動でき、ゲームシーンの録画データや写真・動画などサイズの大きいデータは HDD にたくさん保存することができる、ストレージとしてコストパフォーマンスに優れた構成です。
実際の使用感としても Windows や アプリの起動も高速で動作も軽快です。
総合的なパフォーマンス
「PCMark 8」および「PCMark 10」を使用して、PCのアプリケーション実行における総合的なパフォーマンスを測定します。
PCMark 8(Home Test)
家庭での利用を想定したテストです。
PCMark 8(Home Test) OpenCL対応の Accelerated にて測定
(テスト結果はクリックで拡大表示できます)
PCMark 8(Creative Test)
クリエイティブな利用を想定したテストです。
PCMark 8(Creative Test) OpenCL対応の Accelerated にて測定
(テスト結果はクリックで拡大表示できます)
PCMark 10 Extended
PCMark 10 Extended は、以下の 4つの Test Group のテストを実施します。
(テスト結果はクリックで拡大表示できます)
■Essentials(普段の作業を想定した基本的なテスト)
■Productivity(ビジネスソフトの使用を想定したテスト)
■Digital Contents Creation(写真・動画編集を想定したテスト)
■Gaming(ゲーミングソフトの使用を想定したテスト)
総合的なパフォーマンスは、ゲーミングPC として とても快適なパフォーマンスが期待できるスコアです。
とくに、PCMark 10 Extended では Gaming ジャンルのテスト結果が突出しています。
もっとカジュアルにゲームを楽しみたいユーザー向けに投入されたブランドでありながら、ベンチマークのスコアの高さには驚きです。
RAWデータ現像・動画エンコード処理時間計測
『HP Pavilion Gaming Desktop 790』パフォーマンスプラスモデルで、RAWデータ現像と動画エンコードの処理時間を計測してみます。
RAWデータ現像
RAWデータ現像に使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。
■使用ソフトウェア
CyberLink PhotoDirector 7
(筆者所有のソフトウェア)
■条件等
・RAWデータ 50ファイルを一括書き出し
・プリセット等 編集は適用しない
・撮影カメラ SONY NEX-5
■処理時間
出力先 | 処理時間 | メモリ使用量 |
---|---|---|
SSD | 41.2秒 | 5.7GB |
HDD | 40.8秒 | 5.6GB |
※メモリ使用量は処理中の「コミット済みメモリ」(最大値)。
(パソコンがシステム全体で実際に使用しているメモリの使用量)
※常駐アプリなど既定のソフトウェア以外は起動しない。
動画エンコード
動画エンコードに使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。
■使用ソフトウェア
CyberLink PowerDirector 15
(筆者所有のソフトウェア)
■条件等
・AVCHD動画(1920×1080)を mp4 形式で出力
(m2ts→mp4、720p、1280×720/30p 16Mbps)
・動画再生時間 10分間
■処理時間
出力先 | 処理時間 | メモリ使用量 |
---|---|---|
SSD | 1分49秒3 | 5.5GB |
HDD | 1分47秒9 | 5.5GB |
※メモリ使用量は処理中の「コミット済みメモリ」(最大値)。
(パソコンがシステム全体で実際に使用しているメモリの使用量)
※常駐アプリなど既定のソフトウェア以外は起動しない。
RAWデータ現像、動画エンコードともに実行スピードは速く、短時間で処理完了しました。
駆動音・パーツ温度
平常時は「ブーン」というファンの回転音が聞こえますが、音の大きさはそれほどでもなく全然耳ざわりに感じません。
負荷のかかる処理中は、ファンがフル回転し「ブーン」という音が少し大きくなりますが、耳ざわりに感じるほどではありません。
負荷が低減すると即応するように「ブーン」という音も小さくなります。エアフローもシッカリとしている印象です。
本体の表面温度については、負荷のかかる処理になると、天面部分の奥(CPU が実装されている上部)や、専用グラフィックスボードが実装されているサイドパネルのあたりが少しだけ温かくなる程度です。それ以外は本体内部の熱の影響はありません。
以下の画像は、動画エンコードとベンチマーク「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター」をそれぞれ実行したときの CPU とグラフィックスボード (GPU) の温度計測の結果です。
■動画エンコード実行時
10分間の動画エンコード処理開始から終了まで
■ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター実行時
ベンチマーク「ファイナルファンタジーXIV」開始から終了まで
Windows の起動・再起動・シャットダウン時間計測
Windows の起動時間、再起動時間、シャットダウン時間を それぞれ 5回ずつ計測しました。
起動 | 再起動 | シャットダウン | |
---|---|---|---|
1回目 | 11.4秒 | 24.3秒 | 6.4秒 |
2回目 | 11.6秒 | 23.7秒 | 6.5秒 |
3回目 | 11.6秒 | 23.8秒 | 6.4秒 |
4回目 | 11.5秒 | 23.8秒 | 6.4秒 |
5回目 | 11.7秒 | 24.1秒 | 6.5秒 |
平均 | 11.6秒 | 23.9秒 | 6.4秒 |
起動・再起動・シャットダウン時間は感覚的にも「早い」です。
なお、起動・再起動・シャットダウン時間は状況により多少変動するので、参考値としてください。
搭載ソフトウェア
『HP Pavilion Gaming Desktop 790』に搭載されている主なソフトウェアです。
Windows標準のソフトのほか、HPヘルプ&サポートソフト、セキュリティソフト「マカフィー リブセーブ」などがインストールされています。
HPヘルプ&サポートソフトとしては、PCのメンテナンスや問題の回避/解決に役立つ機能が搭載された「HP Support Assistant」、パソコンのバックアップ・リカバリーに便利な「HP Recovery Manager」などがインストール。リカバリメディアを作成するツール「Recovery Media Creation」も入っています。リカバリメディアを作成しておけば、もしものときでもコンピューターを出荷時の状態に復元することができます。
DVD 再生ソフトとしては「Power Media Player 14」がインストールされています。
インストールされているソフトウェアとしては必要最低限のようです。
付属品
『HP Pavilion Gaming Desktop 790』の本体ほか同梱品一式(電源コード、キーボード、マウス、ドキュメント類)です。
付属しているドキュメント類です。
付属のドキュメント
【上記写真のドキュメント類について】 ■上段右側から ・速攻!HPパソコンナビ 特別編 ・コンピューターの準備 ・パソコン生活まるごと ガイドブック ・将来の下取りでプレミアムキャッシュバック受け取りの案内 ■下段右側から ・安心してお使いいただくために ・サポートガイド(保証規定) ・アンケートの案内 ・お友達・ご家族紹介キャンペーン |
「速攻!HPパソコンナビ 特別編」はマイナビから出版された Windows 10 の解説書で、Windows 10 の使い方や活用方法など、分かりやすく記載されています。
まとめ
以上、『HP Pavilion Gaming Desktop 790』のレビュー記事をお届けしました。
『HP Pavilion Gaming Desktop 790』の性能は、ベンチマークの結果のとおり、かなりのハイレベルで、カジュアルに楽しめるゲーミングPC どころか、とてもパワフルでハイ・パフォーマンスなゲーミングPC です。
デザインもカッコよく、ゲーミングPCっぽくないところが好印象で、リビングや書斎に置いてもインテリアにマッチします。
ゲームのみならず写真・動画編集も快適に楽しめる、ハイレベルでオールラウンダータイプのデスクトップPC といえそうです。
評価のポイントをまとめると・・・
高評価のポイント
・パワフルでハイパフォーマンス
・ほとんどのゲームが楽しめそう
・写真や動画編集も楽しめる
・デザインがカッコいい
残念なポイント
・本体内部を拡張するにはサポートへの問い合わせが必要かも
『HP Pavilion Gaming Desktop 790』の価格は、パフォーマンスモデルが 171,504円(税込)~、パフォーマンスプラスモデルが 196,560円(税込)~。
※価格は記事作成時点のキャンペーン価格です。
なお、価格やキャンペーンなどの最新情報は、日本HPの直販サイト「HP Directplus」をご確認ください。。
日本HP直販「HP Directplus」公式サイト ⇒ 『HP Pavilion Gaming Desktop 790』製品ページ |
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