日本HP『HP ENVY 13』の実機レビュー 後編です。
後編は、『HP ENVY 13-ah0000』ベーシックモデルを使用して、各種ベンチマークのほか、起動・シャットダウン時間計測などの性能レビューを行います。
(後編) ベンチマーク 駆動音・表面温度 サウンド チェック Windows の起動・再起動・シャットダウン時間計測 搭載ソフトウェア 付属品 まとめ |
レビュー内容については 2018年9月1日時点のものです。
レビュー機のスペック構成については「スペックについて」の章をご覧ください。
ベンチマーク
『HP ENVY 13』の基本性能や総合的なパフォーマンスのほか、CPU、グラフィック、ストレージ、バッテリーの性能を測定します。
基本性能
Windowsに搭載されているシステム評価ツール「WinSATコマンド」を使用して、パソコンの基本性能を測定します。
WinSAT
「WinSAT」による測定は、PCの性能を相対的に数値化して表現したもので、各項目の説明は次のとおりです。
CPUScore | CPU のスコア |
D3DScore | ゲーム用グラフィックスのスコア ただし、従来のゲーム用グラフィックスのスコアのため Windows 10では計測対象外(9.9というスコアは無視) |
DiskScore | プライマリハードディスクのスコア |
GraphicsScore | グラフィックスのスコア |
MemoryScore | メモリのスコア |
TimeTaken | 前回の評価(「MostRecentAssessment」は直近の評価を表します) |
WinSATAssessmentState | 評価の状態を表す値(1:評価済み、2:要再評価) |
WinSPRLevel | 基本スコア(SPR:System Performance Rating) |
CPU性能
「CINEBENCH」を使って、CPU性能を測定します。
レビュー機(ベーシックモデル)の CPU には第8世代 インテル Core i3-8130U プロセッサーが搭載されています。
参考までに、前世代(第7世代)のインテル Core i7-7500U プロセッサーの CPU スコアは 350cb 前後なので、Core i3-8130U プロセッサーでも意外と性能レベルが高いことが分かります。
グラフィック性能
グラフィック性能は以下のゲーム系ベンチマークソフトを使って測定します。
■3DMark
■ドラゴンクエストX
■ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター
3DMark
3DMark は、「ICE STORM」「CLOUD GATE」「SKY DIVER」「FIRE STRIKE」、各シーンについてグラフィック性能を測定します。
結果は以下のとおり。
ドラゴンクエストX
ドラゴンクエストX では、HD解像度(1280×720) の標準品質と最高品質、フルHD解像度(1920×1080) の標準品質で測定します。
結果は以下のとおり。
標準品質、解像度 1280×720
最高品質、解像度 1280×720
標準品質、解像度 1920×1080
ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター
ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーターでは、HD解像度(1280×720) / DirectX 11 の 標準品質(ノートPC) と高品質(ノートPC) で測定します。
結果は以下のとおり。
標準品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
高品質(ノートPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
上記のベンチマークソフトを使ったグラフィック性能の測定結果をみると、『HP ENVY 13』のグラフィック性能レベルは、モバイルノートしてはまずまずのレベルです。
ゲームや 3Dレンダリングのような高度なグラフィック処理には不向きですが、動画視聴はもちろんのこと、ビジネスに必要なビデオチャットやテレビ会議などのシーンでは快適に使える性能レベルです。
ストレージ
ストレージのベンチマークです。
レビュー機に搭載されているストレージは SAMSUNG製の SSD(PCIe NVMe M.2)で容量は 256GBです。(製品により SSD のメーカーが異なる可能性があります)
ストレージ情報
ドライブ構成は次のようになります。
SSD のデータ転送速度です。
データ転送速度
SSD が搭載されていると、数字が示す通り Windows や アプリの起動も高速です。
とくに、『HP ENVY 13』に搭載されている SSD は、対応規格 PCIe / 転送モード NVMe なので、Windows やアプリの起動などストレージへのアクセスは、体感的にも爆速です。
NVMe は、SATA接続の SSD よりも 高速なデータアクセスが可能なインターフェースです。SSD の高速アクセスを活かしてくれるインターフェースなので、Windows や アプリもより高速に起動できます。
総合的なパフォーマンス
「PCMark 8」および「PCMark 10」を使用して、PCのアプリケーション実行における総合的なパフォーマンスを測定します。
PCMark 8(Home Test)
家庭での利用を想定したテストです。
OpenCL対応の Accelerated にて測定
(テスト結果はクリックで拡大表示できます)
PCMark 8(Creative Test)
クリエイティブな利用を想定したテストです。
OpenCL対応の Accelerated にて測定
(テスト結果はクリックで拡大表示できます)
PCMark 10 Extended
PCMark 10 Extended は、以下の 4つの Test Group のテストを実施します。
(テスト結果はクリックで拡大表示できます)
■Essentials(普段の作業を想定した基本的なテスト)
■Productivity(ビジネスソフトの使用を想定したテスト)
■Digital Contents Creation(写真・動画編集を想定したテスト)
■Gaming(ゲーミングソフトの使用を想定したテスト)
総合的なパフォーマンスは、モバイルノートとして 快適なパフォーマンスが期待できるスコアです。
ただ、PCMark 10 Extended の Productivity グループのテスト結果を見ると Essentials グループのスコアにくらべ今ひとつのようです。
レビュー機の「ベーシックモデル」はネット検索やメールチェック、動画鑑賞など、ふだん使いとしては充分な性能を備えているものの、ビジネスで使う場合、動かすソフトによっては若干の物足りなさを感じるかもしれません。
メインPC として、より快適に使うなら「スタンダードモデル」がおススメといえるでしょう。
バッテリー
『HP ENVY 13』に搭載されているバッテリーの性能(駆動時間と充電時間)を測定します。
■駆動時間
バッテリーでの駆動は、次の条件でバッテリーによる駆動時間を計測します。
・無線LANでインターネットに接続
・YouTubeを全画面で連続再生
・画面の明るさ:最大レベル
・音量:最大レベル
■充電時間
バッテリー充電時間の計測は以下の条件で行います。
・測定開始はバッテリー残量がほぼゼロの状態
・電源アダプターを接続し Windows を起動
・スクリーンセーバー(ラインアート)でパソコンはアイドル状態
※スクリーンタイムアウトや PCスリープは設定しない。
バッテリーの駆動時間と充電時間の測定結果は以下のようになります。
バッテリーの残量は、大よその数字で 1時間当たり 13% ~ 16% 程度減少しています。
バッテリーによる駆動は 6時間46分経過後、Windows がバッテリー不足を検知し、パソコンは休止状態になりました。
バッテリーを多く消費する条件とはいえ、バッテリー駆動時間が 7時間足らずであることは若干の物足りなさを感じるかもしれません。
とはいえ、画面の明るさや音量レベルなどを通常の使用レベルに調整すれば、バッテリー駆動時間はもう少し伸びるはずです。
バッテリー充電については、50%まで充電するのに 43分、充電完了までの所要時間は 1時間53分でした。
急速充電にも対応しており、急な外出のときにバッテリー残量が少なくても短時間充電で対応できそうです。
『HP ENVY 13』のバッテリー性能は、全体的には満足できる性能といえるでしょう。
なお、実際の使用にあたっては、環境や条件などによりバッテリーの駆動時間は変動するので、参考値としてください。
駆動音・表面温度
駆動音については、負荷のかかる処理になると「サーッ」という排熱のための気流音が少し大きくなりますが音の大きさはそれほどではありません。
耳ざわりに感じるほどではありませんし、パソコンを使っているあいだ、負荷のかかる状態が終始続くわけではないので、それほど気になることはないでしょう。
また、本体の表面温度については、負荷のかかる処理中は、キーボードの奥側(ヒンジのあいだの排気口周辺)が温かくなります。
キーボード上も少し温かくなりますがタイピングするうえでは不快な感じはありません。手のひらを当ててみて温かさを感じる程度です。
パームレストは本体内部の熱の影響はほとんどありません。
左側の画像:平常時(Windows起動後10分放置)
右側の画像:動画エンコード時(10分間の動画エンコード終了直前)
サウンド チェック
『HP ENVY 13』は BANG & OLUFSEN サウンドシステムを搭載し、スピーカーは Bang & Olufsen クアッドスピーカーを内蔵しています。
また、音質を調整できるユーティリティソフトもインストールされています。
イコライジング機能は搭載されていませんが、もともとが高音質なサウンドにチューニングされているので、BASS と TREBLE の調整でも十分かもしれません。
サウンドを実際に聴いてみた印象としては・・・
■スピーカー
低音域から高音域まで広い音域が再現されて高音質。
低音域が若干弱い感じもするがカジュアルに楽しむには十分な音質。
ユーティリティソフトにイコライジング機能はないが、もともとが高音質なだけに微調整の必要は感じない。
■ヘッドホン
低音域が強調されサウンド全体のメリハリ出てきて音質もクリアになり、臨場感と迫力がアップする。
かなりの高音質サウンドを楽しめる。
Windows の起動・再起動・シャットダウン時間計測
Windows の起動時間、再起動時間、シャットダウン時間を それぞれ 5回ずつ計測しました。
感覚的にも結果が示す通り「かなり早い」です。
搭載ソフトウェア
『HP ENVY 13』に搭載されている主なソフトウェアです。(クリックで拡大表示できます)
Windows標準のソフトのほか、HPヘルプ&サポートソフト、セキュリティソフト「マカフィー リブセーブ」などがインストールされています。
HPヘルプ&サポートソフトとしては、PCのメンテナンスや問題の回避/解決に役立つ機能が搭載された「HP Support Assistant」、パソコンのバックアップ・リカバリーに便利な「HP Recovery Manager」などがインストール。リカバリメディアを作成するツール「Recovery Media Creation」も入っています。リカバリメディアを作成しておけば、もしものときでもコンピューターを出荷時の状態に復元することができます。
また、今回のモデルから、パソコン内の冷却機能の制御を行うことができる「HP Command Center」がインストールされています。
HP Command Center
(クリックで拡大表示できます)
使い方に合わせて、ファンの回転数や CPU のパフォーマンスを調整してくれる便利なソフトです。
ドキュメントとしては、「HP Documentation」のアプリを使えば、かんたんにユーザーガイドを参照できます。
付属品
『HP ENVY 13』の本体ほか同梱品一式(電源アダプター、電源コード、ドキュメント類など)です。
付属しているドキュメント類です。
【上記写真のドキュメント類について】 ■上段左側から ・製品の仕様に関する注意事項 ・アンケートの案内 ・お友達・ご家族紹介キャンペーン ・将来の下取りでプレミアムキャッシュバック受け取りの案内 ■中段 ・セットアップ手順 ■下段左側から ・速攻!HPパソコンナビ 特別編 ・サービスおよびサポートを受けるには ・パソコン生活まるごと ガイドブック |
まとめ
以上、『HP ENVY 13』のレビュー記事をお届けしました。
2018年6月に登場した『HP ENVY 13-ah0000』は、従来モデルにくらべ、デザインがより洗練されている印象です。
性能面での大きな進化はありませんが快適なパフォーマンスで動作も軽快です。
また、ディスプレイへのタッチ機能の追加や、三辺ベゼル(上左右)のスリム化にくわえ、よりコンパクトに より薄型になりモバイル性もアップしています。
評価のポイントをまとめると・・・
高評価のポイント
・洗練されたデザインでかなりの所有感がある
・コンパクトで薄く持ち歩きしやすい
・動作も軽快で快適に使える
チョット残念なところ
・部分開閉式の USB Type-A ポートが扱いにくいかも
『HP ENVY 13-ah0000』の価格は 103,464円(税込)~。
(価格は記事作成時点のキャンペーン価格です)
洗練されたデザインで快適に使える性能を備えながらも意外とリーズナブルな価格です。
性能・機能・使い勝手・価格などトータルバランスに優れ、プライベートからビジネスまでいろいろなシーンで活用できるモデルといえます。
価格やキャンペーンなどの最新情報は、日本HPの直販サイト「HP Directplus」でチェックできます。
日本HP直販「HP Directplus」公式サイト ⇒ 『HP ENVY 13』 製品ページ |
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