マウスコンピューター DAIV-DGZ510シリーズ『DAIV-DGZ510S1-SH2』の実機レビュー 後編です。
後編では、各種ベンチマーク、RAWデータ現像・動画エンコード処理時間計測、起動・シャットダウン時間計測などのレビューを行います。
(後編) ベンチマーク RAWデータ現像・動画エンコード処理時間計測 Windows の起動・シャットダウン時間計測(動画に収録) 搭載ソフトウェア 付属品 まとめ |
実機はマウスコンピューターからの貸出機です。
レビュー内容については 2017年9月20日時点のもので、実機の製品仕様・販売価格については変更される場合があります。
ベンチマーク
パソコンの基本性能や、グラフィック性能、ストレージについての性能を測定します。
基本性能
Windowsに搭載されているシステム評価ツール「WinSATコマンド」によるパソコン性能の測定です。
「WinSAT」による測定は、PCの性能を相対的に数値化して表現したもので、各項目の説明は次のとおりです。
CPUScore | CPU のスコア |
D3DScore | ゲーム用グラフィックスのスコア ただし、従来のゲーム用グラフィックスのスコアのため Windows 10では計測対象外(9.9というスコアは対象外) |
DiskScore | プライマリハードディスクのスコア |
GraphicsScore | グラフィックスのスコア |
MemoryScore | メモリのスコア |
TimeTaken | 前回の評価(「MostRecentAssessment」は直近の評価を表します) |
WinSATAssessmentState | 評価の状態を表す値(1:評価済み、2:要再評価) |
WinSPRLevel | 基本スコア(SPR:System Performance Rating) |
総合的なパフォーマンス
「PCMark 8」を使用して、PCのアプリケーション実行における総合的なパフォーマンスを測定します。
Home Test
家庭での利用を想定したテスト内容です。
OpenCL対応の Accelerated にて測定
Creative Test
クリエイティブな利用を想定したテスト内容です。
OpenCL対応の Accelerated にて測定
総合的なパフォーマンスとしては、ゲーミングPC を上回るスコアで、とても高い性能レベルを備えていることが分かります。
グラフィック性能
「3DMark」「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」、4つのベンチマークソフトを使ってグラフィック性能を測定します。
まず「3DMark」での測定です。
3DMark では「Ice Storm」「Cloud Gate」「Sky Diver」「Fire Strike」「Time Spy」、各シーンの描画の滑らかさをもとにグラフィック性能を測定します。
スコアの高さは描画の快適性を表しています。
測定前に流されるデモ映像を見たイメージとしては、次のような印象でした。
Ice Storm | なめらか描画 |
Cloud Gate | なめらか描画 |
Sky Diver | なめらか描画 |
Fire Strike | なめらか描画 |
Time Spy | なめらか描画 |
筆者の視点で見る限り、スコア 3,000 前後から 描画がなめらかになる印象ですが、『DAIV-DGZ510S1-SH2』はそれを大きく上回る圧巻のスコアです。
次が、「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」の測定結果。
標準品質、解像度 1280×720
最高品質、解像度 1280×720
最高品質、解像度 1920×1080
次が、「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」の測定結果。
高品質(デスクトップPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
最高品質、解像度 1280×720、DirectX 11
最高品質、解像度 1920×1080、DirectX 11
さいごに、「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」の測定結果。
高品質(デスクトップPC)、解像度 1280×720、DirectX 11
最高品質、解像度 1280×720、DirectX 11
最高品質、解像度 1920×1080、DirectX 11
4つのベンチマークソフトを使ったグラフィック性能の測定結果をみると、『DAIV-DGZ510S1-SH2』は非常に高いレベルのグラフィック性能を備えていることが分かります。
写真や動画の編集作業など、クリエイティブな作業もパワフルにこなしてくれそうです。
また、Steam VR パフォーマンステストでも結果は良好で、ほとんどのVRタイトルを実行できる性能も備えています。
Steam VR パフォーマンステスト
動作音については、アイドルの状態でもファン音は聞こえます。音の大きさは耳障りというほどではなく、アイドル状態での音の大きさは一定しています。
ベンチマークなど負荷のかかる処理中は少し大きくなりますが、極端に大きくなるわけではないので、ファン音はそれほど気にならないと思います。
ストレージ
ストレージのベンチマークです。
『DAIV-DGZ510S1-SH2』には、高速ストレージ SSD と 大容量ストレージ HDD がデュアルドライブで搭載されています。
ストレージのドライブ構成は次のようになります。
まず、Cドライブに割り当てられている SSD から見てみます。
SSD は、KINGSTON製で 容量は 240GB です。
ストレージ情報(SSD)
SSD のデータ転送速度です。
ストレージのデータ転送速度(SSD)
次に、Dドライブに割り当てられている HDD を見てみます。
HDD は、SEAGATE製で 容量は 2TB、回転数は 7200rpm です。
ストレージ情報(HDD)
HDD のデータ転送速度です。
ストレージのデータ転送速度(HDD)
SSD、HDD ともにデータ転送速度は良好です。実際の使用感としてもストレスなく快適です。
SSD と HDD のデュアルドライブ構成は、Windows や アプリは高速起動で、写真や動画などサイズの大きいデータは HDD にたくさん保存することができる、ストレージとしてコストパフォーマンスに優れた構成です。
RAWデータ現像・動画エンコード処理時間計測
『DAIV-DGZ510S1-SH2』で、RAWデータ現像と動画エンコードの処理時間を計測してみます。
RAWデータ現像
RAWデータ現像に使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。
■使用ソフトウェア
CyberLink PhotoDirector 7
■条件等
・RAWデータ 50ファイルを一括書き出し
・プリセット等 編集は適用しない
・撮影カメラ SONY NEX-5
■処理時間
出力先 | 処理時間 | メモリ使用量 |
---|---|---|
SSD | 48秒 | 3.8GB |
HDD | 48秒 | 3.7GB |
※メモリ使用量は処理中の「コミット済みメモリ」を計測。
(パソコンがシステム全体で実際に使用しているメモリの使用量)
動画エンコード
動画エンコードに使用したソフトウェアや条件、処理時間は以下のとおりです。
■使用ソフトウェア
CyberLink PowerDirector 15
■条件等
・AVCHD動画(1920×1080)を mp4 形式で出力
(m2ts→mp4、720p、1280×720/30p 16Mbps)
・動画再生時間 10分間
■処理時間
出力先 | 処理時間 | メモリ使用量 |
---|---|---|
SSD | 2分28秒 | 3.8GB |
HDD | 2分29秒 | 3.6GB |
※メモリ使用量は処理中の「コミット済みメモリ」を計測。
(パソコンがシステム全体で実際に使用しているメモリの使用量)
Windows の起動・シャットダウン時間計測(動画に収録)
『DAIV-DGZ510S1-SH2』の Windows起動時間とシャットダウン時間は、次のとおりです。
・起動 : 16.8秒
・再起動 : 7.9秒
Windowsの起動とシャットダウンの様子を動画に収録しています。起動・シャットダウン時間を感覚でイメージできるので参考にどうぞ!
搭載ソフトウェア
『DAIV-DGZ510S1-SH2』に搭載されている主なソフトウェアです。
Windows標準のソフトのほか、専用グラフィックス関連の NVIDIA 設定ソフト、ウィルス対策ソフト「マカフィー リブセーブ」などがインストールされています。
また、Windows 10 の操作説明書として「Windows 10 ユーザーガイド」やマウスコンピューターのデスクトップPCの基本的な操作方法を記載した「ハードウェアマニュアル」が、PDFファイルで入っており、それぞれスタートメニューから開くことができます。
標準搭載されているソフトウェアは、必要最低限といった印象です。
付属品
『DAIV-DGZ510S1-SH2』には、本体一式(本体、キーボード、マウス、電源コード)のほか、DVI-HDMI変換コネクタと以下のドキュメント類が同梱されています。
付属しているドキュメント類です。
【上記写真のドキュメント類について】 右側から ・製品仕様書 ・ファーストステップガイド ・サポートマニュアル ・保証書 ■下段 ・U-NEXT プレミアム特典チケット |
まとめ
『DAIV-DGZ510S1-SH2』は、ベンチマークの結果が示す通り、写真や動画編集などクリエイティブな作業もパワフルにこなしてくれる性能を備えています。
非常にレベルの高い性能が印象的です。
パワフルな性能にくわえ、使い勝手も良好で高い拡張性も兼ね備えており、マシン全体としての性能・機能レベル、使用感など満足度は高い印象です。
DAIV ブランドは「クリエイター向け」の位置づけとはいえ、決して敷居の高いブランドではなく、写真や動画編集を趣味としているユーザーも選択肢の一つにできそうなブランドです。
また、価格面でも DAIV-DGZ510シリーズは 税込10万円台~と、高い性能レベルを備えながらも意外とリーズナブルです。
写真や動画の編集をパワフルにこなせるデスクトップPC を検討しているならチェックしておきたいモデルといえます。
ラインナップしているモデルの詳細や価格などの最新情報は、マウスコンピューター公式サイトをご確認ください。