デル Inspiron 16 (5640) レビュー:良好な処理性能でコスパ抜群の 16型大画面ノート

 

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貸出機材提供:デル・テクノロジーズ株式会社

正面斜め(背景付き)

デルが販売する Inspiron 16 (5640) は、インテル Core プロセッサー(シリーズ1)を搭載した 16型大画面ノートパソコンです。

Core Ultra プロセッサーにくらべ性能レベルは少し低めですが、一般的な用途には十分なパフォーマンスで処理性能も良好です。

大画面ノートながらスリムでスタイリッシュなデザインにくわえ質量 1.87 kg と重量感は意外に少なく、部屋間の移動など取り回しがラクにできるところもポイント。

■Inspiron 16 (5640) の特徴

  • インテル Core プロセッサー(シリーズ1)を搭載
  • スリムでスタイリッシュなデザイン
  • 16インチサイズでも意外に軽く、部屋間の移動など取り回しがラクにできる
  • WUXGA (1920×1200) IPS 大画面ディスプレイ(アスペクト比 16:10)
  • フルHD カメラ(プライバシーシャッター付き)と AIによるノイズ低減マイクを搭載
  • Copilotキーで AIコンパニオンをすばやく起動できる

レビューではメーカーからお借りした実機を試用して、前半で外観デザイン/ディスプレイ/キーボードなどをチェック、後半では各種ベンチマークを使った性能評価を行います。

天面(背景付き)

レビューは 2024年11月7日時点の内容です。

 

スペック構成

Inspiron 16 (5640) のおもなスペック構成は以下のとおり。

本体カラー ■アイスブルー
■ミッドナイトブルー
OS ■Windows 11 Home
■Windows 11 Pro
プロセッサー ■インテル Core 5 プロセッサー 120U
■インテル Core 7 プロセッサー 150U
メモリ ■16GB (8GB×2) DDR5 5200MT/s
■32GB (16GB×2) DDR5 5200MT/s
ストレージ ■512GB SSD (M.2 PCIe NVMe)
■1TB SSD (M.2 PCIe NVMe)
ディスプレイ 16.0インチ, 非タッチ, FHD+ 1920×1200, 60Hz, WVA, IPS, 非光沢, 250 nit, ComfortView
グラフィックス インテル グラフィックス
ワイヤレス Realtek Wi-Fi 6E RTL8852CE, 2×2, 802.11ax, MU-MIMO, Bluetooth ワイヤレス カード
Webカメラ 1080p (30 fps)フルHDカメラ、デュアルアレイ マイク、カメラ シャッター内蔵
Windows Hello 指紋認証リーダー
バッテリ駆動時間 非公開
本体サイズ(W×D×H) 約 356.78×249.52×19.05 mm
本体質量 約 1.87 kg

 
詳しいスペックや価格などの最新情報はデル公式サイトをご確認ください。

アイキャッチ

Inspiron 16 (5640)
税込 10万円台から

 

外観チェック

大画面でもスタイリッシュなデザイン

Inspiron 16 (5640) は大画面でもスタイリッシュなデザインです。

正面側左振り

背面側左振り

カラーバリエーションは「アイスブルー」と「ミッドナイトブルー」の2色。レビュー機のカラー「ミッドナイトブルー」は藍色を濃くしたイメージで落ち着いた雰囲気のある色合いです。ちなみに、周囲の明るさや光のあたる角度によってはブラックに近い色合いに見えます。

天面真上

天面斜め

筐体の素材は堅牢性にすぐれたアルミ素材。天面はサラサラした感触で質感は良好です。大画面ノートながらスタイリッシュなフォルムも印象的。

天面半開き
スタイリッシュなフォルム

ブラックに近いカラーは指紋や皮脂の跡が目立ちやすいところが難点ですが、汚れが気になったときは柔らかいクロスでかんたんにふき取れます。

なお、アイスブルーのカラーイメージは以下のとおり。

カラーバリエーション
アイスブルーのカラーイメージ

アイスブルーは、さわやかなイメージでスタイリッシュ感をアップさせてくれる色合いです。

 
本体は 16インチでもスリムです。

スリムボディ(手前側)

スリムボディ(背面側)
本体はスリム

 
底面側は「ユニボディ」の構造。見た目はシンプルデザインですが剛性にすぐれた構造です。

底面真上

底面(斜め)

ゴム足は前面側左右に2箇所と背面側左右にまたがるゴム足の合計3箇所に実装。本体の安定感は良好です。

排気口はヒンジのあいだに実装されています。

排気口
排気口(ヒンジのあいだ)

なお、背面側のゴム足は排気口から出された温かい空気が再び吸気口に入り込むのを防ぐ役割も兼ねています。この構造により本体内部の効果的な冷却が期待できます。

底面側から見た排気口
吸気口(底面カバー側)と排気口

 

必要十分なインターフェース

Inspiron 16 (5640) は必要十分なインターフェースを実装しています。

インターフェース(右側面)

■右側面

①SDカード リーダー

②ユニバーサル オーディオ ジャック

③USB 3.2 Gen 1 Type-A

④ロックスロット

インターフェース(左側面)

■左側面

⑤電源ジャック

⑥HDMI 1.4

⑦USB 3.2 Gen 1 Type-A

⑧USB 3.2 Gen 2 Type-C(DP/PowerDelivery対応)

以下、インターフェースの補足事項です。

SDカードリーダーは抜き差し方式です。

SDカードリーダー
SDカードをしっかりと挿入した状態

USB Type-C ポートの映像出力/PD充電器の対応状況は以下のとおり。

■USB Type-C ポート対応表

 (当サイトの検証結果)

映像出力 〇(4K出力可能)
PD充電器(30W)
PD充電器(45W)
PD充電器(65W)

なお、HDMIポートは バージョン 1.4 のため 4K 出力には対応していません。出力可能な最大解像度は「1920×1080 @60Hz」です。

 

スピーカーは底面左右に搭載

スピーカーは底面側 左右に搭載されています。

スピーカー

スピーカー(拡大)
スピーカーは底面側 左右に搭載

スピーカーから出力される音は、低音域が少し弱くシャカシャカしたイメージですが、全体的にはまずまずの音質です。

 

電源ボタンに指紋認証リーダーを内蔵

電源ボタンはキーボード上にレイアウトされています。

電源ボタン
矢印の指すところが電源ボタン

使用中に間違って電源ボタンを押しても短押し(1秒未満くらい)なら無反応です。ただし、1,2秒程度ならスリープへ移行し、さらに長押しすると強制的に電源オフされます。なお、スリープ状態に移行してもデータが破棄されることはありません。

また、電源ボタンは指紋認証リーダーを内蔵しています。

指紋認証
指紋認証でサインイン

サインイン画面でパスワードや PINコードを入力することなく、指紋認証リーダーにタッチするだけで Windows にサインインできます。

ただし、電源オフの状態から電源ボタンを押して電源オンしても同時に指紋認証はできません。サインイン画面が表示されてから指紋認証リーダーにタッチする必要があります。

 

プライバシーシャッター付き フルHDカメラ

Inspiron 16 (5640) はフルHD カメラを搭載。高精細なカメラを搭載していればオンライン会議においても映像映えがします。

また、カメラにはプライバシーシャッターが付いています。

プライバシーシャッター
上の画像:シャッターが開いてカメラ有効
下の画像:シャッターが閉じてカメラを遮断

シャッターはスライド式(手動)ですがスムーズなスライドが可能。オンライン会議などで こちらの光景を見られたくないときにスムーズに切り替えることができます。(切り替えスイッチはカメラ上側にある)

 

16インチサイズでもスリムで意外に軽い

本体の大きさのイメージです。本体の下に B5版ノート2冊を置いています。

本体の大きさイメージ
本体のサイズ感
(本体サイズは 356.78×249.52 mm)

本体のフットプリントは B5版ノート2冊分くらいのサイズ感です。

本体を閉じたときの高さのイメージは以下のとおり。

本体の高さ
本体の高さを CD ケース(通常サイズ)2枚と比較
(通常サイズの CDケースの厚さは 10mm)

ゴム足を含めた本体の高さは実測で 約23mm(最厚部:天面のふくらみ部分)。16インチの大画面ノートながらスリムです。

本体や電源アダプターなどの質量の実測結果は以下のとおり。

本体の重さ

・本体:1,855g
・電源アダプター:223g
・電源コード:100g

16インチサイズでも重くはありません。部屋間の移動など取り回しがラクにできる重量感です。

電源アダプターの最大出力は 65W。その大きさは手のひらに収まるくらいのサイズです。

電源アダプターの大きさ比較

電源アダプターの大きさ実測

 

ディスプレイのチェック

自然な色合いで描画できるディスプレイ

レビュー機のディスプレイは BOE製[型番:BOE0A34 NV16WUM]の液晶パネルを搭載しています。

描画される映像は自然な色合いです。

ディスプレイ描画(気球)
画像の表示例(その1)

ディスプレイ描画(紅葉)
画像の表示例(その2)

ディスプレイ描画(テキスト)
テキストの表示例

ディスプレイ描画(テキスト表示拡大)
テキスト表示を拡大

トーンカーブは RGB ともに 45度の直線にちかい形状で色調バランスは良好です。

トーンカーブ
トーンカーブ
(キャリブレーションツール「i1Display Pro」で計測)

輝度の計測結果はディスプレイの明るさ設定 100 のとき「271 nit」とほぼ仕様通り(仕様は 250 nit)。屋外など周囲が明るい環境だと画面が見えにくくなるかもしれませんが、室内で使うぶんには十分な明るさです。

 
色域の計測結果です。

色域
色域
(色度図作成ソフト「ColorAC」にて作成)

規格 カバー率
sRGB 61.9% 63.4%
Adobe RGB 47.0% 47.0%
NTSC 44.9% 44.9%

色域は標準クラス。ネット閲覧やオフィスソフト、動画鑑賞など、一般的な用途には十分な色域です。また、写真・動画編集についても趣味として楽しむなら色再現性は十分です。

 

16インチサイズは 15.6インチより意外に大きい

以下は、Inspiron 16 (5640) を 15.6インチノートと比較しています。

サイズ比較
ディスプレイサイズ比較
(テキストスケーリングは同じ設定)

16インチのディスプレイは 15.6インチにくらべ意外に大きいです。とくに、Inspiron 16 (5640) は WUXGA (1920×1200) サイズのため、フルHD (1920×1024) にくらべ縦方向の表示領域が広く、Excel やインターネット閲覧など画面全体が見やすいメリットがあります。

 

狭額縁ベゼル

ベゼルは狭額縁です。

左右のベゼルは狭額縁

とくに、左右のベゼルは鉛筆の太さよりも狭く画面周りは全体的にスッキリとしています。

 

映り込みは少ない

ディスプレイの映り込み具合をチェックします。

画面映り込み(その1)

画面映り込み(その2)

レビュー機は非光沢液晶です。上記写真のとおり映り込みは低減されています。映像の色調によっては映り込みが多少強く出る場合はありますが、個人的には映り込みが気になるケースはありませんでした。

 

広い視野角

視野角をチェックします。

正面
正面

右側 ディスプレイ面から30度の角度
右側 ディスプレイ面から30度の角度

上側 ディスプレイ面から30度の角度
上側 ディスプレイ面から30度の角度

水平方向、垂直方向ともに視野角は広く、斜めからもハッキリとした映像を観ることができます。

 

ディスプレイを開く角度は十分な範囲をカバー

ディスプレイを開く角度は最大で 約133度。

ディスプレイの最大角度

クラムシェルタイプのノートパソコンとして十分な範囲をカバーしています。

 

キーボード&タッチパッドのチェック

タイピングしやすいキーボード

Inspiron 16 (5640) のキーボードレイアウトは標準的です。

キーボードレイアウト

テンキーも4列レイアウトで標準的です。

キーボードレイアウトテンキー

キーピッチは実測でおよそ19mm(仕様は 18.70mm)。フルサイズキーボードと同等のキーピッチです。

キーボードに両手を置いたときのイメージ

キートップ表面の形状はフラット。サラサラした感触で指先のフィット感は良好です。

キートップ

キーストロークは感覚的に 1.5mmくらい。ノートパソコンの平均的なストローク幅で、しっかりとした打鍵感でタイピングできます。

キーストローク
タイプ音は「ドスドス」という音。音の大きさは静か

キーの押し込む強さやキーを押し込んだ後の反発もちょうど良い感じでタイピングしやすいキーボードです。

 

Copilotキー搭載

Inspiron 16 (5640) には「Copilotキー」が搭載されています。

Copilotキー
矢印の指すところが Copilotキー

Copilotキーを押すと Microsoft の AIアシスタントをすばやく起動することができます。

AIアシスタント起動
Copilotキーを押すだけで AIアシスタントが起動

Copilot はとても便利な機能で、ユーザーの質問に対して適切な回答を返してくれます。

※Copilot は会話形式の質問のほかキーワードを羅列する質問にも適切な回答を返してくれます。

 

キーボードにはバックライトを搭載

キーボードにはバックライトが搭載されています。

キーバックライト

キーボード・バックライトの明るさは、2段階で切り替えできます。

[F5]キー押下:点灯(暗)→点灯(明)→オフ

 

質感の良いパームレスト

パームレストはサラサラとした感触で上質な仕上がりです。

パームレスト

指紋や皮脂の跡は目立ちやすいですが、汚れが気になったときは柔らかいクロスでかんたんに拭き取れます。

 

ちょうどよいサイズでスベリがなめらかなタッチパッド

タッチパッドの感触はツルツルしてスベリもなめらかです。

タッチパッドのサイズ感
タッチパッドのサイズ感

ちょうどよいサイズで扱いやすさも良好です。

 

ベンチマークによる性能評価

ベンチマークでは、レビュー機の CPU・グラフィック・ストレージ性能のほかバッテリー性能や総合的なパフォーマンスを評価します。

レビュー機の基本スペック

CPU インテル Core 5 プロセッサー 120U
メモリ 16GB (8GB×2) DDR5 5200MT/s
ストレージ 512GB SSD (M.2 PCIe NVMe)
グラフィックス インテル グラフィック

 

評価に使用したベンチマークは以下のとおり。

評価項目 使用するベンチマーク
CPU性能 CINEBENCH R23[CPUのレンダリング性能評価]
CPU Mark (PassMark PerformanceTest)[CPU性能の総合評価]
グラフィック性能 3DMark Time Spy
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ[中量級のゲーム]
ファイナルファンタジーXV[重量級のゲーム]
ストレージ性能 CrystalDiskMark
総合的なパフォーマンス PCMark 10
バッテリー BatteryInfoView(バッテリー残量測定用)

なお、ベンチマークの実行にあたっては、付属のソフトウェア「My Dell」の[電源]-[温度管理]を「最適化」と「超高パフォーマンス」の2モードそれぞれに設定して実施しています。

※コントロールパネル[電源オプション]の電源プランや、Windows 標準設定の[電源とバッテリー]-[電源モード]は、いずれも「バランス」に設定(デフォルト値)。

My Dell
My Dell の温度管理

なお、温度管理で設定可能な項目説明は以下のとおり。

モード 説明
最適化 冷却ファンとプロセッサーの熱管理の標準設定。パフォーマンス・騒音・温度のバランスを保つ。
低温 パソコンの表面温度を低めに維持するようプロセッサーのパフォーマンスと冷却ファンの速度を調整する。パフォーマンスが低く騒音が大きくなる場合がある。
静音 ファンの騒音を抑えるようプロセッサーのパフォーマンスと冷却ファンの速度を調整する。パソコンの表面温度が上昇しパフォーマンスが低くなる場合がある。
超高パフォーマンス パフォーマンスを向上させるためプロセッサーと冷却ファンの速度を上げる設定。パソコンの表面温度が上昇し騒音が大きくなる場合がある。

 

CPU性能

CPU性能は CINEBENCH R23 と CPU Mark(PassMark PerformanceTest) のベンチマークスコアで評価します。

評価にあたっては、性能レベルを把握するため下記 CPU のスコアと比較します。

・インテル Core Ultra 7 プロセッサー 155H

・インテル Core Ultra 5 プロセッサー 125H

・インテル Core Ultra 7 プロセッサー 155U

・インテル Core Ultra 5 プロセッサー 125U

・インテル Core i7-1360P プロセッサー

・インテル Core i5-1340P プロセッサー

・インテル Core i7-1355U プロセッサー

・インテル Core i5-1335U プロセッサー

・AMD Ryzen 7 7730U プロセッサー

・AMD Ryzen 5 7530U プロセッサー

・AMD Ryzen 7 5825U プロセッサー

・AMD Ryzen 5 5625U プロセッサー

※当サイトで計測したスコアの平均値

 

CINEBENCH R23[CPUのレンダリング性能評価]

CINEBENCH R23 (マルチコア)
Core Ultra 7 155H
12346 pts
Ryzen 7 5825U
10237 pts
Core i7-1360P
10095 pts
Core Ultra 5 125H
9920 pts
Ryzen 7 7730U
8997 pts
Core Ultra 7 155U
8886 pts
Core i5-1340P
8551 pts
Core 5 120U(レビュー機/超高パフォーマンス)
8317 pts
Core 5 120U(レビュー機/最適化)
7947 pts
Ryzen 5 7530U
7627 pts
Ryzen 5 5625U
7555 pts
Core i7-1355U
7342 pts
Core i5-1335U
6875 pts
Core Ultra 5 125U
6508 pts

 

CINEBENCH R23 (シングルコア)
Core i7-1355U
1750 pts
Core i7-1360P
1732 pts
Core Ultra 7 155U
1727 pts
Core Ultra 7 155H
1687 pts
Core 5 120U(レビュー機/超高パフォーマンス)
1673 pts
Core Ultra 5 125H
1661 pts
Core 5 120U(レビュー機/最適化)
1646 pts
Core Ultra 5 125U
1564 pts
Core i5-1335U
1546 pts
Core i5-1340P
1534 pts
Ryzen 7 5825U
1435 pts
Ryzen 7 7730U
1428 pts
Ryzen 5 7530U
1419 pts
Ryzen 5 5625U
1365 pts

 

CPU Mark (PassMark PerformanceTest)[CPU性能の総合評価]

CPU Mark
Core Ultra 7 155H
25686
Core Ultra 5 125H
21632
Core i7-1360P
20651
Ryzen 7 5825U
20320
Core Ultra 7 155U
19049
Ryzen 7 7730U
18677
Core 5 120U(レビュー機/超高パフォーマンス)
17752
Core 5 120U(レビュー機/最適化)
16901
Core i5-1340P
16650
Core i7-1355U
16487
Ryzen 5 5625U
16291
Ryzen 5 7530U
15930
Core Ultra 5 125U
15296
Core i5-1335U
14508

 
レビュー機の CPU パフォーマンスは良好です。

レビュー機に搭載している Core 5 120U(末尾の「U」は省電力タイプのプロセッサー)は、第13世代(前世代)Core i5-1340P(末尾の「P」はモバイル向け高性能プロセッサー)に相当するスコアです。インテル Core Ultra プロセッサーにくらべ性能は低いですが、前世代のモバイル向け高性能プロセッサーに相当するパフォーマンスが期待できます。

体感的にもサクサク動作しており、ふだん使いはもちろんのこと負荷の高い作業まで快適にこなすことができるでしょう。

 

グラフィック性能

グラフィック性能はゲーム系のベンチマークで性能評価を行います。

評価にあたっては、グラフィックス性能レベルを把握するため当サイトでレビューした下記グラフィックスのスコアと比較します。

・インテル Arc グラフィックス(Ultra 7 155H搭載機)

・インテル Arc グラフィックス(Ultra 5 125H搭載機)

・インテル グラフィックス(Ultra 7 155U搭載機)

・インテル グラフィックス(Ultra 5 125U搭載機)

・インテル Iris Xe グラフィックス(Core i7-1360P搭載機)

・インテル Iris Xe グラフィックス(Core i5-1340P搭載機)

・インテル Iris Xe グラフィックス(Core i7-1355U搭載機)

・インテル Iris Xe グラフィックス(Core i5-1335U搭載機)

・AMD Radeon グラフィックス(Ryzen 7 7730U搭載機)

・AMD Radeon グラフィックス(Ryzen 5 7530U搭載機)

・AMD Radeon グラフィックス(Ryzen 7 5825U搭載機)

・AMD Radeon グラフィックス(Ryzen 5 5625U搭載機)

※当サイトで計測したスコアの平均値

 

3DMark Time Spy

Time Spy は DirectX 12 を使用したハイパフォーマンスゲーミングPC向けのグラフィックス性能テストです。

3DMark Time Spy
インテル Arc(Core Ultra 7 155H)
3455
インテル Arc(Core Ultra 5 125H)
3273
インテルグラフィックス(Core Ultra 7 155U)
2115
インテルグラフィックス(Core Ultra 5 125U)
2049
インテル Iris Xe(Core i7-1360P)
1911
インテル Iris Xe(Core i7-1355U)
1691
インテル Iris Xe(Core i5-1340P)
1545
インテルグラフィックス(レビュー機/最適化)
1471
インテルグラフィックス(レビュー機/超高パフォーマンス)
1469
AMD Radeon(Ryzen 7 5825U)
1381
AMD Radeon(Ryzen 7 7730U)
1342
インテル Iris Xe(Core i5-1335U)
1312
AMD Radeon(Ryzen 5 7530U)
1255
AMD Radeon(Ryzen 5 5625U)
1189

 

ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ[中量級のゲーム]

ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ
インテル Arc(Core Ultra 7 155H)
8283
インテル Arc(Core Ultra 5 125H)
7495
インテル Iris Xe(Core i7-1360P)
6051
インテル Iris Xe(Core i7-1355U)
5316
インテルグラフィックス(レビュー機/超高パフォーマンス)
5139
インテル Iris Xe(Core i5-1340P)
5072
インテルグラフィックス(Core Ultra 7 155U)
5048
インテルグラフィックス(レビュー機/最適化)
4920
インテルグラフィックス(Core Ultra 5 125U)
4505
AMD Radeon(Ryzen 7 7730U)
4184
AMD Radeon(Ryzen 7 5825U)
4123
インテル Iris Xe(Core i5-1335U)
3831
AMD Radeon(Ryzen 5 5625U)
3714
AMD Radeon(Ryzen 5 7530U)
3662

※高品質(ノートPC)/解像度 1920×1080 で実施

 

ファイナルファンタジーXV[重量級のゲーム]

ファイナルファンタジーXV のベンチマーク結果です。

ファイナルファンタジーXV
インテル Arc(Core Ultra 7 155H)
5602
インテル Arc(Core Ultra 5 125H)
5048
インテル Iris Xe(Core i7-1360P)
4225
インテル Iris Xe(Core i7-1355U)
3848
インテルグラフィックス(Core Ultra 7 155U)
3656
インテルグラフィックス(レビュー機/超高パフォーマンス)
3577
AMD Radeon(Ryzen 7 7730U)
3572
インテル Iris Xe(Core i5-1340P)
3451
AMD Radeon(Ryzen 7 5825U)
3340
インテルグラフィックス(Core Ultra 5 125U)
3282
インテルグラフィックス(レビュー機/最適化)
3250
AMD Radeon(Ryzen 5 5625U)
3141
AMD Radeon(Ryzen 5 7530U)
3103
インテル Iris Xe(Core i5-1335U)
2930

※高品質/解像度 1920×1080 で実施

 
CPU内蔵グラフィックスは、CPU性能のほかに搭載されているメモリ容量や構成チャネル(シングル/デュアル)に依存します。

レビュー機は 16GBメモリのデュアルチャネル構成(いわゆる2枚挿し)によりグラフィックス性能も良好です。オンライン会議はもちろんのこと、写真・動画編集など高負荷なグラフィックス処理でも快適なパフォーマンスが期待できる性能レベルです。

 

ストレージ性能

レビュー機のストレージは、PCIe NVMe 対応の SSD(容量 512GB)を搭載しています。

以下は、データ転送速度の計測結果です。

データ転送速度
レビュー機のデータ転送速度

※My Dell の電源-温度管理を「最適化」に設定して計測した結果。「超高パフォーマンス」での計測結果も同等です。

計測結果は優秀です。体感的にもデータアクセスは高速でファイルの読み書きもスムーズです。

 

総合的なパフォーマンス

PCMark 10 を使って、実際の使用を想定した性能評価を行います。

評価にあたっては、性能レベルの程度を把握するため当サイトでレビューした下記機種のスコアと比較します。

・HP Pavilion 16-af

・ThinkPad X1 Carbon Gen 12

・Inspiron 14 (5445)

※当サイトで計測したスコア(パフォーマンスモードに相当した設定でのスコア)

おもなスペックは以下のとおり。

スペック Inspiron 16    
(レビュー機)
HP Pavilion 16    ThinkPad X1 Carbon Inspiron 14    
CPU インテル Core 5 120U インテル Core Ultra 7 155U インテル Core Ultra 7 155U AMD Ryzen 7 8840U
メモリ 16GBメモリ 16GBメモリ 16GBメモリ 16GBメモリ
ストレージ 512GB SSD 512GB SSD 256GB SSD 512GB SSD
グラフィックス Intel Graphics Intel Graphics Intel Graphics AMD Radeon 780M

 
ベンチマーク結果は以下のとおり。

Essentials
Inspiron 16(最適化)
10177
Inspiron 16(超高パフォーマンス)
10498
Pavilion 16
9749
ThinkPad X1 Carbon
9254
Inspiron 14
10331
目標値
4100
Productivity
Inspiron 16(最適化)
7897
Inspiron 16(超高パフォーマンス)
8216
Pavilion 16
9935
ThinkPad X1 Carbon
7885
Inspiron 14
10549
目標値
4500
Digital Contents Creation
Inspiron 16(最適化)
5256
Inspiron 16(超高パフォーマンス)
5599
Pavilion 16
6437
ThinkPad X1 Carbon
6433
Inspiron 14
8011
目標値
3450

※テスト項目説明

・Essentials(普段の作業を想定した基本的なテスト)

・Productivity(ビジネスソフトの使用を想定したテスト)

・Digital Contents Creation(写真・動画編集を想定したテスト)

※目標値はベンチマークソフト開発メーカーの推奨スコア

 
レビュー機のスコアは優秀です。

スペック上位の比較対象機にくらべ高いスコアが出ているテストもあり、性能バランスとしても良好です。ふだん使いはもちろんのこと、Excel などオフィスソフトのほか写真・動画編集などクリエイティブ作業まで快適なパフォーマンスが期待できます。

関連記事

 

バッテリー

バッテリー性能については、レビュー機のバッテリー駆動時間と充電時間を計測・評価します。

※My Dell の電源-温度管理を「最適化」に設定して実施。

■駆動時間の測定条件

・無線LANでインターネットに接続

・YouTubeを全画面で連続再生

・画面の明るさ:最大レベル

・音量:最大レベル

■充電時間の測定条件

・測定開始はバッテリー残量がほぼゼロの状態

・電源アダプターを接続し Windows を起動

・スクリーンセーバー(ラインアート)でパソコンはアイドル状態

※スクリーンタイムアウトや PCスリープは設定しない。

 
バッテリーの駆動時間と充電時間の測定結果は以下のとおり。

バッテリー駆動時間 5時間 48分
バッテリー充電時間
(50%までの充電時間)
47分
バッテリー充電時間
(80%までの充電時間)
1時間 16分
バッテリー充電時間
(100%までの充電時間)
2時間 13分

バッテリー駆動時間の検証はバッテリーを多く消費する条件です。デル公式サイトではバッテリー駆動時間を公開していませんが、レビュー機が据え置きタイプであることを考慮すれば検証結果は良好といえます。

ちなみに、画面の明るさを調整するなどバッテリー消費を抑える使いかたをすればバッテリー駆動時間はさらに伸ばすこともできます。

また、Inspiron 16 (5640) は急速充電に対応しています。バッテリー残量が少なくても短時間で充電できれば、部屋間の移動など取り回しやすさを活かせるメリットもあります。

なお、実際の使用にあたっては、環境や使い方などによりバッテリーの駆動時間は変動するので参考値としてください。

 

クリエイティブ性能の評価

クリエイティブ性能は RAWデータ現像(JPEGファイル書き出し)と動画エンコードの処理時間で評価します。

評価にあたっては、上記の総合的なパフォーマンスで使用した機種の処理時間と比較します。

・HP Pavilion 16-af

・ThinkPad X1 Carbon Gen 12

・Inspiron 14 (5445)

※当サイトで計測した処理時間(パフォーマンスモードに相当した設定で計測)

 

RAWデータ現像

RAWデータ現像に使用したソフトウェアや条件、処理結果は以下のとおりです。

■使用ソフトウェア

Adobe Lightroom

Adobe Lightroom Classic

■条件等

・RAWデータ 50ファイルをJPEG形式で一括書き出し

・RAWデータサイズ 4,592×3,056(約14MB)

・プリセット等 編集は適用しない

・ほかのアプリは起動しない(常駐アプリは除く)

■処理結果

Lightroom
Inspiron 16(最適化)
21秒1
Inspiron 16(超高パフォーマンス)
20秒6
Pavilion 16
19秒5
ThinkPad X1 Carbon
22秒9
Inspiron 14
17秒9
Lightroom Classic
Inspiron 16(最適化)
20秒7
Inspiron 16(超高パフォーマンス)
20秒4
Pavilion 16
18秒7
ThinkPad X1 Carbon
23秒7
Inspiron 14
23秒1

 

動画エンコード

動画エンコードに使用したソフトウェアや条件、処理結果は以下のとおりです。

■使用ソフトウェア

CyberLink PowerDirector

■条件等

・AVCHD動画(1920×1080)を mp4 形式で出力(m2ts→mp4、720p、1280×720/30p 16Mbps)

・動画再生時間 10分間

・ほかのアプリは起動しない(常駐アプリは除く)

■処理結果

PowerDirector
Inspiron 16(最適化)
1分45秒5
Inspiron 16(超高パフォーマンス)
1分47秒2
Pavilion 16
1分34秒8
ThinkPad X1 Carbon
2分4秒5
Inspiron 14
1分41秒5

 
実際のソフトウェアを使ったクリエイティブ性能評価も良好です。

スペック上位の比較対象機と同等の処理スピードで、写真・動画編集などクリエイティブ作業にも快適なパフォーマンスで活用することができるでしょう。

 

駆動音・表面温度のチェック

駆動音のチェック

駆動音は、下記処理中の音量(デシベル)を測定し、評価します

・CPU ベンチマーク「CINEBENCH R23 /マルチ Core」実行中

・10分間動画のエンコード処理中

※一般住宅で周囲の音ができるだけ入らないようにして測定(室温:24℃)

騒音測定イメージ
音量計測イメージ
(使用測定器:Meterk SLM01)

■測定結果

モード アイドル状態
(最小音量)
最大音量
下段はピーク時の音量推移
ベンチマーク中 動画エンコード中
最適化 33.6db 41.8db
(41db台)
41.6db
(40~41db
超高パフォーマンス 33.6db 43.9db
(43db台)
43.9db
(43db台)

■騒音の目安

騒音の大きさ 騒音の具体例
60 デシベル 走行中の自動車内
普通の会話
デパート店内
50 デシベル 家庭用エアコンの室外機
静かな事務所の中
40 デシベル 閑静な住宅地の昼
図書館内
30 デシベル 深夜の郊外
鉛筆での執筆音
20 デシベル 木の葉の触れ合う音
雪の降る音

参考:埼玉県深谷市ホームページ「騒音・振動の規制について」

 
アイドル時は無音で静かです。

高負荷な状態では「サーッ」という排気音が大きくなるため、うるさく感じるかもしれません、ただ、パソコンを使っているあいだ高負荷な状態が継続するわけではないので駆動音についてはそれほど気にしなくてもよいと思います。

なお、負荷低減後に排気音が静かになるまでの時間は、モード問わず 3~4分くらいです。(使用環境などの状況により変動します)

 

表面温度のチェック

表面温度については、下記を実施したときの表面温度を測定し評価します。

・アイドル状態で10分放置後

・Youtube 動画 30分間視聴後

・10分間動画のエンコード実行後

※単位:℃、測定時の室温:25℃

※myHP の[パフォーマンスのコントロール]を「バランス」に設定して実施

※写真の左がキーボード表面、右が底面側の計測結果

■アイドル状態で10分放置

アイドル状態で10分放置の表面温度

■Youtube 動画 30分間視聴後

Youtube 動画 30分間視聴後の表面温度

■10分間動画のエンコード実行後

10分間動画エンコード実行後の表面温度

 
高負荷な状態ではキーボード奥 中央寄りの表面温度が高くなるため温かさを感じます。

ただ、パームレストは負荷状態にかかわらず本体内部の熱の影響が少ないので高負荷な状態でタイピングしても不快に感じることはありませんでした。

 

サウンド チェック

Inspiron 16 (5640) のサウンドユーティリティ機能は「My Dell」のオーディオ機能に組み込まれています。

サウンドコンテンツにあわせたプリセットでお好みの音質にチューニングできるほか、オンライン会議で便利なノイズ除去機能も利用できます。

サウンドユーティリティソフト
音質の設定

サウンドユーティリティソフト
音声品質の設定

以下は、実際にサウンドを聴いた印象です。

※プリセット「EQオフ」で試聴

■スピーカー

・低音域が弱いため少しシャカシャカした感じだが、全体的にはまずまずの音質

・音声もはっきり聴き取れる

・音量最大でも音割れしにくい(コンテンツにもよる)

■ヘッドホン

・音域全体が増幅されてメリハリの効いた厚みのあるサウンドを楽しめる

 

Windows の起動・再起動・シャットダウン時間計測

Windows の起動、再起動、シャットダウン時間を それぞれ 5回ずつ計測しました。

起動 再起動 シャットダウン
1回目 18.5秒 38.5秒 9.9秒
2回目 18.6秒 40.3秒 10.2秒
3回目 20.2秒 38.5秒 10.8秒
4回目 20.6秒 37.8秒 9.6秒
5回目 19.0秒 39.9秒 9.7秒
平均 19.4秒 39.0秒 10.0秒

 
起動とシャットダウンは体感的にも早いです。

再起動は処理時間が長いですが、頻繁に行う操作ではないので処理待ちのストレスを感じることはないと思います。

なお、実際の使用にあたってはインストールしているアプリや Windows Update など状態により変動するため参考値としてください。

 

同梱品

Inspiron 16 (5640) の本体ほか付属品一式です。

同梱品一式

同梱品リスト
・Inspiron 16 (5640) 本体
・電源アダプター
・電源コード
・ドキュメント類

 

まとめ

以上、Inspiron 16 (5640) のレビュー記事をお届けしました。

Inspiron 16 (5640) は良好な処理性能にくわえ 16インチサイズながらスリムでデザインもスタイリッシュです。意外に軽くて部屋間の移動もラクにできるのでテレワークや家族の共用マシンとしても最適です。

価格が 10万円台からと入手しやすいところも好印象。

ふだん使いから負荷の高い作業まで快適に使えるコスパ抜群の大画面ノートといえるでしょう。

高評価のポイント

  • 良好な処理性能で快適に使える
  • 16インチサイズでもスリムで意外に軽い
  • スタイリッシュなデザイン
  • WUXGA (1920×1200) の大画面ディスプレイは見やすく使いやすい
  • 価格以上に高性能で高コスパ

気をつけておきたい点

  • HDMIポートの出力可能な最大解像度はフルHD (60Hz)

 
ラインナップモデルや価格などの最新情報はデル直販サイト(デルオンラインストア)をご確認ください。

アイキャッチ

Inspiron 16 (5640)
税込 10万円台から

 

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