富士通『ESPRIMO WD2/A3』の実機レビューです。
『ESPRIMO WD2/A3』は、省スペースにも置けるスリム型デスクトップPC。
高い拡張性でパワフルに使えるモデルです。
実機レビューでは、外観などのデザインや、スペック、本体内部のチェックのほか、各種ベンチマークなどを行います。
(ディスプレイはオプションです)
外観について スペックについて インターフェース 本体内部 キーボード&マウス ベンチマーク 搭載ソフトウェア まとめ |
<参考>
『ESPRIMO WD2/A3』は、富士通直販サイト「WEB MART」にラインナップしているカスタムメイドモデルです。
CPU、メモリ、ストレージ、光学ドライブなど、使い方に合わせたカスタマイズが可能です。
今回レビューを行う実機のスペックについては、「スペックについて」の章を参照してください。
外観について
『ESPRIMO WD2/A3』のカラーは落ち着いた雰囲気のある「ブラック」。フロントパネルにはヘアライン加工が施されており、上質なイメージを感じさせてくれます。
前後左右から見てみます。
正面側
背面側
本体正面に向かって左側
本体正面に向かって右側
本体上面側です。
本体底面側です。
本体底面には、同梱の「フット(設置台)」を取り付けることができます。
フットの突起を本体底面の穴に合わせてネジを締めるだけで取り付けられます。フットを取り付けることで安定性は格段にアップします。
また、『ESPRIMO WD2/A3』は横置きに設置することも可能です。(本体に向かって右側面 四隅にはゴム足がついています。)
本体の大きさのイメージです。比較対象はティシューボックスです。
スペックについて
レビューに使用した実機『ESPRIMO WD2/A3』のスペックです。
OS | Windows10 Home 64ビット版 |
CPU | 第6世代インテル Core i7-6700 プロセッサー |
メモリ | 32GB(8GB×4) DDR4 SDRAM PC4-17000 |
ストレージ | SSD 約1TB |
光学ドライブ | BDXL対応 Blu-ray Discドライブ(スーパーマルチドライブ機能対応) |
グラフィックス | NVIDIA GeForce GTX 745 |
ネットワーク | 1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T準拠、Wakeup on LAN機能対応 |
ワイヤレス | IEEE 802.11a/b/g/n/ac準拠、Bluetooth 4.1準拠 |
本体サイズ(W×D×H) | 縦置き時 ■フット(設置台)を含まない場合:89×343×332mm ■フット(設置台)を含む場合:142×343×347mm |
本体質量 | 約6.8kg |
CPUやメモリなど、ハードウェアの詳細な情報をキャプチャーした結果は次のようになります。
CPU
キャッシュ
メインボード
メモリ
グラフィックス(CPU内蔵)
第6世代インテル Core i7-6700 プロセッサーに、32GBメモリを搭載し、パワフルなスペック構成です。
最近、第7世代(KabyLake)のインテル Core プロセッサーを搭載したパソコンも登場していますが、第6世代(SkyLake)のインテル Core プロセッサーは Windows 10 向けに最適化された最初の CPU です。
また、グラフィックスには、専用グラフィックス「NVIDIA GeForce GTX 745」を搭載、写真や動画編集にくわえ、ゲームなど素早い動きの映像もパフォーマンスが期待できます。
インターフェース
『ESPRIMO WD2/A3』のインターフェースを見てみます。
正面側には、「電源ボタン」、「ディスクアクセスランプ」、「USB3.0コネクタ」「マイク端子」、「ヘッドホン端子」が実装されています。
なお、電源ボタンには LEDが内蔵されており、電源オンするとランプが点灯します。
また、光学ドライブ(レビュー機は Blu-ray Discドライブ)は、Fujitsu ロゴが刻印されているフラップを開けることで DVDなどメディアの装着や取り出しが可能になります。
つぎに、背面側のインターフェースを見てみます。
背面側に実装されているインターフェースは上記画像にもあるように、以下のインターフェースが実装されています。
・インレット(電源コネクター)
・アウトレット(出力用コンセント)
・メインスイッチ
・DVI-Dコネクタ
・DisplayPortコネクタ
・COMポート(RS-232C用シリアルポート)
・USB3.0コネクタ×4
・USB2.0コネクタ×2
・DisplayPortコネクタ
・LANコネクタ
・PS/2 コネクタ×2
・ラインアウト端子
・ラインイン端子
・DVI-Iコネクタ(※1)
・DisplayPortコネクタ×2(※1)
※1 NVIDIA GeForce GTX 745(オプション)実装時。
本体内部
『ESPRIMO WD2/A3』の本体内部を見てみます。
本体を開けるには、横置きにして背面側にある 1本のネジを外した後、本体カバーを前面側にスライドさせれば開けることことができます。ドライバー(ネジ回し)は必要ありません。
本体のゴム足がストッパーの役割を果たしてくれます。本体カバーを開ける際は、ゴム足がすべりにくい場所で作業されるのが良いと思います。
本体内部の全体イメージです。
CPU とメモリです。CPU の熱を放熱してくれるヒートシンクが印象的です。放熱効果はかなり高そうです。
拡張スロットのエリアです。レビュー機には「NVIDIA GeForce GTX 745」が実装されています。空いている拡張スロットは「PCI Express x1」となります。
上段が空きスロット「PCI Express x1」
ドライブ・ベイのエリアです。光学ドライブやストレージの実装スペースになります。
ドライブ・ベイは、下の写真のように赤い矢印の方向にロックを解除すると、ドライブ・ベイのユニットを開くことができます。
ドライブ・ベイ ユニットの正面側
光学ドライブの下側にストレージが実装されています。ストレージのベイは黄緑色のレバーで取り外しが可能なようです。
キーボード&マウス
『ESPRIMO WD2/A3』に同梱されるキーボードとマウスは、標準構成ではUSB有線接続です。
まず、キーボードのレイアウトから見てみます。
キーボードには、傾斜を変えられる折りたたみ式のスタンドがついています。
スタンドを立てたときのキーボードの傾斜です。
なお、スタンドをたたんでいるとき、キーボードはほぼ平らな状態になります。
キーピッチ(キートップの中心から隣りのキートップの中心までの距離)は 約19mm。
キーピッチの測定は、便宜的にキートップの左端を基準にして測定しています。
キーボードに両手を置いたときのイメージです。感覚的にも ちょうど良い感じです。
キーストロークは深めで、シッカリとした打鍵感がありタイピングしやすいです。
続いて、マウス。
マウスは丸みのあって手のひらにフィットします。個人的には扱いやすいです。
キーボードとマウスの全体的な使用感としては、扱いやすい印象です。
ただ、有線接続の場合、デスク上の物にケーブルが引っかかったりするので、個人的にはわずらわしさを感じるときがあります。
キーボードとマウスについては、ワイヤレスへのカスタマイズをおススメしたいところです。
参考までに、『ESPRIMO WD2/A3』でカスタマイズ可能なワイヤレスキーボードとマウスについてもチェックしてみます。
まずは、ワイヤレスキーボードのレイアウトから見てみます。
ワイヤレスキーボードは、キートップが独立したアイソレーションタイプのキーボードです。フレームには光沢感があります。
また、ワイヤレスキーボードにも、傾斜を変えられる折りたたみ式のスタンドがついています。
スタンドを立てたときのキーボードの傾斜です。
こちらも、スタンドをたたんでいるとき、キーボードはほぼ平らな状態になります。
キーピッチは 約19mm です。
キーボードに両手を置いたときのイメージです。
キーストロークは深めで、シッカリとした打鍵感があり、タイプするときのフィーリングも良い感じです。
続いて、ワイヤレスマウス。
ワイヤレスマウスは丸みにくわえ、手のひら全体にフィットするような形状です。より良いフィット感が得られます。
ワイヤレスキーボードとマウスは、タイピングのしやすさや 操作性の良さにくわえ、わずらわしいケーブルがなくデスク上にスッキリと置けるメリットを感じます。
なお、ワイヤレスキーボードとマウスを使うときは、同梱のレシーバーを USBポートに挿し込むだけで使えるようになります。
また、ワイヤレスキーボードとマウスの電源としては、キーボードが単4形乾電池2本、マウスが単3形乾電池1本を使用します。
ベンチマーク
『ESPRIMO WD2/A3』の基本性能や、グラフィック性能、ストレージについての性能を測定します。
基本性能
Windowsに搭載されているシステム評価ツール「WinSATコマンド」によるパソコン性能の測定です。
「WinSAT」による測定は、PCの性能を相対的に数値化して表現したもので、各項目の説明は次のとおりです。
CPUScore | CPU のスコア |
D3DScore | ゲーム用グラフィックスのスコア |
DiskScore | プライマリハードディスクのスコア |
GraphicsScore | グラフィックスのスコア |
MemoryScore | メモリのスコア |
TimeTaken | 前回の評価(「MostRecentAssessment」は直近の評価を表します) |
WinSATAssessmentState | 評価の状態を表す値(1:評価済み、2:要再評価) |
WinSPRLevel | 基本スコア(SPR:System Performance Rating) |
グラフィック性能
「3DMark」「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」、3つのベンチマークソフトを使ってグラフィック性能を測定します。
まず「3DMark」の測定結果です。
3DMark は、「ICE STORM」「CLOUD GATE」「SKY DIVER」「FIRE STRIKE」、4つのシーンの描画の滑らかさをもとにグラフィック性能を測定するソフトで、測定の前にはデモ映像が流されます。
スコアの高さは描画の快適性を表しています。
デモ映像を見た印象としては、「ICE STORM」「CLOUD GATE」「SKY DIVER」ともに、なめらかな描画です。「FIRE STRIKE」では、若干カクカクとした描画もありましたが我慢できるレベルでした。
次が、「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」の測定結果。
最高品質、解像度 1280×720
最高品質、解像度 1920×1080
こちらは、フルHD解像度 1920×1080 の最高品質でも とても快適にプレイできる結果です。
さいごに、「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」の測定結果。
標準品質(デスクトップPC)、解像度 1280×720
高品質(デスクトップPC)、解像度 1280×720
最高品質でも快適にプレイできる結果です。
3つのベンチマークソフトを使ったグラフィック性能の測定結果から、専用グラフィックス「NVIDIA GeForce GTX 745」(オプション)を搭載した『ESPRIMO WD2/A3』のグラフィック性能としては、かなり高いレベルの印象です。
CPU、メモリが高スペックであることが多少なりともスコアに関係しているとはいえ、比較的ヘビーなゲームでも快適にプレイできそうですし、写真や動画編集についても、高度な編集も快適なパフォーマンスが期待できます。
ストレージ
ストレージのベンチマークです。
レビュー機の『ESPRIMO WD2/A3』のストレージには、SAMSUNG製の SSD 1024.2GB(約 1TB)が搭載されています。
ストレージのデータ転送速度は次のようになります。
SSD を搭載していると、データ転送速度の数値が示すとおり、Windows やアプリの起動も高速です。
搭載ソフトウェア
『ESPRIMO WD2/A3』に標準搭載されているソフトウェアは、Windows標準のソフトのほか、富士通オリジナルのサポートソフトやユーティリティーソフト、写真・動画編集ソフト、はがき作成ソフトなど、数多くのソフトウェアがインストールされています。
数多くのソフトウェアがインストールされているときに役立つソフトが「@メニュー」。「@メニュー」は、かなり便利なソフトで、使いたいソフトをかんたんにさがすことができます。
また、パソコンの使い方に困ったときに便利な「富士通アドバイザー」もインストールされています。
まとめ
『ESPRIMO WD2/A3』は、省スペースにも置けるスリム型デスクトップPCです。
スリムタイプながら、性能的にみても、今回のレビュー機はハイスペック構成のとおり、ゲームや、写真・動画の編集も快適に楽しめるパワーを兼ね備えている印象です。
操作性も良く、インターフェースも豊富ですし、高い拡張性も備えています。とくに、拡張する際に本体内部へのアクセスがラクにできるのは大きなアドバンテージです。
総括すると、『ESPRIMO WD2/A3』は、設置性・性能・操作性、そして拡張性にも優れたモデルといえます。
価格やカスタマイズなどの最新情報は、富士通の直販サイト「WEB MART」をチェックしてみてください。
富士通直販 WEB MART 公式サイト ⇒ 『ESPRIMO WD2/A3』 製品詳細 |